いくぞ英雄王――武器の貯蔵は十分か（衛宮士郎『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』）

その証拠というわけではありませんが、『Fate』のなかで最も人気のある、支持率の高い、そして印象的な名言と言えば、やはり衛宮士郎の「いくぞ英雄王――――武器の貯蔵は十分か」になるのではないでしょうか。

これはアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』のクライマックスで士郎が口にする言葉です。
言い放った相手はあらゆる「サーヴァント」のなかでも最強無敵を誇る伝説の英雄王・ギルガメッシュ。
最優の「サーヴァント」であるセイバーすら翻弄するほど絶対的な実力を持っている文字通りの「ラスボス」です。

圧倒的に格上で、ほとんどのサーヴァントたちも絶対に勝てない最上位の存在であるこのギルガメッシュに対し、生身の人間に過ぎない士郎がたったひとりで戦いを挑むという、それだけでも心が燃える場面で、しかもこのセリフ。
まさにこの場面は『Fate』屈指の名場面と言えるかと思います。

この名言の良さは、圧倒的な実力を誇っているはずの英雄王を、ほとんど無力であり、いままでずっと下に見られていた士郎が逆に見下しているところにあります。
いわば、最強であるために傲慢のきわみでもあるギルガメッシュに対し、「傲慢勝ち」しているとも言えるひと言なのです。
まさに何とも言えない巨大なカタルシスがある素晴らしい名言です。

まとめ

当然ながら、これらの他にも『Fate』の名言は数知れません。おそらく、アニメであれ、ゲームであれ、『Fate』シリーズを楽しんだという方なら、だれでも何かひとつ以上はお気に入りの名言を持っていることでしょう。それもまた、『Fate』の魅力のひとつです。

これから『Fate』を楽しまれる方は、これらの名言がどの場面で出てくるか確かめてみてください。こういった「名言力」あっての『Fate』なのです。