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10

Apr

【イエスタデイをうたって】ハル(野中晴)はどうしてここまで一途なのか? 徹底検証

積極的? 臆病? 恋愛が苦手な理由

出典 : ©冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会 : TVアニメ『イエスタデイをうたって』公式サイト

前述したように、ハルは他人の心の動きにとても敏感で、距離感を大事にする女の子です。
それには、彼女の生育歴が大きく影響していると思われます。

ハルは幼少期に親が離婚し、母子家庭で育ちました。
母親はぶっきらぼうですが裏表のない性格で、ハルにとっては良い親だったようです。
ただ、同時に恋多き女性でもあるらしく、結婚と離婚を繰り返しており、そんな彼女にとって自分の存在が足枷になると恐れたのか、10代で一人暮らしを始めました。

このことからもわかるように、ハルは他者から嫌われることを過剰に怖がっているフシがあります。
学生時代も、視力は良い方なのにメガネをかけ、嘘をつき続け、本当の自分を隠して生きていました。
悪意ある嘘をつく訳ではなく、あくまで円滑で浅い人間関係を望み、摩擦のない生き方を望んでいたようです。

彼女のこの生き方は、父親との別れに影響しているように見受けられます。

ハルは父親について「父さんは突然いなくなった」と認識しています。
ただし死別した訳ではなく、居場所も当時から判明していたので、普通の離婚だったようです。
とはいえ、夫婦ゲンカなどの予兆があれば「突然」という表現にはならないので、まだ幼かったハルの見えないところで夫婦仲が冷え切っていたのでしょう。

事実上、父親に捨てられたような形ですが、彼女の中で父親は悪人という訳ではなく、小学生にあがる前には母親に内緒で会い、新しい住所と電話番号も教えてもらっていたようです。
しかし母親の手前、父親の新天地に赴くことはなく、次第に父親の顔も記憶から薄れてしまいます。

それから10年以上が経過し、ふとしたきっかけで彼の住むマンションに行ってみたところ、既に父親は家庭を持っていて、大きな子供もいました。
ハルはその事実に大きなショックを受けてしまいます。
彼女自身はそれを「父さんにゲンソー持ってたんだ」「自分のものがそうじゃなくなった喪失感」と認識していましたが……父親がいた頃の姓を名乗り続けていることから察するに、父親への愛情というよりは、幼少期の思い出を大切に思うあまり手放せずにいるのが実際のところと思われます。

この喪失体験と、大切な家族の思い出を手放せずにいることが、ハルの人格形成に影響を及ぼしたのは間違いありません。
一度抱いてしまった想いがなかなか消えてくれない彼女自身の性格に加え、温かい人間関係を失った辛さを経験したことで、人と深く関わることが怖くなったのでしょう。
実際、リクオと出会うまでのハルは軽い人間不信だったようで、彼氏はもちろん親しい友達もいなかったようです。

そういった理由で恋愛に対しても及び腰になっていたハルですが、火が点くと消えないところも変わらずにいたため、リクオに対しては「片想いの相手がいるから積極的にはなれないけど、忘れることもできない」というジレンマが生じてしまい、なんとも不器用な恋愛をしてしまいました。
そして厄介なことに、リクオも似たような性格で彼女の辛い気持ちを理解することができるため、キッパリとふることができず、一層切ない片想いが続いています。

まとめ

このハルというキャラは、冬目景先生が同時期に手がけていた『羊のうた』というシリアスな漫画の反動で、明るいキャラを描きたいという志向によって生み出されたヒロインです。
当時は「あの羊のうたの作者がこんなによく笑うヒロインを描くなんて!」と驚かれたとか。
でもどこか影があるのは、やっぱり冬目先生のキャラと感じますね。

まさかアニメになって動くハルが見られるとは思いませんでしたが、尖った絵柄でミステリアスな雰囲気だった原作初期と比べると、かなり可愛い方向にシフトしている印象です。
アニメのハルならではの良さを今後もどんどん発揮して欲しいですね!

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