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【まちカドまぞく】のアニメはどうして成功したのか? 検証まとめ
ポンコツまぞくと彼氏系魔法少女という組み合わせ
そんなシャミ子に格別の愛情を注いでいるのが桃。
出会った直後から、まぞくにもかかわらず良い子なシャミ子に対しては好印象を抱いている様子でしたが、ストーリーが進むにつれお互いに独占欲まで出て来るほど相思相愛の関係になっています。
基本的にポンコツだけど家事は一通りできる女子力高めなシャミ子に対し、桃は頭が良くしっかり者だけど私生活は結構ズボラで、出汁の存在を知らないなど世間知らずな一面もあります。
お互いにないものを持っていて、その面をとても尊敬しており、どちらかが一方的に想っているのではなく同等の親愛の情を寄せる間柄。
まさに理想の関係性です。
百合的な観点からまちカドまぞくのファンになった人も、この2人の組み合わせには格別の尊みを感じているようです。
百合界隈では、男前美人な彼氏系女子とほんわか系女子の組み合わせが昔から鉄板。
『ゆるキャン』のリンとなでしこ、『加瀬さんシリーズ』の加瀬さんと山田はこれに該当します。
桃とシャミ子はそういう意味でも理想的な2人で、百合ファンからの支持もヒットの要因の1つと言えるでしょう。
「シャミ子が悪いんだよ」が流行った背景
まちカドまぞくがヒットした理由として、どうしても外せないのが「シャミ子が悪いんだよ」の流行です。
作中のセリフではなくファンアートから広まり、ネットミームと化したのはあまりに有名な話。
同じきららアニメ『ご注文はうさぎですか』のチノの「うるさいですね」、『ひだまりスケッチ』のゆのっちの「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」に続く“本人言ってないシリーズ”として、ファン以外にも知られるほど普及し、「ネット流行語100」niconico賞や「アニメ流行語大賞」銀賞まで受賞しました。
こういったセリフがバズるのは、汎用性の高さに加えファンの寛容さが鍵を握ります。
作中で使われていないセリフを連呼されることで「作品を馬鹿にされている」「○○はそんなこと言わない」と感じるファンや、二次創作に拒否反応を示す人はどの作品にも必ずいます。
その比率が高いと流行る前に沈静化してしまいますが、まちカドまぞくに関してはファンがこのセリフをポジティブに捉え、その結果大きな流行を生み出しました。
「シャミ子が悪いんだよ」という文言が、まちカドまぞくという作品を一言で表している点も無視できません。
シャミ子は一応まぞくなので、一般常識の観点からは悪い方の立ち位置。
元々悪口として使われたセリフではないのですが(桃がシャミ子に迫るシチュエーションから生まれたセリフ)、このセリフが一人歩きして別件のネタで使われた場合でも、原作やシャミ子のキャラクターイメージを大きく損なうものにはならないので、ファンも安心して使えますし、嫌な思いをする人も滅多にいません。
文言だけを見るとなんてことない内容に思えますが、実は様々な面で流行りやすさを内包したセリフなのです!
まとめ
まちカドまぞくは受け入れ幅がとても広い作品で、ほんわかした日常アニメが好きな人も、人間ドラマを好む人も、センス溢れる掛け合いを好む人も、女の子同士のイチャイチャが好きな人も、みんな楽しめるお話です。
毎巻、前半は日常もので後半にストーリーが大きく動くという構成になっているので、バランスをとても大事にしている印象ですね。
アニメ版はとても丁寧に作られていて、細かいところで色々追加していますが作品の雰囲気は一切損なわれておらず、とても完成度の高い映像化でした。
特に1期ラストをあのシーンで締め括るのは原作ファンの誰も想像していなかったと思います。
もし2期が作られるのなら、スタッフ陣はぜひ1期の面々にお願いしたいですね!