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アイマス、ナナシス、アイナナ、Mマス……アイドル育成ゲームのアニメに求められるのは何? 徹底考察
出典 : Amazon.co.jp
2020年もナナシスやアイナナの新アニメなど、アイドル育成ゲームのアニメ化が続々と行われます。
そこで今回、アイドル育成ゲームのアニメに求められているものは何かを徹底考察します!
ゲームを再現するだけがアニメじゃない!?
アイドル育成ゲームのアニメ化とアイドルプロジェクトは違う?
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アイドルアニメは主に、漫画やゲームなど明確な原作のある「原作有アニメ」、当初からアニメのみ制作された「オリジナルアニメ」、メディアミックスプロジェクトの一環として立ち上げられる「アイドルプロジェクトアニメ」の3つに分けられます。
原作有アニメは当初アニメ化の予定はなく、人気が出たことでアニメ化した作品です。
一方、後の2つは最初からアニメありきでスタートした作品ですね。
ただ、これら3つのケースに明確な境界はありません。
アニメ化企画やメディアミックスがどの段階で発足したのかは、外から見ている人間にはわからないからです。
そのため、プロデューサーやスタッフなど制作サイドの方々による証言やアニメ化のタイミングで判断するしかありません。
その点を踏まえた上で、カテゴリー別に各作品を分けてみます。
原作有アニメ
アイドルマスターシリーズ(アイマス、デレマス、シャニマス、Mマス …etc)
プリティーリズムシリーズ
Tokyo 7th シスターズ(ナナシス)
WHITE ALBUMシリーズ
推しが武道館いってくれたら死ぬ
きらりん☆レボリューション
普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。
ミリオンドール
満月をさがして
音楽少女
ミス・モノクローム
うたの☆プリンスさまっ♪(うたプリ)
アイドリッシュセブン(アイナナ)
あんさんぶるスターズ!(あんスタ)
ツキノ芸能プロダクション(ツキプロ)
少年ハリウッド
オリジナルアニメ
ゾンビランドサガ
Wake Up, Girls!
アイドルメモリーズ
AKB0048
アイドル天使ようこそようこ
魔法の天使 クリィミーマミ
KING OF PRISM
アイドルプロジェクトアニメ
ラブライブシリーズ(μ’s、Aqours、虹ヶ咲)
アイカツ!
プリパラシリーズ/キラッとプリ☆チャン
Re:ステージ!
アイドル事変
22/7
B-PROJECT
ドリフェス!
これらのカテゴリー分けには重要な意味があります。
それぞれ、アニメに求められるものが異なるからです。
また、同じ原作有アニメであっても、原作の媒体によってやはり求められるものが違ってきます。
ここからは、各カテゴリーにおいて重要視される点を考察していきます。
アイドル育成ゲーム原作アニメは「育成」より「関係性」「世界観」が大事?
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まずオリジナルアニメですが、これは非常に明確で、アイドル以外のオリジナルアニメとほぼ同じです。
もちろんアイドルアニメが好きな人が視聴者のメインとなりますが、その層もアニメで初めて該当作品に触れるので、予備知識はほとんどありません。
よって、ストーリーやキャラクター、キャラデザや作画の安定、アクションシーン(ダンス等)の動きなど、通常のアニメと同じような点が重視されます。
それに対し、漫画原作アニメの場合は原作ファンが視聴者のメイン層となります。
よって「原作を忠実に再現できているか」「原作の雰囲気を壊していないか」といった点が重要視されることになります。
これも、普通のアニメと同じですね。
一方、メディアミックスプロジェクトの場合は少し複雑です。
『ラブライブ』のように、最初は雑誌から展開し、アイドルグループおよび曲先行で展開していくケースの場合、アニメ放送前から一定数のファンには作品に対するイメージが生まれています。
とはいえ漫画原作ほどイメージが固定化されていない上、プロジェクト発足直後はファン自体がそう多くないので、先行した媒体の設定や印象との食い違いはそこまで問題視されません。
そのため、求められるものはオリジナルアニメに近いと推察されます。
そして、ゲーム原作アニメ、特にアイドル育成ゲームを原作としたアニメの場合は更に複雑になってきます。
アイドル育成ゲームは文字通りアイドルを育成することを主目的としたゲームですが、実際のところ、育成を第一に考えてプレイする人の割合はそう多くありません。
プロデューサーやマネージャーの立場でアイドルをプロデュースしたいという人も当然いますが、それ以上に「好きなアイドルと接していたい」「アイドル同士の掛け合いや関係性を見たい」「楽曲を含むゲームの世界観に浸りたい」という人が多い印象です。
よって、アニメに関しても育成面、すなわち「外部指導による成長」という部分はそこまで重要視はされません。
それよりもメンバー同士で高め合って行く姿やライブシーンの描写にファンは熱狂するのです。
特にライブシーンは、単に動きや振り付けだけでなく、どの曲で誰にスポットを当てるか、どんな演出を用意するか等が大事で、この点においてはゲームの世界観を反映させることが強く求められます。
また、ゲーム原作アニメの場合、主人公の立ち位置の問題もあります。
ゲームは主人公=プレイヤーという前提で作られているので、アニメで独立したキャラとして登場させる場合、原作ファンに違和感を与えてしまう可能性があります。
下手に主人公のキャラに味付けしてしまうと、それこそ世界観が壊れかねません。
アイドル育成ゲームの場合、前述したように「自分がアイドルを育成したい」というプレイヤーはそう多くないため、主人公に自分を投影する人もあまりいない印象です。
よってアニメでも、主役はあくまでアイドルであり、ゲームの主人公は「大勢のアイドルと関わりストーリーを繋ぐための舞台装置」として登場することが望まれ、実際そのような立ち位置で登場させているアイドルアニメが多いように思われます。