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映画ドラえもんの最高傑作はどれ? 50周年を記念して徹底検証!
動員数1位は『宝島』
出典 : Amazon.co.jp
その映画に人気があるかどうかを図る上で最も一般的な指標は、興行収入です。
ただ40年も続く映画シリーズともなると、過去作と近年の作品を比較するのも簡単ではありません。
前述したように、初期と現在とでは鑑賞料金が異なるため、興行収入の比較だと正確な人気の推移は測れないのです。
そこで、どの映画ドラが人気なのかを示す一つの資料として、動員数のランキングを見ていきます。
映画ドラえもん 動員数ランキングTOP10
1位 470万人 のび太の宝島(2018)
2位 440万人 のび太の月面探査記(2019)
3位 420万人 のび太の日本誕生(1989)
4位 400万人 のび太の南海大冒険(1998)
5位 395万人 のび太の宇宙漂流記(1999)
6位 390万人 のび太のねじ巻き都市冒険記(1997)
7位 390万人 のび太の南極カチコチ大冒険(2017)
8位 380万人 のび太とアニマル惑星(1990)
9位 365万人 のび太のひみつ道具博物館(2013)
10位 363万人 新・のび太の日本誕生(2016)
※『STAND BY ME ドラえもん』などシリーズ作以外の映画は除外
動員数1位は、2018年に公開された『のび太の宝島』です。
長らく破ることができなかった『のび太の日本誕生』の記録を29年ぶりに更新し、興行収入も初の50億円突破を記録しました。
本作は海洋冒険小説「宝島」をモチーフにしたオリジナル作品で、主題歌を星野源さん、脚本を『君の名は。』のプロデューサー、川村元気さんが担当したことでも話題になり、これまでにない風を吹かせることに成功した意欲作です。
2位はその翌年公開の『月面探査記』。
29年もの間、映画ドラの最高動員数を保持していた『日本誕生』は3位となっています。
声優交代前の1期ドラが5作品、交代後の2期ドラも5作品でちょうど半々なのが大きな特徴です。
声優の交代については色々と言われましたが、この結果を見る限りでは世代交代が上手くいき、更に幅広いファン層を得た印象を受けます。
最もファンの評価が高いのは『鉄人兵団』
出典 : Amazon.co.jp
映画ドラの人気投票やレビューを行っている複数のサイトの結果をもとに、独自の集計で映画ドラの人気ランキングTOP10を制作してみました。
映画ドラえもん 人気ランキングTOP10
1位:64pt のび太と鉄人兵団
2位:52pt のび太の日本誕生
3位:42pt のび太と雲の王国
4位:35pt のび太の海底鬼岩城
5位:32pt 新・のび太と鉄人兵団
6位:28pt のび太の恐竜
7位:22pt のび太の月面探査記
8位:20pt のび太の魔界大冒険
8位:20pt のび太の宇宙小戦争
8位:20pt のび太と銀河超特急
8位:20pt のび太のワンニャン時空伝
このランキングは、以下の各投票・アンケートの結果について1位=10pt、2位=9pt …… 10位=1ptと換算し、算出された合計ポイントからTOP10を決定したものです。
参考資料
・「Yahoo!映画」のレビュー採点TOP10
・「映画.com」のレビュー採点TOP10
・「Filmarks」のレビュー採点TOP10
・アニメイトタイムズ「みんなが選ぶ『映画ドラえもん』ランキングTOP10」
・gooランキング「ドラえもん映画で一番感動した作品ランキング」
・BookLive!「書店員が選ぶ『大長編ドラえもん』ランキング」
・ユニテン「劇場版『ドラえもん』人気映画作品ランキング」
・ガジェット通信「『好きな大長編ドラえもん映画』ランキング」
総合1位は7作目の『鉄人兵団』でした。
あらゆるレビューサイトで高評価を獲得しており、最高傑作に推す人もかなりの人数に上ります。
リメイク作の『新・のび太と鉄人兵団』も5位に入っていて、幅広い世代に人気を得ており、ダントツと言える結果です。
2位は10作目の『日本誕生』。
長らく動員数1位を守り続けていた作品ですが、評価も非常に高く、映画ドラを代表する作品になっています。
3位は13作目の『雲の王国』。
実は原作連載時、F先生の体調不良によってラスト2回がコロコロに掲載されず、代わりに藤子プロのスタッフによるイラストストーリーが掲載されていました。
そのため、原作漫画を読んでいたファンは映画の終盤が映像化されたことで、新鮮な気持ちで観られたようです。
4位の『海底鬼岩城』は前述したように映画ドラ史上最も観客動員が少ない作品ですが、このように評価はかなり高く、動員数や興行収入と実人気が必ずしも一致していないことを証明しています。
高評価作品の上位に共通しているのは、ストーリーが感動的な点です。
よりドラマティックな物語に人気が集中している印象ですね。
これが映画ドラの大きな持ち味と言えます。
ただ、唯一近年の作品でランクインした『月面探査記』も感動するシーンはあるものの、それが一番の売りという訳ではありません。
ドラえもんはひみつ道具に代表されるように、想像力やワクワク感を掻き立てられるところが大きな魅力。
「これからどんな展開が待っているんだろう」というドキドキ・ハラハラが大きな作品が人気を得ているように感じられます。
まとめ
動員数で記録を作った『宝島』の評価がそれほど高くないのは意外ですね。
逆に『鉄人兵団』は圧倒的支持がある一方、公開時の動員はそれほど多くはありません。
ゲストヒロインのリルルが消えてしまう美しくも悲しい結末が、当時の子供にとっては辛すぎたのかもしれませんね。
総合的には、実績と人気の両方を兼ねていて、リメイク版の動員も好調だった『日本誕生』が最高傑作に最も近いと言えるでしょう。
とはいえ、これはあくまで客観的な評価。
本当の最高傑作は、それぞれの心の中にあるはずです。