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23

May

日常アニメ『あんハピ♪』の根強い人気を検証! ゆるふわな世界観に潜む哲学とは!? #あんハピ

ノーマルな日常モノの皮を被ったカオスなアニメ

出典 : Amazon.co.jp

『あんハピ♪』は琴慈先生が2013年より連載しているマンガ作品で、2016年4月~6月には大沼心監督&SILVER LINK.制作によりテレビアニメ化も行われました。
掲載誌は『ゆるキャン△』と同じまんがタイムきららフォワード。
この雑誌はきらら系でもやや特殊な位置付けで、『夢喰いメリー』や『がっこうぐらし!』など、普通の日常モノとは少し違う作風のマンガが連載されていることでも知られています。

『あんハピ』もその尖った掲載誌ならではの作品で、一見するとよくある“ゆるふわ系”日常モノのようですが、その中にはちょっと違った要素が見え隠れしています。
その要素が、本作の根強い人気を支えていると言っても過言ではないでしょう。

可愛い少女たちが抱える闇と光

『あんハピ』に登場するメインキャラクター、花小泉杏(はなこいずみ あん/通称:はなこ)、雲雀丘瑠璃(ひばりがおか るり)、久米川牡丹(くめがわ ぼたん)、萩生響(はぎゅう ひびき)、江古田蓮(えこだ れん)の5人はいずれも特異な性質の持ち主です。
はなこはあらゆる事象についてトラブルを呼び込む「不運」、瑠璃は成就しようのない相手(工事現場の看板)を好きになってしまった「悲恋」、牡丹は握手しただけで骨折するほど身体が弱い「不健康」、響は登校に3時間はかかってしまう「方向音痴」、蓮は人間・動物を問わずあらゆるメスを惹き付けてしまう「女難」といった不幸タイプを抱えています。

これが単なる作品としての設定なのか、それとも何かしらの理由があってこうなっているのかは作中では語られていません。
ただ、彼女たちはこれらの不幸にもめげず、苦労しつつも楽しい学校生活を送っています。

これらの闇と光が、各キャラクターをより魅力的に輝かせているのでしょう。

天之御船学園と幸福クラスの謎と哲学

はなこ達が通う天之御船学園には、不幸な生徒だけを集めた1年7組、通称「幸福クラス」が存在します。
当然、はなこ達は全員その幸福クラスに配属されるのですが、このクラスでは幸福(しあわせ)になるために様々な課外授業が行われます。
専用の施設まで作っての授業で、相当な力の入れようです。

天之御船学園はこの幸福クラスの他に勉学・スポーツの特進クラスがそれぞれあり、優秀な生徒が集っています。
にもかかわらず、学園は幸福クラスを重要視しているようです。

何故幸福クラスが存在するのか、どういった目的なのかはアニメの1~12話内では明かされません。
単純に原作でまだ謎が明かされていないというのが最たる理由ですが、それによってアニメ『あんハピ』は多くの謎を残した作品になりました。

これが却って、作品の独自性を高める結果になったのではないでしょうか。

「不幸体質を背負った生徒たちを幸せにする為の授業」は、果たして正義なのか。
「運を本人の持つ能力や評価と関連すべきなのか」
「努力してきたのに報われない生徒たちと、不運によって人生がままならない生徒たちはどちらが不幸なのか」

こういった哲学めいたテーマを、本作は内包しています。

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