『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』

出典 : Amazon.co.jp

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』はテレビシリーズとは異なる終わり方が待っており、『仮面ライダージオウ』真の最終回とも言える映画です。
前作『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』以上に平成ライダーとは？という部分が描かれており、制作側の思いがこれでもかというほど詰め込まれています。『仮面ライダージオウ』の終わりであると同時に20作続いた平成ライダーの終わりとなる映画です。
『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』で随所に込められた制作陣の思い。ここでは下記2つのポイントに着目し、制作陣の平成ライダーに対する思いについて考察します。

考察①：敵キャラクターの名前に込められた秘密

出典 : Amazon.co.jp

本作でジオウの前に立ちはだかる歴史の管理者クォーツァー。
クォーツァーのメンバーはそれぞれバルクス・ゾンジス・ザモナスという3人の仮面ライダーに変身しますが、この3人の仮面ライダーの名前にはある秘密が隠されています。それは「平成ライダーに選ばれなかったライダーがモチーフ」ということ。
下記の仮面ライダーは放送時期は平成であるものの、平成ライダーとしてカウントされない、いわゆるはみ出しもの。

・仮面ライダーBLACK RX
・仮面ライダーシン
・仮面ライダーZO
・仮面ライダーJ
・仮面ライダーアマゾンズ

そんな彼らも平成を生き抜いた仮面ライダーとして確かに存在したと表明するため、今回の敵のモチーフとなっているのです。

・仮面ライダーバルクス
バルクスのモチーフは「BLACK RX」です。
「BLACK RX」をアナグラムにすると「BARLCKX」にすることができ、バルクスとなります。

・仮面ライダーゾンジス
ゾンジスのモチーフは「シン・ZO・J」の3人の仮面ライダー。
「SIN・ZO・J」をアナグラムにすると「ZONJIS」にすることができ、ゾンジスとなります。

・仮面ライダーザモナス
ザモナスのモチーフは「アマゾンズ」です。
「AMAZONS」をアナグラムにすると「ZAMONAS」にすることができ、ザモナスとなります。

名前だけでなくデザインもモチーフになった仮面ライダーを連想させる箇所がちらほら。
どんな部分が似ているのか改めて確認してみてください。

考察②：クォーツァーは批判意見の象徴

出典 : Amazon.co.jp

クォーツァーの目的は「平成ライダーを美しい形に揃えること」です。
クォーツァー曰く、設定やモチーフがバラバラで統一感がなく美しくない平成ライダー。バラバラで美しくないという意見はこれまで平成ライダーが何度も言われてきたこと。
クォーツァーを批判意見の象徴として悪役にしてジオウが打ち倒すという構図には、「平成ライダーは批判に負けない」という強いメッセージが込められています。
確かに批判的な目で見ると平成ライダーは「仮面ライダー」という肩書き以外の部分は全く統一感がありません。
新しい流行を生み出そうと常にチャレンジを続けてきた平成ライダー。設定やモチーフがバラバラでも平和のために戦うという目的は変わりません。
「不揃いでもチャレンジを続けるのが平成ライダーだ！」というのが平成ライダーとは？という疑問に対する制作陣の回答なのです。

まとめ

今回は『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』と『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』の2つの映画の内容をまとめ、制作陣が込めたメッセージを考察しました。
最後の平成ライダーの映画ということもあり、これまでの仮面ライダー映画よりも気合いの入った内容になっている2作品。
『仮面ライダージオウ』は考察ポイントが多いため、何度も見返して自分なりの考察をするのも楽しみの1つです。この機会にテレビシリーズや映画を見返すことをおすすめします。