怪盗キッドの活躍

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『探偵たちの鎮魂歌』では、探偵だけでなく怪盗キッドも絡んできます。何者かに命を狙われるキッドも、小五郎たちが解決を依頼された事件に関与しているのです。

作中の序盤で一度姿を見せたキッドですが、基本的にキッドは「キッド」としてコナンと絡むことはありません。
しかし、実はコナンと服部と行動を共にしていた白馬探は、怪盗キッドによる変装であり、白馬としてはコナンたちとやりとりしています。
白馬に扮したキッドは、自分もコナンや服部と同じ立場だと彼らに信じさせるために、VIP枠でミラクルランドに来ていた園子から爆弾のついていないフリーパスIDをくすねて身に着けていました。

その証拠に、終盤では園子が無くしたと思っていたフリーパスIDを見つけるのですが、そこにはなぜか黄色いペンキがついています。それはキッドが白馬として行動していた際に付着したもので、見ている人はここではっとするわけですね。

刑事たちは蘭たちのフリーパスIDを回収しますが、そのとき園子のものも爆弾付きだと勘違いして回収していきます。それによって、この作品最後のピンチが訪れるのです。

最後に一度だけ運行してくれるというスーパースネークに乗ったコナンたち。しかし、何と元太がIDを返さず腕につけていたことが発覚します。園子のものを誤って回収したので、刑事たちは全部回収したと勘違いしてしまったのです。

事の重大さに気付いた灰原、服部、コナンが何とかしようとしますが、元太の腕から外したIDは風によってコースターの誰も乗っていない後部の座席に引っかかってしまいます。

万事休すかと思われたそのときやってくるのが、怪盗キッドです。颯爽と現れてIDを掴み、空中へと放り投げてくれました。

このときのキッドの登場のタイミングと格好良さはちょっと反則級です。
見事に美味しいところを持っていきました。

魅力的な小五郎

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憎まれ役を演じる姿

『探偵たちの鎮魂歌』では、普段間違った推理や眠らされることが多い小五郎の魅力的な面にも注目です。

たとえば、監視カメラで小五郎たちが警察と一緒にいるところを見た依頼人が、あらかじめ仕掛けておいた爆弾によって横溝重悟警部に怪我を負わせたとき。小五郎はこれ以上被害を出さないため、そして蘭と子どもたちの安全を確保するために、「避けれないなんて情けない」「迷惑だ」と言い放って警察と喧嘩別れしたように見せかけ、メモで自分たちが置かれた状況を伝え蘭たちの警護を頼みました。

ちゃらんぽらんなところもありますが、小五郎は正義感と良識を持ち合わせた男です。卑劣な依頼人に対する怒りや横溝への心配をこらえて目暮警部に突っかかったであろう小五郎のことを考えると、その格好良さにグッときます。

英理とのやりとり

さらに小五郎関連で注目したいのは、別居中の妻・英理とのやりとりです。
コナンや服部と別れて事件を調査していましたが、行き詰ってしまった小五郎。そんな彼が連絡をとったのが、妻の英理でした。小五郎は事件の詳細を英理に調べてほしいと頼むと同時に、「俺にこの事件を解けると思うか」と尋ねます。

小五郎と英理は別居中で、互いのことを愛していますが会えば何かと喧嘩が絶えない夫婦です。しかしこのときは、英理は小五郎の頼みをすぐさま聞き入れ、弱音を漏らす小五郎に優しく喝を入れています。英理の言葉を聞いた小五郎も笑顔になって事件の調査を再開。

時間的には短い会話ですが、良い夫婦だと感じさせてくれるシーンです。

警視庁の面々や阿笠博士の格好良さ

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『探偵たちの鎮魂歌』では、おなじみの警視庁の面々も勢ぞろいです。目暮警部や白鳥警部、神奈川県警の横溝警部の他、高木と佐藤のミラクルランドでデートしている貴重なオフを垣間見ることもできます。千葉刑事や宮本由美（台詞無し）も登場しています。

特に、ひったくりの男が警察とは知らず近くに居た私服姿の佐藤を人質にしてしまい、佐藤が男にジャーマンスープレックスをかけるシーンは痛快です。

また、蘭たちのフリーパスIDが爆発するまで残り僅かとなったとき、目暮警部を始めとした警視庁の面々や阿笠博士は、爆発することを承知の上で蘭たちと同じ空間に居ました。「子ども達だけにしておくわけにはいかない」という阿笠博士の言葉、死ぬときは一緒だという大人たちの覚悟がかっこいいです。