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27

Mar

【治癒魔法の間違った使い方】回復職の概念を覆される異世界ファンタジー

出展 : Amazon.co.jp

小説家になろうに投稿された人気WEB小説で、書籍化およびコミカライズも行われている『治癒魔法の間違った使い方』をピックアップ!
治癒魔法を使用する回復職の常識をスルーした体育会系な異世界ファンタジーの魅力についてまとめました!

回復職は後方支援にあらず

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『治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~』は、くろかた先生(著者)・KeG先生(イラスト)がMFブックスより刊行しているライトノベル作品です。

MFブックスは2013年に設立されたKADOKAWAのブランド「メディアファクトリー」のラノベレーベルですね。
MF文庫Jはオリジナル作品を主に扱っているのに対し、MFブックスは小説投稿サイト「小説家になろう」の書籍化を中心に行っていて、大判(B6版)サイズで刊行している点も特徴です。

『治癒魔法の間違った使い方』もなろう発のノベル作品で、2014年に連載をスタート。
2015年には「第2回ライト文芸新人賞MFブックス部門」で佳作を受賞し、2016年より書籍化が行われました。
2019年4月25日に第10巻が発売されるなど、ロングラン作品となっています。

メディアミックスも行われており、2017年より月刊コンプエースでコミカライズを開始。
2018年には8.5巻としてドラマCDブックレットもリリースされました。

そんな本作の舞台となるのは、魔王が復活し勢力を拡大させている異世界の一国「リングル王国」です。
2年前に襲撃を受けた際にはかろうじて撃退したものの、次はどうなるかわからないと危機感を募らせた国王が禁忌の術「勇者召還」を行使した結果、現代の日本に住んでいた主人公の少年“ウサト”こと兎里健(うさと けん)も異世界へと呼び出されます。

しかしウサトはどうも招かれた人材ではなかった模様。
勇者として召還されたのは、文武両道&才色兼備の美少女生徒会会長“スズネ”こと犬上鈴音(いぬがみ すずね)、容姿も性格もイケメンの副会長“カズキ”こと龍泉一樹(りゅうせん かずき)の二人で、ウサトは彼らが召還される寸前に学校でたまたま仲良くなったため、巻き込まれる形で異世界へ旅立ってしまいました。

勇者ではない一般人のウサトは適性検査の結果、「治癒系」の素養があると判明します。
治癒系の適性は希有であり、応急レベル以上の治癒魔法を扱える数少ない人材として魔王打倒に貢献できる……はずですが、その報告を聞いた国王の顔色は優れません。
国王が懸念していたのは、救命団の団長ローズの存在でした。

かつて魔王軍の撃退に多大な貢献をしたローズは、治癒魔法のエキスパートでありながら並の騎士では歯が立たないほどの戦闘力を持った女性
そして彼女は、多くの新人が逃げ出す地獄の訓練によって人並み外れた肉体と戦闘力を身に付けた治癒魔法使いを育てる変わり者だったのです。

本作は「回復職は後方支援」という多くの人が持っている先入観・固定観念を覆す異世界ファンタジーです。

体育会系にシフトする主人公

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治癒魔法使いの卵を欲していたローズから半ば拉致される形で救命団へと加入したウサトは、拷問に近い訓練の日々を送ります。
しかも肉体的な痛みは治癒魔法で消し去ることができるため、ほぼノンストップによる過酷な訓練を強いられるという地獄。
半ば洗脳に近い状態で、ウサトはローズから肉体も精神も染められていきます

その結果、誕生したのは近距離パワー型治癒魔法使いの主人公。
鍛え抜かれた肉体と強靱な足腰による高い敏捷性によって、パワーとスピードを兼ね備えた肉弾戦のスペシャリストとなったのです。

しかも自分の負傷を自分の魔法で癒やせるため、敵の強力な攻撃で身体を損傷しながらの反撃も可能。
また「傷を受けることでそのダメージを相手に反転させる」能力を持った相手に対し、治癒魔法をまとった攻撃で反転の条件を無効化するなど、回復以外の目的でも治癒魔法を活用し、勇者の二人に勝るとも劣らない活躍を見せます。

そんな一風変わった存在となったウサトですが、彼の変化は能力や筋力だけではありません
ローズとの奇妙な師弟関係によって思考が彼女に似てきた(毒された)こと、心身ともにタフになり自信がついたことなどが複合的に作用したのか、当初の平凡な少年の面影は消え、敵や理不尽な事をする者に対してやたら威圧的な態度に出るようになります。

その勢いとノリはまさに体育会系
従来の回復役のイメージとは真逆の方向に突っ走っています。

そんなウサトの色んな意味での成長が、本作の見所の一つです。

また、なろう系ラノベでは珍しく本作は恋愛やお色気といった要素がほぼありません
しかし可愛い女性キャラは複数登場します

スズネは登場当初こそ完璧美少女と思われるキャラでしたが、実は「異世界」「魔法」「勇者」といったワードに高揚する筋金入りのオタク気質
異世界召還の際に「キタッ!!」と歓喜し、自分の適性が雷属性だと知り嬉しがる残念美人です。

ケモミミ少女アマコは未来を予知できる「予知魔法」の使い手。
こちらはかなりまともな性格ですね。
アマコの友人・リンカケモミミ少女で、何気にケモノ娘率が高い作品でもあります。

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