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22

Jan

【虚構推理】アニメ化記念! コミカライズも絶好調の“ミステリっぽくない怪異ミステリ”についてまとめてみた #虚構推理

出展 : ©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会 : アニメ「虚構推理」公式サイト

少年マガジンRでのコミカライズも好評を博している人気作品『虚構推理』アニメ化を記念して、本作についてまとめました!
「ミステリだけどミステリっぽくない」と言われている本作の魅力やタイトルの意味など、アニメの予習に最適な情報をお届けします!

『スパイラル』『絶園のテンペスト』の原作者・城平京の新たな代表作

出展 : Amazon.co.jp

『虚構推理』は、城平京先生が2011年に刊行している小説シリーズです。
城平先生は推理小説家ですがマンガ原作者としても知られており、1999年~2005年に月刊少年ガンガンで連載されアニメ化も果たした『スパイラル ~推理の絆~』、同誌で2009年~2013年に連載され同じくアニメ化された『絶園のテンペスト』などを手がけている方ですね。

本作のシリーズ1作目は、清原紘先生がカバーイラストを手掛け2011年に講談社ノベルスより刊行された『虚構推理 鋼人七瀬』
全1巻で構成されたこの小説は、第12回本格ミステリ大賞を受賞するなど高い評価を得る一方、推理小説の基本的構造を意図的に破った設定とギミックが物議を醸し「ミステリと呼んで良いのか」という議論を巻き起こしました。

その後、片瀬茶柴先生の作画によるコミカライズが行われ、少年マガジンRで2017年まで連載されました。
このコミカライズ版が非常に好評だったため、続編の制作およびコミカライズの継続が発表され、更にテレビアニメ化も決定。
城平先生が執筆した続編『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』は講談社タイガから発売され、イラストは片瀬先生が担当しています。

そんな一風変わった経緯でアニメ化まで至った本作ですが、内容はミステリとしては更に風変わりな作品です。

タイトル「虚構推理」の意味は?

出展 : Amazon.co.jp

『虚構推理 鋼人七瀬』(コミカライズ的には鋼人七瀬編)は、通常のミステリとは明らかに異なる構成になっています。
というのも、本作は「真相を解き明かす」という前提が存在していないのです。
本作には「読者に推理させる」という要素はありますが、その推理要素は従来の推理小説とは一線を画しており、そこにはタイトルである「虚構推理」の意味も関係してきます。

作品内で発生する事件は「鋼人七瀬(こうじんななせ)という、かつて鉄骨に頭部を潰され事故死したアイドル・七瀬かりん(ななせ かりん)の姿をした存在が夜間に出没し、鉄骨で人間を襲っている」というもの。
主人公の岩永琴子(いわなが ことこ)、その恋人の桜川九郎(さくらがわ くろう)、九郎の元恋人で警察官の弓原紗季(ゆみはら さき)は調査と考証を重ね、比較的早い段階で「鋼人七瀬は実在せず、インターネット上のまとめサイトの閲覧者たちが想像を膨らませたことで生まれた“想像力の怪物”」という真相に辿り着きます。
いわゆる怪異ですね。

ではこの怪異という要素が従来の推理小説と異なる点かというと……そうではありません。
むしろこの両者は遥か昔から「怪異ミステリ」として定着している鉄板の組み合わせなのです。

この作品を異質のミステリにしている要因は、九郎の能力です。

本作では琴子と九郎も怪異によって真っ当な人間ではない存在になっていますが、九郎は幼少期に「くだん」という妖怪の肉を食べたことで「望む未来をつかめる能力」を有しています。
ただしこの能力には制限があり、自分が実現できる可能性が十分にある未来でなければつかめません。
極端に言えば「50%くらいの確率で成功できることを100%にできる能力」といった感じです。

鋼人七瀬は実在しない存在なので、捕まえて事件解決とはいきません。
この事件を解決するためには「鋼人七瀬など存在しない」と大多数の閲覧者たちに思わせ、鋼人七瀬という怪異の存在方法自体を消滅させる必要があります。

ですが、なんの発展もない段階で「鋼人七瀬を閲覧者たちが信じなくなる未来」をつかもうとしても、実現する可能性が低すぎて無理。
そこで、琴子は「鋼人七瀬など本当はこの世におらず、事件の真犯人は別にいる」閲覧者たちに信じ込ませることで実現する可能性を引き上げ、事件解決を目指します。
その為には「鋼人七瀬がいないという説の方が面白い」と思わせるようなエピソードを用意し、それをまとめサイトに書き込む必要があります。

無論、信憑性のない説では相手にもされないでしょう。
簡単にバレる嘘を混ぜても、後になってそれが露見した際に「やっぱり鋼人七瀬不在説は嘘だった! 本当にいるんだ!」という風潮になってしまい、鋼人七瀬を信じる人がより増えることになりかねません。

「真犯人は鋼人七瀬ではない」という虚構を、事件に関する情報を使って如何に合理的であるように見せかけ、魅惑的なエピソードに仕立てて信じ込ませるか。
琴子はその難題に対し「四つの解決を組み立てました」と宣言。
4種類の解決方法を導き出したのです。

つまり、読者の推理要素とは「琴子がどのような説を思いついたのか」「どの説が実際に鋼人七瀬を消滅させたのか」といった点。
まさに『虚構推理』ですね。

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