東京オリンピックでも見られる「射撃」を扱ったパイオニア作品

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美少女×銃器の組み合わせは決して珍しくありません。
『ガンスリンガーガール』や『BLACK LAGOON』など数多くの作品で見られます。
1981年公開の実写映画『セーラー服と機関銃』の大ヒット以降、この組み合わせはギャップ萌えの極地として定番化しています。

また、銃器そのものが作品のテーマになっている日常系のアニメも前例があります。
サバイバルゲームを題材とした『特例措置団体ステラ女学院高等科C3部』や『さばげぶっ！』、銃器の擬人化をテーマにした『うぽって!!』などがそうです。

なので、美少女×銃器という組み合わせ自体は決して珍しくないのですが、射撃部を題材として扱ったアニメはこれまで1作もありません。
それどころか、射撃という種目を扱う作品自体がほとんどなく、ライフル・イズ・ビューティフルが唯一と言ってもいいくらいです。

バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』の2018年4月25日に放送された回の中に「どんなマイナースポーツも1度は漫画化されてる説」というコーナーがあり、射撃もマイナー競技の1つとして検証され、そこでライフル・イズ・ビューティフルが紹介されていました。
少なくとも本作が射撃を題材とする作品の代表であることは間違いないでしょう。

そのため、本作にはライフル射撃に携わる関係者からも熱い視線が送られており、全国高等学校ライフル射撃競技選手権大会のオフィシャルグッズや全日本ビームライフル射撃大会のポスターに本作のキャラが使用され、単行本のあとがきにスペシャルサンクスとして「（公社）日本ライフル射撃協会」の名前が連なるなど、射撃業界全体が本作を応援している印象です。

更にその後、ライフル・イズ・ビューティフルのキャラはアジアエアガン選手権の公式ポスターに採用され、国際スポーツ競技大会デビューまで果たします。
また、2020年開催の東京五輪・パラリンピック大会で射撃競技を行う陸上自衛隊朝霞訓練場がある新座市、朝霞市、和光市の3市の広報紙に本作の描き下ろしマンガが掲載されるなど、オリンピックに関連した露出も行われるようになり、本作は名実共に射撃界を代表する作品となっています。

放送はオリンピック開催の前年にあたる2019年秋ですが、オリンピック会場に本作のポスターが貼られているので、もしかしたらオリンピックの放送時にひかり達の勇姿が映り込むかもしれませんね。
千鳥高校射撃部の全世界デビューも十分にあり得ます！

可愛さと情熱にあふれた女の子たち

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ライフル・イズ・ビューティフルの魅力は、登場する各学校の射撃部部員全員が射撃に対して真剣に向き合っていることです。
ジャンルとしては学園コメディに分類されますが、同時にスポ根でもあります。
そういう女子たちが大会でバチバチやり合う姿は、とても見応えがあります。

主人公のひかりは、主人公らしい特性の持ち主です。
練習では千鳥高校射撃部の4人の中で最もダメダメですが、本番になると実力以上のものを発揮するタイプ。
フレンドリーで誰に対しても物怖じしないところも主人公っぽいですね。

そして何より、幼い容姿でありながら隠れ巨乳という点がポイント。
制服やジャケットを着ている際には目立ちませんが、実は着やせするタイプなのです。

泉水はひかりとは正反対のタイプで、大崩れも大当たりもない安定タイプ。
団体戦では補欠に回るなど、射撃面では他のメンバーに後れを取っていますが、影で支える良妻キャラとして他校の生徒からも好感を持たれています。

エリカは高飛車なツンツンキャラ。
メインの4人の中で唯一の陽キャで、文武両道な上に容姿端麗という完璧な女子ですが、ひかりとは逆でプレッシャーに弱いという隙もあります。

雪緒は不思議キャラで、無口な割にノリは結構良いタイプ。
性格は一番掴み所がないのに、射撃面では安定して高いパフォーマンスを発揮できる実力者です。
千鳥高校射撃部の実質的なエースですね。

この4人が本作のメインキャラですが、ストーリーが進むにつれ他校の選手も続々登場し、華やかさを増していきます。

朝香学園高校射撃部の部長・東雲あきら（しののめ あきら）は、エリカの従姉で全日本ジュニア代表という肩書きを持つ実力者。
なかなか掴み所のない性格で、発言の多くが冗談ですが、かなり強キャラ感があります。

同校の副部長・黒井ミサ（くろい みさ）はあきらとは対照的なしっかり者のまとめ役。
実力もあきらと比肩するほどで、県予選でも上位に名を連ねています。

その他にも、桐谷第一高校射撃部の部長・朝倉零（あさくら れい）、伊勢丘高校射撃部の部長・紺野小桜（こんの こざくら）などの猛者が登場。
一方で、射撃を始めたばかりの朝香学園1年・坂下花恋（さかした かれん）など、実力者以外のキャラもモブではなくしっかり出番があるため、登場キャラはかなりの人数に上ります。

実はこれにも理由があります。

作中でも解説されていますが、競技者が少ないスポーツは大会の参加者も少ないため、他校の選手とすぐ顔見知りになり、仲良くなりやすい傾向があります。
もし全国大会に行くようなことがあれば、宿舎は大抵同じになるので、そこで親睦を深めるというのも定番です。
ちなみに田舎の学校でも同様の傾向が見られます。

射撃部は相当マイナーで、作中では県予選でさえ4校しか参加しません。
そのため、ひかりたちの視点で射撃部の実情を描く以上、他校の選手をモブキャラにする訳にはいかないのです。
セミレギュラーのキャラが多いのにはそういった事情もあると考えられます。

そのセミレギュラーのキャラも個性的かつ魅力的な女の子ばかり。
そして、百合的な視点でもガチ勢がいたりカップリング候補が多かったりと色々豊作だったりします。
これも間違いなくライフル・イズ・ビューティフルの売りの1つであり、ヒットに繋がる可能性を含んだ要素ではないでしょうか。

制作は『プリンセス・プリンシパル』の3Hz

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アニメ『ライフル・イズ・ビューティフル』の制作を行うのはStudio 3Hzです。
2013年に設立された新しい会社ですが、2017年放送の『プリンセス・プリンシパル』、2018年『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』がヒットを記録しており、アニメファンの間では既に名を馳せています。
特に『プリンセス・プリンシパル』はオリジナルアニメとして高い評価を受け、続編として全6章の劇場公開が行われることが発表されています。

監督を務めるのは高橋正典さんです。

テレビアニメの監督は『異能バトルは日常系のなかで』以来。
2019年6月に公開された『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』も指揮しています。

シリーズ構成を担当するのは髙橋龍也さん。
アニメでは『アイドルマスター シンデレラガールズ』『エロマンガ先生』を手がけていることで有名ですが、アラフォー世代にはゲームブランドLeafで『雫』『痕』『To Heart』を作った方としてもおなじみではないでしょうか。

キャラクターデザインは、『Charlotte』などで作画監督を務めた向川原憲さんが担当します。
キャラデザは今回が初のようですね。

また、本作には公益社団法人日本ライフル射撃協会、興東電子株式会社、株式会社銀座銃砲店、中央大附属高校が協力という形でクレジットされています。
興東電子株式会社はビームライフルの製造・販売を行っている会社で、株式会社銀座銃砲店は射撃用の様々な商品を取り扱っている老舗銃砲店です。

メインキャスト4人がユニット「ライフリング4」を結成

出典 : ©サルミアッキ／集英社・千鳥高校射撃部 : アニメ『ライフル・イズ・ビューティフル』

主人公・ひかりの声を担当するのは『アイドルマスター ミリオンライブ！』の伊吹翼役で知られるMachico（まちこ）さんです。
、『三者三葉』の西山芹奈、『終末なにしてますか？ 忙しいですか？ 救ってもらっていいですか？』のアイセア・マイゼ・ヴァルガリス、『ウマ娘 プリティーダービー』トウカイテイオーといった役も有名ですね。

声優デビューする以前から歌手としても活動しており、『この素晴らしい世界に祝福を！』の1期・2期・劇場版のOP曲を歌っていることでも知られています。

泉水を演じるのは、2018年デビューの新人声優・熊田茜音（くまだ あかね）さんです。
『転生したらスライムだった件』で3人組の冒険者（通称・三馬鹿）の女性法術師・エレンを演じている方で、メインキャラクターは今回が初となります。

エリカ役は南早紀（みなみ さき）さん。
『八月のシンデレラナイン』の人気キャラ、野崎夕姫を演じていることで知られています。
その他にも『アイドルマスター ミリオンライブ！ シアターデイズ』白石紬、『BanG Dream！』大湖里実などの役を担当していますね。

雪緒を担当する声優は、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』白瀬咲耶の八巻アンナ（やまき あんな）さんです。
テレビアニメでは『火ノ丸相撲』、『女子高生の無駄づかい』などに参加しています。

このメインキャラ担当の4名は声優だけでなく、アニメ公認アイドルユニット「ライフリング4」としての活動も開始しています。
アニメ放送に先駆けて既に3度のライブを行っており、全て満席。
公益社団法人 日本ライフル射撃協会公認の宣伝大使にも就任するなど、早くも大忙しの日々を送っているようです。
本作のOPテーマ「Let’s go!ライフリング4!!!!」およびEDテーマ「夕焼けフレンズ」を担当することも決まっています。

まとめ

『ゆるキャン△』の大ヒットなどもあって、近年「マイナー趣味×美少女」という組み合わせのアニメに注目が集まるようになりましたが、その組み合わせだからといって必ず成功するとは限りません。
例えマイナーなジャンルの趣味・部活・仕事であっても、誤りやツッコミ所があれば、専門的知識を持った人（例・弓道警察）からSNSなどで指摘され、その結果多くのアニメファンから「なんだよ、ちゃんと作ってないのかよ」と思われてしまい、あまり良い評価を得られなかった……という作品も少なからずあります。
昔と比べ、今のアニメはより厳しい目を向けられているのです。

その点、この『ライフル・イズ・ビューティフル』は多くの関係者、専門家が関わっている作品なので、致命的な問題が生じることはないでしょう。
加えて、各キャラの可愛さと真剣さ、意外性のある展開、そしてオリンピックに向けて一丸となって本作を盛り上げようとする意気込みなど、かなりの熱量を感じさせるアニメになると思われ、とても良い作品になりそうな予感しかしません！