見所

豪華俳優陣の素晴らしい演技の数々

本作で主演を務めるのは全員俳優出身となっています。「声優じゃなくて大丈夫？」と思われる方も多いでしょうが、この三人は演技が非常にうまいのです。
声優のように極端にカッコいい・可愛い声の人はいませんが、その自然体の演技と芝居がかっていない声色が作風にとてもマッチしているので、違和感なく見ていられます。

安定した作画

劇場アニメならではの上質な作画も魅力の一つです。キャラクターデザインはアニメながらも過度なデフォルメはされておらず、写実的な表現が用いられており、現実を二次元に落とし込んだような東京の街の景観と絶妙にマッチしています。

練り込まれた伏線

今監督は見返すたびに新しい発見があるような作品を作りますが、本作もその例に漏れません。
物語が進んで行く毎に登場人物の設定が少しずつ明らかになっていき、序盤と後半では視聴者の持つ情報量がまるで異なってきます。
しかし、伏線は最序盤から綿密に張り巡らされており、見返してみると、一度目には何ら意味がないように見えた描写の一つ一つに実は意味があったことが理解できるであろうと思います。
そんな、噛むたびにジワッと味がしみ出してくるようなスルメ的なおいしさも、この作品には詰まっています。

まとめ

本作の監督である今 敏氏は2010年にこの世を去っているので、もうこれ以上彼の新作を拝むことはできません。しかし、既に世に公開されている作品は少ないながらも存在しているので、もしも東京ゴッドファーザーズが気に入った方は他の作品も視聴してみるのもオススメです！天才と謳われた今監督の作品はどれも素晴らしいので、きっと視聴してみて後悔はしないはず。