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May

フル・フロンタルとシャア・アズナブルの相違の考察

アニメ版『UC』の結末から考える

アニメ版の『UC』の最後、フロンタルが操るネオ・ジオングとバナージ・リンクスが駆るユニコーンガンダムは、ネオ・ジオングが発生させたサイコシャードによって虚無の世界に入り込みます。

これによって『逆襲のシャア』で起きたサイコフィールドと同じ現象が発生、かの「アクシズ・ショック」のような現象が起きました。そして、その現象が起きた場に現れたのはシャア、アムロ・レイ、ララァの残留思念でした。

『逆襲のシャア』において、シャアは地球の人間に失望するもアムロは失望せず、アクシズ落下を最後まで阻止していました。その中でシャアとアムロは、

シャア「しかしこのあたたかさを持った人間が地球さえ破壊するんだ。それをわかるんだよ、アムロ」
アムロ「わかってるよ。だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ」
(引用元:『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)

と会話しています。結果、「人の心の光」によってアクシズは軌道変更し、地球に落下せずに済みました。
『UC』でも同じような会話がされており、バナージによってフロンタルは「人の心の光」を感じ、残留思念となったシャアの記憶が蘇っています。

かつてのシャアとアムロが交わした思いを、フロンタルはバナージによって経験し、フロンタルに生き続けたシャアらしき残留思念が消失、ネオ・ジオングとともに崩れていきました。

これらのことから考えると、フロンタルの「中身」は野望を達成しようとするかすかなシャアの残留思念であり、残留思念のシャアは再び「人の心の光」を感じることで、その野望を諦め、フロンタルから消え去ったのかもしれません。そして、アムロ・ララァとともに召されたのではないのでしょうか。

まとめ

作品を通して分かるのは、シャアの人間くささとフロンタルの冷徹さの大きな差でしょう。
強化人間として生まれたフロンタルは、その自我を捉えることができず、そして「シャアの再来」と言われることに違和を感じ、フロンタルはシャアを否定してきました。
それはシャアの新たな可能性だったかもしれませんが、アムロのようなバナージに悟されたことで、シャアはこれからの未来をバナージに託し、消えていきました。
再度「人の心の光」を感じ、シャアはようやく人と分かり合えたのかもしれません。

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