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Sep
【キノの旅】各国のあらすじ・キャラの魅力についてまとめてみた! #キノの旅
【各国まとめ】『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』
1話『人を殺すことができる国』
キノは旅路である男に出会う。馬車を引く彼はキノと向かう国が同じらしい。彼は荷物を運ぶのを手伝って欲しいというがキノはそれを断った。醜悪な男は「次の国は人を殺すことが法で罰せられていない。覚えておけ」という。
キノは旅人の噂で、次の国は治安が良く緑に溢れた過ごしやすい国だと聞いていた。何かの間違えではないだろうか?男の言葉を半信半疑で受け止めながらその国に向かうと、そこは噂に違わず皆穏やかな気性で親切だ。だが、「人を殺すことが法で禁じられていない」国でもあった。
2日後、遅れて入国手続きを済ませた例の男がキノの前に現れた。宣言通り、彼はキノを殺してやるという。キノは敢えて交戦せず、男の発砲を凌いでいるとーーー醜悪な男は町中の人間の標的となり無残にも殺された。
国を仕切っている老人は言った。人を殺すことを法で罰していない。だが、それは「許されている」ことではないのだ、と。人を殺すことは許されたことではない。だから彼らは自衛のために危険分子を殺すのだ。
キノは国を出た後、旅路である男に出会った。「あの国は移住するのに適しているだろうか?僕は人を殺して当然の街から来た。もう人が死ぬのも、殺すのも、嫌なのだ」と男は語る。キノはそんな彼に微笑んで返した。「きっと気に入りますよ」とーーー。
2話『コロシアム』
キノが訪れたその国は殺し合いを見世物とし、旅人は必須参加を強要する国だった。
前王を殺した現王が豊かだった国を変えてしまったという。最初は人々も戸惑っていたというが、今では荒れ果てた国内も人を殺す見世物も当たり前になったという。
キノは特に望んではいないが、「市民権」をかけてコロシアムで勝ち上がっていった。最終決戦で戦うことになった男は「シズ」と呼ばれる青年だった。刀を操る彼はキノに棄権をして欲しいと提案するがキノは引かない。「せっかくだから一人ぐらい盛大に殺しておこうと思って」そうニヒルに笑うキノはーーーシズを負かし、「戦いの流れ弾」として現王の脳天をぶち抜いた。
キノは言う。
「この国で勝ち残った人間が次の王となればいい」ーーー。
国民は競って隣人を殺し始めた。気が狂った暴挙を止める王ももういない。
そうしてキノとシズは国を後にした。
シズは残虐な王に国を追放された王太子だったという。7年間、父王を殺すために修行してようやく訪れた自国だったがーーー彼もまた、キノ同様に移住地を探す旅に出た。
3話『迷惑な国』
キノは「常に移動している国」と出くわし、とある地点を越えるためにその国に入国した。技術が発展しているその国は大きなドーム型の移動地で国内も最新技術で潤っていた。
国の案内人は「国民全員で旅をしているのだ」「移りゆく景色を楽しんでいるのだ」という。止まることを知らないその国は、とある国と衝突する。とある国は地平線に沿って永遠と堤防を築いているような国で、どこか塀を破壊しないと移動する国は先に進めない。もちろん、国を守る防壁を明け渡せと言われて許すわけもない堤防の国だが、移動する国は温和に「人に被害が出ないように畑の上を通らせてください」と堤防をパワーで押し進み、国の堤防を壊し、畑を荒らして、進んでいったーーー。
移動する国はいう。
「人も国も、生きる上で大なり小なり周りに迷惑をかけながら生きている」ーーー。
キノは移動する国を出国してこう思った。「迷惑な国」だった、と。
それは移動し続ける国に対しての感想でもあったが、堤防を築いていた国にも思う感想だった。堤防の国はキノの行く手を阻み、国境を通りたければ高い交通料を支払うように要求していたからだ。キノは迷惑な堤防の国に対して、迷惑な移動する国という手段で国境を無理に越えたにすぎなかった。
人は何かしら他人に迷惑をかけて生きているものだ。
10話『優しい国』
キノはその国を「旅人に優しくない、冷たい、二度と行きたくない」国だと聞いていた。あまりにも酷い噂に覚悟して訪れたキノだが、噂を裏切ってその国はキノを大いに歓迎してくれた。町の人々は皆優しく、キノが初めて「三日以上滞在したい」と思うほどだった。
しかし、入国審査時に「三日間の滞在」と伝えていたため、国は追加滞在を許してはくれなかった。
その国で最後の晩餐の時間。観光案内をしてくれた少女と、その両親が営むホテルでキノは美味しい夕食を口にした。少女は将来、両親の仕事を受け継ぐことが夢だと語る。しかしそんな少女の思いとは裏腹、両親は「キノさんについて旅をしてみては?」と提案をする。それを少女はーーー断った。
出国日。国を挟んだ一山先まで行ってから休憩を取るように言われていたキノは、その国の助言通り山を越えた矢先、ある惨事を目撃した。それは噴火した火山が、あの国を飲み込んでいく風景だ。
優しかった人々の顔が走馬灯のように浮かぶ。あそこに行って自分にできることはあるだろうか?焦燥するキノだが、エルメスに冷静に止められた。
キノは火山が国を飲み込んでいくのを見送った後、滞在したホテルで貰った軽食を食べようと包みを開けた。中に入っていたのは少女の母親と、少女からの手紙だった。
少女の母の手紙には真実が記されていた。
今までその国は旅人に対してひどい態度を取ってきたこと。火山が噴火して国が滅びることを知ったこと。みんな国に残ることを決断し、そして誰かの胸に「良い国」だったと思い出を残したいと思っていた矢先に訪れた旅人がキノだったこと。本当は無理矢理にでも、国が滅びる事実を知らない娘をキノに預けたかったこと。だが、将来を自国で夢見る少女を、結局一緒に連れて逝くことにしたことーーー。
やるせない思いのまま、キノは次に少女からの手紙を見た。
そこにはキノが少女にあげたはずのお守りが入っていた。
「私には必要ないものだから」と添えられた手紙に、少女もまた、国が滅ぶ事実を知っていながらも両親とともに残ったのだと悟り、キノの中に優しかった国との悲しい別れだけが残った。
11話『大人の国』
それは彼女が「キノ」と名乗る前の話ーーー
彼女はその国で両親の元で育ち、残り三日で大人になる手術を受ける予定になっていた。彼女の国では12歳を迎えると同時に大人になるための手術をするという。彼女に取ってそれは当たり前のことであり、手術を受け、嫌な仕事も嫌と思わない立派な大人になって、親の仕事を受け継ぐ…。それがその国の常識であり、彼女の常識だった。
そんなある日、彼女の国に「キノ」と名乗る旅人が訪れた。両親がホテルを営む彼女は、キノを自営のホテルに招き入れた。キノは彼女に「大人とは何か」という価値観を与えた。手術で大人になることが大人になるということなのか?決められたレールを行くことが正しいことなのだろうか?与えられた新たな見解に彼女は「大人になる手術を受けたくない」と両親に告げた。
結果、彼女は「できそこない」として両親に殺されそうになる。できそこないを処分する権利は大人が有しているのだという。自分に向けられるナイフに彼女は死を覚悟した。しかし、それは「キノ」によって止められた。彼女の代わりに、キノが刺されたのだーーー。
キノが作ってくれた好機に、彼女はキノのモトラド:エルメスにまたがりその国を後にした。
そうして彼女は、「キノ」と名乗るようになるーーー。