2期決定、人気絶頂からまさかの急転直下

最終回にこっそりと「つづく」の文字を潜ませるなど、最後まで話題を提供し続けたアニメ版けもフレ。
その後、2017年7月には正式にアニメ2期決定の発表が行われ、オーイシマサヨシさんが提供した主題歌「ようこそジャパリパークへ」もロングヒットし、いよいよ人気絶頂……といった最中、あの事件が起こりました。
俗に言う“9.25けもフレ事件”です。

この事件は、2017年9月25日にたつき監督が自身のTwitterで「突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました　ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです。すみません、僕もとても残念です」と報告したことに端を発する大騒動です。
たつき監督の突然すぎるこの降板発言は様々なメディアで取り上げられ、アニメ業界全体に激震が走りました。

本発言の2日後、けもフレの映像化における中心的な組織「けものフレンズプロジェクトA（KFPA）」は、ヤオヨロズ側から制作を辞退したいという申し入れがあったと主張。
辞退理由についてKFPAは「関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用がありました」「情報は事前に共有してほしい旨の正常化を図る申し入れをさせていただきましたが、ヤオヨロズ株式会社からは、その条件は受け入れられないので辞退したい、とのお返事でございました」と説明しています。

これは、2017年4月5日に突然たつき監督が12.1話「ばすてき」を投稿したこと、たつき監督がirodori名義でけもフレ関連の同人誌を発売したことに関し、版権使用に関して認識の相違があったことを示唆した内容です。
ただ、実際に相違があったのか、問題があったとすればどちらなのか、といった結論は一切発表されることのないまま、ヤオヨロズ及びたつき監督の2期降板は正式に決定しました。

2017年を代表するアニメとなった『けものフレンズ』は、放送から1年と経たない内に内容ではなく騒動で語られるようになってしまいました。

尾を引くけもフレ事件、一方でたつき監督の新作が話題に

出展 : Amazon.co.jp

このけもフレ事件における問題点の1つとして、けもフレが平和で穏やかでほんわかした世界観の作品だったことが挙げられます。
また、少女化した動物であるフレンズが人間であるかばんちゃんの知恵を使った行動に感心し讃える本作は「人間賛歌」とも言うべき内容。
そのけもフレを巡り、人間の醜い部分が露呈するような騒動を起こしてしまった皮肉な展開に、多くのアニメファンが失望を露わにしました。

結果、KFPAの一員として矢面に立ったKADOKAWA、けもフレの生みの親でありながらこの件に一切言及せずにいる吉崎先生に批判が集中。
一部のメディアおよびファンが希薄な根拠で中傷を行うなど、泥沼の様相を呈します。

また、けもフレの情報発信を行うはずの「けものフレンズプロジェクト」公式サイトにおいて、けもフレやたつき監督がTwitterトレンド大賞、東京アニメアワードフェスティバル、星雲賞などを受賞したにもかかわらず一切触れなかったことに関しても「アニメ1期へのリスペクトがない」とファンの怒りに油を注ぐ結果となりました。

その一方、たつき監督は2017年8月以降Twitter上で新作となる自主制作アニメ『傾福さん』の投稿を開始。
無料で提供されていたにもかかわらず、その後一般発売された際にはAmazonやオリコンのチャートで上位に入るなど、人気監督としての地位を確固たるものとしました。