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May

【推しの子】星野アイは殺される事を覚悟していた? 完璧で究極のアイドルを徹底検証


(画像引用 : Amazon)

2023年春を大いに盛り上げている大人気アニメ【推しの子】より、その第1話にて壮絶な人生が描かれた星野アイを大特集!
「嘘はとびきりの愛」と公言する彼女の本質に迫りつつ、その死の謎を徹底的に検証していきます!

【星野アイ(ほしの あい)キャラクター概要】


(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/

【推しの子】に登場する女性キャラクターで、第一章(プロローグ)「幼年期」における主人公格。
12歳頃に苺プロダクション社長・斉藤壱護(さいとう いちご)にスカウトされ、アイドルグループ「B小町」の一員に。
B小町では不動のエースとなり、彼女の人気上昇によってグループも飛躍し、東京ドーム公演が決定するまでに成長しました。

紫がかった黒髪を胸の辺りまで伸ばし、両目に星状のハイライトを宿しています。
顔の良さは芸能界の中でもズバ抜けていて、多くの芸能人と仕事をして来た面々でも口を揃えて「抜群」と評価するほど。
その容姿は、息子である星野アクアやルビーに色濃く遺伝しています。

アイドルとしての才能も圧倒的で、ダンスと歌を高いレベルで両立しており、多くのファンを魅了していました。
顔の良さだけに留まらず「自分がどう見られるか」を常に意識し、ファンから好まれる笑顔を追及しミリ単位で調整するほど強いこだわりを持っています。

一方、若くして母親になった事もあり、子供達に対する接し方は割といい加減。
しかし育児が嫌いという訳ではなく、自分なりのやり方で二人と真剣に向き合っています。

担当声優は高橋李依(たかはし りえ)さん。

2013年より81プロデュースに所属している声優。
キャリア3年目からメインキャラでの出演が増え、2016年にはめぐみん(このすば)、エミリア(リゼロ)、キュアミラクル(魔法つかいプリキュア!)と立て続けに人気キャラを演じて大ブレイクを果たし、「りえりー」の愛称でお馴染みの有名声優となりました。
代表作は星野アイ、めぐみん、エミリア、キュアミラクル、高木さん(からかい上手の高木さん)など。

【背負った宿命ゆえの能力】


(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/)

星野アイを語る上で、決して欠かす事の出来ない要素が二つあります。
一つは彼女の生育歴
そしてもう一つは、彼女の脳機能に関わる問題です。

アイは母子家庭で育ち、小さい頃に母親が窃盗で逮捕され、その後は母が育児放棄した事で施設に預けられました。
つまり、親の愛情を全く受けずに幼少期を過ごしたと言えます。

愛情不足のまま成長した人間は、様々な負の傾向を抱える事になります。
その傾向は人によって様々ですが、比較的多いのは「他者に依存的」「被害妄想的な思考に囚われる」「自己肯定感が低い」「他人の顔色ばかりを窺う」といった特徴です。
何より、自分が与えられなかった事もあって愛情というもの自体を理解できず、自分がされた事を他者(特に子供)にしてしまう傾向があります。

アイの場合は、作中で何度も「他人を愛せない」と言っているように、愛情を理解できていない点が当てはまります。
ただ、それだけではありません。
実は「他人の顔色ばかりを窺う」も該当します。

アイはアイドルになる前から、自分を嘘つきだと自覚していました。
嘘をつく人間の特徴は幾つかありますが、その中の一群に「他者の関心を集めたい」という理由で嘘をつく人々がいて、アイは恐らくこれに該当します。
自分が誰からも必要とされていない事に不安や焦燥を抱き、それらから逃れる為に嘘をつくというメカニズムです。

その為、アイは嘘つきであるのと同時に「他人をよく観察する」という性質も持っています。
彼女がアイドルとして成功したのは、この性質による所も大きいと思われます。
何故なら、彼女はどうすればファンが喜ぶかを常に監察し、それに合わせて自分をカスタマイズしていたからです。

また、半分は無自覚かもしれませんが「他者に依存的」も該当します。
アイは後述する理由で人の顔を覚えるのが極端に苦手ですが、自分のファンの事は良く覚えていました。
これは「ファンを大事にしている」という範疇を超えており、ファンという存在に依存している状態と言えます。

もう一つの「脳機能に関わる問題」ですが、これはアイに発達障害の傾向(あくまで傾向で、実際にそうとまでは言えません)があるという点です。
作中、更には小説「45510」と敢えて二度も示唆している為、アイの本質を語る上で重要な要素なのは間違いないでしょう。

発達障害の傾向としてアイに見られる症状は「他者の顔と名前を覚えられない」「こだわりが強い」「聴覚・嗅覚が過敏」「社会性の欠如」などです。
(これらはあくまで発達障害の数ある症状の一例で、全ての発達障害者がこの傾向を持つ訳ではありません)

この傾向も、アイのアイドルとしての資質に関わっています。
アイドルという職業は「目立つ」という事が絶対的に必要で、それは他者とは違う個性を持っている事が重要。
「可愛くて、普通の人とちょっと違う」というのがアイドルには大きくプラスに働き、欠落した部分もむしろ長所になり得るのです。

星野アイは「完璧で究極のアイドル」ですが、それは決して完璧な人間である事を意味しません。
逆に様々な事が欠落していて、それを補おうとする本人の強い心が、彼女を完璧なアイドルにまで押し上げたと言えるでしょう。

【自分が殺される事を予感していた?】


(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/

前述したように、アイは自分の欠落した部分を様々な形で補ってきました。
それは、もしかしたら彼女の人生そのものにおいても、そうだったのかもしれません。

アイの内面は作中で何度も描写されていますが、彼女は決して頭が悪い子ではありません。
施設育ちで、かつ12歳でアイドルになっている事もあり、一般的な水準の教育は受けていないと思われ、知識や一般常識に欠けている点は否定できませんが、自分が成功する為に必要な事を独自に学習し、それを実践するだけの頭脳はしっかり持っています。

特に洞察面はかなり優れており、アイドルがどれだけ危険と隣り合わせの職業かも十分に理解していたと考えられます。
出産の為に九州まで足を運んだ事を踏まえても、決して慎重さに欠けている訳ではないでしょう。

そんな彼女が、ストーカー被害を考慮していなかったとは到底思えません。
にもかかわらず、一人でこっそり外出したり訪問者に対して警戒せず出ていったりと、危機感が欠如している行動が散見されます。
前述した発達障害の傾向が原因かもしれませんが、どうもそれだけではないようです。

というのもアイは生前、アクアとルビーそれぞれ個別にメッセージを残し、そのDVDを五反田監督に預けている事が作中にて判明しました。
アイいわく「彼等が15歳になった時に渡して欲しい」との事。
つまり、アクア達が15歳になった時点で明かしたい真実がある、という事になります。

これが果たして何を意味するのか。
その手掛かりとなるのは、あかねがアイをプロファイリングした際に明かした「15歳あたりから破滅的行動に改善が見られる」という点です。
つまり、アイ自身が15歳の時に何らかの変革があったと考えるべきでしょう。

時期的には、アクア達の父親と出会った頃と推察されます。
という事は、DVDでは父親の事を明かしている……と考えるのが普通ですが、それだけならわざわざ五反田監督に預ける理由はありません。
彼はアイの依頼でB小町のドキュメンタリー映画を制作していて、アイに対し「偽りのない自分を出せ」と訴え、アイもそれに答え「本当の自分」を見せています。

その時のアイの目には、普段の白い星ではなく漆黒の星が宿っていました。

これらが何を意味するのかというと……アイの「本当の自分」とは、何らかの犯罪に手を染めてしまった、いわば「汚れた自分」だったのではないかと推察する事が出来ます。
或いは犯罪まではいかなくとも、何らかの反社会的な行動を取ってしまったのかもしれません。
こう予想する理由は、アクア達の父親に該当する人物(ネタバレにつき名前は伏せます)が「才能のある人間を殺す事に喜びを感じる」という極めて危険な思想を持つ人物だからです。

よってその人物には、天才アイドルのアイを殺害する動機が多分にあります。
その事をアイも薄々気付いていたのかもしれません。
一方で、自分から彼に連絡を入れるなど、危機感を持っている様子はあまり見受けられません。

これらの事を総合的に考えると、アイはアクア達の父親によって殺される事を、半ば覚悟していた可能性があります
その原因は、前述した「汚れた自分」にあると推察されます。
つまり、アクア達の父親と出会い、彼の影響で何らかの犯罪かそれに近い行動をしてしまった罪悪感から、「自分は殺されても仕方ない人間だ」という気持ちが心の何処かにあったと考えられるのです。

実際、ストーカーに殺される直前にアイは「だから私は今日も嘘を吐く。嘘が本当になる事を信じて。その代償がいつか訪れるとしても」というモノローグを残しています。
これは、彼女の偽りが「死」を代償とするほど重いものと解釈する事も可能です。

一方で、二人の子供を自分で育てていきたいという親心、アイドルとして頂点を極めたいという野心も当然持っています。
「自分は生きるべきじゃない」「いや生きたい」という二つの心が同時に存在した事で、危機管理が中途半端な状態になっていた……と考えれば、彼女の行動には説明が付きます。

アイは常に葛藤を抱えながら生きていました。
その根底には愛情の欠落があり、彼女はアクアやルビー、ファン、アクア達の父親など、関わった多くの人間を愛したいと願っていました。
もしかしたら、その原点にあるのは「自分」、そして「母親」を愛したいという気持ちだったのかもしれません。

【アイの名言・迷言集】


(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/)

短い生涯ながら、数多くの印象的なセリフを残したアイ。
そんな彼女の生きた証でもある名言・迷言をまとめました!

『やっぱ溢れて出るオーラ隠せないね☆』

ゴローのいる宮崎の病院で出産する事になり、ゴローに身バレしているとわかった際の台詞。
アイは自分の容姿に対しては絶対的な自信を持っていますが、「アイドルとしての自分」に関しては懐疑的で、内心は常に自分を疑っています。
そんな自分を、例えプライベートでも表面化する事は決してしない彼女のプロ意識を感じさせる言葉です。

『嘘は とびきりの愛なんだよ?』

妊娠、出産を公表せずアイドルを続けるという選択をしたアイが言い放った言葉。
「アイドルは偶像」であり、その偶像を如何に輝かせるかがアイドルとしての腕の見せ所、といった彼女の自論に基づいた台詞です。
この後、アイがこの考えに至った背景と理由が明かされていきます。

『星野アイは欲張りなんだ』

本来は決して両立しない「母としての幸せ」「アイドルとしての幸せ」をどちらも手にしたい、という思いから発した言葉。
それを「私」ではなく「星野アイ」と表現するところが、如何にもアイらしいと感じさせます。
自分を客観視した上での自己評価であり、同時に本心でもあるのでしょう。

『世の中結局お金だって気付いたの』

双子の子供を産み、母として育てていく内に悟った真理。
子供を良い学校に入れたり習い事をさせたり、選択肢を広げる事で幸せな未来を提供したいという気持ちから発したこの言葉は、アイが母親としての自覚に芽生えた証と言えます。
彼女の出自を考えると、自分よりも子供を優先する事は決して当たり前とは言えず、アイの愛情の深さを感じ取る事が出来る一幕です。

『人間ぽくないのを求めてるのはそっちじゃん?』

ファンの「人間臭さがない」というコメントに対して、内心引っかかっていたアイ。
どういうアイドルが求められているのかを彼女なりに分析し、その上で「とびきりの作り笑顔」を生み出していた彼女ですが、やはり心の何処かでそれに罪悪感を抱いていたのでしょう。
これもまた、彼女の本質を示しています。

『うちの子きゃわ~~~~❤❤❤』

そんなモヤモヤを引きずったままステージで歌っていたアイが、観客席でオタ芸をしていたアクアとルビーを目撃した際に思わず発した心の声。
処世術でも嘘でもない、恐らく人生で初めて純度100%の笑顔になれた瞬間であり、アイにとって特別な体験だった事は間違いありません。
その体験さえもアイドルとしての糧にするところが、まさに「完璧で究極のアイドル」ですね。

『ルビーの動き方……なんか倒れる準備してるみたい』

家でダンスの練習をしていたルビーを見かけ、その動きに違和感を覚えた際の分析。
ルビーの前世であるさりなは重い病に冒され、常にリハビリをして何度となく倒れる経験をしていた為、倒れる事が前提の動きになってしまっており、アイの分析はまさに的を射ていました。
その奔放な言動から天然でおバカな子という印象を持たれがちですが、彼女は非常に優れた観察眼を持っていて、それがアイドルとしての一挙手一投足に繋がっています。

『私は誰かを愛したい』

アイがアイドルを始めた理由。
幼少期に親からの愛情を満足に貰えなかったであろうアイが、それでも「愛されたい」ではなく「愛したい」と訴える事そのものが、彼女の本質を表しています。

『この言葉は絶対 嘘じゃない』

自分の死を悟り、人生の最期に子供達へ向かって「愛してる」と言ったアイは、その言葉が嘘ではないと自覚し心から喜びました。
短い人生でしたが、彼女は本当に欲しかったものを最後の最後に手に入れ、天へと旅立ったのでしょう。

まとめ

単行本1冊、アニメ1話のみ(90分ですが)という極めて短い期間の登場ながら、多くのアニメファンと漫画ファンに強烈な印象を残しました。
本当の彼女は【推しの子】がラストを迎える頃に明らかになるのでしょう。
それがどんな真実であっても、アイが魅力的で最高に刺激的なキャラである事は、決して変わりません。

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