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【推しの子】星野アクア 徹底検証!「最悪の復讐」とは何か?
(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/)
2023年春よりアニメがスタートする大ヒット作品【推しの子】より、主人公の星野アクアを大特集!
彼がこれまで歩んで来た道のりを振り返りつつ、これから行われるであろう復讐劇の内容を徹底予想します!
星野アクア(ほしの あくあ)キャラクター概要
(画像引用 : Amazon)
【推しの子】に登場する男性キャラクターで、本作の主人公の1人。
前世は宮崎県の病院に勤務していた産婦人科医のゴローこと雨宮吾郎(あめみや ごろう)で、現在はアイドル・星野アイ(ほしの あい)の息子「星野愛久愛海(ほしの あくあまりん)」に転生し、苺プロダクション所属の芸能人として活動しています。
職業は「タレント」で、役者だけでなくバラエティ番組への出演なども行っています。
年齢は16歳で、陽東高校の普通科に通学中。
幼少期は母のアイ、双子の妹・星野ルビー(ほしの るびー)と暮らしていましたが、現在はルビーと共に苺プロの現社長・斎藤ミヤコ(さいとう みやこ)と生活しています。
ウェーブがかった金色の髪で、前髪は長く左目が半分隠れています。
端正なルックスと右目の星状のハイライトはアイから受け継いだもの。
容姿のレベルは高く、プロデューサーや有名芸能人からも一目置かれています。
医者になるだけあって知能は高く偏差値は70とかなり優秀ですが、役者としての演技力は並で、事前に演技を準備して挑むタイプです。
一方で、類い稀な洞察力や思考力によって「受け」は強く、アドリブも得意。
クールでシニカルな性格の為、容赦ない言葉を投げかける事もありますが、大抵の場合は理性を働かせています。
恋愛観は転生後の年齢に拠るところが強く、本人曰く「自分と近い年齢の子を恋愛対象として認識する」「年下は無理」とのこと。
前世ではそれなりに女性と交流を重ねていたようで、その頃の経験は転生後にも活かされています。
妹のルビーに対してはやや過保護気味で、自他共に認めるシスコン。
幼い頃に撮影現場で出会った有馬かな(ありま かな)とはお互いに意識し合う仲になっているようです。
仕事で参加した恋愛リアリティショー「今からガチ恋♡始めます(今ガチ)」で出会った黒川あかねとは番組の延長で「ビジネス恋人」となり、定期的に会う仲になっています。
担当声優は大塚剛央(おおつか たけお)さん。
アイムエンタープライズに所属している声優。
2016年に『あまんちゅ!』でデビューし、2018年8月公開の劇場版アニメ『詩季織々「上海恋」』のリモ役でアニメ初主演、同年10月放送『風が強く吹いている』カケル(蔵原走)役でテレビアニメ初主演を果たし、以降も数多くの作品にメインキャラとして出演しています。
代表作は星野アクア、リオン・フォウ・バルトファルト(乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です)、カケル、眉見鋭心(アイドルマスター SideM)など。
幼少期の声優は内山夕実(うちやま ゆみ)さん。
代表作はルーデウス・グレイラット(無職転生)、猪熊陽子(きんいろモザイク)、ナギ(Aチャンネル)など。
前世ゴローの声優は伊東健人(いとう けんと)さん。
代表作は観音坂独歩(ヒプノシスマイク)、二藤宏嵩(ヲタクに恋は難しい)、硲道夫(アイドルマスター SideM)など。
「俺」と「僕」の間で揺れる日々
https://twitter.com/Yorimen/status/1346893486625230850
(画像引用 : 『漫画【推しの子】』公式Twitter https://twitter.com/oshinoko_comic)
【推しの子】は様々なジャンルが複合的に絡み合っている作品ですが、その本筋となるのはやはりサスペンスであり、アクアの復讐劇です。
とはいえ、彼の人生は必ずしも復讐にばかり費やされていた訳ではありません。
そんなアクアの半生を、彼が生まれる前から振り返ってみます。
前世のゴロー時代はアラサーながら子供っぽい一面もあり、医者でありながら気取る事なく明るい性格でした。
そんな彼を、入院患者のさりなはいたくお気に入りだったようで、のちに「初恋の人」と言っています。
そんなさりなの影響で、ゴローはアイドルユニット「B小町」の星野アイ(ほしの あい)を推していました。
そのアイが妊娠し、マスコミに嗅ぎつけられないよう田舎の産婦人科を希望した縁で、彼女と出会う事になります。
イメージとは大分違い、「嘘は愛」と言い切る彼女に複雑な思いを抱きつつも更に好感を持ち、信頼関係を築く事が出来ましたが……出産予定日を迎えたその日、ゴローは何者かによって殺害されてしまいます。
しかし運命のイタズラか、はたまた神様の気まぐれか、彼の魂は天に召される事なく新たな命へと宿ります。
なんと、アイの子供して転生する事になりました。
幼少期は双子の妹ルビーと共に、アイの子供として悠々自適な生活を送っていましたが……ある日、アイがストーカーに刺殺されてしまい、生活が一変。
その激動の日々の中で、アクアはアイ殺害には黒幕がいる事に気付き、真犯人に復讐する事を密かに決意します。
このような奇々怪々な人生を歩んだ事で、アクアの人格はゴロー時代とは打って変わり、クールで狡猾な人間になります。
一方で性根そのものまでねじ曲がる事はなく、身内や頑張っているのに報われない人物、弱っている者には手を差し伸べる、そんな人格が形成されていきました。
この二面性が、彼を苦しめていく事になります。
アクアの一人称は安定せず、「僕」と言う事もあれば「俺」と言う事もあります。
作中で「どんどんと『僕』と『星野アクア』の境目がなくなっていく」という台詞がある為、一見すると「ゴローの人格が出ている時が僕で、アクアとしての意志で話す時は俺」と解釈しがちですが……事はそう単純ではありません。
というのも、ゴロー時代から既に彼は「僕」と「俺」を使い分けているからです。
詳細は省きますが、ゴローの頃から彼は自分を押し殺し、周囲を優先して自分の望まない道を選ぶような人生を歩んできました。
そういう心理状況が長く続くと、多重人格というほど明確ではないものの、心の中に自分とは違う自分が生まれる事が往々にしてあります。
ゴローの場合、主に不本意な自分や情けない自分に対し、自嘲的表現として「僕」を用いている傾向が見受けられます。
アクアに転生して以降もそれを受け継いでいて、対人だけでなく心の声でも基本的には「俺」を使いますが、ゴローの声として「僕」を使う事もあれば、全く関係ない時に「僕」を使う時もあります。
彼はゴロー時代の自分を「不本意な人生を歩んだ情けない男」と思っているフシがあり、だからこそゴローとしての自分を「僕」と表現しているのでしょう。
星野アクアとして、成すべき事を成そうと生きる「俺」。
そんな自分に対して、何処か本意でない感情を引きずっている「僕」。
彼は、そんな二つの自分の間で揺れ動きながら、第二の人生を歩んでいるのです。
アクアの描く「最悪の復讐劇」とは?
(画像引用 : Amazon)
自分が「こうありたい」と願った自分として人生を生きたい。
アクアの中に、そういう願望があるのは事実です。
しかし同時に、アイを殺した黒幕を放置する事など決して出来ないというのも純然たる本心です。
では、彼は果たしてどんな形での復讐劇を目論んでいるのでしょうか?
まず真犯人ですが、既に原作では明らかになっています。(アニメで明かされるのは大分先の話になるので、ここでは具体名は割愛します)
その真犯人と思われる人間はアクアが作中で言っていたように、アイを刺したストーカーではなく、彼に情報提供を行った人物です。
実際に手は下しておらず、また諸々の理由から仮に逮捕されたとしても大きな罰を受ける事はまずありません。
よって、アクア自ら犯人を殺す……というのが最もイージーな復讐劇となるでしょう。
しかしアクアは、それで復讐完遂とは思っていないようです。
単に犯人が死亡するというだけでは、偉大なアイドルであり母でもあるアイの人生が奪われた事実と釣り合いが取れない……とアクアは考えているでしょう。
アクアの価値観を考慮すれば、犯人が「こうありたい」と願っている人生を全て奪い、尊厳と価値観をズタズタに引き裂く事こそが最大の復讐劇であると思われます。
ならば一体、どのような方法の復讐が犯人の尊厳を踏み躙れるのか。
それは、彼を表舞台に引きずり出す事です。
黒幕は他人(ストーカー)を操作してアイ殺害を実行しました。
自分の手を汚さないで相手の命を奪う事を美学としているタイプだと強く推察されます。
また、アイが東京ドーム公演を間近に控えた絶頂期に彼女を殺させた事を考慮すると、アクアは犯人を「社会的評価にコンプレックスやトラウマを抱えている人物」だとプロファイリングしているかもしれません。
ならば犯人を衆目に晒し、かつ彼が行ってきた犯行を大衆が嘲笑うという流れを作る事こそが、犯人にとって最も屈辱的かつ効果的な復讐になると考えているのではないかと予想する事が出来ます。
ただ殺すのではなく、犯人の美学を社会に全否定させ、笑いものにした上で殺せば、犯人は「無様な人物」として歴史に名を残し、それをリカバリーする機会も永遠に訪れません。
原作1巻および110話では、アクアと彼に近しい人物の多くが、アイの半生を綴った映画「15年の嘘」に出演する事が示唆されています。
この映画が復讐の舞台になる事は間違いないでしょう。
アクアは犯人が行った犯行を全てトレースし、それを映画として公開する事で犯人の存在と犯行そのものを世間に晒しつつ、如何に犯行が杜撰で幼稚だったかを公に晒す事で尊厳を奪おうとしている……と予想します。
アクアの名言・迷言集(~第四章)
https://twitter.com/oshinoko_comic/status/1622505373738455043
(画像引用 : 『漫画【推しの子】』公式Twitter https://twitter.com/oshinoko_comic)
主人公だけあって、決める時にビシッと決めるタイプのセリフが多いアクア。
そんな彼の名言・迷言をまとめました!
なお、アニメ1期で放送される可能性が高い第四章「ファーストステージ編」までの範囲からの選出です。
推しのアイドルが妊娠しとる!!
ゴロー時代、妊娠したアイが診察室に現れた際の心の叫び。
人によっては年単位で立ち直れないレベルの衝撃だったでしょうが、割とすぐ切り替えられたあたり、ゴローは健全なオタだったのかもしれません。
僕はどうしようもないほど君の奴隷(ファン)だ
アイの本性を知り、それでも彼女が美しいと感じた際のゴローの偽らざる本音。
アイドル本人が望む事なら叶えてあげたい、と考えるのはファン心理として当然ですが、やはり何処か自虐的な印象を抱かせる台詞です。
ルビーをアイドルにはさせない アイと同じ轍を踏ませない…絶対に。
アクアに転生し、アイドルを目指している双子の妹ルビーに対して人知れず妨害工作を行っている際の台詞。
アイの事を思えばその心情は理解できますが、やはりやり過ぎの感は否めず、シスコンと言われるのもやむを得ないですね。
子供部屋おじさんの言う事って響かねえなぁ
40半ばで社会的地位も確立している五反田監督が実家から出ようとしない事に対し、蔑むような目で発した心の声。
割と多くの人を敵に回しそうな台詞でもあります。
なお、カントクの弁明は「都心に広い実家あると出るメリットない」との事です。
せっかくだから滅茶苦茶やって帰るか
アクアのキメ台詞シリーズ第1弾。
かなに誘われ『今日あま』の撮影に参加し、その現場でかなが評価されていないと知り、どうにかしてやろうという心情から発した台詞です。
主人公らしさが際立ったカッコ良い台詞ですが、若干厨二っぽいのはご愛敬。
別に嘘は吐いてないんだし
かなをB小町にスカウトする際、「そこらのアイドルよりずっと可愛い」「有馬になら大事な妹を預けられる」など散々持ち上げた事に対する述懐。
アクアのかなに対する評価、感情が表面化された最初のシーンですね。
めっちゃ緊張するわ~皆よろしくね!
「今ガチ」に参加した直後の、軽薄なキャラ作りをした上での台詞。
本人もしっくり来てなかったのか、あまり視聴者に好評ではなかったのか、割とすぐこのキャラは捨ててしまいました。
若者特有の共感しあうだけの会話キツぅ……
上記のシーンの直後、やっぱりしっくり来ていなかったのかと思わせる本音の吐露。
なお、この心の声を漏らした際に隣にいたのはMEMちょなので、その場に「若者」は一人もいませんでした。
ここからが本当のリアリティショーだ
アクアのキメ台詞シリーズ第2弾。
「今ガチ」の行き過ぎた演出もあって、あかねが炎上し自殺未遂まで犯した事態に怒りを覚え、彼女のイメージの回復と番組への意趣返しも兼ねた妙案を思い至った際の台詞です。
とはいえ、方法自体はとてもスマートでした。
大人がガキ守らなくてどうすんだよ
あかねを助ける為の動画作りを行う際、ディレクターに言い放った台詞。
前世がアラサーの産婦人科医だったからこその、重みのある言葉です。
黒川あかねは使える ここで手放す訳にはいかない
「今ガチ」のラスト、あかねに告白しキスした際の漆黒のモノローグ。
アクあか(アクアとあかねのカップリング)を楽しんでいた読者を一気に突き通すような腹黒い台詞ですが、このような奸智に徹しきれないのがアクアのアクアたる所以です。
まとめ
アクアという主人公は、かなり複雑な人間性を抱えています。
そんな彼を、担当声優の大塚さんがどう演じてくれるのか、とても楽しみです!
彼の若干厨二っぽいキメの台詞を早くアニメで聞きたいですね!