15
Feb
【ぼっち・ざ・ろっく】後藤ひとり(ぼっち)は本当に陰キャなのか? 徹底検証
(画像引用 : Amazon)
2022年に大旋風を巻き起こした『ぼっち・ざ・ろっく!』より、主人公の後藤ひとりを大特集!
「ぼっち」の愛称通り、長期にわたって一人ぼっちな学校生活を送って来た彼女の魅力、そして本当に陰キャかどうかを徹底検証します!
後藤ひとり(ごとう ひとり)キャラクター概要
(画像引用 : Amazon)
『ぼっち・ざ・ろっく!』に登場する女性キャラクターで、本作の主人公。
秀華高校に通う高校生で、下北沢を拠点とするガールズバンド「結束バンド」のメンバーでもあります。
リードギターおよび作詞を担当しており、愛称は「ぼっち」。
髪の色はピンク(マンガ/アニメ的表現。実際に染めている訳ではない)。
「美容室に行けないから」という理由で伸ばし放題になっており、前髪は目が一部隠れるくらい、後ろ髪は腰の辺りまで長く伸びたロングヘアです。
水色と黄色の立方体型の髪留めを一つずつ付けていて、アニメ版だとちょくちょく溶けていますが、材質は不明。
容姿は可愛く、「アイドル事務所に入れる」と言われるほどの美少女。
しかし自覚が全くないため身嗜みには気を遣っておらず、後述の性格もあって結束バンドのメンバー以外からはその可愛さに全く気付かれていない模様。
実はかなりの巨乳ながら、普段はそれが目立つ服装をしていない為、こちらも気付かれる事は滅多にないようです。
性格は人見知りかつ重度のコミュ症で、会話する際には最初に「あっ」と言ってしまう口癖があり、かなり口下手。
非常にネガティブ思考で「陰キャ」と自覚しているため、中学まで友達と呼べる相手はおらず、姿勢も大抵猫背で俯きがち。
そのため「青春」「陽キャ」といったキラキラしたものに極度のコンプレックスを抱いており、それが刺激されると顔面が落書きレベルに崩壊し、周囲がドン引きするようなヤバい挙動で身悶える発作を起こしてしまいます。
服のセンスも絶望的で、本人はカッコ良いと思ってデザインした服は厨二要素満載。
アパレルショップなどの実店舗で買い物できる筈もなく、私服は母親が選んだ物(可愛い系)ばかりですが、好みでない為ほとんど着用していないようです。
普段はピンク色のジャージを愛用しており、学校にもその格好で登校している為、校内ではかなり浮いており、密かに有名人になっています。
基本的には真面目で、勉強やスポーツにも真剣に取り組んでいるものの絶望的に要領が悪く、テストでは毎回赤点を取っています。
一方で、ライブの演奏中に機転を利かせたり、結束バンドのメンバーが普段と違う様子だった際にはいち早く気付いたりと、周りは意外とよく見えている様子。
また逆境に強く、普段のメンタルは人一倍脆いものの、本当に追い詰められた際には開き直って底力を発揮する為、一部のファンからは「肝心な時にしか役に立たない女」とも呼ばれています。
根暗な反面、目立ちたいという欲求はかなり強く、本人曰く「承認欲求モンスター」。
中学一年時、テレビのインタビューで人気バンドのメンバーが「昔は暗い人間だった」と答えていたシーンを偶然見かけ、「陰キャでも輝きたい!」と一念発起し、父親からギブソン社のレスポールカスタムを借りてギターにのめり込むようになりました。
一日6時間の練習を3年間続けた事で、その腕前は「今すぐにでもプロデビューできる」と音楽ライターからお墨付きを貰うほど。
また、ネット上の動画投稿サイトで“ギターヒーロー”という名義で活動しており、主にヒット曲の「弾いてみた」を披露し、8万人近い登録者を抱える人気ギタリストとなっています。
ただし自分を大きく見せたい欲が強すぎる為、「バスケ部エースの彼氏がいる」「友達は1000人以上いる」などの虚言を幾つも連ねていて、実際の本人とかなりかけ離れたイメージを構築してしまっているようです。
結束バンドへの想いは強く、メンバーの伊地知虹夏(いじち にじか)、山田リョウ(やまだ りょう)、喜多郁代(きた いくよ)と四人で有名になりたいという強い気持ちでギターを奏でています。
しかしその想いとは裏腹に、長らく一人でやってきた影響もあってバンドとしての演奏は上手くありません。
担当声優は青山吉能(あおやま よしの)さん。
81プロデュースに所属する声優で、2014年に『Wake Up, Girls!』七瀬佳乃 役でデビュー。
以降はWUGのメンバーとしてリアルでもアイドル活動を開始しました。
代表作は後藤ひとり、七瀬佳乃、リンメイ(デカダンス)、グリ(恋愛暴君)、ツルマルツヨシ(ウマ娘 プリティーダービー)など。
謎の行動力と強気発言は陰キャっぽくない?
(画像引用 : Amazon)
ぼっちというキャラを語る上で、欠かす事が出来ないワードと言えば「陰キャ」。
彼女自身、作中で何度も陰キャを自称し、それを裏付けるような痛々しい言動の数々を披露している為、大半の読者・視聴者が彼女を陰キャだと認識していると思われます。
しかしその一方で、少数ながら「ぼっちみたいなのは本当の陰キャじゃない」「実際の陰キャはこんな事言わない」といった声も見受けられました。
そこで、ぼっちが本当に陰キャかどうかを検証してみたいと思います。
まず陰キャの定義ですが……実はこの言葉、辞書(三省堂国語辞典 第八版)にも載っているくらいメジャーな表現になっています。
「陰気なキャラクター」「雰囲気や言動が暗く引っ込み思案な人」「内気で人付き合いやコミュニケーションが苦手な人」といった意味で使用されるのが一般的ですね。
この内、三つ目に関しては完全にぼっちの人物像と一致しており、二つ目も基本的には該当するので、この時点で「ぼっち=陰キャ」と言って良いでしょう。
よって、ここから先は「ぼっちは陰キャか否か」ではなく、「ぼっちは典型的な陰キャか否か」を検証していきます。
陰キャ否定派の根拠として多く見られるのは、「ガチの陰キャだったらバンドなんて組めない」「陰キャなら目立とうとすらしない」「先輩に貸した金を返してとは言えない」といった意見です。
確かに、陰キャには「常にネガティブで塞ぎ込んでいる」「ネット上では言いたい放題できても現実では絶対に強気にはなれない」というイメージがある為、現実で謎の行動力を発揮し、稀に強気な発言もするぼっちは、陰キャっぽく見えない時もあります。
結論から言うと、これらは全てぼっちが陰キャである事を否定する材料にはなりません。
そもそもぼっちは、陰キャの中でもやや特殊な部類に入ります。
というのも、彼女はネット上で一定の成功を収めている、「承認欲求を満たす場がある陰キャ」だからです。
人間の性格は、血筋などの生まれ持った要素と、育った環境で培った要素の混合によって形成されます。
なので、元々内向的な素養を持って生まれ、そのまま陰キャになっていった人もいれば、子供の頃は明るかったのに成長して陰キャになった人もいます。
ぼっちの場合は、父親も母親も妹も明るい性格であり、かつ勉強や運動が苦手で成功体験を得られないまま小学校を卒業しているので、かなりの確率で後者に該当すると思われます。
言うなれば「後天的陰キャ」の可能性大です。
後天的な陰キャの場合、「自分はもっとやれる」「もっと評価されるべき」というプライドと、「今までダメだったじゃないか」「これからもダメに違いない」という劣等感が常に自分の中でせめぎ合っています。
そこで成功体験がないままだと、劣等感ばかりが肥大して典型的な陰キャになってしまいますが、ぼっちはギターによって成功体験を得た為、劣等感と同時に自分への期待も肥大しているのでしょう。
だからこそバンドを組んだり目立とうとしたり、やたら行動的になれるのです。
リョウに貸したお金を「返して下さいね」と言えるのも、ギターヒーローとしての自信があるからこそ。
それに加えて、「リョウ先輩ならこれくらい言っても怒らないよね」という見極めや、バンド仲間としての関係性、バンド内の空気感などが合わさった上での発言と思われます。
ぼっちは、いわゆる「マンガチックな陰キャ」、もっと言えば「記号的な陰キャ」の要素もあります(マンガのキャラなので当然です)。
それを考慮しても、彼女が生まれ育った環境やこれまでの経験、現在の立場というものを内包した後天的陰キャとして、全く矛盾はありません。
原作の「イケメン顔」はアニメに必要?
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原作のぼっちとアニメのぼっちは、幾つかの場面で異なる描かれ方をしています。
原作ファンの間では、その違いが物議を醸していたようです。
最も多く出ていた意見は、原作とアニメにおける体の見せ方の違いです。
例えばアニメの第2話。
ぼっちがバイトをサボる為に氷風呂に入って風邪を引こうとしていた場面、原作では当然全裸ですが、アニメ版では不自然にも水着姿でした。
また、11話でメイド服を着た際も、原作ではその巨乳が露わになった事で喜多ちゃんと虹夏が複雑な心境になっていましたが、アニメでは巨乳描写自体がカットされています。(ただし直後の水着MVは原作準拠)
理由は不明ですが、描写を最小限にしたという事は、「ぼっちの巨乳設定は残すけど、極力それを強調しない」という方針なのだと思われます。
近年はアニメの巨乳キャラのポスターを街で見かけた人が「セクハラだ」とTwitterに投稿して物議を醸すなど、何かと炎上しやすい要素になっているので、その点に対するリスクマネジメントと見るのが妥当でしょう。
ただ、原作でも巨乳なのを強調する場面以外は例えTシャツ姿でも胸が大きく見えない描き方をしているので、ある意味では原作の誇大解釈と言えるかもしれません。
このような事情がある事はファンも承知している為、巨乳描写弱めの件については否定意見はあまりなく、アニメから入ったファンの中には「巨乳のぼっち」を認めないとする過激派もいるくらいです。
なので、この件はそれほど問題視はされていません。
これよりも賛否が分かれているのは、ぼっちの「イケメン顔」描写についてです。
原作のぼっちは、ギターを弾く時やシリアスな見せ場において、普段の彼女とはまるで違うキリっとした表情になる事があります。
原作ファンはこれを「謎のピンク髪イケメン」と呼んでレアキャラ扱いするなど、顔面崩壊ぼっちと並ぶ名物キャラとして人気を博しています。
しかしアニメでは、このイケメンぼっちが描写されていません。
初登場は原作1巻のクライマックス、台風で客足が伸びずメンバーが動揺したまま演奏し、グダグダになっている状況を打破する為に全力で弾いたシーン。
(アニメでは第8話、「あのバンド」のイントロ前の場面ですね)
普段は生気のないぼっちが目をギラつかせ、唇を噛みながら必死に演奏する姿は、明らかに「可愛い」ではなく「カッコ良い」を意識して描かれています。
二度目の登場は、原作2巻の文化祭ライブで見せたボトルネック奏法の時です。
(アニメでは第12話、「星座になれたら」の間奏シーン)
こちらは更に目をギラつかせ、野獣のような目付きで歯を食いしばり演奏していました。
普段のぼっちとのギャップ、四コママンガの法則を無視して通常形式で描いた演出も効いて、どちらも原作屈指の名場面としてファンに愛されているシーン。
にもかかわらず、アニメではイケメンぼっちの描写は一切行われていないのです。
巨乳描写の件を踏まえると、このカットも「スタッフが不要だと判断したから」と見なす事ができるため、原作ファンが「ぼっちの見せ場を消された!」という心境になってしまうのも無理はありません。
ただ、この点に関しては不要という判断ではなく、実際に音が鳴るアニメという媒体だからこその演出プランだったと解釈する事も出来ます。
8話のシーンは「ぼっちが突然ギターヒーローの片鱗を見せて凄まじい演奏をする」、そして12話のシーンは「ボトルネック奏法で一弦二弦が使えなくても乗り切る」という、いずれも「音」で凄さを表現する事が求められるシチュエーションです。
マンガではそれが出来ないので、ぼっちの表情を駆使して凄味を見せる表現が用いられましたが、アニメではその表情を描くと寧ろ印象が「音」と「表情」で分散してしまい、視聴者の主眼がブレかねません。
そこで、アニメのスタッフ陣はあえてイケメン描写をカットし、音に集中して貰おうとしたのではないか……と考えられるのです。
また、「あのバンド」はともかく「星座になれたら」はしっとりとした曲調のため、ギターソロとはいえ必死の形相で演奏すると、少し不自然な印象になります。
この曲を使用する事が決まった時点で、イケメンぼっちはカットの方向に傾いたのかもしれません。
とはいえ、単にカットしただけなら今よりも遥かに多くの不満が原作ファンから寄せられていたでしょう。
アニメ制作スタッフは、その見せ場に代わる別の見せ場をキチンと用意していました。
8話ではエフェクターを力強く踏み、イントロの前にアドリブでソロを演奏するというシチュエーションの追加。
12話ではギターパートが一段落した際、天井を仰ぎ安堵の息を漏らす描写の追加。
どちらもイケメンフェイスとは傾向こそ異なりますが、「ギタリストのカッコ良さ」を感じる事が出来ます。
特に後者は「演奏しない時のギタリストの佇まい」という、バンドあるあるとも言える要素をブチ込んできました。
これには制作サイドの「我々がカッコ良いと思うギタリストのシチュエーションはこれだ!」という声が聞こえてくるようです。
なので、アニメスタッフ陣はイケメンぼっちを不要と考えているのではなく、重視すべき要素を厳選した上でのカットだったと考えられます。
よって、アニメ2期が実現した場合、2巻ラストで描かれたぼっち史上屈指のイケメン顔がアニメで見られる可能性は十分にある筈です。
ぼっちちゃん名言・迷言集
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ぼっちは作中で数多くの印象的な言葉やシーンを残しており、その中にはネットミームになっているものもあります。
ここではアニメ1期の範囲内で披露された名言・迷言をまとめて解説しちゃいます!
なお、ほぼ迷言です。
いいいいイキってすみません…
この台詞を呟く涙目のぼっちが描かれた原作の一コマが、ネット上でやたら使用された為、アニメ放送前から有名になっていた台詞。
「バンドなんてインドア派の集まりなんだから私と同じ陰キャばっかでしょ」とタカを括ってスターリーに入ったぼっちが、ピアスを沢山つけたPAさんを見つけて尻込みした場面ですね。
なお、PAさんは全然怖い人じゃありません。
どっどうもプランクトン後藤です…
CMでも使用され、いつの間にか人気ワードになっていた「プランクトン後藤」。
自信のあったギターを虹夏に「ド下手」と言われ自虐する際の一言です。
なお、その際に「売れないお笑い芸人みたいな人出てきた!」とのツッコミがありましたが、芸人・プランクトン後藤は実在します(プランクトンというコンビの後藤さん)。
絶対いやだ! 働きたくない!! 怖い! 社会が怖い!!
ライブのノルマ代を稼ぐためにバイトしようと呼びかけられた際の率直な反応。
すぐ「社会」とか言い出すところが陰キャらしいですね。
剣心コラの「働きたくないでござる」に代わり、新たなニートの代弁者になりそうな勢いです。
憂鬱な月曜日が始まった
これもネット上でやたら使用され、有名になった台詞。
結束バンドに入り、バイトにも多少慣れ、順風満帆だと言うのにこのネガティブさと来たら。
ほとんどの学生や社会人が共感する言葉だと思います。
あ…無価値なものを映してすみません…消してください
アー写の撮影時、きららジャンプをしようと提案され実際にジャンプしてみたら、下着が映ってしまったというお色気シーン。
原作では実際に見えていましたが、アニメでは当然のようにカットされました。
それにしても、アニメキャラとは思えない反応です。
あっへっへい大将やってるぅ?
リョウに歌詞を見て貰おうとした際、おしゃれなカフェに呼び出されてしまい、どう入って良いかわからずうろ覚えのドラマの真似をした模様。
アニメだとリョウは普通に対応していましたが、原作だと「へいらっしゃい!!」とノリノリで答えていました。
父…母…妹…犬…
オーディションに合格し、無事ライブを開催できる事になった直後、ノルマとして一人5枚(5人)を言い渡され、両親はともかく5歳の妹ふたりと飼い犬のジミヘンまで勘定に入れ、それでも一枚足りずにむせび泣く……いう、どうしようもないシーンです。
これはもう陰キャとかいうレベルじゃ収まらないですね。
ギタリストとして皆の大切な結束バンドを最高のバンドにすることです
台風ライブ終了後、虹夏に「今何のためにバンドしてるか」と問い直された際の回答です。
当初は「目立ちたいから」だけで、それを誤魔化す為に「世界平和」などと嘯いていましたが、この言葉は言い淀みなく堂々と伝えていました。
ぼっちの成長がしっかり見て取れる名言です。
ドコサヘキサエン酸 エイコサペンタエン酸
夏休み期間中ずっとメンバーの誰かに遊びに誘われるのを待ち続けるも最終日直前まで音沙汰なく、絶望したぼっちに喜多ちゃんが慌てて遊びに行こうと誘った際に発した台詞。
意味不明の返答のようで、実は「どこへ?」という返しに掛かっているあたり、作詞家の才能を感じます。
やっぱりバンドって最高にかっこいいなぁ…
廣井きくり(ひろい きくり)率いるバンド「SICK HACK」のライブを観た際の率直な感想。
ぼっちのバンドに対する憧れ、どういうバンドが好きかがよくわかります。
センキュー
アニメ1期の放送が終了し、最終話のエンドカードをバックに発した別れの挨拶。
ぼっちらしい、力強くも何処か遠慮したようなあの声が、多くのファンの耳と心に今も残っている事でしょう。
まとめ
国内外の音楽業界においてバンド、そしてギターの存在感が薄くなってしまった現代に颯爽と現れ、ギターの魅力を広めた彼女はまさにギターヒーロー。
文化祭ライブで見せた神演奏からのエアダイブは、アニメの歴史に残る名場面でしたね。
2期に披露されるであろう「マイニューギアりたい~!」も今から楽しみです!