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Apr
【ULTRAMAN】アニメ2期放送!もはや子供に読ませる気ない?政治的描写が難解。異星人による犯罪も凄惨【異星人考察・ネタバレ】
『ULTRAMAN』という作品をご存知だろうか? 巨大化して怪獣と戦うのではなく、生身にパワードスーツを纏い、超人的な力で異星人と戦う青年漫画である。2011年から月刊連載が開始し、2019年にはアニメ化され、2022年4月からはシーズン2が放送された。発行部数は400万部を超えている。
子供に読ませる気ないだろと誰もが思うほど政治的描写が難解で、異星人による犯罪も凄惨のひと言。
ウルトラマンが巨人ではなく等身大だからこそ描けるリアリティがあり、しかし主人公は普通の男子高校生という王道の設定がたまらない。
この記事ではそんな『ULTRAMAN』の既刊のストーリーを振り返る。筆者が怪獣に詳しいので、異星人の細かな解説も付け加える。
1巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
このウルトラマンの40年後の世界が本作の始まりとなる。
『ULTRAMAN』における早田 進のデザインは、言わずもがな、ウルトラマンでハヤタ隊員を演じていた黒部 進がモデルとなっている。
12年後、高校生となった進次郎の元にベムラーがやってくる。ベムラーは元々『ウルトラマン』第1話の敵であり、青い光の球となってウルトラマンと宇宙を舞台に壮大な追いかけっこをしていた怪獣だ。
しかし『ULTRAMAN』のベムラーは黒い鎧を纏った人型。サイズも人間と変わらない。
原作で青い球になっていたことから、少し青みがかった黒なのが特徴である。
このベムラーと、パワードスーツを纏った早田 進が戦い、父でのピンチにULTRAMAN SUITを着た進次郎が駆け付ける、というのが1巻の内容である。
『ULTRAMAN』はアニメと漫画、どちらが良いかと聞かれることがあるが、今から見るならアニメと言わせていただく。
ウルトラマンは光を宿す者だからだ。両眼の輝き、カラータイマー、スペシウム光線などが闇夜を切り裂く美しさは、漫画では伝わりにくい。
後述するがアニメと漫画でストーリーが違う部分があるので、漫画の方が良い部分もあるが、アニメ版の変身シーンの演出なども面白いのでまずはアニメから入ってみてはいかがだろうか。
2巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)※グロ画像注意
しかしそれだけではなく、ゼットン星人はウルトラマンの最終回で科特隊基地を内部から滅茶苦茶に破壊した奴だ。それが科特隊基地に常駐しているというのは面白い。
フジ隊員は首まで絞められていたわけだが、胸中はいかほどのものだろう。
諸星という、いかにもセブンに変身しそうな眼鏡男子が出てきた後、進次郎はエイダシク星人という異星人の処分任務に就く。
ベムラーを除けば事実上の初任務なわけだが、人間を捕食するエイダシク星人を見て進次郎が激昂する。
エイダシクの捕食シーンだが、『仮面ライダーアマゾンズ シーズン2』のように、人間の服を着たまま顔だけ異星人に戻って捕食しているのが気持ち悪い。スリルを掻き立てているという意味では素晴らしい演出だが。
戦闘が街中にまで及び、アイドルである佐山レナも巻き込まれる。進次郎はレナに応援されるわけだが、このシーンはヒロイックだ。
『女の子の前でカッコよく戦う』というのは、少年漫画の王道の展開である。
エイダシク星人のモデルはセミ人間(ウルトラQなど)とバルタン星人だ。『エイダシク』はセミを意味する『cicada』(シケーダ)という英単語を逆から読んだのだと思われる。
市街地の戦闘でエイダシクは両腕にプラズマガン(自作した違法兵器)を携えるのだが、バルタン星人のハサミにも見える。
エイダシクを倒すため、進次郎のスーツのリミッターが解除され、カラータイマーが点滅する。
このシーンは声優の名演、カラータイマーの音声、そして夜に轟く赤い光が素晴らしいので、ぜひアニメを観てほしい。
3巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
ウルトラブレスレットとは、『帰ってきたウルトラマン』でウルトラマンジャックが使用していた自在に変形する武器であり、短剣、投擲槍、盾など様々な形状になる。
アニメSEASON2ではこのブレスレットで変身するような描写があるが、ウルトラマンジャックは元来変身に道具は使わない。ウルトラブレスレットは変身してから使う武器である。
しかしジャックの初変身が10巻だとは思わなかった。控えめにいって待ちくたびれた(笑)
ジャックの髪型は、郷 秀樹を演じていた団 時朗のヘアスタイルを参考にしている。
進次郎はカッダ―星人(元ネタ不明)という強盗殺人犯を追うが、命乞いされたことでトドメを刺すことを止める。
ロブトン星人はアイドルの佐山レナに扮して命乞いするという離れ業を披露した。
3巻ではお待ちかね、ULTRAMAN SUIT Ver.7こと、ウルトラセブンが初登場する。
このセブンが初めて戦った相手はブリス星人。漫画では分からなかったが、赤青のカラーリングと蕾のような手の形状、安アパートに現れたことから、ウルトラセブンに登場したメトロン星人がモチーフだろう。
4巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
最新刊まで登場する、メインキャラのひとりといってもいい存在なのだが、何故かアニメには登場しない。
4巻ではレッドが腕試しのために、進次郎と乱闘をする場面があるのだが、代わりにアニメ版で暴れまくるのがブラックキングだ。
『みんなから応援されるウルトラマン』という、誰もが憧れたヒーロー像が見られる。
物語は大きな山場へ入る。大人気アイドル、レナのライブが開かれるのだ。
1巻から続いていた、レナのアンチが殺される事件がここでクライマックスとなるわけである。
そこでアダドというどう見てもダダな怪人がレナのステージに上がる。
ダダは原作では身体能力の乏しい種族なのだが、アダドはセブンと互角に渡り合えるほどに強い。
5巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
レナのライブ会場に、アダドだけでなくベムラーも乱入する。ベムラー乱入の理由は明かされていないが、きっとアダドが死ぬと困ったのだろう。
レナにアダドの手が迫ると、イガル星人・ピグモンが真の姿で登場。
このピグモンのデザインが良い意味でバケモノじみていて素晴らしい。今までのウルトラシリーズとはかけ離れた体型で、四つの眼を持ち、胴体よりはるかに長い尾を地につけて移動する。ここまでアレンジにしてくれたことには感謝しかないのだが、アニメではこの形態に変化しない。
登場シーンも少ないことだし、動かしづらかったのだろうか。
レナのアンチ殺害事件は、異星人と人間の共謀だった。
だからなのだろう、セブンに倒された模様だ。
ちなみにピット星人には女性しかいないらしい。単一生殖するのだろうか?
このときセブンと共に地下道を探索していたメンバーはアニメでははっきりしないが、漫画では全員に名前がつけられている。
『曽我』、『古橋』、『天城』、そして紅一点の『アンヌ』だ。
言わずもがな、ウルトラセブンに登場するウルトラ警備隊の面々から名付けられている。
後半ではACE SUIT(ウルトラマンエース)が初登場。
港で進次郎が生体兵器と戦っているときに助太刀するのだが、この生体兵器はウルトラマンエース1話に登場したベロクロンがモチーフ。
アニメではよりベロクロンに近い姿で描かれているので必見だ。
6巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
「ぶった斬ってやるの刑だ!」 というセリフと共にエースの十八番、バーチカルギロチンでベロクロンを両断するのだが、ここはアニメが素晴らしいのでぜひ見てほしい!
その後にヤプールという工匠の異星人が登場。
ヤプールといえばウルトラマンエースのシリーズを通しての敵だったが、まさかの人類に友好的な宇宙人として登場である。
特徴的な橙色で菱形の頭部は、ヤプールたちが合体した『巨大ヤプール』(エース23話など)をモデルにしている。
レナが光の巨人記念館(科特隊基地)にやってきて進次郎と会う。
「ウルトラマンが好き」と話すレナに、進次郎は「もしかして俺、アイドルと付き合えるのでは!?」と妄想する。
エースがまた生体兵器を討伐する。
戦闘の描写はないが、特徴的な頭部からウルトラマンエースに登場した怪獣、キングクラブがモデルだったと思われる。
キングクラブというとかなりマイナーな印象の怪獣だが、実はあの暴君怪獣タイラントの尻尾の部分である。
北斗はかなり精神年齢が低いようで、悪事をする人間を捕まえては恐喝をしていたが、そのことで進次郎、諸星と対峙し、結局諸星にボコボコにされる。因果応報とはこのことだ。