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Apr

【進撃の巨人 考察まとめ】12年の進撃を振り返る(あらすじ・ネタバレ解説)

⑩ウォール・マリア最終奪還作戦(進撃の巨人 考察まとめ)

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

進撃の巨人の最終回はいつだろうか? エレンが巨人の力を世界からなくしたときだろうか? 違う。ウォール・マリア最終奪還作戦だ!!

諌山先生も巨人が書けない日々が続いてうずうずしていたのかもしれない。
その鬱憤を晴らすかのような、人類と巨人との――壁内人類とマーレの戦士との全面戦争が始まった。

何もかも投げ出したくなるような絶望的な巨悪と、それに心臓を捧げ立ち向かう兵士たち。まさに進撃の巨人を象徴するエピソードだ。

エルヴィンとアルミンの命が天秤にかけられるシーンも壮絶である。
進撃の巨人は『選択』がテーマになっているときがいくつかある。例えば、エレンが女型に追われているとき、巨人化するかどうかで逡巡するところだ。

単行本7巻の表紙は、エレンが巨人化して、ペトラたち旧リヴァイ班の面々と共に女型の巨人を迎撃した未来だといわれている。

出典:進撃の巨人 作品公式サイト

話をウォール・マリア最終奪還作戦に戻そう。

このエピソードこそが、一世を風靡した『進撃の巨人』のクライマックスであり、母親を巨人に喰われた、少年エレンの最後の物語なのである。
これ以降はエレンがほぼ別人になってしまうため、このときまでの進撃の巨人が一番好き、という人も少なからずいるだろう。
⑪グリシャの手記、世界の真実(進撃の巨人 考察まとめ)

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

全世界が待ち続けたネタバレ回である。

飛行船の描写から始まるグリシャの物語。
ここで世界の歴史と、巨人の正体がほとんど明らかになるが、世の中に出回っていた多くの考察は外れた。
よくあった予想は、巨人は人間が科学的に開発した戦闘兵器というものだ。

また、ピクシスが初登場した際にこんな台詞を言っていた。

「人類は種族や理(ことわり)の違う者同士で果てのない殺し合いを続けていたと言われておる。その時に誰かが言ったそうな。もし…人類以外の強大な敵が現れたら、人類は一丸となり争い事をやめるだろうと…」

このことからも、巨人は人為的に開発された種と予想する人が多かった。

しかし諌山先生は北欧神話と近代史を見事に融合させたエピソードを用意しており、誰も予想しえぬ結果となった。

ナチスによるユダヤ人強制収容所がエルディア人収容所のモデルなわけだが、拷問のシーンまでキチンと描写したのには驚きだ。

エルディア人収容所とは、『無垢の巨人』という人間兵器を生み出すための牧場なのである。

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

子供の頃からの憧れ、『海』にたどり着いたエレンは、笑うことはなかった。

個人的な話だが、私は海に面していない埼玉県の出身で、11歳くらいまで海で遊んだことがなかった。初めて海にいったとき、波と空と太陽と砂浜のコラボレーションが楽しすぎて、夢中になって泳ぎ、遊んだことを覚えている。

だからアルミン、ミカサと共に、エレンが海で笑い合う姿を夢想していた。

辛いことをたくさん経験してきた分、子供の頃の自分のように、海で時間を忘れて楽しんで欲しかった。
しかし悲しいまでにリアルなのが、この作品である。
エレンにとって海とは、自分たちと敵とを隔てているもの、ただそれだけだった。
⑫軍事大国マーレ編(進撃の巨人 考察まとめ)

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

主人公も世界も、何もかもがここで変わった。舞台は『マーレ』という戦争真っただ中の近代国家。

マーレの時代設定は20世紀前半。既に車が走っているので、実は戦闘機が生み出される寸前である。対して、エレンたちがウォール・マリア奪還をしていたころのパラディ島は19世紀前半くらいの科学水準だったと思われる。

しかし立体機動装置と超硬質ブレードがあったことから、ガス関連と製鉄技術だけは発展していたのだろう。

哀しいことだが、戦争が人類の技術を飛躍的に発展させる。我々の世界でも、医療技術や航空・造船技術、嬉しくはないが爆弾なども二度の世界大戦で急激に発展した。

『進撃』の世界は太陽の位置だったり文字だったりが逆になっているが、世界地図も上下左右が逆になっている。

マーレとパラディ島の位置は、上下左右が逆のアフリカ大陸とマダガスカル島の位置で間違いないだろう。『進撃』の登場人物はヨーロッパ系の顔立ちが多いが、アフリカ大陸に住んでいると考えると面白い。

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

エレンたちが海を見てから4年の歳月が経過しているが、あまり外見的特徴の変化は見られない

作中で数年間が経過した少年漫画といえば『ONE PIECE』が有名だが、ONE PIECEほどわかりやすくイメチェンしたキャラクターはいない。

表面的な楽しさではなく、リアルな人間模様を描くと決めた諌山先生の決意の表れだろうか。

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

ヴィリー・タイバーの演説の最中に巨人化する演出は最高である。

ここで完全に登場人物の善悪が逆転した。ここまで主人公が敵キャラに回る作品がかつてあっただろうか? 『機動戦士ガンダム』は戦争の話なので、どちらの陣営も悪くない、みんな戦いたくないという物語だったが、アムロ・レイは悪役扱いされなかった。

しかし『進撃』はどうだ? 生きるために主人公たちが他国を侵略するという問題作なのである。

人類のため、知恵を振り絞って超大型巨人と戦ったアルミンが、同じ超大型の力で港を吹っ飛ばすシーンが印象的だ。

エレンを支援する必要があったとはいえ、やったことはベルトルトと同じなのだ。
⑬パラディ島内乱編(進撃の巨人 考察まとめ)

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

『機動戦士Zガンダム』よろしく、パラディ島での内乱が描かれる。戦う相手が人間というのは王政奪還編以来だが、ジークやマーレ義勇兵がいるからか、こちらの方がシリアスで惹きつけられる。

どのキャラクターにもそれぞれの考えと正義があるのが面白いところで、例えばエルヴィンとピクシスも完全に同じ志を持っていたわけではなかった。
群像劇としてもクオリティが異常に高い。

エレンが完全に悪者になってるわけで、壮絶なイメチェンである。ペトラたちがこの大人エレンを見たらどう思っただろうか。

後半ではジークの過去が描かれる。進撃の巨人屈指のクソ野郎であるジークにも大切な人と信念があったわけだ。

ここはアニメだと子安さんの演技がすごいので見てほしい。おっさんジークと青年ジークで声が違うし、青年ジークはイケボでびっくりする。

声が違うといえば梶裕貴さんもすごいのだが。
政治色が強いが、決して中だるみのない秀逸な章である。
⑭マーレ・カウンターアタック(進撃の巨人 考察まとめ)

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

一か月ほどでマーレが逆襲してきたわけだが、完全に軍備が整ったわけではないだろう。しかし早々に殴り返すというのは戦術として効果的だ。

奇襲性があるので心の隙間を突けるのである。どんな軍隊でも油断があればそこから崩せる。

アニメでいうとFinal season1期のラストから2期の序盤に当たる。車力の巨人がバックパックを換装したが、お前ゾイドみたいで面白いなと思ったのは私だけではあるまい。

この『対巨人法装備』はマーレ編が始まったときに争っていた中東連合から鹵獲した対巨人砲台を元に設計されている。

復讐に燃えるガリアードが勇ましくて好きだ。
『男子三日会わざれば刮目してみよ』。負けた男の再挑戦には心を動かされる。

『戦鎚エレン』のお披露目となったわけだが、相当手ごわいらしく、鎧、顎、車力の3人がかりである。

ジークに「巨人化の咆哮を止めてくれ!」とコルトが懇願する。

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

「弟を想う気持ちは…よくわかる…」とジークがつぶやくのだが、この場にはジークとエレン、コルトとファルコ、さらにマルセルの記憶を見たポルコと、兄弟が3つも存在していたのである。

無垢の巨人になったファルコがやけに強いが、ファルコはジークの脊髄液を大量に摂取したわけではないので、『どの巨人を強くするか』はある程度ジークが決められるようだ。

ジークとエレンの『記憶ツアー』だが、これができた理由は2人が王家の巨人と始祖の巨人で、なおかつ時間の概念のない『道』に入っているからである。

始祖ユミルの正体と2000年前のエピソードもここで描かれる。
ユミルはジークではなくエレンに力を貸し、『地鳴らし』が発動してしまう。
『地均し』ではないのがポイントだ。
⑮最終章 天と地の戦い(進撃の巨人 考察まとめ)

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

ついに最終章である。ここからは物語を展開するというより、まとめに入った感がある。

なるべく『良い終わり方』になるように、予想を裏切る形で、捧げた心臓が報われるようにしたのだろう。

地鳴らしを発動したエレンを放置していれば「パラディ島は安泰」と言っているキャラがいたが、実はこの段階でパラディ島はズタズタである。

ジークの叫びでピクシスを始めとする首脳陣が一斉に巨人化したため、遺憾だがフロックが上位権力者になってしまった。ハンジとリヴァイも行方不明の状態だったし、国としてかなりマズイ状況である。
巨人化したナイルをガビが殺したシーンは業が深いとしか言えない。

104期生はエレンを止めに行くフェーズに入るわけだが私なら行かない(笑)

命が幾つあっても足りないし、ジャンやコニーたちは『主人公サイド補正』で生き残ったようなものだ。

でも、それで良かった。あの結末で死んでいった兵士たちは満足したのだ。

ダズとサムエルがまさかの大活躍である。

コニー、アルミン、ダズ、サムエルのやり取りは人間ドラマとして重厚なので、実写で見たい。サムエルに関しては「誰?」と思った方も多いだろう(笑)
この港での戦闘シーンは比較的コニーの出番が多い。

出典:進撃の巨人 作品公式サイト

エレンから神託を授かった神官気取りのフロックだが、キヨミに固められる(笑)

このときの極め技は合気道に近い。ヒィズルは日本モチーフなので、格闘技ファンの諌山先生は日本の古流武術を調べたのだろう。

エレンの記憶が少し明かされるシーンがあり、ここでヒストリアと密会していたことが明らかになる。

進撃の巨人七不思議のひとつに、『ヒストリアの旦那の影が薄い』ことがあり、「実はエレンと付き合ってたんじゃ…」という噂が流れた。

確かにエレンとヒストリアは美男美女だし、境遇も似ていてお似合いである。

しかし最終回まで見ればミカサ一筋だったのは明白だ

出典:進撃の巨人 作品公式サイト

33巻の表紙が1巻と対になっているのは有名である。

地鳴らし発動中の『進撃の巨人』のデザインは最高だと思う。

あばら骨で歩くとかだいぶ思い切ったな。

ここで注目したいのが、進撃の巨人の世界地図だ。

先述のように、現実世界の地球と上下左右が逆になっている。現実世界のアフリカ大陸南端がマーレの場所なのだが、マーレ人、エルディア人はヨーロッパ系の顔立ちが多い。そして逃げ惑う人々の中に、黒人が多くいるカットがあるが、明らかにイギリスの首都ロンドンの風景なのである。

つまり、現実世界から人の位置は変わらずに、地球が上下左右逆になっているのだ。

ヒィズルっぽい国に巨人が上陸する描写もあるが、ヒィズルの位置も日本とは違うのかもしれない。

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

骨怪獣エレンの背中に着地すると、歴代の九つの巨人が襲ってくる。
ここで明らかになるのが、獣の巨人は獣人型で、どの動物っぽくなるかはランダムという点だ。

クサヴァ―さんは羊の巨人で、確かにジークと比べると手足が短く、戦闘向きではなさそうだ。

アニメではクサヴァーさんの妻が、子供を道連れに自殺したことが明かされるシーンで、羊のぬいぐるみが映っていた。

ミノタウロスっぽいやつもいたし、シカタウロス(?)もいる。

しかし車力はどれだか分からないな……。

エレンの進撃の目的は、『パラディ島の104期のみんなを、人類滅亡から救った英雄にすること』だった。

きれいな終わり方で良いのではないだろうか。
始祖ユミルは初代フリッツ王を愛していたそうだが、かなり歪んでいる。
2000年前からずっとユミルは、死んだ王の命令を聞いて、土から巨人を創り続けたり、そもそもフリッツ王も舌を抜いたユミルによくも……いや、これ以上言うのはやめよう。

恋愛というものは大なり小なり気持ちわるいものだ。

エレンは始祖の力でエルディア人の記憶を操作することができた。

パラディ島を出航してから、飛行艇で飛び立つ前に(33巻)エレンは104期全員と話をして、一時的にその記憶を消していた。自分が死ぬことが分かっていたからだ。

アルミン以外との会話の内容は謎だが、ジャンは「律儀なクソバカ野郎め」と言っている。

出典:進撃の巨人 作品公式サイト

ジャンといえばエレンの死後、ミカサの旦那になった説があるが、これだけミカサがエレンのことを思っているにもかかわらず、まだミカサのことが好きだったのは確かだろう。

32巻冒頭で、イェーガー派に加わり、地鳴らしを止めに行かないジャンの未来の妄想があった。
あそこに映っていた黒髪の嫁はミカサだと推測できる。
なぜなら右目の下に傷があるからだ。

もしかしたら、エレンは「俺の死後はミカサを支えてやってくれ」などと言い残したのかもしれない。

ミカサの頭痛の原因はユミルに頭の中を覗かれていたからだ。

ユミルがミカサに興味を持っていたのは、自分のように重い愛情を持っていて、なおかつ東洋人のため始祖の力の強制力が及ばない存在だったからだろう。

しかしミカサはユミルと違い、愛する人を殺す決断をした。

愛ゆえに地獄のような2000年を過ごしてきたユミルに、そういう選択をしてもいいんだと示した。
だからユミルは成仏できたのかもしれない。
まとめ(進撃の巨人 考察まとめ)

出典:アニメ「進撃の巨人」公式アカウント(Twitter)

諌山創先生は意図的に考察が盛り上がるよう謎を残している。『進撃のスクールカースト』を本編の100年後の設定にしたこともそうだ。

エンターテイメントとしても素晴らしいが、加害者と被害者が入れ替わってしまうことや、歴史は繰り返すといったメッセージ性も強い。まさに名作だ。
始祖の巨人が大樹となり、荒廃した未来に残ったように、この作品もまた多くの人に影響を与え、語り継がれるだろう。

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