
④.ダイチ編 【『ぼくらの』最終回までネタバレ解説】
矢村大一(やむら だいいち)、通称ダイチは、家族思いで実直な短髪の少年です。父は失踪しており、母はいないという家庭の長男であり、叔父の一家の援助を受けて暮らしています。
妹が二人、弟がひとりいて、家計を助けるため中学1年生ながら新聞配達と叔父の造園業の手伝いをしています。
ダイチは『ジアースを操縦すると死ぬ』という事実が判明してから、初めてのパイロットに選ばれました(パイロットの選定は戦闘終了後に、次のパイロット本人にだけそれが判るようになっています)
しかし心の強いダイチは発狂したりはせずに、残り少ない時間を有意義に過ごそうと、弟妹と遊園地に行こうとします。
が、その前に敵が出現してしまいました。
ダイチは町の被害を最小限に抑えるため、敵を担いで海まで歩き、そこで敵を倒して逝きました。

⑤.ナカマ編 【『ぼくらの』最終回までネタバレ解説】
半井 摩子(なからい まこ)、通称ナカマは5人目の操縦者に選ばれた女の子です。ポニーテールがトレードマークのスリムな少女で、いわゆる『真面目キャラ』ですが引っ込み思案なので、他人に口うるさく指図したりはしません。
実は母親が売春婦であり、そのことを学校で馬鹿にされているため、常に優等生であろうとしています。母を軽蔑したりはしておらず、むしろ立派に働いている母を好意的に思っており、家計を助けるために自らも裁縫の仕事をしています。
得意のミシンで、自分を含む残りのパイロット11人の『戦闘用ユニフォーム』を作り、みんなに渡しました。
ナカマは敵の出現後、自分をからかっていたクラスメイトを助けた後、立派に戦い抜いて逝きます。

⑥.カコ、チズ編 【『ぼくらの』最終回までネタバレ解説】
『ぼくらの』の中で最も鬱展開なのがこの『カコ、チズ』編でしょう。
話のメインになるのは加古 功(かこ いさお)と本田 千鶴(ほんだ ちづる)です。
カコは真ん中分けの茶髪がトレードマークの少年。年齢不相応に大人びたキャラの多い『ぼくらの』の中では実に”普通の少年”でして、死の恐怖に耐えられず怯えきってしまいます。
死ぬ前に”初体験”を済ませたいと思い、チズを押し倒しますが、失敗。
自分にパイロットの番が回って来ても、ジアースに乗ったまま敵前逃亡をしてしまいます。
直後、キリエがカコをやる気にさせるために煽ったのですが、それに激怒し敵ではなくキリエをボコボコにします。
あまりの醜態にチズがナイフで、カコの首を切って殺しました。
パイロットとしての役割を果たすことなく、絶命したのです。

チズは泣きぼくろが特徴の美少女です。
カコをその手で殺した後、すぐにパイロットを引き継ぎ、戦闘を始めます。
しかしチズは敵ではなく、自分が怨みを抱いている人間を次々にジアースのレーザーで殺していきます。
チズは自分の中学校の教師、畑飼(はたがい)に恋心を抱き、男女関係を持っていたのですが、畑飼に裏切られていました。
ある日畑飼に呼び出された場所で、複数の男たちから性的暴行を受け、動画まで撮られて口止めされたのです。さらにチズは畑飼の子を身籠りました……。
自分を凌辱した大人を、次々に周囲の人間ごと殺していくチズ。
最後に 畑飼を殺そうとしましたが、畑飼の横には親愛なる自分の姉の姿がありました。
畑飼の本当の恋人は姉だったのです。
復讐を断念したチズは敵と戦い、勝利します。
ジアースの顔には光点が灯っており、それは生き残っているパイロットの人数とリンクします。
チズが落命したとき、光点は2つ消えました。
チズのお腹の子も、チズと一緒に契約していたのです。