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Sep

ドラマ化もした不倫漫画「ただ離婚してないだけ」ネタバレありで解説!

『ただ離婚してないだけ』魅力
ただの不倫ものではない

最初読み始めた時に、夫婦仲が冷めきった正隆が萌と不倫を続けていく漫画だと思っていました。
しかし、その発想はコミック1巻の中頃から大幅に裏切られます。
萌の精神状態がおかしくなるにつれて不穏になっていく空気感。
そして、殺人事件が起こり、監禁へとつながっていく。
不倫漫画かと思っていたら、いつの間にかサスペンス漫画になっていくのです。
次から次へと正隆や雪映を襲う出来事にドキドキしながらも、もう何も起こらないでほしいとすら感じてしまいます。
読み応え満載な漫画です。
しかも全5巻という短さなので、物語のテンポもすごく良いです。
「人殺し生活1日目」、「殺人共同生活 1日目 夜」「殺人共同生活 2日目 夕方」というように物語が進んでいくのもこの漫画の面白さの一つだと思います。
殺人犯の手記を読んでいるようで、実際正隆たちと同じく殺人共同生活を体験しているような感覚に陥るこの表現に引き込まれます。

心理描写がすごい

この物語の登場人物は会話以外にも心理描写が細かく描かれています。
しかも、心理描写と実際しゃべったセリフは逆のことが描かれていたりと本音と建て前というか、本心を隠しているというのか上手に表現ができませんが、心理描写の変化もまた面白さの一つです。
殺人を犯してしまった人の気持ちがよくわかるというか、心理描写が秀逸すぎて、共感してしまう部分があります。
コミックの巻末には元警視庁刑事のコメントも掲載されているのですが、作者の体験と思えるくらいリアルと書かれているくらいリアルです。
追い詰められていく正隆や雪映の心理に読者側もハラハラさせられっぱなしになります

“もしも”の世界が描かれている

この漫画は全5巻となっているのですが、本編が描かれているのは4巻までです。
5巻に何が描かれているのかと言えば“もしも”の世界。
もしも殺人事件を犯さなかったらを主軸として物語が進んでいきます。
パラレルワールドの世界を描いているのかと思えば、本編では描かれなかった設定が描かれていることもあるため、本編ともつながりをもって読めます。
例えば、萌の生い立ちや佐野のこと。
本編では正隆と雪映メインで話が進んでいくため、萌や佐野のことについてはあまり触れられないこともあります。
しかし5巻ではそのことが描かれる。
本編を読んだ後に知る事実も多いので、登場人物たちを見る目が少し変わってそこもまた面白いです。
“もしも殺人がおこらなければ”登場人物たちがどんな世界を歩いていたのかを知ることができ、本編を読み終わった後にまた違う感想を持つことができるのもこの漫画の魅力です。

実写ドラマだと設定が変わってくる。

柿野正隆をKis-My-Ft2の北山宏光、雪映を中村ゆり、夏川萌を荻原みのりが演じている実写ドラマ。
サスペンスが原作だと、結末を知っているから面白くないなぁと思いがちですが、このドラマ設定が変わっている部分が多く、原作を知っている人でも十分に楽しめる作品です。
むしろ、原作を知っているからこそ違いを楽しむことができます。
例えば、主人公正隆のキャラクター設定も結構違うので、紹介したいと思います。
ドラマの正隆は職業フリーライターで、父親は富山に本社を置く柿野製薬株式会社の社長。
しかし、父親であり製薬会社の社長である利通は正隆の実の父親ではないため、実子である利治を会社の社長に任命したことで正隆の人生は転落することとなります。
漫画では人当りがよさそうでおしゃべりな印象を受ける正隆ですが、ドラマだと冷酷な人間として笑顔を見せずに雪映に対しても非常に横柄な態度を見せたりします。
主人公の性格や生い立ちなども変わっているため、全く違う話としても見ることができます。
また、主人公を演じる北山宏光の濡れ場が過激で話題になったり、萌役の荻原みのりが精神を壊しだし発狂するまでの狂演がすごいとトレンドに上がるなど、役者の演技力もすごく見ごたえがあります。

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