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【Sonny Boy】令和時代の漂流教室はそれだけの物語?世界観と主要登場人物をまとめて解説・考察
SonnyBoy概要
SonnyBoyは2021年夏季放送のオリジナル「SF青春群像劇」アニメ作品で、難解な世界観と登場人物が話題です。放映当初には「漂流」というキーワードから、楳図かずお先生の昭和の名作漫画「漂流教室」が連想され、パクリ説やオマージュ説が取りざたされていました。
また、キャラクター原案に「ストップ!! ひばりくん!」の江口寿史先生が起用されていて、80年代の香りを残しつつ令和時代の設定となっているのが面白い作品。ふたを開けてみると全く違う物語な上に、不条理な世界観と中学生の人間ドラマが描かれる展開でパクリとは言い難い内容です。
「漂流教室」に関するオマージュはありましたが、匂わせる程度でした。この記事では7話までの謎の多い作品の世界観とキャラクターをまとめて解説・物語の着地点を考察します。記事内にネタバレを含みますのでご注意ください。
SFと不条理
不条理な世界に「漂流した」とされている36人の少年少女たちは、大人や現実世界から隔絶されサバイバル生活を始めていきました。
魅力的な世界観ですが不思議さばかりが先行してしまい、設定部分がいまいち分かりにくく、世界観の難解さが視聴者を置き去りにしてしまっていて、SNSでは「何を描こうとしているのかわからない」や「着地点がわからない」という反応もあります。
昨今の異世界転生ファンタジーと違って「SonnyBoy」はSFを標榜しているので、ここを解明するためにまずは情報を整理していきましょう。
物語の概要
主人公の長良(ながら)を含めた生徒たちは8/16に起こった漂流によって、正体不明の空間に学校ごと閉じ込められます。漂流したのは白糸第二中学3年生の少年少女たちで、漂流した際に特殊な超能力を身につけ、漂流先の世界でたくましく生き抜いていきます。
次々現れる異次元の世界を漂流しながら、現実世界への帰還を模索し始めたり、何不自由ない漂流生活でニート生活を満喫したりと、多様な反応をする少年少女達。
次第に漂流先の世界に慣れ、それぞれにコミュニティーを形成しながら、不条理な世界を解明していく長良達は、「フィルムメーカー」と呼ばれる世界で現実への帰還方法のヒントを見つけました。