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8月20日に新作劇場版も公開される予定となっている『きんいろモザイク』略して『きんモザ』。TVアニメシリーズでは2期まで制作されている『きんモザ』ですが、TVアニメ3期は制作されるのでしょうか。

『きんモザ』3期の可能性を徹底考察

『きんモザ』の3期の可能性を徹底考察していきます。作品のストーリーだけではなく、ビジネス面などの要素も交えて考察するので、参考程度で読んでみてください。

原作のストック

2021年に完全完結した『きんモザ』は、特別編も合わせて全12巻あります。TVアニメ1期では原作1巻から原作3巻、TVアニメ2期では原作3巻から原作5巻までをアニメ化。『きんいろモザイク Pretty Days』は、原作5巻のエピソードを元にオリジナルエピソードを大幅追加したものです。

ということで、原作のストックは6巻から11巻、特別編を合わせると計7巻分のストックがあります。1クールあたり2.5巻ペースでアニメ化されているので、原作のストックは十分あるといえそうです。

ビジネス面

アニメ制作においては製作委員会という方式が採用されています。これは各企業が出資することでアニメ制作のための資金調達がされている方式で、アニメ制作会社、出版社だけではなく、音楽会社や玩具メーカー、放送局なども製作委員会に参加することがほとんどです。

しかし続編が制作される際、特に深夜帯のアニメの場合は、アニメ制作会社と出版社の意向で決定されることがほとんどですので、今回はアニメ制作サイドと出版社サイドで考察を進めていきます。

アニメ制作サイド
一般的に製作委員会がアニメ制作会社に制作費を支払うことで、アニメーターの方々がアニメ制作をスタートします。

そのためアニメ制作会社としては人気のある作品を制作することで自社のブランドやステータスを上げていきたいため、人気があるかどうかの指標がはっきりと出る円盤売上や配信サイトの再生数を、アニメ制作の指標にすることがほとんどです。

円盤売上の基準は5,000枚以上と言われていて『きんモザ』は日常系という少しマイナーなジャンルながらも5,000枚以上、円盤が売れています。6,000円ほどで価格設定されているため、1クール6巻として単純計算で1.8億円の売上を出している人気コンテンツです。

1クールの制作費が3億円といわれていますが、円盤の売上だけで1.8億円の回収です。それに加えて『きんモザ』の場合はOP・EDが非常に良曲でCDの売上も一定数ありますし、積極的にイベントを開催してきているので、かなり黒字化できているのではないでしょうか。

また、『きんモザ』のアニメ制作を担当しているStudio五組は、『きんモザ』が主力作品となっているため、『きんモザ』3期の制作依頼が来たら積極的に受注すると思われます。

出版社サイド
出版社目線としては「どれだけ原作の発行部数が売れるか」が肝になっていきます。しかし、きらら系の作品の場合、原作の発行部数はあまりあてにはならないことがほとんどです。あれだけの大ヒットを博した『けいおん！』でもシリーズ累計発行部数は335万部ほど。

全7巻しか発売されていないため1巻あたり50万部。参考までに『五等分の花嫁』は全14巻で、発行部数は1,500万部を突破しています。1巻あたり100万部売れている計算です。そう考えると、きらら系のコミックスが売れづらい現状が見えてくるかと思います。

きらら系のコミックスは日常4コマ漫画ということで非常に売れづらいジャンルなのです。そのため、きらら系のレーベルを担当している芳文社としては、きらら系の作品をメディアミックスさせる際に作品の知名度向上に繋げることがほとんどで、発行部数はあまり注目していないように思えます。

『きんモザ』の場合、既にある程度の知名度を獲得しているように見えますが、2010年代前半がピークだった作品のため、視聴者・読者層は20代後半の方がほとんどでしょう。そのため、3期をこのタイミングで制作することで、20代前半の読者層を新たに取り込むマーケティング手法も考えられます。

劇場版で完結する？

そもそも2021年8月20日に上映される『きんいろモザイク Thank you!!』の内容が気になるところです。あらすじでは以下のようになっています。

そして2021年——
ゆるふわ美少女アニメの金字塔「きんいろモザイク」の集大成となるファイナル
エピソードが劇場版「きんいろモザイクThank You!!」です！

ときにおかしく、いつも明るく、まっすぐできらきらした日々。
彼女たちの最後の高校生活を、劇場でお楽しみください！

以上の文脈と、キービジュアルの卒業アルバムを持った登場人物から考察するに、『きんいろモザイク Thank you!!』は卒業編を中心としたエピソードになっていくのではないでしょうか。

原作コミックスでは、卒業編はもちろん最終巻の内容です。完結編ともいえる内容の『きんいろモザイク Thank you!!』が上映された後で、3期を制作するのはあまり現実的ではないように思えます。