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Aug

祝!連載開始から20周年目! 鋼の錬金術師(ハガレン)の魅力徹底解説!!

出典:Amazon.co.jp

2021年7月12日に連載開始から20周年を迎える『鋼の錬金術師』。少年漫画でありながら絶望や、人が無力であることから逃げずに正面から書ききった快作です。20年経ってもまったく衰えない人気の秘密に迫ります。

戦争やトラウマから逃げない

鋼の錬金術師は、11歳の少年の左足が千切れたように失われる衝撃的なシーンから始まります。早逝した母を求めて努力した結果『人体錬成』という禁忌を犯してしまい、自らの足と弟を奪われたのです。これがハガレンの主人公、エドワード・エルリックのトラウマです。

少々残酷なのではと思ってしまいますが、エドワードだけでなく、他のキャラクターもつらい過去があったり、戦争で加害者になったり被害者になったりしています。生きていれば、絶望のどん底に突き落とされることもありますが、ハガレンのキャラクターたちも同様です。

しかし皆、それから逃げずに乗り越えようとします。残酷なシーンの多い漫画は近年増えてきましたが、キャラクターひとりひとりが自分のトラウマと向き合い、乗り越える漫画は少ないのではないでしょうか。

リアルな戦争の描写、残虐なシーンは描くのに精神力が要る、といいますが、目をそらさずに描ききった荒川先生の胆力も素晴らしいです。

等価交換の法則が良い

ハガレンが画期的と評される理由のひとつが『等価交換』です。『なにかを得ようとするならそれと同等の代価が必要』という原則でして、錬金術の基本であり作品全体のテーマにもなっています。錬金術でいうと無から有を生み出すことは出来ず、重さ1kgの鉄の剣を作ろうとしたら1kgの鉄が必要、ということです。

バトルシーンの多い少年漫画で、最初から最後までこの法則を守り続けるというのはすごいことです。この等価交換があるからこそ、過剰な強さのインフレーションが起きず、架空の世界でありながらリアリティに溢れています。

登場人物たちは鍛錬と知恵で強くなり、一歩一歩進むことで未来を変えていくのです。ハガレンのキャラクターは地道な努力で前へ進むので、その過程に胸を打たれます。

男たちがかっこいい

「等価交換が素晴らしい!」、「どのキャラにも見せ場がある!」、「計算されたリアルなストーリーが圧巻!」  ハガレンの魅力を検索すると、このような意見が多く出てきます。しかし見逃してはいけないのが、男たちのかっこよさです。

ハガレンに登場する男たちは皆己を鍛え、自分に厳しく他人に優しく、そして家族を愛する心を持っています(例外はいます)男たちがしっかりと地に足をつけて、意志を貫徹しようとする。その姿勢が堪らなくかっこいいのです。ハガレンの男たちは期待を裏切りません。

『男が男らしい』といいますか。それを体現するのが『ブラッドレイVSバッカニア大尉&フー』です。人造人間(ホムンクルス)が登場し、派手な錬金術が発動する世界でありながら『魁!!男塾』のように意地と根性で喰らいつく、泥臭い激闘です。さらに主人公はラスボス相手に素手で立ち向かいます。

バトルものの少年漫画としても100点満点ではないでしょうか。

流行りに媚びない

TVドラマでは視聴率稼ぎのために、流行りのイケメン俳優がキャスティングされることがあります。漫画も同様の理由で、容姿の良いキャラクターを並べることがありますが、ハガレンはそんなことありません。おじさんも、太った人も、禿頭の方も違和感なく登場します。

みんな味のある、魅力的な大人たちです。線の細いイケメンなどいません(アルフォンスは話の都合上ガリガリになりましたが……)極めつけは『女の子が可愛くない』ところです(褒めてます)読者を喜ばせる『萌え要素』や客寄せのサービスシーンなんて1ミリもないです。

「ハガレンのヒロインって誰!?」と聞かれたら、一応「ウィンリィ・ロックベルかな……」と回答しますが、ウィンリィはヒロインというより、『主人公の幼馴染』といった方がしっくりきます。ヒロイン扱いされているヒロインはいないのです。むしろハガレンに男も女もありません。

どのキャラクターもただ意志を貫き通す、自分に恥じない生き方をしているだけです。

ハガレンに『モブキャラ』はいない

ハガレンにモブキャラはいません。全員が役割のある、血の通った人間たちです。エドワードやアルフォンスと同じように、挫折から立ち上がり成長していく人間なのです。そんな脇役はおじさんばかりですが、それがいいのです! 人としての魅力がにじみ出ているのです!

映画で例えるなら『シン・ゴジラ』のように、チョイ役にさえ一流俳優を惜しみなく起用した作品なのです。ハガレンに必要のない人なんていません。名前のないキャラクターでさえ、目頭を熱くさせてくれます。余談ですが絵は美形よりも不細工を書く方が難しいとされます。

人間を絶妙に描き分けられる荒川先生の画力も素晴らしいです。

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