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【鋼の錬金術師】ハガレン 人生に役立ちそうな名言・格言10選 【ネタバレあり】
少年漫画史に残る伝説のダークファンタジー、『鋼の錬金術師』。そんなハガレンは2021年7月12日に連載開始から20周年を迎えます。主人公たちが熱く前に進み続けるストーリーは多くの感動と名言を生みました。ここではそんなハガレンの名言についてまとめていきます。
①「立って歩け、前へ進め、あんたには立派な足がついているじゃないか」(1巻2話)
主人公エドワード・エルリックのセリフです。信じていた宗教がインチキだと知り、何にも縋れなくなったロゼという女性にかけたひと言でした。連載がスタートした直後の、あまりにもかっこよすぎるセリフにしびれた方も多いのではないでしょうか。2話は1話と前後編になっているので、実質ハガレンの最初のエピソードです。
この『自分の足で前へ進め』というのは最終回まで続くハガレンのテーマになっていますので、それを最初に持ってくるというのは作者、荒川弘先生の構成力の高さの表れです。
②「何かを得ようとするならそれなりの代価を払わなければいけない」(1巻2話)
同じく2話で主人公の弟、アルフォンスが言ったセリフです。この『等価交換』という原則はハガレンが素晴らしい、画期的だと賞賛される理由のひとつでして、例え少年漫画の主人公たちでも、魔法使いのように何でも出来るわけじゃない、というハガレンのリアル過ぎる世界観を表しています。
私たちも成績を上げるためには勉強しないといけなかったり、高価なものを買うのにはそれなりのお金が必要だったりします。エルリック兄弟も『努力』という代価を払ったからこそ錬金術を使いこなせているのです。
③「何かに一生懸命になれるって事はそれ自体が才能だと思う」(3巻 10話)
アルフォンスがシェスカという女の子にかけたセリフです。シェスカは国立中央図書館の分館に勤務していましたが、本が好きすぎるあまり、仕事中に読書をしたためクビにされてしまいました。本を読む以外は何をやっても鈍くさいらしいのですが、一度読んだ書物の内容は完璧に暗記するという凄すぎる特技を持っています。
しかしシェスカは自信がないのか、自分のことを『社会のクズ』、『ダメ人間』と評します。そんな彼女にアルフォンスが言いました。『好きこそ物の上手なれ』とも言いますし、何かにのめり込めるって素敵ですよね。努力する人や、やりたいことがある人に寄り添うような優しいひと言でした。
④「堪えねばならんだよ」(7巻26話)
ハガレンには、傷の男(スカー)というキャラクターがいます。国家錬金術師という、凄腕の錬金術師たちに親兄弟や友人をはじめ、自分の一族を大虐殺された男です。スカーはそれがきっかけで、国家錬金術師を片っ端から殺して回る復讐鬼になります。
そんなスカーは戦闘で傷つき、とあるスラムに流れ着きます。そこには殺され尽くされたはずの、自分と同じ民族(イシュヴァールの民)の生き残りがいました。そのうちのひとり、スカーの師父がスカーにかけた言葉です。全文は「復讐は新たな復讐の芽を育てる。
そんな不毛な循環は早々に断ち斬らねばいかんのだ。堪えねばならんのだよ」となります。
さらにその後、18巻の72話ではこの会話の続きがスカーの回想シーンとして出てきます。「国軍のした事を許せと言うのですか」と言い返すスカーを、師父が諭します。「勘違いするな。『堪える』と『許す』は違う。世の理不尽な出来事を許してはいかん。
人として憤らねばならん。だが堪えねばならぬ。憎しみの連鎖は誰かが断たねばならぬ。怒りのままに流されればそれは獣・畜生と同じ。たとえ世界の全てがイシュヴァール人を否定しようとも我々は「人間」なのだ。獣の道に堕ちてはいかん」
非常に深い言葉だと思います。人間は皆ひとりではありませんから、やられたからといってやり返していては復讐の発生は止まりません。私たちの世界でも、戦争の報復にテロが起こって、無関係な人がたくさん巻き込まれています。
気持ちを晴らすことも大事だとは思いますが、どこかで自分の感情がある程度落ち着ける、妥協点みたいなものを探れると良いですよね。
⑤「『ありえない』なんて事はありえない」(7巻27話)
魔法のような錬金術が存在するハガレンの世界でも、人間が人工的に造り出された事例はないとされていました。しかし冒険を続ける中で、アルフォンスは人造人間(ホムンクルス)と出会います。『グリード』という男です。
頭が吹っ飛んでも再生するグリードの異常な回復力を見て、取り乱すアルフォンスに「『ありえない』なんてことはありえない」とグリードは言い放ちます。生きていれば「嘘だ」、「こんな事があるはずない」と言いたくなる不測の事態が必ず起こります。
しかしそんな極小の確率の出来事が我が身に降りかかることはあるのです。私たちがホムンクルスと遭遇することはないと思いますが、覚えておいて損はない教訓だと思います。