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26

Jun

【東京リベンジャーズ】花垣武道(タケミチ)はどうして弱いままなのか? 徹底考証

出典 : Ⓒ和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会 : TVアニメ『東京リベンジャーズ』公式サイト

2021年夏に放送を開始したテレビアニメ『東京リベンジャーズ』より、主人公・タケミチこと花垣武道を大特集!
タイムリープ能力を持ち、最善の未来を目指して何度も過去と未来を行き来する彼の本質を徹底検証します!

花垣武道(はながき たけみち)キャラクター概要

出典 : Ⓒ和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会 : TVアニメ『東京リベンジャーズ』公式サイト

『東京卍リベンジャーズ』に登場する男性キャラクターで、本作の主人公。
中学時代は金髪に染め、一昔前の不良のような格好をしていました。
26歳時には黒髪に戻しており、ごく普通の青年の姿になっています。

中学時代の彼女・橘日向(たちばな ひなた)が暴走族「東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれ死亡したと知った翌日、駅のホームで何者かに突き落とされ電車に撥ねられる寸前、中学時代へとタイムリープする事に。
そこでヒナタの弟・ナオトに未来のことを話したところ、再び現世に戻り一命を取り留めていたことから、過去を変えることで未来も変わると判明
刑事となったナオトのサポートを受けながらタイムリープを繰り返し、ヒナタの死なない未来を目指して奮闘を繰り広げます。

2回目のタイムリープで東卍の総長・マイキーこと佐野万次郎(さの まんじろう)と出会い、彼に一目で気に入られ、以降は彼や副総長のドラケンこと龍宮寺堅(りゅうぐうじ けん)と行動を共にする機会が増えます。
その中でマイキーやドラケンの人柄に触れ、彼らが無関係の人間を巻き込むような人物ではないと考え、事件の原因を突き止めるべき奔走することになります。

タイムリープ前は、中学時代の挫折を機にずっとうだつが上がらない日々を送っていたため、ネガティブで臆病な大人になっていました。
しかし幾度もの失敗と挫折を乗り越え、仲間たちとの絆によって精神的に成長。
ケンカが弱い点は昔と変わりませんが、遥か格上相手でも怯まない胆力を身に付けています。

男にモテるタイプで、マイキーやドラケンだけでなく東卍の多くの面々からも信頼を寄せられるようになり、敵対する相手からも一目置かれる存在となります。
ヒナタとの仲は良好で、ボロボロになった情けない姿も肯定されるなど、常に相思相愛の関係です。

東卍所属の面々からは、マイキーによって付けられた渾名「タケミっち」で呼ばれています。

担当声優は新祐樹(しん ゆうき)さん

タケミチが弱くなければならない理由

出典 : Ⓒ和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会 : TVアニメ『東京リベンジャーズ』公式サイト

現在、大ヒットを記録している東京卍リベンジャーズですが、本作には近年のヒット作品とは大きく異なる要素が一つあります。
主人公のタケミチが弱い点です。

バトル要素があるメガヒット作の多くは、主人公に見せ場を作るだけの戦闘力があるもの。
主人公がそこまで強くない『鬼滅の刃』『呪術廻戦』でもある程度の強さは備えていきますし、『進撃の巨人』のエレンも人間状態では弱いですが巨人になれる特性を持っているため、戦闘シーンの見せ場は多々あります。
バトル作品の主人公というのは、開始当初は弱くとも次第に成長し強敵相手に勝利を収めるという昔ながらのパターンと、ワンパンマンやなろう系のような最初から主人公最強のパターンのどちらかに分類されるのが普通です。

しかしタケミチは、このどちらにも属しません。
タイムリープという特殊な能力こそ持っているものの、ケンカはずっと弱いまま
これは、近年のトレンドとは真逆の主人公像です。

とはいえ、タケミチは「弱い」主人公ではありません。
弱さのあまり全てから逃げ出し、卑屈で情けない大人になってしまった自分へのリベンジを掲げ、自分より強い相手にも向かって行く不屈の魂を身に付けていきます。

と、ここだけを切り取れば、精神論・根性論を美化し、精神が肉体を凌駕する昔ながらの主人公と思われてしまいそうですが……実際には違います。
何故なら、彼は決して輝かしい戦績を残している訳ではないからです。

序盤に最初の壁として立ちはだかったキヨマサにこそ勝利しましたが、その後の愛美愛主戦、芭流覇羅戦、黒龍戦、そして天竺戦と、いずれもタケミチが直接戦って敵を倒した訳ではありません。
彼は主人公でありながら、男気を見せ仲間を鼓舞する裏方のような役回りであり、ボス級の敵と戦うのは毎回マイキーです。
この点は昔の漫画の主人公とは大きく異なります。

では、どうして不良モノの主人公なのにタケミチは「ケンカで勝つ」という見せ場が殆ど描かれないのでしょうか?
それは、本作が一貫して「ケンカに勝つことが強さじゃない」「強さとは他人にも自分にも屈しないこと」、すなわち心の強さをテーマに掲げているからです。

もしタケミチが物語の途中で特訓でもしてケンカに強くなり、強敵相手でもそれなりに戦えて、精神面で上回って大金星をあげる……といったキャラになったら、主人公らしくはなるでしょう。
しかし本作のテーマとしている「心の強さ」が少し薄れてしまいます。
タケミチが弱いまま奮闘するからこそ、「ケンカに勝つことが強さじゃない」というテーマが際立つのです。

東京リベンジャーズのキャラは個性的で魅力に溢れていますが、本作はキャラの描写に重きを置いた作品ではなく、ストーリーとキャラを通してテーマを伝えるタイプの作品です。
その主人公であるタケミチは、どうしても弱くなければならないのです。

まとめ

原作は最終章に突入した東リベですが、タケミチがケンカで強くなることは最後までないでしょう。
なろう系のような主人公無双の作品が多いこの時代、精神で圧倒するという昔ながらの主人公像が今の時代にも通用しているのは興味深いですね!

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