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【はたらく魔王さま】奇跡の2期制作決定! どうして1期から8年が経った今なのかを徹底検証
出典 : © 2021 和ヶ原聡司/KADOKAWA/MAOUSAMA Project : TVアニメ『はたらく魔王さま!』公式サイト
『はたらく魔王さま』のテレビアニメ2期制作が決定!
2013年に放送され大ヒットしたものの、続編が作られないまま8年が経過し、2020年に原作は完結。何故このタイミングで2期が実現したのか、徹底検証します!
8年ぶりのアニメ化に業界騒然
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2021年3月6日よりスタートしたイベント「KADOKAWA ライトノベルEXPO 2020」の新作発表ステージで、『はたらく魔王さま』のテレビアニメ2期制作が発表されました。
このニュースが公開されるや否や、瞬く間にネット上で話題になり、他の錚々たる作品や話題を抑えトレンド1位を獲得。
アニメファン、ラノベファンの間に激震が走りました。
何故そこまで大きな話題になったのかというと……作者の和ヶ原聡司先生やイラスト担当の029先生をはじめ、ほとんどのファンが2期を諦めていたからです。
というのも、1期が放送されたのは2013年のこと。
実に8年もの間、アニメ『はたらく魔王さま』は沈黙し続けていたのです。
1期が大して売れていなければ、続編の話がなくても当然なのですが……本作はBlu-ray・DVD(円盤)が大ヒットを記録。
なのに、一向に2期の話が出ないまま長い年月が経ち、2020年8月に原作は完結しました。
それだけに、このタイミングで2期決定は、ずっと待ち望んでいたファンにとっても寝耳に水の出来事。
アニメ界隈では一大サプライズとして扱われ、「だったら何年も続編が作られていない○○○○にもチャンスがある!」と別作品のファンまで色めき立つなど、大反響を呼んでいます。
では、そんな『はたらく魔王さま』がどういった内容の作品なのかを簡単に振り返ってみましょう。
1期円盤は全巻1万枚超の大ヒット!「逆」異世界転移ファンタジー
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はたらく魔王さまは、『魔王城は六畳一間!』というタイトルで第17回電撃小説大賞に応募され、銀賞を受賞したことで2011年2月に刊行を開始したライトノベル作品です。
主人公は魔王サタンこと真奥貞夫(まおう さだお)。
世界征服まであと少しというところまで迫りながら、勇者エミリアによって追い詰められ、異世界へ続くゲートで撤退したところ地球の日本へ漂着し、人間の姿となってアルバイト生活を余儀なくされました。
そんな彼が魔王軍再興を誓い、地球征服の手始めに正社員の地位を得ようと奮闘するも、トドメを刺す為に追ってきたエミリアこと遊佐恵美(ゆさ えみ)、アルバイトの後輩・佐々木千穂(ささき ちほ)、かつての腹心アルシエルこと芦屋四郎(あしや しろう)、聖職者の鎌月鈴乃(かまづき すずの)などと過ごす忙しない日常や壮大なトラブルに追われ、悪戦苦闘の日々が続く……というお話です。
ジャンルは異世界転移ファンタジーですが、小説家になろうの普及で一大ジャンルとなった異世界転移/転生のテンプレートとは逆で、主人公が異世界から地球へと転移してきた作品。
言うなれば「逆異世界転移」ですね。
なろうの影響によって異世界転移/転生が大ブームになる前から、その一歩先の設定で人気を博した、時代を先取りしたヒット作だったのです。
円盤売上は1~6巻の全巻が1万枚を突破。
今よりも円盤が売れていた当時においても大ヒットと言える枚数で、通常であれば何の問題もなく2期が実現するラインです。
しかし、他の人気アニメが次々に続編を作られる中、本作は何故かスルーされ続け、8年もの月日が流れました。
原作完結から半年のタイミングで何故?
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8年というと、途方もない年月なのは言うまでもありません。
当時小学生6年生だった子供が20歳に、中学2年生だった子が社会人になっている訳ですから、「当時のファンよもう一度集まれ!」と言っても、そう簡単にはいかないくらいの時間が流れています。
まして、原作完結から半年が経過しているタイミング。
和ヶ原先生先生も2期決定に際し「2020年8月にシリーズ最終巻である『はたらく魔王さま!21』を上梓し、もう無いだろうと思っていました。」とのコメントを寄せており、029先生も「正直な話、ご連絡を頂いた時『えっ今ですか!?』と口に出してしまう程驚きました。」と仰っています。
恐らくほとんどのファンが同じ思いだったことでしょう。
にもかかわらず何故、はたらく魔王さまの2期は実現したのか?
その理由で最も妥当なのは「10周年だから」です。
2011年に刊行を開始した本作は、2021年で10周年を迎えました。
電撃文庫のアニメは、ストックが十分あるのに長期にわたって2期や3期が作られないケースが結構ありますが、同時にアニバーサリーイヤーになってから新作や続編を作るケースもかなりあります。
同じく1期がヒットした『デュラララ!!』も長らく2期が作られませんでしたが、刊行10周年のタイミングで2期制作を発表。
『ブギーポップ』シリーズは20周年の際に待望のテレビアニメ化が発表されました。
『魔法科高校の劣等生』も10周年にスピンオフのアニメ化など様々な企画が発表されていますし、一度完結した『狼と香辛料』も刊行10周年のタイミングで刊行再開&新シリーズを開始しました。
こういった過去の傾向から、電撃文庫はアニバーサリーに大きな企画を準備するレーベルと思われ、10周年を迎えたはたらく魔王さまにもスポットを当てることになったと推測できます。