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Mar

【安達としまむら】2期の可能性を徹底検証! 百合アニメに立ちはだかるハードルとは?

出典 : Amazon.co.jp

2020年秋に放送されたアニメ『安達としまむら』2期が制作される可能性を徹底検証!
円盤売上、配信実績、原作への影響、そして過去の百合作品および電撃文庫のアニメ化実績から、再び『あだしま』をアニメで観られるか予想します!

鑑賞から応援へ! 百合の更なる可能性を引き出した『あだしま』の魅力

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『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』『電波女と青春男』『六百六十円の事情』『アラタなるセカイ』など、数多くの名作を世に輩出してきた入間人間先生が2013年より刊行を開始した『安達としまむら』テレビアニメが、2020年秋に放送されました。
本作のジャンルは「百合」
女子高生の安達桜(あだち さくら)と島村抱月(しまむら ほうげつ)の出会い、2人の少しだけ風変わりな日常、そして変化する関係性を描いた物語です。

百合作品は、作中における百合の位置付けがとても重要で、それによってカテゴリーが変わってくるほど大きな違いが生じます。
登場人物が女子しかいない作品、百合がマジョリティな世界観の作品、マジョリティではないけど主人公の周囲に百合カップルが何組もいる作品、そして現実世界の百合に対する認識と同じ世界観の作品では、同じ「百合」という括りでも各々全く異なるジャンルなのです。

その点でいうと、『あだしま』は現実世界に比較的近い世界観の作品です。
一方で、百合に対して抱く背徳感や周囲からの奇異の目はあまりなく、自称宇宙人も登場するので、いわゆるファンタジー百合の範疇にも入ります。

そんな本作最大の見所は、安達の動向です。
一見するとクールっぽい女子で、実際しまむらと出会った直後まではそういうキャラでしたが、しまむらを好きになって以降は「不器用でヘタレでコミュ症でテンパリ癖があるのに妙に行動力もある嫉妬深い女子」になり、様々な暴走を見せてくれます。
本人も自覚するほど人間味が薄いしまむらとは良いコンビで、そんな2人、特に安達を応援したくなるのがこの作品の特徴でもあります。

一般的に、百合作品は男性ファンが多く、登場人物に感情移入するというよりは尊い関係性を鑑賞するというケースが大半を占めていると思われます。
しかしこの『あだしま』は、安達に感情移入して応援したり、しまむらに感情移入して安達の奇行を楽しむ、といったファンが多く見受けられます。
百合では珍しい感情移入型の作品であり、アニメの放送時にも安達を応援する声が多数見受けられました。

円盤売上は百合アニメの中では好調! ただし……

出典 : Amazon.co.jp

『あだしま』のBlu-ray・DVD(円盤)売上は、1巻が約3100枚、2巻が2700枚という結果でした。
3巻と4巻はイベントチケット優先販売申込券が封入されないので、恐らく少し下がると思われますが、それでも平均2500枚以上になると予想されます。

この数字は、近年の円盤不況の中では比較的好調と言えます。
特に、決してメジャーなジャンルではない百合アニメ、その中でもレアなラノベ原作の百合アニメとしては、かなり健闘したと言える数字です。
今後、ラノベの百合作品のアニメ化が検討される上で、明るい材料になる結果だったと言えるでしょう。

ただ、現実として『あだしま』の2期が作られるかどうかの基準として見ると、ボーダーにやや及ばないという印象です。

近年は円盤売上が続編制作の決め手になるとは限らず、あくまで収益の柱の1つという位置付けになっていますが、『あだしま』は円盤売上の比重が高いタイプの作品と思われます。
というのも、配信において百合系、日常系は海外で受けにくいジャンルだからです。

また、国内での配信実績に関しても、ニコニコ動画では2020秋アニメ内12位と健闘していますがABEMAビデオなどではやや伸び悩み、各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」では23位となっています。
よって、配信全般においてあまり強いタイプのアニメではないと言えます。

原作の累計発行部数に関しては、公式なアナウンスがないので正式な数字は不明ですが、アニメ化されている以上ヒット作なのは間違いありません。
アニメ放送後、原作小説もコミカライズも重版がかかっており、アニメ化効果も出ているようです。
しかし、それらの売上で出版社が2期を決めるほどの大きなセールスではないと思われ、2期の決め手にはならないのが現状でしょう。

グッズ展開もある程度は行われていますが、フィギュア化はされておらず、メインキャラの数も少ないので、グッズ化が積極的に行われるタイプのアニメでもありません。

これらのことを総合的に判断すると、『あだしま』の2期はやや厳しいかもしれない、という結論に達します。

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