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Mar

【鬼滅の刃】の爆発でジャンプが変わる? メガヒット作登場以降の漫画雑誌を徹底考察

ジャンプ以外のメガヒット誕生後の事例

出典 : Amazon.co.jp

このような、1つのヒット作によって雑誌そのもののカラーやその後の傾向が大きく様変わりする現象は、何もジャンプだけではありません。

例えば、週刊少年サンデーも1970年代までは『プロゴルファー猿』『がんばれ元気』など男の子が好みそうなスポーツものロボットものが多かったのに対し、『うる星やつら』が本格的に人気を博した1980年代以降はラブコメなど女性読者を強く意識した作品が増えました。

月刊少年ガンガンもそうですね。
ガンガンは創刊当初からずっと『南国少年パプワくん』『魔法陣グルグル』などのコメディ作品が多めの雑誌でしたが、『鋼の錬金術師』が連載を開始した2000年代以降はダーク・シリアス寄りの作品が増え、『屍姫』『ソウルイーター』などがヒットしました。
漫画界全体の傾向、読者の年齢層のアップなどを考慮しても、ハガレンの影響は多分にあったと思われます。

一方で、マガジン『金田一少年の事件簿』『GTO』といったメガヒット作品による影響はあまり見受けられません。
マガジン、ヤンマガといった講談社の雑誌は最初から偏りが顕著で、ある時代はヤンキー漫画が多く、ある時代はラブコメ、またある時はデスゲーム系が連投される……といった感じで、ヒット作云々というより元々編集部の意向がジャンルに強く反映されている印象です。
そのためか、別冊少年マガジンも進撃の大ヒット以降でダークファンタジーやバトル路線の作品が顕著に増えることもありませんでした。(進撃関連のスピンオフは多数連載されましたが)

メガヒット誕生後の影響の有無は、出版社や雑誌に拠ります。
とはいえ全体的な傾向としては、やはり大ヒット作の余波は何らかの形で顕在化することが多いようです。

新たなヒット作が生まれる確率は高い?

出典 : © SHUEISHA Inc. : 『アンデッドアンラック』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト

上記のような過去の事例を見る限り、ある作品が社会現象級の大ヒットを記録した翌年には、のちのヒット作が連載を開始する可能性が高いようです。
よって、2020年にジャンプから有力作が生まれることが期待できます。

2020年に新連載としてスタートしたのは『アンデッドアンラック』『マッシュル -MASHLE-』『魔女の守人』の3作品。
今のところ上位陣に食い込むほどの勢いを見せている作品はありませんが、当初は掲載順が中位・下位だったヒット作は幾らでもあります。
『銀魂』や『黒子のバスケ』などは連載当初、下位の方が多かったくらいです。

そして何より、メガヒット作となった鬼滅もまた、当初は下位常連でした。
掲載順が中位より上で安定するようになったのは、連載開始から1年近く経ってから。
よって、現在燻っている漫画もまだまだ展開次第ではチャンスがあります。

「惨い目に遭う主人公」が増える?

出典 : Amazon.co.jp

鬼滅の大ヒットによって、今後ジャンプには鬼滅フォロワーとも言える作品が増える可能性があります。
もちろん、内容が露骨に似ている作品をそのまま連載させることはしないでしょう。
また、既に呪術廻戦やチェンソーマンといったダークファンタジーが連載作品として定着している以上、今後更に増やすかどうかは微妙なところです。

一方で、最近の新連載ではあまり見られなくなっていた女性向けの漫画は、今後増えるかもしれません。
鬼滅は女性からの支持が絶大なので、この女性層を更に拡大すべく、女性作家の作品が投入されることが予想されます。
元々ジャンプは定期的に女性から支持される作品を多く輩出している雑誌なので、またその波が来たということでしょう。

そして、近年の作品は主人公が心に大きな傷を負うような導入や展開が以前より減っていることが指摘されてきましたが、これも今後変わってくると思われます。
主人公が悲惨な状況に置かれるのを忌避する層は「男性主人公が酷い目に遭うのが嫌な男性読者」が大半なので、女性向けの作品で男性主人公が酷い目に遭うのはあまり問題にならないでしょう。

どのような形になるかは不透明ですが、鬼滅の成功によってジャンプに今後何らかの大きな変化が見られるのは確実。
もしその変化がヒット作の量産に繋がれば、令和最初の黄金期がジャンプに到来するはずです。

まとめ

ジャンプが再び黄金期を迎えられるかどうかは、2020年にかかっていると言っても過言じゃありません。
今年始まったばかりの漫画、そしてこれからスタートする新連載の中に、その命運を握るような金の卵がきっとあるはず。
個人的にはアンデラに期待しています。

今年のジャンプからは目が離せません!

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