アニメ・漫画・ゲーム・コスプレなどの気になるコンテンツ情報が盛りだくさん!

MENU

7

Mar

なろうの新ブーム「悪役令嬢」を徹底解説! 次のアニメ化作品も予想

出典 : © 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会 : TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしか無い悪役令嬢に転生してしまった…』公式サイト

なろうの新たな人気ジャンルとして定着し、アニメ化作品を輩出するなど最も勢いのある「悪役令嬢」を徹底検証!
一体どういう内容のジャンルなのか、そして今後新たなアニメ化作品となるであろう人気作についてまとめました!

「悪役令嬢」は異世界転生/転移の派生ジャンル

出典 : Amazon.co.jp

小説家になろうに投稿されるWeb小説のジャンルに大きな偏りがあるのは、あまりに有名な話。
2010年前後に異世界転生/転移の一大ブームが到来して以降、投稿作品の多くが異世界転生/転移ものになっていて、この傾向は2020年現在も変わっていません。

しかし、そんな中で数年前から勢いを増し、近年はランキング上位に複数の作品を送り出すまでに成熟したジャンルがあります。
それが「悪役令嬢」です。

悪役令嬢という言葉自体は以前からあり、そのまま「主人公の敵役として登場した令嬢」を指します。
よくシンデレラの継母や義姉が例に挙げられているように、「上の立場から主人公を見下す」「お嬢様特有の傲慢さ」「無理難題や高圧的な態度で主人公を苦しめる」「恋愛におけるお邪魔虫」といった要素を含んだキャラです。
ポイントは自分の能力ではなく親の権力・財力を使って主人公を苛める点で、例えば『エースをねらえ!』のお蝶夫人は該当しません。

「高飛車で嫌みな敵役のお嬢様」というと、いかにもテンプレといったキャラのように思われますが、意外と該当するキャラがあまりいないのも特徴。
一方で、女性向けライトノベルの分野では『悪役令嬢ヴィクトリア』『悪役令嬢後宮物語』などブームになる前から「悪役令嬢」という言葉を用いた作品があり、女性ラノベファンの間では知る人ぞ知るワードでした。

ただ、なろうで現在ブームを巻き起こしてる「悪役令嬢」とは、これらの古典的な悪役令嬢を宿敵または主人公とした作品……ではありません
主に「主人公が乙女ゲームのような異世界に入り、そこで本来は悪役令嬢として登場するキャラに転生する」という設定の小説を総じて「悪役令嬢」としています。
つまり、異世界転生/転移の派生ジャンルなのです。

転生する世界は乙女ゲームとは限らず、少女漫画やアニメなども含みます。
要は「悪役令嬢が登場するような世界を舞台に、その悪役令嬢に転生した主人公が活躍する」というお話です。

ただし、悪役令嬢に生まれ変わったからといって、主人公が悪に染まる訳ではありません。
悪役令嬢なのはあくまでも設定上であり、中身は善良な一般市民で、「悪役令嬢の視点から物語に介入する」というのがこのジャンルの基盤となっています。

悪役令嬢ものは「王道の裏側」「女性視点」が魅力?

出典 : © 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会 : TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしか無い悪役令嬢に転生してしまった…』公式サイト

異世界転生/転移というジャンルがここまで多くの人を惹き付けたのは、元の世界で平凡な人生を歩んできた主人公が別の世界で活躍するという「逆転劇」と「成り上がり」に起因するアンダードッグ効果、そして現代の知識をそのまま異世界に持ち込むことで生まれる「親近感」と「親和性」による同一視の補強が大きいと思われます。

弱者や不遇な身の上の人物が強くなり、周囲から高い評価を得る物語は「勧善懲悪」と並ぶ鉄板ジャンル
そこに自分を重ねられる、もしくは自分の身近なものとして楽しめる要素が加わることで、高揚感や満足感を得ることができるのだと思われます。
昔は主人公の成長物語がこれらの充足をもたらしていましたが、「修行などの努力で強くなる」という展開がテンプレ化してしまったこともあり、より現代にマッチし、より空想に浸れる「異世界への転生/転移」による成り上がりが好まれるようになったのでしょう。

悪役令嬢ものについても、これらの魅力が基盤になっています。
転生/転移する前の主人公は隠れオタクなどリア充ではない人物が大半で、そういうキャラがゲーム設定の予備知識や家の権力・財力を駆使して異世界で活躍するのが基本的な流れです。

一方、異世界転生/転移の多くは主人公が男性なのに対し、悪役令嬢は女性主人公で確定している点は大きな違いです。
乙女ゲーの世界観が基盤になっていることもあり、女性の読者が圧倒的に多いのがこのジャンルの特徴。
悪役令嬢ものの中には「現在の婚約者との婚約を破棄して、別のイケメンキャラと結ばれる」といった作品も一定数あり、人気を博していますが、もしかしたら現実と重ね合わせている女性読者もいるかもしれません。

それに加え「王道展開のアンチテーゼ」「典型的な乙女ゲーの裏側を覗ける」という、このジャンルならではの見所があります。

ゲームや漫画などにおける悪役令嬢というと、主人公の攻略対象となる男性キャラの婚約者などが多く、最終的には主人公に敗れて婚約を破棄されてしまう展開が王道。
しかしなろうの悪役令嬢ものは、悪役令嬢が主人公補正と善良な性格を得ることで、王道とは全く違った展開になります。
また、異性にモテモテの女性主人公が脇役に回るとどうなるのか、女性主人公に言い寄るイケメンが別視点ではどんな顔を持っているのか……など、テンプレ的なキャラの裏側を見ることもできるため、新鮮な感覚で読み進めることができるのです。

このように悪役令嬢ものは、従来の異世界転生/転移と共通する魅力がありつつも、全く違った魅力を持っています。
そのため「異世界転生/転移の女性版」という一面はあるものの、安易にそれだけと決めつけることはできません。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です