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映像的表現から見るヴァイオレット・エヴァーガーデンと京アニの画づくりへのこだわり #ヴァイオレット・エヴァーガーデン

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引用:公式サイト(http://violet-evergarden.jp)

つけいる隙のないクオリティから生み出される、せつなくも美しい作品

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と言えば観る者の胸をうつ、せつなくも繊細なストーリー、人気実力派声優による他のアニメと比べて大人っぽい落ち着いた演技、美麗なキャラクターデザイン、京アニならではの作画レベル、そして現実世界に存在していると思えるほど綿密な美しい情景描写で大人気となりました。

基本的に一話完結型のストーリーで、殺人兵器として育てられたせいか最初は感情も乏しく、「自動手記人形」のその名の通り「お人形」だったヴァイオレットが様々な人々の想いに触れて「愛情」を知り、やがて成長していく物語が近年稀にみる情緒を感じさせる傑作でしたね。

主人公ヴァイオレットを演じる石川由依さんの演技も、物語が始まった当初は感情の起伏が乏しい演技でしたが回を重ねるごとに感情豊かで真に迫る演技を見せてくれました。

そんな「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」ですが、作品の数え切れないほどの魅力の中から、今回は上品で繊細な作風に一役買った情景描写について考えてみたいと思います。

 

引用:公式サイト(http://violet-evergarden.jp)

写実的なカメラワークから生み出される画面の説得力

これは本作だけではなく京都アニメーションの作品全体、そして昨今の作画レベルが高いアニメ全般に言える事なのですが、その中でも「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はテレビシリーズとしては異例のクオリティに達している稀有な例だと思います。

アニメーションはご存知の通り「描く」事で情景を映し出しますが、そこに実写撮影的な技術を取り入れる事によってビジュアル演出の説得力は飛躍的に向上します。
それはレンズ効果であったり、実写作品で使用されている技術や物理現象であったりするのですが、それら普段私たちが無意識で認知している光学現象をアニメーションの世界でも再現させることにより、よりリアルで美しい映像美を際立たせているのです。

レンズフレア(ライトリーク)


まずは本作で全篇に渡り使われている、レンズフレアとライトリーク。
これはカメラのレンズに太陽や街灯などの環境光が入ってきた時、レンズの表面に光が反射(フレア)したりレンズ内に光が漏れて(ライトリーク)起きる現象です。
カメラを使った撮影では避けて通れないと同時に、美しい画面を作る上で欠かせない現象です。

昨今のアニメ作品でも採用されている作品は非常に多いのですが、本作では全篇通していたるところに使われています。
このレンズフレアとライトリークの使い方こそが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの美しい映像を際立たせている重要な要素です。

明るく穏やかな木漏れ日、残酷な戦場の炎、眩しい日差し・・・。
登場人物たちの想いや情景にリンクする光の演出は、映像面から本作をさらに感動的に見せてくれます。

この光の繊細な使い方は京アニが特に得意とするところではないでしょうか。

タイムラプス


(0:06秒〜0:09秒)

タイムラプスとは、別名「微速度撮影」または「インターバル撮影」とも言い、一定間隔の時間で連続したスチール画像を組み合わせて生み出される撮影手法です。
タイムラプスの「ラプス」とは、「時間の経過・推移」という意味を表します。
時間が凝縮されて表現され、単なる早回しとは異なった不思議な映像感覚を得られる事で、近年では様々なプロモーション・ビデオなどでも使われていますね。みなさんお使いのスマートフォンにも機能が搭載されている方も多いのではないでしょうか。
元々がアニメではなく実写映像から生まれた技術なのですが、画面の変化が非常に特徴的な為、近年のアニメでも多用されています。

 

木漏れ日から落ちる木々の影


(1:08秒〜1:09秒)
木々の下を通り抜けていくヴァイオレット。その後ろ姿に落ちる影は一定のパターンではなく、枝と葉の間をすり抜ける光が詳細に描かれています。
人物や物体の輪郭線だけでなく、実体を持たない光学現象への作画にもこだわりが感じさせられます。

 

引きのシーンでは広角レンズ、アップでは単焦点・望遠レンズの使い分け


(3:35秒〜)
広い室内を表現する為、引きのシーンでは広角レンズ(空間が広く見える)的な表現が使われています。
広角レンズは全体にフォーカスがあたる為、あまり映像がボケる事はなく画面全体が広く映ります。
(本当は画像周辺にパースが強く影響するのですが、そのへんはあまり意識されていない様ですね)

かわってアップのシーンになると、登場人物の背景は美しくボケています。
これは焦点距離を手前の人物に合わせる事により、背景となる物体がボヤけて見える現象です。
カメラを使う人にとっては基礎的な部分ですね。
昨今のアニメは最終的にCGエフェクトをかけるのが一般的になった為、ボケ感のある映像を作る光学レンズエフェクトが使える為だと思われます。
近年のエフェクトはレンズ径や焦点距離を現実のレンズに合わせてシミュレートできる為、驚きの綺麗さを生み出しています。

カメラの揺れ


(0:37秒〜)
かつて兵士として戦っていた時代、戦場を駆け抜けるヴァイオレットのシーン。
銃弾飛び交う戦場を映す映像は激しく画面が揺れ、戦場の臨場感を出しています。
アニメでは本来存在しない、カメラマンも激しく動いて撮影した、という前提での手法です。

色収差のエフェクト

これはさらに繊細な演出なのですが、京都アニメーションの映像をよく見ると画面の端にいくにしたがって微妙に「色のズレ」があるのにお気づきではないでしょうか?
これは「色収差」と呼ばれる現象で、レンズ表面の球面の形状により、レンズ内に入ってくる光の波長が微妙にずれることによって生じる現象です。

このエフェクトは特に専門的なレンズの現象なので、詳細はこちらなどをご参照ください。

Wikipedia「色収差」

これも実写撮影の要素なのですが、京アニは特にこのエフェクトの使い方がうまいですね。
同じ京都アニメーションでは、「響け! ユーフォニアム」から特に効果的に使われている表現ではないでしょうか。

 

 

これらの映像表現技術を駆使されているヴァイオレット・エヴァーガーデンは、テレビ放送とは思えないほどの圧倒的な映像美と演出で大人気となりました。

京アニの最新作「リズと青い鳥」では劇場公開作品というのもあり、さらにグレードアップした映像美が楽しめます。
京都アニメーションが創り出す映像美にこれからもさらに期待ですね!

 

<リズと青い鳥 PV>

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