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21

Feb

キン肉マン、To Loveる、るろ剣……成功する続編漫画の条件とは?

心強い味方を得て生き返った『キン肉マン』

出典 : Amazon.co.jp

昔のヒット作の続編で最も成功したと言える漫画は『キン肉マン』でしょう。
1980年代の作品ですが、2010年代になって続編がとても高い評価を得ており、最新話が更新される度に活躍した超人がトレンド入りしています。
全盛期ほどではないにしろ商業的にも好調で、文句なしの成功例です。

ただ、このキン肉マンの続編には紆余曲折があります。

最初に続編が連載された際には『キン肉マンII世』というタイトルで、次世代の超人を描く物語でした。
前シリーズの頃より作画担当の中井義則先生の画力が大きく向上し、ケビンマスクなど次世代の超人も受け入れられ、順調に連載を重ねていましたが……第二部に当たる「究極の超人タッグ編」で評価が急落。
特に、旧シリーズの人気超人であるネプチューンマンやマンモスマンの株を下げてしまったことで、大ブーイングを浴びてしまいました。

このまま失墜してしまうと思われたキン肉マンですが……次に旧シリーズの正統続編として描かれた「完璧超人始祖編」は一転して絶賛の嵐
オールドファンだけでなく、このシリーズからキン肉マンに初めて触れたという若い世代にも受け入れられるほどの人気を博しました。

ファンの間では有名ですが、このカムバックには担当編集“山ちゃん”の力が大きく影響しているようです。
歴代の中でもダントツのキン肉マンマニアで、作品愛に溢れた担当編集がブレーンとして機能していることで、過去シリーズとの整合性や設定の再利用が行われ、「旧シリーズから登場する超人をカッコ悪く描かない」という点が徹底されました。
そして何より、そんなブレーンの存在を隠すことなくファンに伝え、キン肉マンという作品に真摯に向き合い続けているゆでたまご先生の御二方の努力と人柄が、作品とファンの信頼を蘇らせたと言えるでしょう。

掲載誌を変えて覚醒した『To Loveる』

出典 : Amazon.co.jp

どれだけ制作サイドが優秀でも、その能力を最大限活かせる環境でなければ、作品には反映されません。
それを数多の漫画ファンに知らしめたのが『To Loveる』です。

当初は週刊少年ジャンプで連載されていた本作、アニメ化されるほどヒットしましたが、「お色気路線の漫画はアンケートが弱い」という理由で連載終了となってしまいます。
しかしその後ジャンプスクエアを新天地とし、『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』に改題して続編をスタート。
その結果、旧シリーズが全18巻で700万部の発行部数だったのに対し、ダークネスは全18巻で900万部以上を記録し、ジャンプ連載時より売上が伸びたのです。

当時、ジャンプの発行部数は280万部前後で、ジャンプスクエアはダークネス連載開始時に36万部
これだけ普及率に差がありながら、作品の読者数はむしろ増えるという異常事態に発展したのです。

この要因は言うまでもないでしょう。
掲載誌が少年誌ではなくなったことで、矢吹健太朗先生によるハレンチな作画が完全解禁されたからです。

しかもフィールドが変わったことで矢吹先生自身も覚醒し、単に露出度がアップしただけでなく、常人が思いつかない様々な技法を用いてアレやアレを表現する神業を次々と披露。
「成年漫画よりエロい」「どんな薄い本より本家が一番ヤバい」と評判になり、新規ファンを大量に獲得することに成功しました。

実写映画の成功で待望論が生まれた『るろうに剣心』

出典 : Amazon.co.jp

商業的な成功という意味では、この作品も外せません。
1990年代後半のジャンプを支えた看板作品で、2017年よりジャンプスクエアで『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』というタイトルで続編がスタート。
3巻まで発売され、大ヒットを記録しています。

るろ剣の続編が成功した背景には、実写映画のヒットがあります。

一時代を築いた作品とはいえ、連載終了から20年近くが経過していれば、どうしても色褪せるもの。
作者の和月伸宏先生も、その後『武装錬金』でアニメ化を果たしてはいたものの長期連載となった作品はなく、もしそのままダイレクトに北海道編が始まっていたら「過去の人気作に縋っている」というイメージが先行したかもしれません。

しかし、2012年より公開された実写映画がいずれも大ヒットしたことで作品に現役感が生まれ、漫画の続編を待望する声が高まったことで、誰もがしっくり来るタイミングで続編開始となりました。

また、絵柄を前シリーズ連載当時に大分寄せたことも奏功したようです。
和月先生は絵柄を自在に変えられるタイプの漫画家で、『GUN BLAZE WEST』から『エンバーミング』まで作品に合わせて異なる絵柄で描いていましたが、北海道編は20年近く前のるろ剣と大きな違いはなく、当時の読者がスムーズに入り込めたようです。
リメイク漫画「キネマ版」で試運転していたことも大きかったのでしょう。

この「絵柄を寄せる努力」も、続編成功の条件の1つと言えます。

まとめ

続編が成功するかどうかは運やタイミングもありますけど、作品愛を感じられるかどうかが最低条件だと思います。
一度完結したヒット作の続きを描くことについては色々な意見があると思いますが、どうせ世に送り出されるのなら、作品を大事にした続編を読みたいですよね!

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