【推しの子】第1話がバズった理由を徹底検証! 「起」に込めた90分間の起承転結


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2023年春クールの話題作として、今最も注目を集めているアニメ【推しの子】。その第1話および主題歌が大々的にバズった理由を、様々な角度から検証!
あの90分間に込められた制作陣の狙いと想いに迫ります!

実は意外と少ない「1話が神回」


(画像引用 : TVアニメ【推しの子】公式サイト https://ichigoproduction.com/

2023年4月12日にアニメ第1話「Mother and Children」が放送され、Twitterの世界トレンド1位を獲得するなど爆発的な広がりを見せている【推しの子】。
原作人気の高さと圧倒的な宣伝量から、2023春アニメの目玉として前評判の高い作品でしたが、想像以上のバスり方でした。

というのも、例えどれほどの人気作であっても、1話でここまで火が点くケースは稀だからです。
のちに社会現象となった『鬼滅の刃』も、本格的に人気爆発となったのは第19話「ヒノカミ」が放送されてから。
1話が「神回」と呼ばれるほど大好評だったケースは決して多くありません。

これには相応の理由があります。
第1話というのは基本、人気エピソードにはなり辛い要素が多数あるからです。

まず情報量の多さ

特にオリジナル作品や原作やあらすじに目を通していない人の場合、その作品がどんな物語でどのような方向性なのか、主人公の目的は何なのか、どんなキャラが出てくるのか、人間関係はどうなっているのか……など、非常に多くの情報を頭に入れなければなりません。
原作組はストーリーやキャラを既に知っている状態ですが、それでも作画や声がどんな感じか、演出はどうか、原作と比べて何処が違うか……など、作品に愛着がある事で別の心配事が増え、結局は情報過多になってしまいます。
これを億劫に感じてしまい、なかなか新しいアニメを観始める事が出来ない(一度観始めると2話目以降はスイスイ観られる)という人は沢山いると思われます。

次に物語の導入という点。
1話というのは作品の世界観や主人公の人となりなど、紹介をしなければならない事が沢山あります。
なので、物語に引き込むよりもキャラの顔見せや舞台の説明を優先するようなケースも多く、純粋な面白さが出難いのです。

更に、原作ありのアニメの場合は単純に「作者がまだ手探り状態」というパターンもあります。
特に初連載作品の場合は、まだ作者が成長前で1話目の時点ではそれほど面白くなく、連載をこなしていく内に力を付けて作品のパワーが増していく……という事例が多々あります。
当然その場合は1話が神回にはなり得ません。

このように、第1話はスタッフ側もユーザー側も余裕がない状態なので、1話目でバズる難易度は非常に高いと言えます。
しかし【推しの子】はこれらの問題点を全てクリアし、スタートダッシュに成功しました。

ここからは、そのクリアした要因を検証していきます。

90分の中に詰め込んだ「起承転結」と「起」


(画像引用 : TVアニメ【推しの子】公式サイト https://ichigoproduction.com/

「情報量の多さ」と「物語の導入」をクリアできた最大の要因は、1話を90分拡大版という異例の放送枠にした事です。
これは通常の約4話分に相当する放送時間。
その為、視聴者もじっくり腰を据えて各種情報を受け止める事が出来たのです。

何より重要なのは、この1話だけで「起承転結」を表現できている点です。
アクアの前世ゴローとアイの出会いに始まり、ゴローの死と転生を「起」、アイと双子の生活を「承」、アイの死を「転」、そしてアイのビデオレターが「結」
90分という潤沢な時間を用いて起伏の激しいストーリーをじっくりと見せる事が出来た為、単なる導入や顔見せでは終わらず、一つの物語を見届けたという満足感や感動が視聴者に提供され、1話でありながら「神回」になり得たのです。

しかも、この1話は【推しの子】という物語における「起」でもあります。

本作は「転生もの」「アイドル・芸能もの」「ラブコメ」といった様々なジャンルを内包している作品ですが、物語の本筋となるのは「復讐」です。
その復讐心がアクアに芽生えるまでの過程を、1話ではじっくりと描いています。
つまり、「起承転結」と「起」を兼ね備えたエピソードという表現が出来るのです。

プロローグを長く書く事で、読み応えのある「起」になっている作品は沢山あります。
しかし、「起」の中にシリアスとコメディを大きな振れ幅で収め、かつサプライズ展開を幾つも用意している作品となると、滅多にお目にかかれません。
【推しの子】の1話は単なる起承転結のストーリーではなく、興味を惹いて、笑えて、驚かされて、泣けるという「感情のジェットコースター」を作るレベルの起承転結が設けられているのです。

ちなみに、この作品の原作を手掛けているのは『かぐや様は告らせたい』でも知られる赤坂アカ先生です。
既に『かぐや様』で成功を収めている作者とあって、その実力は折り紙付き。
1話が神回になり辛い理由として挙げた三つめの「作者がまだ未熟」が本作に当てはまらないのは、言うまでもない事でしょう。

初回90分放送は、話題性というメリットこそあるものの、一歩間違えばダレて離脱する視聴者が大勢出てくるリスクもあり、必ずしも有効な手法とは限りません。
しかし【推しの子】に限って言えば、最高の選択だったと断言できます。

大胆な物語に「丁寧さ」を上乗せ


(画像引用 : TVアニメ【推しの子】公式サイト https://ichigoproduction.com/)

【推しの子】の1話がバズった理由は他にもあります。
アニメ制作スタッフによる「丁寧な作品作り」です。

本作の1話は、アニメ独自のオリジナル要素はほとんどありません
一部セリフの変更、場面の順番の入れ換え、重曹を嘗めるシーン等の追加、ゴローの本名や黒川あかね等の今後登場するキャラの顔見せ……など細かい部分の追加はありますが、それ以外は概ね原作通りです。
また、絵柄に関しても原作の作画担当である横槍メンゴ先生の絵を完璧に踏襲しており、独自のクセはないに等しいと言えます。

総じて言えるのは、アニメ【推しの子】は余計な味付けを一切せず、原作のブラッシュアップに徹しているという事です。
苺プロの事務所に原作ではいなかった男性職員を追加していましたが、その人物も帰宅のセリフのみで個性となるような言動はさせず、「苺プロにはミヤコ以外にもちゃんと事務職を行っているスタッフがいる」という情報を提示するだけ。
原作の補足・補強を行ってはいても、そこが目立つようにはしていません。

この事から見えるのは、原作ファンにとってノイズとなる要素を徹底的に排除するというアニメ制作スタッフの姿勢です。

原作ファンの大半はアニメ化された事を喜び、純粋にアニメを楽しみたいという気持ちを持っていますが、同時に原作を蔑ろにするようなアニメ化だったら許せないという愛ゆえの過激さも孕んでいます。
人気作でありながら、原作ファンを落胆させ成功に至らなかったアニメは数知れず。
原作知名度が高ければ高いほど、原作との乖離は大きなノイズとなって作品評価に直結します。

その影響を最も受けるのが第1話なのは言うまでもないでしょう。
2話以降は離脱と慣れで徐々に不評は減っていきますが、1話の段階では物語の出来そのものよりも原作との違いを指摘する声の方が大きいケースがままあります。

もし、推しの子の1話にオリジナルエピソードがあったり、絵柄が原作と大きく違っていたりしたら、それらがノイズとなって純粋に楽しめず不満に思う原作ファンが大勢いたかもしれません。
それを完全に排除したのも、1話がバズった大きな理由と言えます。

ただ、一つだけ原作と大きく違う点があります。
インタビューのカットです。

アニメ1話で映像化された原作1巻では、各話の冒頭に「数年後の各主要キャラが誰かからインタビューを受けている場面」が挿入されています。
しかしそのインタビューは、アイを除いて全てカットされました。
このインタビューのシーンは本作のその後を示唆する明確な伏線であり、多くの考察と議論を生みました。

しかし、このカットに関して文句を言う原作ファンは殆ど見受けられません。
理由は主に「原作通りにインタビューを毎回挿入するとアニメだとテンポが悪くなる」「1話で必ず映像化しなければならないシーンではない」の二つだと思われます。
今後の回で挿入されるかもしれませんし、仮にされなくても物語は問題なく成立するので、不満を訴える必要がないのです。

この事からも、平牧大輔監督をはじめとしたアニメ制作陣の取捨選択、作品解像度の精度はかなり高い事が窺えます。
単に原作をなぞるのではなく、原作が大胆かつ起伏の激しいストーリーなので、アニメは敢えて丁寧さに徹して原作の魅力をよりクリアにする事を心掛けた……という狙いがあったのだと推察できます。

主題歌「アイドル」に込められたものとは?


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本作のOPテーマ曲は、YOASOBIの「アイドル」です。
この曲、とんでもない事になっています。

第1話放送直後にYoutubeで公開されたMVは、僅か13日で4000万再生を突破。
400万じゃなく4000万です。
ストリーミングやダウンロードでも驚異的な数字を叩き出しており、2023年度のNo.1ヒットソングになる可能性が極めて高い情勢です。

この曲の歌詞は、赤坂先生の書き下ろし小説「45510」が元になっています。
小説の内容は、かつてB小町に所属していたアイの同僚が、結成当初に自分達だけで作った動画を見ながら当時を振り返る……というもの。
アイに対して抱いていた複雑な心境が「その他大勢の一人」の視点から綴られています。

「アイドル」の歌詞は1番が「ファン」、2番が小説で描かれた「その他大勢の一人」、3番が「アイ本人」の視点になっています。
周囲から見た「偶像のアイ」と、内面から見た「等身大のアイ」の対比が描かれている……という構造です。
言うなれば、アニメ1話(原作1巻)では描ききれなかったB小町内の軋轢やアイに向けられていた感情を補完し、アイの生涯を表現した楽曲なのです。

曲が流れたのはラストなので、この「アイドル」が大ヒットした事自体は、1話がバズった事と直接関係はありません。
しかし、これだけのヒットを記録する楽曲が生み出されるだけの魅力をアイというキャラが持っていた、と言う事は出来ます。
何故なら、「アイドル」はアイそのものを歌った歌だからです。

アイをイメージして作られたこの曲は、ファンとの一体感を打ち出したアイドルソングのようでもあり、聞き手の内面を抉るタイプのボカロPが作った曲のようでもあります。
現実のアイドルと架空のアイドル、その両方を内包しているかのようです。

この多面性、それでいてアイドルという一つの「道」を貫いている楽曲は、問答無用でアイのテーマソングであり、彼女の魅力が残酷なまでに詰まっています。

・YOASOBI「アイドル」 Official Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=ZRtdQ81jPUQ

・【推しの子】ノンクレジットオープニング|YOASOBI「アイドル」
https://www.youtube.com/watch?v=PgBvV9ofjmA

まとめ

本当に凄い1話でしたね!
原作を読んでストーリーは全て頭に入っている筈なのに、思わず心が震えました。

何より嬉しいのが、動画工房がこれだけの作品を作ってくれた事。
この作品に賭ける意気込みや熱意、一世を風靡した制作会社の意地とプライドがあの1話に詰まってた気がします。
2話も作画、演出ともに素晴らしく、今後も安心して楽しめそうです!

声優事務所格付けチェック! 最大手のプロダクションはどこ?


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今や子供達の間でも人気の職業となっている声優。その声優の皆さんが所属している「声優事務所」をピックアップ!
有名声優さんが何人いるのか、どの程度の規模でどれくらいの歴史があるのか……などから各プロダクションの格付けを行います!

青二プロダクション


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・設立年:1969年
・所属声優人数:436名

主な所属声優

古谷徹 … アムロ・レイ(機動戦士ガンダム)、安室透(名探偵コナン)、ヤムチャ(ドラゴンボール)
古川登志夫 … ピッコロ(ドラゴンボール)、あたる(うる星やつら)、シン(北斗の拳)
緑川光 … 流川(SLAM DUNK)、海馬(遊戯王)、恭介(リトルバスターズ!)
置鮎龍太郎 … 沖矢(名探偵コナン)、手塚(テニプリ)、三井(スラムダンク)
神谷浩史 … リヴァイ(進撃)、阿良々木暦(物語シリーズ)、ロー(ワンピ)
島﨑信長 … 七瀬遙(Free)、藤丸(FGO)、ユージオ(SAO)
中井和哉 … ゾロ(ワンピ)、土方(銀魂)
野島健児 … 宜野座伸元(PSYCHO-PASS)、逆先夏目(あんスタ)
阿座上洋平 … グエル(ガンダム水星の魔女)

野沢雅子 … 悟空、悟飯、悟天(ドラゴンボール)
田中真弓 … ルフィ(ワンピ)、クリリン(ドラゴンボール)、パズー(ラピュタ)
佐倉綾音 … ココア(ごちうさ)、お茶子(ヒロアカ)、いろは(俺ガイル)
沢城みゆき … クラピカ(ハンター)シノン(SAO)、神原(物語シリーズ)、
悠木碧 … まどか(まどマギ)、アイリス(ポケモンBW)、タツマキ(ワンパンマン)
皆口裕子 … ビーデル(ドラゴンボール)、柔(YAWARA!)、ほたる(セーラームーン)
佐藤聡美 … える(氷菓)、律(けいおん)、千夜(ごちうさ)
井上麻里奈 … アルミン(進撃)、ヨーコ(天元突破グレンラガン)、夜空(僕は友達が少ない)
三上枝織 … あかり(ゆるゆり)、クリスタ(進撃)
高野麻里佳 … サイレンススズカ(ウマ娘)、まひろ(おにまい)

1969年に有限会社として設立し、1976年に株式会社へと改組しました。
東京俳優生活協同組合(俳協)のマネージャーだった久保進さんによって設立された、日本初の声優専門事務所です。

現在の規模、歴史、そして有名声優の所属する数と、どれをとっても業界最高峰。
大ベテランから若手まで幅も広く、業界内で最も隙が無い事務所と言えるでしょう。

規模 ★★★★★
歴史 ★★★★★
勢い ★★★★

総合 ★★★★★

81プロデュース


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・設立年:1981年
・所属声優人数:350人

主な所属声優

江口拓也 … ロイド(SPY×FAMILY)、八幡(俺ガイル)、六弥ナギ(アイナナ)
関俊彦 … 無惨(鬼滅)、ラウ・ル・クルーゼ/レイ・ザ・バレル(ガンダムSEED)、松田耕作(YAWARA!)
千葉繁 … メガネ(うる星やつら)、一堂零(奇面組)、桑原(幽遊白書)
三木眞一郎 … コジロウ(ポケモン)、坂本辰馬(銀魂)、土方歳三(薄桜鬼)
三宅健太 … オールマイト(ヒロアカ)、スカー(ハガレン)、アヴドゥル(ジョジョシリーズ)
斉藤壮馬 … 鶴丸国永(刀剣乱舞)、九条天(アイナナ)、夢野幻太郎(ヒプマイ)
伊東健人 … 観音坂独歩 (ヒプマイ)、硲道夫(Mマス)
羽多野渉 … 八乙女楽(アイナナ)、乙狩アドニス(あんスタ)
中島ヨシキ … 山下次郎(Mマス)、南雲鉄虎(あんスタ)
西山宏太朗 … 棗巳波(アイナナ)、深海奏汰(あんスタ)

高山みなみ … 江戸川コナン(名探偵コナン)、乱太郎(忍たま乱太郎)、なびき(らんま1/2)
高橋李依 … めぐみん(このすば)、エミリア(リゼロ)、高木さん(からかい上手の高木さん)
上田麗奈 … カナヲ(鬼滅)、アカネ(グリッドマン)、マオ(ポケモンSM)
阿澄佳奈 … ゆの(ひだまり)、ぽぷら(WORKING!!)、ニャル子(ニャル子さん)
豊口めぐみ … ヒカリ(ポケモンDP)、西野(いちご100%)、大賢者(転スラ)
柚木涼香 … エルルゥ(うたわれ)、いの(NARUTO)、平塚先生(俺ガイル)
大久保瑠美 … ちなつ(ゆるゆり)、アストルフォ(Fateシリーズ)、MEMちょ(推しの子)
久保田未夢 … 果林(ラブライブ虹ヶ咲)、そふぃ(プリパラ)、えも(プリチャン)
古賀葵 … 四宮かぐや(かぐや様)
田中美海 … リリィ(ゾンサガ)、のん(プリパラ)
青山吉能 … ぼっち(ぼざろ)

青二、ぷろだくしょんバオバブから独立する形で設立された会社で、当初は番組や舞台の制作を主に行っていました。
小学館や集英社との繋がりが強い事で有名です。

ベテラン層が厚く、若手もしっかり育っているバランスの良いプロダクションです。
特に男性声優の層はかなり厚く、業界最高峰と言えるでしょう。

規模 ★★★★★
歴史 ★★★★
勢い ★★★★★

総合 ★★★★★

アイムエンタープライズ


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・設立年:1993年
・所属声優人数:103人

主な所属声優

松岡禎丞 … キリト(SAO)、伊之助(鬼滅)、ベル(ダンまち)
下野紘 … 善逸(鬼滅)、来栖翔(うたプリ)、荼毘(ヒロアカ)
天﨑滉平 … 山田三郎(ヒプマイ)、物間寧人(ヒロアカ)、白鳥藍良(あんスタ)
間島淳司 … 竜児(とらドラ)
大塚剛央 … 星野アクア(推しの子)、眉見鋭心(Mマス)
佐藤元 … クロム(Dr.STONE)、夜守コウ(よふかしのうた)
鈴木達央 … 高尾和成(黒バス)、バン(七つの大罪)、黒崎蘭丸(うたプリ)

釘宮理恵 … 神楽(銀魂)、ルイズ(ゼロ魔)、大河(とらドラ)
早見沙織 … しのぶ(鬼滅)、雪乃(俺ガイル)、深雪(劣等生)
本渡楓 … さくら(ゾンサガ)、メイプル(防振り)、イレイナ(魔女の旅々)
中原麻衣 … レナ(ひぐらし)、渚(CLANNAD)、鹿島(野崎くん)
植田佳奈 … 遠坂凛(Fateシリーズ)、宮永咲(咲-Saki-)、はやて(なのはシリーズ)
内田真礼 … カタリナ(はめふら)、神崎蘭子(デレマス)、シャロ(ごちうさ)
大西沙織 … メジロマックイーン(ウマ娘)、英梨々(冴えカノ)、アイズ(ダンまち)
斎藤千和 … ほむら(まどマギ)、戦場ヶ原(物語シリーズ)、藍華(ARIA)
長縄まりあ … カンナ(メイドラゴン)、血小板(はたらく細胞)
矢作紗友里 … 春菜(To LOVEる)、スズ(生徒会役員共)、美智留(冴えカノ)

アーツビジョンのグループ会社として設立され、その後徐々に勢力を拡大し、現在では親会社的な存在のアーツビジョンを上回り業界三大プロダクションの一角を担うまでに成長しました。
規模は青二、81には及ばないものの、男女ともに大エースを揃え、業界トップクラスの強力な陣容になっています。

規模 ★★★★
歴史 ★★★
勢い ★★★★★

総合 ★★★★★

大沢事務所


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・設立年:1984年
・所属声優人数:171人

主な所属声優

立木文彦 … ゲンドウ(エヴァ)、マダオ(銀魂)
茶風林 … 目暮警部(名探偵コナン)、永沢くん(ちびまる子)
中田譲治 … 言峰綺礼(Fateシリーズ)、ギロロ伍長(ケロロ軍曹)、土方歳三(ゴールデンカムイ)
山下誠一郎 … 石川透(ホリミヤ)、薬研藤四郎、愛染国俊(刀剣乱舞)
木内秀信 … 忍足侑士(テニプリ)、笹川良平(リボーン)、本城蓮(NANA)、

花澤香菜 … 朱(PSYCHO-PASS)、撫子(物語シリーズ)、甘露寺(鬼滅)
茅野愛衣 … 切歌(シンフォギア)、めんま(あの花)、詩羽(冴えカノ)
川澄綾子 … セイバー(Fateシリーズ)、のだめ(のだめカンタービレ)、神岸あかり(To Heart)
能登麻美子 … 爽子(君に届け)、ことみ(CLANNAD)、八雲(スクラン)
種田梨沙 … リゼ(ごちうさ)、雪菜(ストライク・ザ・ブラッド)、水野愛(ゾンサガ)
小原好美 … シャミ子(まちカドまぞく)、藤原書記(かぐや様)、ロキシー(無職転生)
井口裕香 … インデックス(とあるシリーズ)、あおい(ヤマノススメ)、日向(よりもい)
内山夕実 … ルーデウス(無職転生)、 陽子(きんモザ)、パック(リゼロ)
石上静香 … 郁魅(ソーマ)、イクノ(ダリフラ)、シル(ダンまち)
久野美咲 … 市原仁奈(デレマス)、川本モモ(3月のライオン)、ホーク(七つの大罪)

ナレーションやアニメ以外のお仕事を抱えるタレントも多数所属しているプロダクションです。

女性声優の層の厚さは業界随一。
常に主役級を射止める人材が育ち、若手からベテランまで隙の無い陣容になっています。
一方、男性陣はややベテランに偏っている印象です。

規模 ★★★★
歴史 ★★★★
勢い ★★★★

総合 ★★★★

アーツビジョン


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・設立年:1984年
・所属声優人数:187人

主な所属声優

山下大輝 … デク(ヒロアカ)、ナランチャ(ジョジョシリーズ)、坂道(弱虫ペダル)
保志総一朗 … キラ(ガンダムSEED)、孫悟空(最遊記)、百(アイナナ)
檜山修之 … 飛影(幽遊白書)、京極真(名探偵コナン)、獅子王凱(勇者王ガオガイガー)
前野智昭 … 白血球(はたらく細胞)、カミュ(うたプリ)、山姥切国広(刀剣乱舞)
梅原裕一郎 … ゴブリンスレイヤー(ゴブスレ)、紅野(フルバ)、蓮巳敬人(あんスタ)
高木渉 … 高木渉(名探偵コナン)、億泰(ジョジョシリーズ)、オビト(NARUTO)
鳥海浩輔 … 三日月宗近(刀剣乱舞)、愛島セシル(うたプリ)、ユーリ(テイルズ オブ ヴェスペリア)
福島潤 … カズマ(このすば)、鳴子(弱虫ペダル)

沼倉愛美 … 藤堂ユリカ(アイカツ)、我那覇響(アイマス)、ピーク(進撃)
水橋かおり … マミ(まどマギ)、宮子(ひだまり)、扇(物語シリーズ)
藤田咲 … 初音ミク、伊波(WORKING!!)、ユミル(進撃)
Lynn … 真冬先生(ぼく勉)、マルゼンスキー(ウマ娘)、桜良(キミスイ)
原由実 … 四条貴音(アイマス)、アルベド(オバロ)
藤原夏海 … ダミアン(SPY×FAMILY)、大吾(メジャーセカンド)
河瀬茉希 … 紺野純子(ゾンサガ)、ウィル(最果てのパラディン)
鈴代紗弓 … 伊地知虹夏(ぼざろ)、うるか(ぼく勉)

長い歴史を持ち、長期にわたって業界最大手の一角を担ってきた声優事務所です。
2000年代半ばに色々あって離籍者が増え、以前より有名声優の数は減少しました。
とはいえ、未だ業界上位の規模を誇り、特に男性陣は層の厚さをキープしています。

規模 ★★★★
歴史 ★★★★
勢い ★★★★

総合 ★★★★

マウスプロモーション


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・設立年:1974年
・所属声優人数:172人

主な所属声優

大塚明夫 … ブラック・ジャック(ブラック・ジャック)、ライダー(Fate/Zero)、バトー(攻殻機動隊)
河西健吾 … 無一郎(鬼滅)、三日月(ガンダム 鉄血のオルフェンズ)、乙夜影汰(ブルーロック)
大川透 … マスタング大佐(ハガレン)、近藤勇(薄桜鬼)、徳川家康(戦国BASARA)
伊藤健太郎 … 恋次(BLEACH)、白石(ゴールデンカムイ)、チョウジ(NARUTO)
田丸篤志 … 国見(ハイキュー)、一期一振(刀剣乱舞)、もち蔵(たまこまーけっと)
市来光弘 … 大和守安定(刀剣乱舞)、アオイ=カズヤ(フリージング)
木島隆一 … 伊弉冉一二三(ヒプマイ)、ミツキ(BORUTO)

大谷育江 … ピカチュウ(ポケモン)、光彦(名探偵コナン)、チョッパー(ONE PIECE)
岡村明美 … ナミ(ONE PIECE)、フィオ(紅の豚)
田中敦子 … 草薙素子(攻殻機動隊)、メアリー・世良(名探偵コナン)、リサリサ(ジョジョシリーズ)
加隈亜衣 … エリス(無職転生)、いすず(甘城ブリリアントパーク)、ひかり(ブレイブウィッチーズ)
高田憂希 … 青葉(NEW GAME)、小糸侑(やが君)、エルマ(メイドラゴン)
桑原由気 … トール(メイドラゴン)、ユエ(ありふれ)
大橋歩夕 … エイラ(スト魔女)
五十嵐裕美 … 双葉杏(デレマス)、ヴィルヘルミーナ(はいふり)
松嵜麗 … 諸星きらり(デレマス)

1974年に有限会社江崎プロダクションという名称で設立されました。
2000年に現社名になり、特に吹き替えでは大手にも負けないほど強い事務所として知られています。
ベテラン、中堅ともに層が厚い一方で、女性声優陣の新人発掘が今後の課題となっています。

規模 ★★★★
歴史 ★★★★★
勢い ★★

総合 ★★★★

俳協(東京俳優生活協同組合)


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・設立年:1960年
・所属タレント人数:320人

主な所属声優

池田秀一 … シャア(機動戦士ガンダム)、赤井秀一(名探偵コナン)
諏訪部順一 … 跡部景吾(テニプリ)、アーチャー(Fateシリーズ)、神宮寺レン(うたプリ)

種﨑敦美 … アーニャ(SPY×FAMILY)、ダイ(ダイ大)、鎧塚みぞれ(ユーフォ)
佐藤利奈 … 美琴(とあるシリーズ)、新島真(ペルソナ5)、ネギ(魔法先生ネギま)
髙橋ミナミ … エルコンドルパサー(ウマ娘)、山田エルフ(エロマンガ先生)、ご先祖(まちカドまぞく)
大原さやか … エルザ(FAIRY TAIL)、アリシア(ARIA)、アイリ(Fate/Zero)
皆川純子 … リョーマ(テニプリ)、晃(ARIA)、コーネリア(コードギアス)
和氣あず未 … スペシャルウィーク(ウマ娘)、桜ノ宮苺香(ブレンド・S)、片桐早苗(デレマス)
山村響 … キュアトゥインクル(プリキュアシリーズ)、ハルナ(アルペジオ)、アニエス(ゲゲゲの鬼太郎)
木村珠莉 … みゃーもり(SHIROBAKO)、相葉夕美(デレマス)、レフィーヤ(ダンまち)

俳優の生活協同組合として設立された、いわば俳優ギルド。
設立は1960年と、声優専門ではないもの声優が所属する事務所としては最古参で、声優事務所のルーツとなった組織でもあります。
多くの大手声優事務所が、ここから独立して誕生しています。

所属タレントの数は多いものの、声優を専門としている人は最大手ほど多くはありません。
種﨑敦美さんが新たな絶対的エースとして奮闘する一方、男女とも新人声優の発掘が今後の課題となっています。

規模 ★★★★
歴史 ★★★★★
勢い ★★

総合 ★★★★

賢プロダクション


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・設立年:1984年
・所属声優人数:192人

主な所属声優

小西克幸 … 宇髄天元(鬼滅)、アメリカ(ヘタリア)、ディアボロ(ジョジョシリーズ)
阿部敦 … 上条(とあるシリーズ)、サイコー(バクマン)、ユウキ(プリコネ)
谷山紀章 … 中原中也(文スト)、四ノ宮那月(うたプリ)、ジャン(進撃)
佐藤拓也 … シーザー(ジョジョシリーズ)、十龍之介(アイナナ)、燭台切光忠(刀剣乱舞)
畠中祐 … 上鳴電気(ヒロアカ)、生駒(カバネリ)、九十九遊馬(遊戯王ZEXAL)
代永翼 … 三橋(おお振り)、和泉三月(アイナナ)、葉月渚(Free)、
林勇 … マイキー(東リベ)

伊藤静 … ヒナギク(ハヤテのごとく)、六合塚弥生(PSYCHO-PASS)、イリーナ(暗殺教室)
かないみか … 北条沙都子(ひぐらし)、わぴこ(きんぎょ注意報)、ヤダモン(ヤダモン)
生天目仁美 … アルクェイド(月姫)、キュアハート(プリキュアシリーズ)、エリカ(ガルパン)
藤田茜 … 紗霧(エロマンガ先生)、水本ゆかり(デレマス)、セリア(精霊幻想記)
藤村歩 … ピトー(ハンター)、影山輝(イナイレ)
逢田梨香子 … 桜内梨子(ラブライブ!サンシャイン!!)

ラオウや則巻千兵衛などで知られる声優の内海賢二さん(故人)が設立した事務所です。
現在は息子さんが社長を勤めていらっしゃいます。
確かな実績を持つベテラン勢が構えつつ、若手も順調に伸びていて、中堅では最も堅実な会社と言えるでしょう。

規模 ★★★★
歴史 ★★★★
勢い ★★★★

総合 ★★★★

ラクーンドッグ


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・設立年:2022年
・所属声優人数:24人

主な所属声優

岡本信彦 … 爆豪(ヒロアカ)、一方通行(とあるシリーズ)、西谷(ハイキュー)
塩屋翼 … ツェペリ(ジョジョシリーズ)、宮城(スラムダンク)、マイルズ(カウボーイビバップ)
堀江瞬 … 市川(僕ヤバ)、ピエール(Mマス)

鬼頭明里 … 禰豆子(鬼滅)、近江彼方(ラブライブ虹ヶ咲)、セイウンスカイ(ウマ娘)
ファイルーズあい … 徐倫(ジョジョシリーズ)、パワー(チェンソーマン)、ひびき(ダンベル何キロ持てる)
石見舞菜香 … ライスシャワー(ウマ娘)、黒川あかね(推しの子)、透(フルバ)
長谷川育美 … 喜多郁代(ぼざろ)、ミホノブルボン(ウマ娘)、レーナ(86)
長妻樹里 … 七宮智音(中二恋)、かんな(たまこまーけっと)
高森奈津美 … 前川みく(デレマス)
三宅麻理恵 … 安部菜々(デレマス)、アキ(銀の匙)
高柳知葉 … ミカン(まちカドまぞく)、みら(恋する小惑星)

プロ・フィットの事業廃止に伴い、同事務所に所属していた岡本信彦さんが新たに立ち上げた新規のプロダクションです。
歴史は非常に浅いながら、プロ・フィットの声優の受け皿になった事で、多くの有名声優が所属しています。
特に女性陣は非常に勢いがあり、規模では大きくリードされている大手にも匹敵するほどです。

規模 ★★
歴史 ★
勢い ★★★★★

総合 ★★★★

ヴィムス


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・設立年:2007年
・所属声優人数:44人

主な所属声優

梶裕貴 … エレン(進撃の巨人)、轟(ヒロアカ)、西片(からかい上手の高木さん)
村瀬歩 … 日向(ハイキュー)、入間(入間くん)
八代拓 … 柏木翼(Mマス)、結城すばる(アイカツスターズ)、相楽左之助(るろうに剣心)
浦和希 … 潔世一(ブルーロック)、土井翔太(終末のハーレム)
野上翔 … 伊瀬谷四季(Mマス)

堀江由衣 … 羽川(物語シリーズ)、あゆ(Kanon)、沢近(スクラン)
山本希望 … 城ヶ崎莉嘉(デレマス)、幸村(はがない)
大地葉 … 綾波(アズールレーン)、燈路(フルバ)、ジュジュ(グルグル)
幸村恵理 … 帝襟アンリ(ブルーロック)、黛冬優子(シャニマス)

アイムエンタープライズの子会社として設立されました。
元々は当時シグマ・セブンに所属していた森久保祥太郎さんの個人事務所として設置されましたが、堀江由衣さんをはじめ多数の声優を受け入れた事で分社化する運びとなり、男女ともにエースを抱え中堅に位置する規模まで拡大しています。
尚、森久保さんは2018年に独立し、株式会社アドナインスを設立しています。

規模 ★★★
歴史 ★★
勢い ★★★★

総合 ★★★★

アトミックモンキー


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2000年
・所属声優人数:83人

主な所属声優

関智一 … スネ夫(ドラえもん)、不死川実弥(鬼滅)、ギルガメッシュ(Fateシリーズ)
榎木淳弥 … 虎杖悠仁(呪術)、舞田類(Mマス)、蓬(SSSS.DYNAZENON)
木村昴 … ジャイアン(ドラえもん)、桜木(スラムダンク)、山田一郎(ヒプマイ)

折笠富美子 … ルキア(BLEACH)、九兵衛(銀魂)、リザ(ハガレン)
潘めぐみ … 重曹(推しの子)、キュアプリンセス(プリキュアシリーズ)、紅葉(フルバ)
長沢美樹 … 伊吹マヤ(エヴァ)、マキ・イズミ(ナデシコ)
藍原ことみ … 一ノ瀬志希(デレマス)
青木瑠璃子 … 多田李衣菜(デレマス)

俳協からの独立によって誕生。
ベテランと若手が充実している一方、中堅層がやや薄いようです。

規模 ★★★
歴史 ★★★
勢い ★★★★

総合 ★★★

アクセルワン


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2011年
・所属声優人数:34人

主な所属声優

森川智之 … 波風ミナト(NARUTO)、吉良吉影(ジョジョシリーズ)、羽田秀吉(名探偵コナン)
日野聡 … 煉獄(鬼滅)、アインズ(オバロ)、神威(銀魂)
寺島拓篤 … 一十木音也(うたプリ)、シロエ(ログホラ)、天ヶ瀬冬馬 (Mマス)
黒田崇矢 … 桐生一馬(龍が如く)、天谷奴零(ヒプマイ)、サリバン(入間くん)
福原かつみ … 望月冬夜(異世界スマホ)、キクル・マダン(不徳のギルド)

水瀬いのり … チノ(ごちうさ)、レム(リゼロ)、ヘスティア(ダンまち)
折笠愛 … 魎呼(天地無用)、あやめ(サクラ大戦)、K・K(血界戦線)
三瓶由布子 … キュアドリーム(プリキュアシリーズ)、彷徨(だぁ!だぁ!だぁ!)、うずまきボルト(BORUTO)
中村千絵 … サクラ(NARUTO)、綾里千尋(逆転裁判)
後藤邑子 … みくる(ハルヒシリーズ)、ヒロ(ひだまり)
真堂圭 … 耳郎響香(ヒロアカ)、リーリエ(ポケモンSM)、劉備玄徳(一騎当千)

アーツビジョンに所属していた森川智之さんが福山潤さんと合流して設立した会社です。
福山さんは2018年に離れ、立花慎之介さんと共に新事務所「BLACK SHIP」を設立しています。

当時、福山さんが所属していたぷろだくしょんバオバブからの移籍組が多く、歴史が浅い割に多くの有名声優が所属している会社です。
声優養成所「アクセルゼロ」を構えるなど、若手育成にも力を注いでいます。

規模 ★★★
歴史 ★★
勢い ★★★★

総合 ★★★

アクロスエンタテインメント


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2008年
・所属声優人数:94人

主な所属声優

山寺宏一 … 加持(エヴァ)、良牙(らんま1/2)、吉田松陽(銀魂)
花江夏樹 … 炭治郎(鬼滅)、カネキ(東京喰種)、網代慎平(サマータイムレンダ)
仲村宗悟 … リョータ(スラムダンク)、我牙丸吟(ブルーロック)、天道輝(Mマス)

飯塚雅弓 … カスミ(ポケモン)、真琴(Kanon)
伊瀬茉莉也 … キルア(ハンター)、キュアレモネード(プリキュアシリーズ)、姫野先輩(チェンソーマン)
内田彩 … 南ことり(ラブライブ)、かばん(けもフレ)、服部静夏(スト魔女)
福原綾香 … 渋谷凛(デレマス)、岬太郎(キャプ翼)
降幡愛 … 黒澤ルビィ(ラブライブサンシャイン)、ゴメちゃん(ダイ大)
金田朋子 … ちよちゃん(あずまんが)、田楽マン(ボーボボ)

俳協から独立する形で設立された会社です。
俳協からの移籍者が多い為、歴史が浅いにもかかわらずレジェンド級のベテランが所属しています。
中堅・若手も育っていて、バランスの良い陣容です。

規模 ★★★
歴史 ★★
勢い ★★★

総合 ★★★

ステイラック


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2012年
・所属声優人数:59人

主な所属声優

浪川大輔 … 風早翔太(君に届け)、ヒソカ(ハンター)、イタリア(ヘタリア)
石川界人 … 影山飛雄(ハイキュー)、咲太(青ブタ)、ジェノス (ワンパンマン)
杉山紀彰 … サスケ(NARUTO)、衛宮士郎(Fateシリーズ)

久保ユリカ … 小泉花陽(ラブライブ)、梓川花楓(青ブタ)、櫛田桔梗(よう実)
田中ちえ美 … 天王寺璃奈(ラブライブ虹ヶ咲)、織部凛々子(サクラクエスト)
前田玲奈 … グラスワンダー(ウマ娘)、マチ(ハンター)
村川梨衣 … ラム(リゼロ)、ほたるん(のんのん)、メグ(ごちうさ)

・業務提携

中島愛 … ランカ(マクロスF)、キュアラブリー(プリキュアシリーズ)、トゥーリ(本好き)
諏訪ななか … 松浦果南(ラブライブサンシャイン)、ユイ(防振り)

当時アクロスエンタテインメントに所属していた浪川大輔さんが独立し、設立した会社です。
若手の育成にとても力を入れていて、ワークショップの開校や養成所の設立、更にはパーソナルオンライントレーニングシステムの導入など、様々な試みを行っています。
今後に期待できる事務所です。

規模 ★★★
歴史 ★★
勢い ★★★

総合 ★★★

シグマ・セブン


(画像引用 : Amazon)

・設立年:1988年
・所属声優人数:94人

主な所属声優

松本保典 … ノリスケ(サザエさん)、ガウリイ(スレイヤーズ)、のび太パパ(ドラえもん)
若本規夫 … セル(ドラゴンボール)、穴子(サザエさん)、松平片栗虎(銀魂)
安元洋貴 … 鬼灯(鬼灯の冷徹)、ドイツ(ヘタリア)、チャド(BLEACH)

ゆかな … C.C.(コードギアス)、キュアホワイト(プリキュアシリーズ)、テッサ(フルメタ)
渡辺久美子 … ケロロ軍曹(ケロロ軍曹)、カテジナ(Vガンダム)、母(あたしンち)
小林沙苗 … アレン・ウォーカー(D.Gray-man)、塔矢アキラ(ヒカルの碁)、北大路さつき(いちご100%)
市ノ瀬加那 … スレッタ(ガンダム 水星の魔女)、イチゴ(ダリフラ)
西明日香 … 大宮忍(きんモザ)

俳協からの独立で誕生した声優事務所です。
実力派揃いの会社として知られ、かなり真面目な事務所という印象があります。
そのため所属声優もベテランが多めですが、若手の育成にも注力していて、オーディション合格者や別会社の受け入れ先としてシグマ・セブンeという子会社も設立しています。

規模 ★★★
歴史 ★★★★
勢い ★★

総合 ★★★

ミュージックレイン


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2005年
・所属声優人数:12人

主な所属声優

戸松遥 … アスナ(SAO)、あなる(あの花)、堀京子(ホリミヤ)
豊崎愛生 … 唯(けいおん)、犬山あおい(ゆるキャン)、初春(レールガン)
寿美菜子 … 紬(けいおん)、あすか先輩(ユーフォ)、七海燈子(やが君)
高垣彩陽 … クリス(シンフォギア)、藤波竜之介(うる星やつら)、リズベット(SAO)
雨宮天 … アクア(このすば)、エリザベス(七つの大罪)、トーカ(東京喰種)
麻倉もも … 環いろは(マギレコ)、歩未(Charlotte)、箱崎星梨花(ミリマス)
夏川椎菜 … 望月杏奈(ミリマス)、明乃(はいふり)、雪(亜人ちゃんは語りたい)

ソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社ですが、実質的には内部レーベルとなっています。
声優のアーティストマネジメントも同時に行っていて、スフィアやTrySailのメンバーが所属しています。
男性は所属していません。

人数は少ないものの、ソニーの傘下とあって弱小とは程遠い陣容です。
ユニット活動をしている面々が所属する為、レーベル単位でのファンも沢山いるようです。

規模 ★★★
歴史 ★★
勢い ★★★

総合 ★★★

劇団ひまわり


(画像引用 : Amazon)

・設立年:1952年
・所属タレント人数:1070人

主な所属声優

宮野真守 … オカリン(シュタゲ)、松岡凛(Free)、刹那(ガンダム00)
内山昂輝 … 糸師凛(ブルーロック)、狗巻棘(呪術)、桐嶋郁弥(Free)、
木村良平 … 黄瀬涼太(黒バス)、木兎光太郎(ハイキュー)、日向(Angel Beats)

諸星すみれ … 星宮いちご(アイカツ)、エマ(ネバラン)、泉鏡花(文スト)
若山詩音 … たきな(リコリコ)、夢芽(SSSS.DYNAZENON)、相生あおい(空の青さを知る人よ)
宮本侑芽 … 六花(グリッドマンシリーズ)、ハル(イエスタデイをうたって)、ニカ(ガンダム 水星の魔女)
國立幸 … チビ太(おそ松さん)、レイジ(ガンダムBF)
山口愛 … ひふみ(NEW GAME)、真中あお(恋する小惑星)

1952年に設立された劇団で、日本一有名な子役の芸能事務所です。
その為、声優事務所という括りにして良いかは微妙なところですが、声優部門には近年かなり力を入れており、多くの声優を抱えています
劇団という事で、声優業を専門としている人よりも舞台やドラマでも活躍する人が多いようです。

この劇団ひまわりから羽ばたいて、現在は声優専門事務所に所属している元子役の方も沢山います。

規模 ★★
歴史 ★★★★★
勢い ★★

総合 ★★★

ぷろだくしょんバオバブ


(画像引用 : Amazon)

・設立年:1979年
・所属声優人数:128人

主な所属声優

石丸博也 … 兜甲児(マジンガーZ)、光月おでん(ONE PIECE)
海渡翼 … 蜂楽廻(ブルーロック)、桜河こはく(あんスタ)
水中雅章 … 場地圭介(東リベ)

金元寿子 … キュアピース(プリキュアシリーズ)、イカ娘(イカ娘)、カチューシャ(ガルパン)
松岡由貴 … 織姫(BLEACH)、鶴屋さん(ハルヒシリーズ)、大阪(あずまんが)
こおろぎさとみ … ひまわり(クレしん)、ゴマちゃん(少年アシベ)、汐(CLANNAD)
真柴摩利 …風間くん、シロ(クレしん)、カラ松、ハタ坊(おそ松くん)
堀絢子 … ミイ(ムーミン)、Q太郎(新オバQ)、ハットリくん(忍者ハットリくん)
田中真奈美 … アリス(きんモザ)

1979年に青二から独立する形で誕生した、古参の声優専門プロダクションです。
老舗という事で大ベテランの所属が目立ちますが、女性声優には中堅~若手の有名声優も所属していて、「昔の事務所」という感じではありません。
近年も、この事務所に所属している声優さんの演技に魅了され、その門戸を叩いた若い人達が少なからずいます。

規模 ★★★★
歴史 ★★★★★
勢い ★

総合 ★★★

スタイルキューブ


(画像引用 : Amazon)

・設立年:1999年
・所属声優人数:21人

主な所属声優

伊藤美来 … 三玖(五等分)、コッコロ(プリコネ)、こころ(バンドリ)
石原夏織 … アラジン(マギ)、みはり(おにまい)、音城セイラ(アイカツ)
Machico … トウカイテイオー(ウマ娘)、伊吹翼(ミリマス)
小倉唯 … ここな(ヤマノススメ)、女神官(ゴブスレ)、ひなた(ロウきゅーぶ)
豊田萌絵 … 川島緑輝(ユーフォ)

1999年に有限会社スタジオキューブとして設立。
2011年に組織の体制変更を行い、現在の社名となりました。
男性声優も所属していますが、女性の層が厚めです。

規模 ★
歴史 ★★★
勢い ★★★

総合 ★★

ボイスキット


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2020年
・所属声優人数:4人

主な所属声優

井澤詩織 … ナナチ(メイドインアビス)、ポチタ(チェンソーマン)、そど子、ゴモヨ、パゾ美(ガルパン)
上坂すみれ … キュアコスモ(プリキュアシリーズ)、アナスタシア(デレマス)、凸守早苗(中二恋)
椎名へきる … 光(魔法騎士レイアース)、桂(YAT安心!宇宙旅行)
南條愛乃 … 絢瀬絵里(ラブライブ)、月読調(シンフォギア)、月島小恋(ダカーポII)

2020年に元カプコンの作曲家でモストカンパニーの社長、立石孝さんが新たに設立した声優事務所です。
現時点で4名しか所属声優はいませんが、その4人が全員有名声優という、まさに少数精鋭の陣容となっています。

規模 ★
歴史 ★
勢い ★★★

総合 ★★

響/HiBiKi


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2009年
・所属声優人数:22人

主な所属声優

三森すずこ … 園田海未(ラブライブ)、キュアアース(プリキュアシリーズ)、東郷美森/鷲尾須美(ゆゆゆ)
橘田いずみ … もこっち(わたモテ)、コーデリア(ミルキィホームズ)
愛美 … 香澄(バンドリ)、山手響子(D4DJ)
相羽あいな … 友希那(バンドリ)

ブシロードの子会社「ブシロードムーブ」が運営しているプロダクションです。
その為、ブシロードのメディアミックス作品でお馴染みの面々が所属しています。
イベントで同じステージに立つ事も多いため、ファミリーのような雰囲気です。

女性声優陣は「響」、男性声優陣は「HiBiKi」のブランド名が使用されています。
インターネットラジオ事業も展開している為、ラジオの印象も強いですね。

規模 ★★
歴史 ★★
勢い ★★

総合 ★★

インテンション


(画像引用 : Amazon)

・設立年:2009年
・所属声優人数:11人

主な所属声優

鈴村健一 … 沖田(銀魂)、シン・アスカ(ガンダムSEED DESTINY)、イヤミ(おそ松さん)
中村悠一 … 五条(呪術)、司波達也(劣等生)、アルト(マクロスF)
内田雄馬 … 伏黒(呪術)、夾(フルバ)、ハヤテ(マクロスΔ)

東山奈央 … 由比ヶ浜(俺ガイル)、志摩リン(ゆるキャン)、千棘(ニセコイ)
朝井彩加 … 加藤葉月(ユーフォ)、澪(新妹魔王の契約者)

当時アーツビジョンに所属していた鈴村健一さんが独立して設立した会社です。
当初は新しい声優をほとんど入れず、鈴村さん御本人及び親しい声優だけで運営するような会社でしたが、移籍者を迎える形で徐々に所属声優が増えています。

少数精鋭といった印象の事務所で、男女ともにかなり有名な声優がいます
ただ、大エースだった櫻井孝宏さんが諸々の事情で離れる事になってしまい、かなりの痛手を被りました。

規模 ★
歴史 ★★
勢い ★★

総合 ★★

まとめ

ここで紹介した声優事務所の他にも、アミューズ、スターダストプロモーション、エイベックスピクチャーズ、トイズファクトリー、ホリプロなどの有名芸能事務所や音楽レーベルが声優部門を設けていて、そこに所属している声優さんも沢山います。
移籍も多い業界なので、この勢力図も5年後には大きく変わっているかもしれませんね!

【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている】4期の可能性を徹底検証! 俺ガイル結のアニメ化は?


(画像引用 : Amazon)

2019年に原作、2020年にアニメが完結を迎え、惜しまれつつも一旦物語の幕を閉じた『俺ガイル』ですが、「俺ガイル結」の刊行やゲーム発売など、現在も展開は続いている様子。
そんな俺ガイルのアニメ4期の可能性を徹底検証します!

大団円で完結した筈が……?


(画像引用 : Amazon)

2020年夏に放送された俺ガイル3期は、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』と銘打たれているように、原作の最終巻となる14巻ラストまでを映像化しました。
つまり問答無用の大団円
これで俺ガイルのアニメ展開は終了だと、ファンの誰もが思った事でしょう。

しかしその後、完結後のエピソードを纏めた14.5巻を発売し、更に新シリーズとして『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。結』をスタート。
更に3作目となるゲームの発売もあって、俺ガイルはまだまだ現役タイトルという印象を強く与えました。

となると、気になるのはアニメ展開です。
3期で終了だと思われましたが、4期の可能性が否定できない状況になっています。

その4期の実現について検証を行う前に、『俺ガイル』がこれまで歩んで来た足跡を振り返ります。

2010年前後、アニメ業界では『とらドラ!』『バカとテストと召喚獣』『僕は友達が少ない』などラノベを原作としたラブコメ作品のヒットが相次ぎました。
また、この時期はラノベが過渡期に突入していて、埋もれないように少しでも内容をわかりやすく伝えるべく『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』など文章系の長いタイトルが流行り始めていた頃でもあります。

そんな中、2011年3月に当時の流行を取り入れた新たな恋愛ラノベとして発売されたのが『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』です。
作者の渡航先生は本作が2作目、イラストのぽんかん⑧先生は本作が商業デビュー作
まだ実績のないコンビによって生み出された事もあって、当時既に同ジャンルでヒットしていた『はがない』の作者、平坂読先生が帯のメッセージを担当していました。

その効果もあってか発売直後から反響を呼び、僅か1週間で重版が決定。
以降も続々と重版がかかり、2巻が発売されるまでに4度の重版(5刷)を達成しました。

更に2巻も発売から2日後に重版がかかり、流行に乗った勢いで1巻だけ売れる「出オチ」的な人気ではない事を証明します。
3巻発売時点で20万部を突破し、この勢いに乗って翌2012年からは複数の雑誌でコミカライズも開始。
そして2012年7月、5巻発売のタイミングでテレビアニメ化が発表されました。

そのアニメも好評を博し、1期放送から1年後の2014年4月に2期制作が発表されファンは大喜び。
2期放送後、更に原作完結後も人気は一向に衰えず、シリーズ累計発行部数1000万部という大記録を打ち立て、アニメ3期をもって有終の美を飾った……筈でした。

・『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズ累計発行部数の推移

2011年11月 **20万部(原作小説③発売)
2012年02月 **30万部(原④)
2013年05月 *100万部(原⑦、漫画版妄言録①、漫画版@comic①)
2013年08月 *140万部(原⑦→7.5、妄②、@①)
2014年04月 *250万部(原⑨、妄③、@②)
2014年07月 *300万部(原⑨→6.5、妄④、@③)
2014年11月 *350万部(原⑩、妄⑤、@④)
2015年06月 *400万部(原⑪、妄⑦、@⑤)
2018年09月 *700万部(原⑫、妄⑫、@⑪)
2018年11月 *800万部(原⑬、妄⑫、@⑫)
2019年11月 *900万部(原⑭、妄⑮、@⑭)
2019年11月 *900万部(原⑭、妄⑮、@⑭)
2021年09月 1000万部(原⑭、原作結①、妄⑲、@⑱)

にも関わらず、前述したように俺ガイルは現在も歩みを止めていません。
そういう訳なので、ここからは4期の可能性について徹底検証していきます!

アニメは1~3期全て大ヒット! 続編に死角なし


(画像引用 : Amazon)

『俺ガイル』のアニメ1期はブレインズ・ベースが制作しました。
当時『夏目友人帳』が絶好調で、ラノベ原作アニメも『狼と香辛料』の2期や『デュラララ!!』でヒットを記録するなど、勢いに乗っていた会社です。
キャラクターデザインは、のちに『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』『マクロスΔ』『フルーツバスケット』『ブルーロック』を手掛ける進藤優さんが担当しています。

2期は制作会社をfeel.に変更。
それに伴い、監督は1期の吉村愛監督から、のちに『ウマ娘 プリティーダービー』を手掛ける及川啓監督へと変更されました。
また、キャラデザも『とあるシリーズ』の田中雄一さんに変わり、各キャラのデザインはかなり様変わりしています。

この劇的なまでの変更は、2期以降の範囲がコメディ色薄めになり、より青春モノっぽくなっていく作風の変化を考慮しての事と思われます。
とはいえ、1期から2期でここまで大胆に変えてくるケースは稀です。

3期は制作会社、監督、キャラデザ全て2期から継続となりましたが、助監督およびシリーズ構成が変更となっています。
1~3期でこれだけスタッフが変わるアニメは珍しいかもしれません。
また、2期から3期まで5年以上のブランクがありました。

このように、2期および3期はファンが離れてもおかしくない要素が幾つかありましたが、俺ガイルのBlu-ray・DVD(円盤)売上は総じて安定しています。
1期の平均セールスは約1.0万枚、2期は1.1万枚と微増。
そして円盤が売れない時代になった2020年に放送された3期は、更に売上を伸ばし1.2万枚を記録しました。

この好調な売上の背景には、もちろん作品の人気の高さが根底にありますが、もう一つ『特典小説』という強みがあります。
というのも、俺ガイルの円盤には原作者・渡航先生による書き下ろしの短編小説が特典として毎巻付いてきます(1期は1・3・5巻のみ)。
それ自体はラノベ原作アニメではよくある特典ですが、原作自体の人気が凄まじい事、ボリュームもかなりある事から強力な特典になっています。

近年は必ずしも円盤売上が続編制作の絶対的な指標という訳ではありませんが、高い円盤セールスを見込める作品が最も出資を得やすいのは今も同じ。
加えて、俺ガイルはキャラ人気が際立って高い作品なので、急にファンが離れる心配も不要。
続編を作る上でこれほどノーリスクな作品はそうそうありません。

加えて、本作には「グッズ売上」という強みもあります。
水着や入浴などのサービスシーンがほぼ皆無で、ラブコメのラノベとしては異例なくらい露出が少ない俺ガイルですが、公式グッズがやたらヒロイン達を脱がせる事でも知られています。
本編とのギャップもあってか、それらのグッズは売上が非常に好調で、各ショップの予約ランキングでも常に上位に入っています。

このように、売上面においてはあらゆる点で死角がなく、4期を否定する理由は何もないと言って良いでしょう。

海外でも大人気! ラブコメは国境を越える


(画像引用 : Amazon)

円盤やグッズといった昔ながらの売上指標において強さを見せる俺ガイルですが、実は海外でも高い人気を誇っています
中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」の再生数は、1期が1.1億再生、2期が1.6億再生、3期が9870万再生
驚異的な安定感を誇っています。

また、アメリカのアニメファンからの評価もかなり高いようです。
アメリカのメディアが主催するアニメアワード「Anime Trending Awards」において、2期がAnime of the Year、すなわち年間最優秀賞を受賞
3期でもBest in Voice Cast(最優秀声優賞)およびRomance Anime of the Year(最優秀ロマンス作品賞)を受賞しています。

日本のラブコメ作品は海外でも一定以上の需要があり、近年も『かぐや様は告らせたい』『トニカクカワイイ』『ホリミヤ』などの作品が高い評価を得ています。
これらの作品に共通しているのは、「好き」という表現を強めに打ち出している点。
主人公とヒロインの微妙な距離感を楽しみ、2人が結ばれるとピークを過ぎたと思う人が多い日本のアニメファンとは少し傾向が異なり、海外ではラブラブな2人のイチャイチャな描写が人気を集めている印象です。

その点でいうと、3期ラストで八幡と雪乃が結ばれ決着が付いた俺ガイルですが、今後も海外で高い需要が見込めます。
これも、もしかしたら4期制作を行う上での追い風になるかもしれません。

4期は「俺ガイル結」のアニメ化?


(画像引用 : Amazon)

人気面においては国内外を問わず文句なしの俺ガイルですが、4期を制作する上では他にも問題となる事項が幾つかあります。

まず、最も重要なのが原作のストック。
前述したように、3期で本編のラストシーンまで映像化されているので、ストックに関しては潤沢とは言えません。
本編でカットされたエピソードに関しても、短編作品ならともかく長編作品において今更抽出するのは難しいでしょう。

ですが、本作には新シリーズの『俺ガイル結』があります。

このシリーズは2巻帯に記された「もうひとつの俺ガイル」「由比ヶ浜結衣の物語」が示しているように、八幡と雪乃が恋人同士になった本編とは異なる世界線で、結衣をメインとしたストーリーが展開されています。
順当に考えれば、4期はこの俺ガイル結のアニメ化という事になるでしょう。

2023年4月現在、俺ガイル結は2巻まで刊行されています。
1期や2期は飛ばし気味だったので5~6冊分が映像化されましたが、3期では3冊分(最終巻は厚めですが)だった事を考えると、3巻まで発売されればストックは十分溜まったと言って良いでしょう。
つまり、次巻が出た時点で4期を制作可能な状態になります。

俺ガイルのリリースペースは11巻以降かなり不安定になっています。
それまでは年間3冊ペースで定期的に発売していましたが、11巻から12巻まで2年3ヶ月も空いてしまいました。
そこからは年1冊のペースになりましたが、俺ガイル結は1巻から2巻まで1年半空いています。

ただ、このペースダウンは円盤特典の小説執筆や『やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズ付属OVAの脚本、ゲームの監修を行っていたのが主な原因です。
よって、渡先生の筆が遅くなったという訳ではないと思われます。

2巻が発売されたのは2023年2月。
この後に大きな仕事がなければ、次巻は半年~1年後になると思われます。
あくまで予想ですが、早ければ2023年夏、遅くとも2024年冬にはストックが溜まると推察されます。

ちなみに、俺ガイル結は2期円盤特典小説の「俺ガイルanother」がベースになっていると思われます。
この俺ガイルanotherは、いわば「由比ヶ浜ルート」であり、本編で結ばれなかった八幡と結衣がこちらでは……といった内容でした。
よって、展開こそ変えていますが、最終的には俺ガイル結もanother同様の結末に向かっていくと思われます。

ここで重要なのは、既に特典として書き上げた物語を、何故あらためて新章としてシリーズ化したのか。

シリーズ累計1000万部以上を売り上げている作家が、生活の為に完結したヒット作に縋り付く必要はありません。
小説は漫画と比べて単価が高く、俺ガイルの売上は原作小説が大半を占めているので、一生食べていくのに困らないだけの印税が既に入っている筈です。

では何故かというと……やはりアニメ化の為ではないかと思われます。
俺ガイルanotherは文庫本2冊分程度の量なので、アニメ化するにはちょっと足りない。
ならその足りない分を補う意味も込めて、物語を再構築して『俺ガイル結』を発足したと考えれば納得も出来ます。

俺ガイル1期放送から10周年を迎えた2023年、既に「俺ガイル10周年記念プロジェクト」と称した様々な企画が立ち上がっています。
その最後に「俺ガイル4期制作決定」というニュースが発表される可能性は、十分にあると言って良いでしょう。

まとめ

正直、3期で綺麗に終わったし原作も完結したから、これ以上のアニメ化はないと思っていました。
でも2023年になって『五等分の花嫁』が新アニメを作るというニュースが流れた時、「だったら俺ガイルもありでは?」と思い、4期に可能性を見出しました。
というのも、『五等分』も既に映画で本編最終回まで映像化していたからです。

ちなみに『五等分』はアニメ1~2期および劇場版でやっていなかった原作エピソードを映像化するそうです。
俺ガイルも映像化していない短編がかなりある為、その方式で4期をやる事も十分可能。
いずれにしても、4期がグッと現実味を帯びてきたように思います!

【アイドルマスター シンデレラガールズ U149】これまでのアニメとはどう違う? 徹底検証


(画像引用 : Amazon)

2023年4月よりスタートした『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』を徹底解剖!
「U149」の意味、これまでのアイマス・デレマスのアニメとはどう違うのか、何故「ロリマス」と呼ばれているのか等、本作の特徴や魅力について纏めました!

U149=身長149cm未満のメンバーによるユニット


(画像引用 : TVアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』公式サイト https://cinderella-u149-anime.idolmaster-official.jp/

2005年にスタートし、これまで様々なメディアミックを行い、数多くのアイドルとユニットを生み出してきた『アイドルマスター』
そのタイトルは知っていても、この名前を冠するゲームやアニメが多過ぎてよくわかっていない……という人は多いはず。
そんな方々の為に、簡単にアイマス関連の現状をご紹介します。

アイマスは元々アーケードゲームで始まった企画で、その後もゲームがコンテンツの中心となっています。
その中でも特にメインとなっているのがソーシャルゲーム。
中でも2011年から11年以上稼働し続けた『アイドルマスター シンデレラガールズ』が最も有名ですね。

このデレマスは2023年3月をもって終了しましたが、現在も『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)』『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(ミリシタ)』『アイドルマスター シャイニーカラーズ(シャニマス)』の3つが稼働しています。
ゲームのジャンルはそれぞれ微妙に異なりますが、ユーザーがプロデューサーとなってアイドルを育成し、成功へ導いていくという点は共通しています。
これはアイマスシリーズの特徴の一つと言えます。

もう一つの大きな特徴は、アイドルの多さ
このシリーズは、他のアイドルコンテンツが太刀打ちできないくらい沢山のアイドルがいます。

既に終了したシリーズも含めると、これまでに登場したアイドルの総数は男女合わせて300人以上!
女性アイドルだけでも約200人という、とてつもない規模のキャラコンテンツになっています。
オリジナル楽曲は2023年4月現在で1400を超え、一コンテンツが扱う楽曲数としては恐らく世界でも類を見ないのではないかと思われます。

また、ゲーム以外もアニメやコミカライズなど、様々なメディアミックスが行われています。
本作のアイドル達は様々なユニットを組んでいますが、そのユニット単位で作品が作られている点も大きな特徴と言えるでしょう。

前置きが長くなりました。

2023年春にアニメの放送がスタートした『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』は、デレマスの公式コミカライズ作品の一つとしてWebコミックサイト「サイコミ」で連載している漫画を原作としています。
U149は「UNDER 149」の略で、デレマスの中で身長149cm未満の小学生アイドルにスポットを当て、彼女達が芸能プロダクション内のユニット「第3芸能課」に所属し、アイドルデビューを目指す……という物語になっています。

アイマス関連のアニメは、過去に4つのシリーズが映像化されています。
その4つとは、765プロ所属のアイドルをメインに描いた『THE IDOLM@STER』、765プロのアイドルを用いて独自の設定やストーリーで描いたスピンオフロボットアニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』、346プロのアイドルが「シンデレラプロジェクト」に挑む『アイドルマスター シンデレラガールズ』、315プロの男性アイドルの活動を描いた『アイドルマスター SideM』です。
今回のU149はシンデレラガールズの派生作品と言う事が出来るでしょう。

ただ、本作は過去のアニメシリーズとは傾向が異なります。
ここからは、その傾向の違い、すなわちU149独自の魅力について検証していきます。

メインのアイドルが全員「小学生」


(画像引用 : Amazon)

「U149」は本作の略称としても用いられていますが、同時に本作にメインとして登場するアイドル達のユニット名でもあります。
ここが若干わかり辛い点ですが、「第3芸能課」というユニットのメンバーから更に9人に絞って生まれたのが「U149」です。
具体的には、このようなメンバー構成になっています。

・U149
橘ありす(CV:佐藤亜美菜 141cm 12歳)
櫻井桃華(CV:照井春佳  145cm 12歳)
赤城みりあ(CV:黒沢ともよ 140cm 11歳)
的場梨沙(CV:集貝はな  143cm 12歳)
結城晴(CV:小市眞琴  140cm 12歳)
佐々木千枝(CV:今井麻夏  139cm 11歳)
龍崎薫(CV:柳瀬なつみ 132cm 09歳)
市原仁奈(CV:久野美咲  128cm 09歳)
古賀小春(CV:小森結梨  140cm 12歳)

・第3芸能課
U149の9名
横山千佳(127cm 09歳)
福山舞(132cm 10歳)
佐城雪美(CV:中澤ミナ 137cm 10歳)
遊佐こずえ(CV:花谷麻妃 130cm、11歳)

U149は第3芸能課のオリジナルメンバーで構成されていて、結成後に他の4人が段階的に合流しています。
ただ、その4人の中には担当声優がいないアイドルもいる為、アニメに登場する可能性は低いと思われ、基本的にはU149の9名の活動を描く物語になると思われます。

上記のリストからもわかる通り、第3芸能課のメンバーは全員小学生です。
アイマスシリーズのアニメにおいて、メインキャラ全て小学生というのは初の試み。
過去のあらゆるアイドルアニメを見渡しても、小学生と中学生の混合はあるものの、全員が小学生というケースは殆ど前例がありません。

そういった事もあって、本作は一部のファンから「ロリマス」という愛称を用いられています。
ただし一般的な略称ではないので、使用の際には十分に気を付けましょう。

ストーリーとPV的演出のミックス


(画像引用 : Amazon)

「アイドルアニメ」というジャンルは、単にアイドルを題材としたアニメという訳ではありません。
各作品、アイドルの描き方は大きく異なります。

最も多いケースは、アイドルの成長物語です。
主人公がアイドルの卵で、その主人公や他のアイドル候補生が様々な苦境に立たされながらもアイドルとして大成する為に頑張って目標に邁進するという王道ストーリーですね。
中には『ゾンビランドサガ』のように、捻った設定やストーリーに主軸を置いた作品もありますが、大半のアイドルアニメがこのパターンです。

過去のアイマスシリーズも、ゼノグラシアを除けば全てこの系統と言えます。
特にデレマスのアニメは、U149の1話でも中吊り広告という形で登場していた“ニュージェネ”ことニュージェネレーションズの3人を中心とした面々の成長と挫折をドラマティックに描いていました。

U149も、基本的にはその路線で間違いありません。
第1話「鏡でも見ることができない自分の顔って、なに?」はありすのメイン回でしたが、そこでありすが両親と少し距離がある様子を描いており、小学生ならではのドラマ性が付随した内容になっていました。

ただその一方で、本作の場合はデレマスほど強いドラマ性を持たせるというよりは、ユニット活動を通して各アイドルの魅力を視聴者に伝えるスタンスで描いているようです。
言うなればPV的アニメですね。

その最たる部分が、第2話「おでかけなのにただいまをするもの、なに?」で描かれていました。
1話は原作をベースにオリジナル展開を取り入れる形でしたが、2話は完全オリジナルの仁奈回。
彼女が大事にしているニワトリの着ぐるみを紛失してしまい、米内Pやありすと共に街中を探す……というストーリーが展開されました。

原作でも仁奈回はちゃんとありますし、原作通りに作れば各アイドル満遍なく見せ場を作る事は可能。
にもかかわらず、あえてオリジナルの物語を用意した理由は二つあると思われます。

一つは、1話まるごと一人のアイドルにスポットを当てたかったという事。

仁奈回に関しても、原作通りのアニメ化だと尺的にAパートもしくはBパートのどちらかのみという形になったと思われます。
かといって、原作のエピソードを倍に膨らませるとなると、様々な皺寄せが生じるのは想像に難くありません。
そこで思い切って全編アニオリにしたのでしょう。

もう一つは、原作ファンにもそうでない視聴者にも同じように楽しんで貰える事。
原作通りのアニメ化だと、どうしても原作組は一度見た物語をなぞる事になりますし、アニメ初視聴組はネタバレを恐れてしまいます。
しかしオリジナルストーリーなら、どちらもフラットに楽しむ事が出来ます。

こういった所からも、本作が「視聴者がアイドルの魅力を感じる事に集中できるアニメ」を意識している事が窺えます

U149ならではの「ストレスフリーなシリアス」


(画像引用 : Amazon)

原作とは異なるストーリーを用意してきたU149のアニメですが、作風そのものは原作と大きな食い違いはありません。
アイマスやデレマスのコミカライズというと、アニメ化された『ぷちます!』や『シンデレラガールズ劇場』のようなユルい雰囲気のスピンオフを想像しがちですが、本作はコミカルな中にもドラマ性の高いシリアス要素を含む起承転結のエピソードが描かれています。
各アイドルが浮き沈みしながら、時にケンカして仲直りし、皆でアイドル活動を続けていくアイドル成長記です。

ただ、アニメのアイマスやデレマスと全く同じ路線という訳ではありません。
特にデレマスのアニメはギスギスとした鬱展開がファンの間で物議を醸し、賛否両論真っ二つといった作品でしたが、本作はアイドル同士がギスギスするような場面は殆どなく、ケンカしてもすぐに仲直りするストレスフリーなシリアス展開が用意されています。

U149のアイドルは小学生なので、基本的には精神面も幼いです。
しかし、アイドルという夢を持っている彼女達は、同時に芯の強さと大人顔負けのしっかりした考えを持っています。
これは年少組の仁奈や薫も例外ではありません。

アイドルは自分をアピールしなければならない職業なので、我を通そうとする子も当然います。
一方で彼女達も同じ夢を追う他のメンバーを尊重し、強い仲間意識を持っています。
小学生なので自分を制御しきれない面も確かにありますが、それ以上に小学生だからこそピュアにアイドルや仲間と向き合っているのです。

原作ではそういった空気感を程良いバランスで表現していますが、アニメでもその空気感を大事にしているようなので、オリジナルのストーリーでも険悪な雰囲気が長く続く事はないでしょう。
監督の岡本学さんは『無職転生』を手掛けている方で、人間関係の複雑な本作において高い評価を得ています。
なので、U149でも絶妙なバランス感覚を発揮してくれるに違いありません。

まとめ

暗すぎず、平和すぎず、いい感じのアニメに仕上がっていると思います!
動きや細部の表現も行き届いていて、各アイドルがとても可愛く描かれている点が好印象です。
この感じなら、最後まで楽しませて貰えそうですね!

【世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する】2期の可能性を徹底検証! 国内外で人気のなろうアニメ


(画像引用 : Amazon)

2021年秋に放送され、日本だけでなく海外でも高い注目を集めた『暗殺貴族』の2期があるかどうかを大検証!
1期の円盤売上、配信実績、国内外のアニメファンからの評価、制作会社の現状などから続編の可能性を徹底的に分析・予想します!

『回復術士のやり直し』の作者が手掛けた異世界サスペンス


(画像引用 : Amazon)

次々となろうアニメの2期が決まっていく「なろうバブル」のアニメ業界ですが、次に2期が決まる作品として最も名前が挙がっているタイトルと言えば『暗殺貴族』でしょう。
正式タイトルは『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』で、その本作が放送されたのは2021年秋。
このクールは実に5作品(無職転生の第2クールを含めると6作品)ものなろうアニメが放送される大激戦区でしたが、その中でもこの『暗殺貴族』は非常に高い評価を得ました。

本作は、地球上で「世界一」と称された初老の暗殺者が、異世界の「暗殺貴族」トウアハーデ家の長男に転生し、生前の技術や経験と転生時に得たスキルを用いて第二の人生を歩むお話。
ジャンルは異世界サスペンスですが、可愛いヒロインが複数登場し、色っぽいシーンも多々あります。
設定やビジュアルで殺伐としたアニメのように思われがちですが、割と気楽に楽しめるタイプの作品です。

そんな暗殺貴族の2期検証を行う前に、本作がアニメ化に至るまで辿ってきた足跡を振り返ります。

暗殺貴族は2018年7月、小説家になろうにて連載を開始しました。
投稿者は月夜涙先生
当時既に『回復術士のやり直し』をはじめ7作品もの書籍化を果たしている売れっ子だった事を考えると、この新連載も当初から書籍化前提で進められていた企画だと思われ、連載開始から半年後の2019年2月に角川スニーカー文庫から書籍版(イラスト:れい亜先生)がリリースされました。

同時期には皇ハマオ先生によるコミカライズもスタート。
小説3巻、漫画1巻が発売されていた2019年11月にはシリーズ累計15万部を突破し、ドラマCDの制作も決まりました(小説4巻特装版に付属)。

ヒット作となった後も順調に部数を伸ばし続け、40万部を突破した2021年2月にTVアニメ化を発表
当時ちょうど回復術士のアニメが放送されていたタイミングだった事もあり、その放送中のCMで暗殺貴族の紹介がされるというプチコラボも実現しています。

キャストはドラマCDで演じた面々がそのまま継続となり、ファンを喜ばせました。

・『暗殺貴族』シリーズ累計発行部数推移

2019年11月 015万部(小説③巻、漫画①巻発売)
2020年08月 030万部(小説④巻、漫画②巻)
2020年11月 040万部(小説⑤巻、漫画③巻)
2022年01月 100万部(小説⑥巻、漫画④巻、アニメ放送終了)

国内配信&ビリビリ動画で絶好調!


(画像引用 : Amazon)

暗殺貴族のBlu-ray・DVD(円盤)売上は1000枚弱で、決して大きな数字ではありません。
その為、3000枚以上を売り上げた回復術士の方が人気という印象を持たれるかもしれませんが……実際にはそうではなく、視聴者層の差と言う事が出来ます。

近年、若年層のアニメファンは円盤よりも配信を利用してアニメを見返す習慣が定着しています。
よって近年のなろう作品は円盤売上が高いケースは少なく、回復術士の方が異例。
回復術士はエロ描写が多い作品なので、同じ作者でも暗殺貴族や他のなろう作品とは根本的に視聴者層が異なる為と思われます。

その証拠に、配信実績は暗殺貴族の方が好調です。
各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると、本作は2021年春アニメ内でクール2位を記録(1位は『鬼滅の刃 無限列車編』)。
ABEMAアニメチャンネルが発表した同クール累計視聴数部門でも鬼滅に続いて2位と、無職転生(第2クール)を上回る結果を残しており、多くの視聴者が配信を利用して本作を観ていた事がわかります。

この好調の要因は、離脱者の少なさです。
ABEMAの各話再生数を見てもそれは明らかで、常時無料の1話を除いた2~12話の再生数が非常に安定している事がわかります。

・『暗殺貴族』各話のABEMA視聴数(2023年4月6日現在)

第01話 141万視聴(常時無料)
第02話 44.1万視聴
第03話 40.9万視聴
第04話 40.6万視聴
第05話 38.4万視聴
第06話 38.2万視聴
第07話 37.5万視聴
第08話 36.0万視聴
第09話 34.2万視聴
第10話 35.6万視聴
第11話 33.8万視聴
第12話 37.8万視聴

2~12話の最低と最高の差が10万以下で、しかも最終回に上げている作品はそれほど多くはなく、如何に本作が飽きられなかったかを示すデータと言えます。
これは2期を占う上で非常に重要な事で、製作委員会に「この作品なら2期をやっても一定の利益を確保できる」と思って貰える材料になり得ます。

また、本作の好調さを示すもう一つの指標として、海外における人気の高さが挙げられます。

『オバロ』や『リゼロ』の影響もあって、中国を中心としたアジア圏ではなろうアニメの人気が高く、なろうアニメの2期が多い理由の一つになっています。
一方、近年はその人気の高さから供給過多の傾向が強く、なろうアニメが多過ぎて各タイトルの再生数が伸び悩む状況になっています。

その中にあって暗殺貴族の再生数はかなり高く、1.5億再生を記録。
これはなろうアニメに限らず、2021年以降に配信された日本の全アニメの中でも上位に入る数字です。

既に2期が決まっているなろうアニメと比較しても『暗殺貴族』の中国人気はかなり高く、国内での配信の強さもあって、2期を十分に狙える位置にいると言って良いでしょう。

・2期決定済なろうアニメのビリビリ動画再生数(2020年~)

2.70億再生 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
1.10億再生 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
0.50億再生 くま クマ 熊 ベアー
0.48億再生 神達に拾われた男
0.94億再生 スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
0.36億再生 聖女の魔力は万能です
0.82億再生 精霊幻想記
0.80億再生 月が導く異世界道中
0.55億再生 進化の実

評価は上々! フォロワー数も2期ライン上


(画像引用 : Amazon)

配信実績が非常に高い暗殺貴族ですが、dアニメが実施した2021秋アニメのアンケート「今期で燃えたアニメは?」で2位「今期で萌えたアニメは?」で4位を獲得するなど評価も高め。
世界観の良さ、女性キャラの可愛さ、主人公の強さなどが好評を博した理由になっています。

また、公式Twitterのフォロワー数に関しても良好な数字を記録しています。

2023年4月現在、暗殺貴族の公式アカウントのフォロワー数は3.3万人。
これは、既に2期が決定または放送されている『異世界スマホ』『くまクマ熊ベアー』『神拾』『ツキミチ』とほぼ同じ数字です。

・2期決定済なろうアニメの公式フォロワー数(2023年4月現在)

61.8万 Re:ゼロから始める異世界生活
37.5万 この素晴らしい世界に祝福を!
33.4万 転生したらスライムだった件
23.9万 魔法科高校の劣等生
22.1万 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
21.5万 無職転生
19.2万 オーバーロード
12.4万 魔王学院の不適合者
11.6万 陰の実力者になりたくて
11.2万 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
10.4万 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
*9.8万 盾の勇者の成り上がり
*8.9万 ありふれた職業で世界最強
*6.1万 スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
*5.1万 本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません
*4.2万 精霊幻想記
*3.8万 転生したら剣でした
*3.5万 異世界はスマートフォンとともに。
*3.4万 くま クマ 熊 ベアー
*3.3万 神達に拾われた男
*3.2万 月が導く異世界道中
*2.6万 進化の実
*2.6万 異世界食堂
*2.5万 聖女の魔力は万能です
*1.6万 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました

一定数のファンが付いているのは、2期を企画する上での判断材料になる筈。
その点においても暗殺貴族は条件をクリアしていると言えます。

ストックはそろそろOK! 制作会社は大ピンチ!?


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暗殺貴族の1期は、1クール全12話で原作小説の1巻、漫画版の3巻途中(第9話)まで消化しました。
原作のストックに関しては問題ありません。

ただ、なろうアニメの場合は原作小説より寧ろ漫画版の進行具合の方が重要です。
というのも、近年のなろう関連作品の場合、コミカライズの売上がシリーズ累計発行部数の多くを占めるケースが圧倒的に多いからです。
なろうアニメはコミカライズの部数を増やす為の宣伝、と言う事も出来ます。

その点で言うと、2023年4月時点で漫画版は5巻までリリースされているので、ストックとしてはギリギリです。
6巻が発売されれば、間違いなく2期までのストックが溜まったと言う事が出来るでしょう。

5巻の発売が2022年9月で、漫画版は大体8ヶ月前後の間隔でリリースされている為、6巻の発売は2023年の初夏頃と予想されます。
よってストックについては「ほぼ溜まっている」と言う事が出来るでしょう。

問題は制作会社です。

暗殺貴族はSILVER LINK.とstudioぱれっとの共同制作という形で作られています。
この内、SILVER LINK.はかなりマズい状況です。

近年なろう作品のアニメ化に力を入れているSILVER LINK.は、2023年冬に魔王学院と防振りの2期(+あやかしトライアングル)を手掛けましたが、その全てで万策尽きてしまい放送延期……という、かなりしょっぱい状況になっています。
恐らく海外のスタジオに頑張って貰って作る予定だったのが、コロナの影響で稼働できなくなった為、収拾がつかず制作が困難になったものと思われます。

studioぱれっとも決して大きい会社ではなく、既に2024年までの予定が入っているので、現状の両スタジオの生産力では2期実現は困難かもしれません。
アニメ制作は常に先々の予定を入れながら行っているので、コロナの影響がなくなれば問題ない、という訳にもいきません。
一旦状況が悪化した場合、その皺寄せで一気にスケジュールがガタガタになってしまい、新しい予定を入れる余裕がなくなってしまうのです。

はっきり申し上げて、暗殺貴族2期の最大のネックはこの点です。

もし2期が実現するなら、制作会社が変わる可能性もあります。
ただ、「作る会社を変えてでも2期をやる!」となると、出版社であるKADOKAWAは他にも沢山のアニメ化待ち作品を抱えているだけに、ハードルは高くなってしまいます。

暗殺貴族は2期をやれるだけの実績は残しました。
しかし、上記の理由で必ず2期が実現するとまでは言えないのが現状です。

まとめ

シルバーリンクもかなり予定を詰め込んでいるみたいで、まだ放送時期すら決まっていない作品が多々あります。
その為、このスケジュールの中に暗殺貴族の2期を入れるのは容易じゃなさそうです。

ちょっと思わしくない点もありますが、2期を出来るだけのポテンシャルを示した作品なので、なんとか実現して欲しいですね!

アニメ制作会社ランキングTOP40! 2023年現在の人気アニメスタジオを格付けチェック!


(画像引用 : Amazon)

現役で活動を続けているアニメ制作会社の中から、現在特に人気と知名度の高い会社をランク付けして発表!
近年の実績を重視しつつ、これまで残してきた数々の名作や評価を考慮した上で、独断と偏見によるTOP40をご紹介します!

40位:カラー


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2006年設立の株式会社。
英語の綴りは「khara」です。

エヴァを制作していたガイナックスから庵野秀明監督が独立し、新たなアニメスタジオを設立。
以降、 長期にわたって『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの制作を行ってきましたが、2021年公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でエヴァは完結を迎えました。

2014年にはエヴァの版権を移管している為、「エヴァを作っている会社」というだけでなく「エヴァ作品の管理を行っている会社」でもあります。
なのでエヴァだけを作っているという印象が強いですが、実際には元請以外で数多くのアニメ制作に携わっています。

『怪獣8号』では怪獣デザイン&ワークスを担当する予定です。

39位:サンジゲン


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2006年にウルトラスーパーピクチャーズの子会社として設立された株式会社。
3DCGアニメーション制作を行っています。

当初は3DCG制作をメインに他社作品のCGパートやアニメーションMVなどを制作していましたが、2012年に『ブラック★ロックシューター』でOrdetとの共同ながら元請制作を行い、2013年には『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』を手掛けヒットを記録しました。
その後は『バンドリ』『D4DJ』といったブシロードの人気コンテンツを映像化しています。
2023年にはバンドリ最新作『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』の制作も発表しました。

38位:ティー・エヌ・ケー


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1999年に有限会社として設立。
2006年に株式会社となりました。
社名の由来は「Total Network」です。

設立翌年の2000年から元請制作を開始し、スマッシュヒットした『円盤皇女ワるきゅーレ』など、ちょっとエッチな描写のある作品を中心に手掛けていきます。
2007年には話題のエロゲー『School Days』をアニメ化し、その凄惨な内容が物議を醸しました。

2012年には『ハイスクールD×D』がヒットし、シリーズ化。
その後もエロ路線を追及し続け、規制が厳しくなった近年も『回復術士のやり直し』『不徳のギルド』 といった作品で男性アニメファンに夢を与え続けています。

37位:ブレインズ・ベース


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1996年設立の株式会社。
テレビアニメの元請制作は2002年からですが、それ以前からOVAや劇場向けアニメで元請を行っています。

2008年に手掛けた『夏目友人帳』が人気を博して軌道に乗り、以降は『狼と香辛料(2期)』『デュラララ!!』『俺ガイル(1期)』などラノベ作品のアニメ化で成功を収めます。
少女漫画や女性向けコンテンツのアニメ化も得意とし、『BROTHERS CONFLICT』などのヒット作を生み出しました。

36位:Seven Arcs


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2000年に「有限会社アークトゥールス」として設立。
2002年に「株式会社セブン・アークス」となり、2019年に現在の社名になっています。

2004年に初めてのテレビアニメとして手掛けた『魔法少女リリカルなのは』がスマッシュヒットを記録。
これを受け、翌年には続編となる第2期を発表し、クール1位のDVD(円盤)売上を達成しました。
2007年放送の3期は更に売上を大幅に伸ばし、「なのはの会社」としてアニメファンから周知されるようになりました。

なのは以外では、同じ都築真紀さん原作の『DOG DAYS』がヒットしシリーズ化。
その他にも『セキレイ』『トニカクカワイイ』などが人気を集めています。

35位:キネマシトラス


(画像引用 : Amazon)

2008年設立の株式会社。
社名の由来は「キネマ(シネマの古い呼び方)+創業メンバーの名前」との事です。

2013年に発表した『ゆゆ式』、2014年の『ばらかもん』で高評価を得て、2015年には『ごちうさ』2期をWHITE FOXと共同で制作。
その後も『メイドインアビス』『盾の勇者の成り上がり』などのヒット作を生み出し、国外でも人気を博しています。

2023年には『わたしの幸せな結婚』を発表予定です。

34位:スタジオ雲雀


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1979年設立の株式会社。
2006年に3DCG部門を「株式会社ラークスエンタテインメント」として分社化、2011年に新ブランドのLerche(ラルケ)を設立しています。

約20年ほど下請けをメインに行っていましたが、2000年前後から元請制作を積極的に行うようになり、2004~2007年にはNHKで放送された『メジャー』を制作。
2010年代に入ってからはラルケが制作の主体となり、『ダンガンロンパ』『暗殺教室』『がっこうぐらし!』『ようこそ実力至上主義の教室へ』など、一癖ある作品の映像化を担っています。

33位:SILVER LINK.


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2007年設立の株式会社。
2012年に子会社『CONNECT』の設立も行いましたが、2020年に吸収合併し一社での活動を行っています。

設立から1年半で元請制作作品の放送までこぎ着け、2作目の『バカとテストと召喚獣』で早々にヒットを記録。
以降も『プリヤ』『のんのんびより』『防振り』『魔王学院の不適合者』などのヒット作を輩出しています。
『ストライク・ザ・ブラッド』では近年珍しいOVAでのシリーズ化を行い成功を収めました。

2010年代は日常アニメの印象が強い会社でしたが、近年は小説家になろうに投稿されている「なろう作品」のアニメ化を数多く手掛けています。

32位:亜細亜堂


(画像引用 : Amazon)

1978年にシンエイ動画からの独立という形で、有限会社として設立。
1987年に株式会社となりました。

当初は下請けとして活動し、OVA等の制作を経て1993年よりテレビアニメでの制作元請を開始。
その1作目となった『忍たま乱太郎』が子供に人気となり、30年以上続く定番作品となりました。

また、1990年にスタートした『ちびまる子ちゃん』でも実制作を担当(クレジットは日本アニメーション)。
元請ではないものの、国民的アニメを作るスタジオとして確かな信頼を築きました。
また、人気児童書シリーズ『かいけつゾロリ』のアニメも制作しています。

31位:日本アニメーション


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1975年設立の株式会社。
設立前後から現在に至るまで、元請として数多くのアニメを手掛けています。

代表作は設立元年の1975年からスタートした世界名作劇場です。
世界中で親しまれている童話や小説を原作としたファミリー向けのアニメシリーズで、『フランダースの犬』『小公女セーラ』『あらいぐまラスカル』など数多くの人気作を生み出しました。
1990年からは国民的アニメとなった『ちびまる子ちゃん』を手掛けています。

90年代には『南国少年パプワくん』『魔法陣グルグル』などガンガン原作のアニメ化も担当していました。

30位:オレンジ


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2004年設立の株式会社。
3DCGアニメーション制作を行っています。

当初は他社作品のCGパート担当、或いは他社との共同制作という形でアニメに携わっていましたが、2017年に放送された『宝石の国』で初めて単独元請制作に臨み、フルCGアニメとして非常に高い評価を得ます。
その後も『BEASTARS』『ゴジラ S.P(ボンズとの共同制作)』で好評を博し、2023年には『TRIGUN STAMPEDE』を発表しました。

国内の3DCG制作会社では特に高い評価を得ているスタジオです。

29位:タツノコプロ


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1962年に「株式会社竜の子プロダクション」の名称で設立。
2013年に現在の名称へ変更されました。

1965年から単独での元請制作を行っている老舗で、『ハクション大魔王』『いなかっぺ大将』などのギャグ作品で人気を得て、1972年放送の『科学忍者隊ガッチャマン』で人気爆発。
以降SFアクションヒーロー物を多く手掛けるようになり、『ヤッターマン』などのタイムボカンシリーズが子供達の間で流行となりました。

タイムボカンシリーズが終了した1980年代以降は『超時空要塞マクロス』『天空戦記シュラト』などSFや変身モノをより近代的なデザインで描き好評を博すも、90年代に入ると過去作品のリメイクが目立つようになります。
2010年代に入ってからは『プリパラ』などのプリティーシリーズが人気を博しています。

28位:david production


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2007年設立の株式会社。
2009年より元請制作を開始しています。

2012年に放送された『妖狐×僕SS』がヒット作となり、同年秋より『ジョジョの奇妙な冒険』のアニメ化を開始。
ジョジョシリーズがネット上で再評価されていた事もあって、国内外で高い評価を獲得しました。
以降、全てのジョジョシリーズのアニメを制作しています。

ジョジョの印象が非常に強い制作会社ですが、それ以外にも『はたらく細胞』『あんスタ』などで好評を博し、ヒット作を多く抱える人気スタジオになっています。
2023年には『アンデッドアンラック』のアニメ化を行う予定です。

27位:動画工房


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1973年に有限会社として設立。
2006年に株式会社となっています。

設立から30年以上ずっと下請けを行っていましたが、2000年代中盤から元請制作を始め、2011年より放送された『ゆるゆり』のヒットを契機に日常系アニメを数多く手掛けるようになります。
特に2014~2016年は『未確認で進行形』『月刊少女野崎くん』『干物妹!うまるちゃん』『NEW GAME!』と毎年ヒット作を輩出し、「日常アニメと言えば動画工房」と言われるくらいの存在になりました。

2023年春からは注目作【推しの子】の放送が行われています。

26位:TRIGGER


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2011年設立の株式会社。
『天元突破グレンラガン』の今石洋之監督および大塚雅彦副監督、プロデューサーの舛本和也さんの3人がガイナックスから独立して誕生した会社です。

グレンラガンチームで手掛けた処女作『キルラキル』がヒットし、以降もオリジナル作品をメインに手掛け存在感を発揮。
2018年には昔の特撮作品「電光超人グリッドマン」を原作とした『SSSS.GRIDMAN』が人気を博し、アニメの新たな可能性を示しました。

2023年にはその『SSSS.GRIDMAN』の続編で、2021年放送『SSSS.DYNAZENON』のキャラも登場する映画『グリッドマン ユニバース』を公開。
ファンから非常に高い評価を得ています。

作風は一貫していて、どの作品も「熱血」を前面に出した熱い物語が展開されます。
そのイメージは完全に定着していて、アニメ制作会社の中でも特にブランディングが成功している例と言えそうです。

25位:エイトビット


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2008年設立の株式会社。
由来はファミコンのCPU「8ビット」です。

2011年に初の元請作品となる『IS 〈インフィニット・ストラトス〉』でいきなり大ヒットを記録。
以降も『ヤマノススメ』『グリザイアシリーズ』などで人気を博し、2018年よりスタートした『転スラ』で知名度を大幅に向上させました。
近年も『ブルーロック』が人気作品になっています。

円盤売上で大きな数字を出したのはIS以降ありませんが、転スラやブルーロックは配信で大人気となり、その効果で原作の売上を大幅に伸ばしています。
近年ならではのヒット作を生み出している会社と言えるでしょう。

24位:サテライト


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1995年設立の株式会社。
社名の綴りは「SATELIGHT」で、由来は「Sapporo」「Animate」「Technology」「Entertainment」です。

マクロスシリーズで知られる河森正治監督と組み、2005年に『創聖のアクエリオン』を発表。
そして2008年にはマクロスシリーズ久々のテレビアニメとして制作した『マクロスF』を放送し、マクロス再ブームを巻き起こす大ヒットとなりました。
以降、マクロスシリーズやアクエリオンシリーズを含む殆どの河森作品はこのサテライトで制作されています。

マクロスシリーズで培った技術と発想を活かし、2012年から手掛ける『シンフォギア』シリーズはライブシーンを前面に出して大人気作品に成長。
担当声優がステージに立つリアルライブはドームを埋めるほどの人気イベントになっています。

23位:ぎゃろっぷ


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1978年に有限会社として設立。
2001年に株式会社となりました。

1980年代に元請制作を始め、1988年より『キテレツ大百科』の制作を開始。
藤子不二雄作品と言えばシンエイ動画が有名ですが、このキテレツはぎゃろっぷの制作で人気作となり、長寿アニメとなりました。

90年代は『姫ちゃんのリボン』『こどものおもちゃ』などの少女漫画や、『るろうに剣心』『こち亀』といったジャンプ作品のアニメ化を手掛け、1998年からは『おじゃる丸』もスタート。
おじゃる丸は現在も続く超長寿番組となっています。
2000年代には『遊戯王』の2作目を担当し、現在に至るまでシリーズ作品を手掛け続けています。

いずれの年代でも長期にわたって続くアニメを手掛けている点が最大の特徴です。

22位:P.A.WORKS


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2000年に「越中動画本舗株式会社」の名称で設立。
2002年に現在の会社名になっています。
由来は「Progressive Animation Works」の略です。

2008年に『true tears』で初の元請作品制作を行い、以降はオリジナル作品に強いこだわりを持つアニメスタジオとして周知されていきます。
2010年に放送した『Angel Beats!』ではKeyの麻枝准さんと組み大ヒットを記録。
その後も「お仕事シリーズ」と称した『花咲くいろは』『SHIROBAKO』が人気を博し、アニメファンの間で非常に高い評価を得ました。

21位:ぴえろ


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1977年創業、1979年に「株式会社スタジオぴえろ」の名称で設立。
2002年より現在の会社名になりました。

1981年に「うる星やつら」を手掛け、高視聴率を記録した事で一気に知れ渡り、人気アニメスタジオの仲間入りを果たします。
その後は『魔法の天使クリィミーマミ』などの魔法少女シリーズ、『きまぐれオレンジロード』『幽遊白書』『NARUTO』『BLEACH』などのジャンプ作品を手掛け、多くの人気アニメを生み出しています。
2014~2018年に放送された『東京喰種トーキョーグール』は海外で高い評価を得ました。

2015~2016年に発表した『おそ松さん』は、かつて一世を風靡した『おそ松くん』を六つ子メインの作品としてリメイクし大ヒット。
老舗ながら長年にわたって時代のニーズに合った作品を生み出し続けています。

20位:スタジオディーン


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1975年に有限会社として設立。
1982年より制作業務を開始し、1994年に株式会社となっています。

1984年よりスタジオぴえろ(現ぴえろ)が手掛けていた『うる星やつら』を引き継ぎ、その縁で『めぞん一刻』『らんま1/2』といった高橋留美子作品のアニメ化を任されるようになります。
人気作品を長期的に手掛けた事で信頼を獲得し、1997年にはスタジオぎゃろっぷから『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の制作も引き継ぎました。

2000年代に入っても高い生産力を保持し、殆どの年で年間5~10作品を手掛ける大手スタジオとして名を馳せています。
一大百合ブームを巻き起こした『マリア様がみてる』や女性向けアニメの金字塔『薄桜鬼』、なろうアニメの決定版となった『この素晴らしい世界に祝福を!』と、アニメ史に燦然と輝く作品を幾つも手掛けている点も特徴です。

19位:WHITE FOX


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2007年設立の株式会社。
2009年より元請制作を開始しています。

2011年に手掛けた『STEINS;GATE』が大ヒットとなり、以降も『はたらく魔王さま!』『ご注文はうさぎですか?』『Re:ゼロから始める異世界生活』『ゴブリンスレイヤー』『ありふれた職業で世界最強』などヒット作を量産しています。
扱った作品に対してヒット率が非常に高く、業界でもトップクラスのアベレージを誇っています。

2018年には『無職転生』制作の為にEGG FIRMと共同で制作会社「スタジオバインド」を設立しており、『無職転生』も実質的にこのWHITE FOXの作品と言って良いでしょう。
本作も国内外で高い人気を得ています。

18位:ウィットスタジオ


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2012年設立の株式会社。
Production I.G制作6課のスタッフが中心となり、グループ会社の設立と移籍という形で実現しました。

当初はあくまで制作に集中できる環境を整える為の設立だったようですが、処女作があの『進撃の巨人』だった為、国内外で物凄い注目を集める事になり、以降は完全に一ブランドとしての地位を確立しました。
『進撃』以降も『甲鉄城のカバネリ』『魔法使いの嫁』といったヒット作、中国で人気作となった『王様ランキング』などを手掛け、圧倒的な映像美と高い演出力で存在感を発揮しています。

そして2022年よりCloverWorksと共同で『SPY×FAMILY』の制作を開始。
日本国内だけでなく海外でも高い評価を受け、子供から大人までたくさんの人から愛される作品になっています。

17位:OLM


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1994年設立の株式会社。
社名の由来は「Oriental Light & Magic Inc.」の略です。

1997年より放送を開始した『ポケットモンスター』のアニメ制作に着手し、以降は「アニポケの会社」として周知されるようになります。
一方で『剣風伝奇ベルセルク』のような硬派な作品、『To Heart』『こみっくパーティー』のような人気ギャルゲームのアニメ化なども手掛けていました。

2008年に『イナズマイレブン』を手掛けてからは『ダンボール戦機』『妖怪ウォッチ』などレベルファイブ作品の映像化も任されるようになり、これ以降はよりキッズ向けのアニメに特化した制作会社になっています。

16位:CloverWorks


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2018年にA-1 Picturesの高円寺スタジオをブランド化する形で設立。
A-1時代には『アイマス』『冴えカノ』『四月は君の嘘』『あの花』などを手掛けていました。

A-1の子会社のようなイメージを持たれがちですが実際には分社化で、アニプレックスの制作部門の新たな柱として設立されました。
既に稼働中のスタジオに名前を付けただけなので、設立元年から多くの作品を手掛けていて、2018年秋放送の『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』で早々にヒットを記録しました。

その後も安定した生産力でアニプレの作品を支えて来ましたが、2022年に『その着せ替え人形は恋をする』『SPY×FAMILY(WIT STUDIOと共同)』『ぼっち・ざ・ろっく!』を立て続けにヒットさせた事で一気に名を馳せました。
原作解像度の高さは随一で、今やA-1と同等の知名度を得ています。

15位:J.C.STAFF


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1986年設立の株式会社。
創業開始以降しばらくOVAや映画の制作を行い、1994年よりテレビアニメの元請制作を始めました。

1997年放送の『少女革命ウテナ』が耽美な世界観で話題となったものの、基本的にはバトルものやコミカルな作風の日常ものを得意としています。
ラノベ作品にいち早く着目し、2000年代には『灼眼のシャナ』『ゼロの使い魔』『とらドラ!』とヒットを連発。
そして2008年に『とある魔術の禁書目録』、翌2009年に『とある科学の超電磁砲』を手掛け、このとあるシリーズの大ヒットによって一気に業界トップクラスの知名度に上り詰めました。

近年もファンタジーバトル路線と日常コメディ路線が主で、『リトルバスターズ!』『ダンまち』『まちカドまぞく』などのヒット作を輩出しています。

14位:シャフト


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1975年に有限会社として設立。
仕上→グロス請け→元請制作→自社企画・元請制作とステップアップし、2015年に株式会社となりました。

非常に長い歴史を持つ制作会社ですが、メジャーな存在になったのは2000年代になってから。
『まほろまてぃっく』『ぱにぽにだっしゅ!』『ひだまりスケッチ』『さよなら絶望先生』とヒット作を続々と生み出し、2009年に放送された『化物語』が深夜アニメの売上記録を塗り替えるベストセラーとなった事で、一気に時代の寵児となりました。

そして2011年放送の『魔法少女まどか☆マギカ』でその人気は最高潮へと達します。
実写や字幕や切り絵などを用い、不思議な角度でキャラを描くその独特で尖った演出は「シャフト演出」と呼ばれ、一世を風靡しました。

アニメスタジオの独自色が色濃く出たのはこの時期のシャフトが最後かもしれません。
尚、近年の作品はこういった手法はあまり用いていないようです。

13位:ボンズ


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1998年にサンライズ第2スタジオが独立する形で設立。
サンライズ時代には『機動武闘伝Gガンダム』『カウボーイビバップ』などを手掛けていました。

サンライズと違ってロボットアニメはあまり手掛けず、ハードな世界観のファンタジー作品を主に制作。
連載序盤にアニメ化された『鋼の錬金術師』は後半を完全オリジナル展開にする英断で高評価を獲得し、後年あらためて原作準拠の映像化を行い再度ヒットさせました。
他にも『DARKER THAN BLACK』『血界戦線』『モブサイコ100』『文豪ストレイドッグス』など多数のヒット作を生み出し、特にバトル描写では国外からも高い評価を得ています。

近年は『僕のヒーローアカデミア』の制作で有名ですね。
既に7期の制作も発表されています。

12位:コミックス・ウェーブ・フィルム


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2007年に設立された株式会社。
コミックス・ウェーブのマーチャンダイジング事業部が独立し、現在の名称および形態となりました。

コミックス・ウェーブ時代から「才能ある若手作家を支援する」というコンセプトで活動し、2002年より新海誠監督のマネジメントを開始。
以降、全ての新海作品の制作を行っています。

新海監督の商業デビュー作『ほしのこえ』は単館上映作品ながら口コミで広がりDVDがヒットし、様々な賞を受賞。
続く『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』も商業的な大ヒットではないものの高い評価を得ました。

そして2016年に公開された『君の名は。』が大ブームを巻き起こし、興行収入251億円を記録。
その後の『天気の子』『すずめの戸締まり』も国内外で大ヒットを記録するなど、名実共に「新海作品の制作会社」として大きな実績を残しています。

国内は勿論、海外のマーケティングにおいても秀でています。
『すずめの戸締まり』は中国で111億円を突破し、『君の名は。』を抜いて中国で公開された日本アニメ映画史上最大のヒットになりました。

11位:Production I.G


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1987年に竜の子プロダクション(現タツノコプロ)から独立し「有限会社アイジータツノコ」の名称で設立。
1993年に現社名になり、1998年より株式会社となっています。
以降、二度の大きな改組が行われ現在に至ります。

1993年公開の『機動警察パトレイバー 2 the Movie』、1995年公開の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』が国内だけでなく海外でも人気を博し、当時は寧ろ海外人気の方が目立っていました。
2000年代になってテレビアニメの元請にも本格的に参加し、攻殻機動隊シリーズを軸に様々な作品を手掛け、『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズなどのヒット作を輩出しました。
90年代から硬派な世界観を描く事が得意な会社ですが、『君に届け』のようなラブコメ作品も手掛けています。

また女性に人気の高い作品を得意とし、『新テニスの王子様』『黒子のバスケ』『ハイキュー!!』といったジャンプ作品を担当。
2024年には『怪獣8号』のアニメ化を行います。

10位:マッドハウス


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1972年に有限会社マッドハウスとして設立。
1999年に株式会社パオハウスへ業務を全面移管し、株式会社マッドハウスとなりました。

70~80年代は劇場向け作品やOVAを中心に制作していましたが、1989年に『YAWARA!』の制作を手掛け人気アニメになった事で軌道に乗り、テレビシリーズの自社元請制作を本格的に開始。
1998年から放送を開始した『カードキャプターさくら』は子供だけでなく大人にも絶大な支持を集め、いわゆる「萌えアニメ」の先駆けとなりました。

業界で最も扱うジャンルが幅広いアニメスタジオで、2000年代は『DEATH NOTE』『BLACK LAGOON』『CLAYMORE』のようなダークな世界観のアニメで人気を博し、2010年代に入ってからは『魔法科高校の劣等生』『ノーゲーム・ノーライフ』『オーバーロード』などのラノベ作品でヒット作を量産しています。
2015年に放送された『ワンパンマン』は圧倒的なバトルシーンの描写で世界的な人気を獲得しました。
『電脳コイル』『宇宙よりも遠い場所』などのオリジナル作品も高く評価されています。

9位:MAPPA

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2011年設立の株式会社。
社名の由来は「Maruyama Animation Produce Project Association」です。

ジャンルや作風へのこだわりはなく、「面白さを追求する」というシンプルなテーマで様々な作品を生み出し、2016年に公開された映画『この世界の片隅に』で世界的な注目を集めます。
更に2018年放送のオリジナルアニメ『ゾンビランドサガ』が大ヒットし、2020年にはジャンプの大ヒット作『呪術廻戦』を手掛けた上、WIT STUDIOから『進撃の巨人』の制作を受け継いだ事で、一気に日本有数のアニメ制作会社へと駆け上がりました。
特に海外からの人気はかなり高いようです。

2022年からは『チェンソーマン』の放送もスタート。
現在最もホットなアニメスタジオとなっています。

8位:スタジオジブリ


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『風の谷のナウシカ』を制作したトップクラフトの改組という形で1985年に設立された株式会社。
その為、ナウシカは厳密にはジブリ作品ではないという見方をされる事もありますが、ジブリの公式サイトでは「スタジオジブリの作品」としてナウシカが紹介されています。

日本で最も有名なアニメスタジオで、日本で最も有名なアニメ映画監督である宮崎駿さんが所属する会社。
『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『耳をすませば』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』……など、日本人なら大抵は知っている大ヒット映画を多数制作してきた事で知られています。
テレビシリーズは手掛けていませんが、公開された映画はその後金曜ロードショーで繰り返し放送されている為、「ジブリ作品」という言葉はお茶の間でもお馴染みです。

宮崎監督の新作『君たちはどう生きるか』が2023年7月に公開予定となっています。

7位:ufotable


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2000年設立の有限会社。
制作の大半を自社で行う大規模なアニメスタジオです。

2005年放送の『フタコイ オルタナティブ』をきっかけに「TYPE-MOON×ufotableプロジェクト」がスタート。
その流れで2007年より手掛けた『劇場版 空の境界』、2011~2012年放送の『Fate/Zero』が大ヒットし、月型のファンから絶大な支持を受けた事で「Fateシリーズのアニメスタジオ」というイメージが定着します。

そんな中、2019年に放送された『鬼滅の刃』が日本全国に大ブームを巻き起こす爆発的ヒットとなり、今度は「鬼滅のアニメを作っている会社」へとイメージが変革されました。

圧倒的な映像美が特徴で、特にバトルシーンにおける迫力と幻想的な美しさは国内随一。
ファンタジー系アクションバトルを作らせたら世界No.1と言っても過言ではありません。

6位:シンエイ動画


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1965年にAプロダクションとして事業を開始。
当時は東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)の制作部門という形で活動し、1976年に提携を完了して現社名で再出発しました。

Aプロダクション時代から『オバケのQ太郎』『パーマン』『怪物くん』などの藤子不二雄作品を手掛け、シンエイ動画になってからもその縁は継続し、1979年に『ドラえもん』のアニメ化を行います。
ドラえもんは1973年に一度、別の会社が作ったものの半年で終了しており、シンエイ動画が制作したテレ朝版によって児童向けアニメの代表格となりました。
この実績によって、以降は殆どの藤子不二雄作品のアニメ化を担当する事になります。

藤子不二雄作品以外でも日常系の作品を主に手掛け、1992年にスタートした『クレヨンしんちゃん』は子供達の間で大ブームとなりました。
ドラえもんとクレしんは毎年映画が公開され、どちらも国民的アニメとして時代を超え愛され続けています。

近年では『からかい上手の高木さん』が人気作となり、3期および映画まで制作されました。
ラブコメ作品で実績を残した事もあり、新たに2023年春放送『僕の心のヤバイやつ』も手掛けています。

5位:京都アニメーション


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1981年に事業を開始し、1985年に京都アニメーションとして法人化。
当時は有限会社でしたが、1999年に株式会社となりました。

長らく下請け会社として稼働していましたが、2000年代に入って元請制作に挑戦。
2006年に放送された『涼宮ハルヒの憂鬱』が当時マイナーだった深夜アニメのイメージを改革する大人気作品となり、一気にメジャーな制作会社となりました。

以降も『CLANNAD』『けいおん!』『氷菓』『響け! ユーフォニアム』などヒット作を連発。
近年は自社の文庫レーベルからのアニメ化がメインとなっており、『Free!』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』などのヒット作を輩出しました。

登場人物の息遣いまで聞こえてくるようなエモーショナルな作風を得意とし、多くのファンを抱えています。
2019年に第1スタジオで起こった放火事件によって大きなダメージを受けましたが、現在は制作体制も整い、継続して作品を世に送り続けています。

4位:サンライズ


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1972年に「有限会社サンライズスタジオ」の名称で創業。
1976年に日本サンライズとして再出発し、1987年に現在の社名となりました。

1979年に制作した『機動戦士ガンダム』がガンプラの影響もあって子供の間で絶大な支持を得て、以降は「ロボットアニメといえばサンライズ」という地位を確立。
ガンダムはその後40年以上続く大人気シリーズとなり、現在も最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を展開中です。

ガンダム以外でも、『シティーハンター』『勇者シリーズ』『スクライド』『コードギアス 反逆のルルーシュ』など多数の人気作を輩出。
そして2013年より放送を開始した『ラブライブ!』はアイドルアニメの金字塔となり、10年以上続く人気シリーズとして現在も多くのファンを魅了し続けています。

なお、『銀魂』『タイバニ』『アイカツ!』『ケロロ軍曹』といった人気シリーズは2015年に設立したバンダイナムコピクチャーズへと移管しました。

3位:トムス・エンタテインメント


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元々は1946年に「アサヒ手袋製造株式会社」として出発した会社で、アニメ事業を始めたのは1964年に設立した東京ムービーから。
その後「東京ムービー新社」「キョクイチ東京ムービー」を経て、2000年に現在の名称となりました。
1975年には子会社のテレコム・アニメーションフィルムも設立しています。

東京ムービー時代の前半はAプロダクション(現シンエイ動画)と組み、製作の役割も担いつつ数多くの作品を世に送り出します。
1971年より放送された『ルパン三世』はその後50年以上愛され続ける作品となりました。

東京ムービー新社となってからも『あしたのジョー2』『キャッツ・アイ』などの人気作を輩出し、1988年からは『それいけ!アンパンマン』を制作。
更に1996年からは『名探偵コナン』を作っています。

『ルパン』『アンパンマン』『コナン』という3つの国民的アニメを数十年手掛けつつ、毎年多数のアニメを生み続けており、その生産力は業界最高峰。
国内最大級の規模を誇るアニメ制作会社です。

2位:A-1 Pictures


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2005年設立の株式会社。
名前の由来は「Aniplex」「Animation」「Asagaya」+「アニメーションで1番になりたい」との事です。

ソニー傘下の製作会社アニプレックスが設立した会社で、2007年に初の単独元請となる『おおきく振りかぶって』を手掛けると、本作がヒットを記録。
以降も『黒執事』『WORKING!!』など毎年のようにヒット作を量産し、2012年より手掛けている『ソードアート・オンライン』は10年以上続く人気シリーズとなりました。
その後も『ペルソナ5』『かぐや様』などを手掛け、継続的にヒットを続けています。

ラブコメ、SF、ギャグ、アイドル、伝奇、スポーツ……など、ありとあらゆるジャンルを手掛けており、設立から約20年間、ヒット作のなかった時期は殆どありません。
令和に入ってからもオリジナル作品『リコリス・リコイル』で大ヒットを記録し、その存在感を示しました。

規模、歴史の長さ共にトップという訳ではありませんが、純粋なヒット作の数で言えばこのスタジオがNo.1と言えるでしょう。

1位:東映アニメーション


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1948年に東映の子会社として「日本動画株式会社」の名称で設立。
1952年に「日動映画株式会社」と名称を改め、1998年に現在の名称となりました。
現存するアニメ制作会社では最も歴史が古く、当初は短編映画を数多く手掛け、1963年からテレビアニメ制作を行っています。

1968年に放送を開始した『ゲゲゲの鬼太郎』は、その後50年以上続く人気シリーズとなり、『デビルマン』『マジンガーZ』『キューティーハニー』などの永井豪作品でも人気を博します。
1981~1986年に放送された『Dr.スランプ アラレちゃん』は最高視聴率36.9%を記録するなど社会現象となり、この実績によって『キン肉マン』『北斗の拳』などジャンプ作品を多数任されるようになりました。

そして1986年に『ドラゴンボール』の制作を開始。
日本だけでなく全世界で歴史的なヒットを記録し、現在も国内最大規模のIPとして莫大な利益をあげています。
その後も『スラムダンク』『ONE PIECE』など、90年代までのジャンプアニメと言えば大抵この東映が手掛けています。

ダンデライオンアニメーションスタジオとの共同制作で2022年に公開された『THE FIRST SLAM DUNK』は国内外で大ヒットとなりました。
老若男女、国内外を問わず、全世界のあらゆる人達に向けて「ジャパニメーション」を長年届け続けています。

順位まとめ

*1位 東映アニメーション
*2位 A-1 Pictures
*3位 トムス・エンタテインメント
*4位 サンライズ
*5位 京都アニメーション
*6位 シンエイ動画
*7位 ufotable
*8位 スタジオジブリ
*9位 MAPPA
10位 マッドハウス
11位 Production I.G
12位 コミックス・ウェーブ・フィルム
13位 ボンズ
14位 シャフト
15位 J.C.STAFF
16位 CloverWorks
17位 OLM
18位 ウィットスタジオ
19位 WHITE FOX
20位 スタジオディーン
21位 ぴえろ
22位 P.A.WORKS
23位 ぎゃろっぷ
24位 サテライト
25位 エイトビット
26位 TRIGGER
27位 動画工房
28位 david production
29位 タツノコプロ
30位 オレンジ
31位 日本アニメーション
32位 亜細亜堂
33位 SILVER LINK.
34位 スタジオ雲雀
35位 キネマシトラス
36位 Seven Arcs
37位 ブレインズ・ベース
38位 ティー・エヌ・ケー
39位 サンジゲン
40位 カラー

まとめ

ランキングの基準は

①近年の実績

②過去の実績と歴史的価値

③ヒット作の多彩さ

④根強いファンの多さ……です。

勿論これが正解という事は決してありませんし、「あの会社がそんな低い訳ない」「この会社高過ぎ」といったご意見も多々あるかと思いますが、いずれも錚々たる面々なのは間違いありません。
この中にもし余り知らないという制作会社があれば、この機会に是非どんな作品を出している会社か調べてみてください!

【この素晴らしい世界に爆焔を!】アニメ放送開始! めぐみんの過去を描いたこのすばスピンオフ


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『このすば』のスピンオフ作品で、めぐみんを主人公とした『この素晴らしい世界に爆焔を!』のアニメがついにスタート!
『このすば爆焔』がどんな内容なのか、本編との違いがあるのか、スピンオフならではの魅力は……など、見所をたっぷり纏めました!

原作はこのすば作者・暁なつめ先生によるスピンオフ小説!


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『この素晴らしい世界に爆焔を!』は、2016年にアニメ化され予想外の大ヒットとなり今やなろうを代表する人気作となった“このすば”こと『この素晴らしい世界に祝福を!』のスピンオフ作品です。

ところで、スピンオフに対しては「大当たりした作品で少しでも長く稼ぎたい関係者各位による水増し企画だ」という偏見を抱いている人もごく一部にいるようです。
しかし、スピンオフにはスピンオフならではの価値がちゃんとあります。

第一に「推しキャラが主人公になれる」という点。
主人公と言えば作品の中心であり、その人物の視点で物語が動いていく特別な存在。
自分の好きなキャラがそのポジションにつく事で、単純に出番が増えるのは勿論、推しが出世して大きく羽ばたいたような誇らしい気持ちになれます。

第二に「作品の幅と世界観が広がる」点。
本編では触れられていても深く掘り下げる事が難しいエピソードや設定、各キャラの過去や人間関係など、本編とは違った角度で作品を楽しむ事が出来ます。
作品によっては、本編とは全く違う作風にする事で違った味わいを持たせたり、エロ描写を増やして同人誌っぽくしたりする事で、全く違う魅力を生み出すケースもあります。

第三に「なんとなく作品の格が上がったような気がする」点。
スピンオフの連載が始まる事で、この作品はそれくらい大きな需要がある、すなわち人気があると世間に思わせる事ができます
たまに一つの雑誌に本編だけでなく三つも四つもスピンオフ作品を掲載しているケースがありますが、そうなるともうその作品が雑誌を占拠しているような状態になり、一作品の枠を飛び越え一大コンテンツになったような印象を与えます。

このように、スピンオフには多くのメリットがありますが……同時に不安要素もあります。
スピンオフの評判が悪いと、本編まで足を引っ張られてしまうという懸念です。

せっかく本編が上手くいっているのに、スピンオフが微妙な出来で評判がイマイチだと、本編までイメージダウンしてしまう場合があります。
勿論、そこまで極端な例は極めて稀ですが、全くない訳ではありません。

こういった状況が生まれやすいのは、原作者以外がスピンオフのストーリーを手掛けるケースです。

例えばコミカライズであれば、原作小説の内容をなぞって描く為、そこまで大きく乖離する事はありません。
しかしスピンオフは原作との関係がまちまちで、原作者がストーリー原案として関わる場合もあれば、監修程度の場合もあります。
後者だと当然、本編のクオリティに遠く及ばないスピンオフが生まれてしまうリスクは否定できません。

前置きが長くなりましたが、『このすば爆焔』はこのすばファンが何も心配せずに楽しめるスピンオフです。
というのも、この作品の原作小説を手掛けたのは、このすばの作者である暁なつめ先生。
イラストも本編同様に三嶋くろね先生が担当していて、このすばとほぼ同じ作風(若干真面目なシーンが多いですが)になっています。

つまり、このすばを楽しめた人なら間違いなく本作も楽しめる訳です!

このすば1~2期とは制作会社が違うけど主要スタッフは同じ!

原作者が手がけたスピンオフとあって、本編とほぼ同じ作風の『このすば爆焔』ですが……「果たしてアニメも本編と同じテイストに仕上がっているのか?」と不安がる人も、もしかしたらいるかもしれません。
というのも、このすば1期および2期と本作とでは、制作会社が異なるからです。
1~2期はスタジオディーンが作っていましたが、本作はドライブという会社が制作しています。

スタジオディーンはアニメ業界において老舗と言って良い歴史ある会社で、その設立は1975年
過去に『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』といった高橋留美子作品をはじめ、『マリア様がみてる』『Fate/stay night(1作目)』『ひぐらしのなく頃に』など数多くの話題作を手掛けてきた実績があります。
一方、ドライブは2015年に設立された新しい会社で、元請制作を始めたのは2019年からとあって、実績に乏しい点は否めません。

このすばのアニメは決して作画面で高く評価された訳ではありませんが、原作のユルい世界観の再現や掛け合いのテンポの良さ、ブッ飛んだ各キャラに対する的確なディレクションなど、原作の良さを上手く落とし込んだ模範例として高い評価を得ています。
続編で制作体制が変わって評価を落としたアニメは少なからず存在しており、幾ら原作者が同じでもアニメになると別物になってしまう可能性はあります。

しかし、結論から言えばこちらも心配は要りません。
というのも、このすば爆焔の主要スタッフは本編1~2期にかなり近い陣容なのです。

監督こそ金崎貴臣さんから安部祐二郎さんにチェンジしていますが、金崎さんは総監修という立場で参加しています。
シリーズ構成、キャラクターデザイン、音響監督、音楽などのメインスタッフは全て続投で、このすばの良さをしっかり理解している方々によって作られている為、作風が変わる事はあり得ません。
よって、繰返しになりますが本編を楽しめた人なら間違いなく楽しめるスピンオフになっています!

ちなみに安部監督は今回が初監督作品ですが、アニメファンの間で評判の良かった『スーパーカブ』第1話の演出を担当していた実力派。
そんな逸材がこのすばをどのような映像作品に仕上げてくれるかも見所と言えるでしょう。

また、このすば3期は基本的に爆焔と同じスタッフによって制作される予定の為、3期の予習としても最適なアニメです。
制作会社の変更もあって、3期が1~2期と同じテイストで作られるかどうかが心配な全国のこのすばファンの皆さん、爆焔を観れば自ずと答えがわかりますよ!

主役はめぐみん! 彼女の過去をガッツリ掘り下げ


(画像引用 : Amazon)

タイトルからも想像がつくように、『このすば爆焔』の主人公はめぐみんです。
彼女が抜擢された理由も言うまでもありません。
人気No.1キャラだからです。

2019年に公式サイトで実施された人気投票「『この素晴らしい世界に祝福を!』キャラクター総選挙」では、アクアが2位のめぐみんに4倍以上の差を付けて1位に輝きました。
しかしあれは、アクアだけ公式にドーピングが認められるという前代未聞の不正が行われた紛いものの結果で(勿論そういうノリのおふざけ企画ですが)、実際にはめぐみんが最も人気者です。

その人気もあって、原作では巻が進むにつれてヒロインポジションを担っていく事になる彼女ですが……アニメ1~2期の範囲では人気に見合うだけの出番はなかったのが実際のところ。
めぐみんファンにとってこのすば爆焔は、不足していためぐみん成分を適量まで補給できるバランス栄養調整食品のようなアニメです。

本作で描かれるのは、そのめぐみんの過去。
彼女がカズマ達に声をかけてパーティーに加わる1年前、紅魔の里で暮らしていた頃のエピソードが補完されています。
具体的には「めぐみんがどんな経緯で爆裂魔法に興味を持ったのか」「めぐみんがどんな学園生活を送っていたのか」「ゆんゆんとのライバル対決はどんな感じだったのか」「どんな経緯で冒険者になったのか」などのお話が描かれています。

ここで声を大にして言いたいのが、このスピンオフは単にめぐみん人気にあやかってめぐみん主人公の日常学園コメディとして書いているのではなく、ちゃんと本編の前日譚として描かれている……という事。
めぐみんというキャラがどんな過程を経て今のような人物像になったのか、どんな思いで爆裂魔法に入れ込み冒険者になったのかが丁寧に描写されているので、めぐみんファンには必読&必視の作品と言えます。

脇役の充実! 紅魔族はやっぱり変人しかいない


(画像引用 : Amazon)

『このすば爆焔』はめぐみんの過去編なので、まだ出会っていないカズマ、アクア、ダクネスは当然出番がありません。
もしかしたら最終回に1期に繋がるような形で顔見せするかもしれませんが、物語に絡む事はないでしょう。
なので、めぐみんファン以外にとっては少々物足りなく感じるかもしれません。

しかし、本作には紅魔族がいます!
紅魔族と言えば、里の人間の大半が重度の中二病を患っている問題児集団という、このすばの世界観ならではの種族。
当然、めぐみんの周囲の面々も御多分に漏れず変人ばかりです。

めぐみんにとって最も近しい紅魔族というと、やはりファミリー。
めぐみんがカズマ達を連れて里帰りをする原作5巻のエピソードは『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』で映像化されていますが、そこでも登場した妹のこめっこ、父のひょいざぶろー、母のゆいゆいは本作でもしっかり出番があります。
特にこめっこの出番はかなり多く、メインキャラの1人となっている為、ロリっ子マニアには堪らない作品になっています。

魔法学園レッドプリズンの仲間達も個性派揃いです。
作家志望で「紅魔族随一の発育」を名乗るあるえ、いつもコンビで活動しているふにふら&どどんこは紅伝説でも登場していますが、本作では更に居酒屋の女将を目指すねりまき、校長の座を狙う担任のぷっちんなどが登場。
他にも「紅魔族随一の美人」と称されるそけっと、そんな彼女に恋するニートのぶっころりーなど、次から次に色んなタイプのキャラが出て来て場を盛り上げてくれます。

基本的には変人しかいない里なので、多少真面目な話になってもコメディ感が薄れる事はありません。
その点は本編と同じなので、安心して最後までこのすばを楽しむ事が出来ます。

そして、忘れてはいけないのがめぐみんにとって重要な存在であり生涯のライバル、ゆいゆい
本編でも結構出番が多いキャラですが、このすば爆焔ではめぐみんに次ぐ2番手のポジションで、めぐみんとの絡みが非常に多い事もあって、ある意味ではメインヒロインのような存在として描かれています。
なので当然、ゆいゆいのファンにとってもこの作品は必視です!

まとめ

3期&爆焔のアニメ化が発表されてから約1年、ついに爆焔の放送が始まりましたね!
このすばのアニメ自体がかなり久々でしたが、1話で実家のような安心感を抱かせてくれました。
めぐみんファンにとっては教典となるような作品なので、最低三回はリピートしたいです!

海外で人気のアニメ40選! 意外な「億超え」アニメを紹介


(画像引用 : Amazon)

海外で多くのアニメファンを魅了している日本のアニメを40作品ピックアップ!
ビリビリ動画で1億再生以上を記録している作品だけをチョイス。海外ファン選出のアワードを制したアニメや、日本で余り価されていないけど海外で人気の作品などを集めました!

サマータイムレンダ


(画像引用 : Amazon)

2022年に放送されたOLM TEAM KOJIMA制作のテレビアニメ。
主人公・網代慎平の故郷である離島を舞台に繰り広げられるループ系サスペンスです。

日本では「5ch民が選ぶ2022年ベストアニメランキング」8位、アニメ!アニメ!主宰「2022年一番好きなTVアニメは?」10位と高い評価を得たものの、Blu-ray・DVD(円盤)の売上では目立った成績は残せていません。
また、配信も当初Disney+とTVerのみだった為、利用者はかなり限られてしまいました。

一方で中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」では再生数が高く、2023年3月現在(以下全て同様)2億再生を記録しています
近年、ビリビリ動画で日本のアニメが1億再生を超える事が少なくなってきた中での2億超えとあって(2クールとは言え)かなりのヒットと言う事が出来るでしょう。

世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する


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2021年に放送されたSILVER LINK&studioぱれっと共作によるテレビアニメ。
世界最高の暗殺者と称された中年が異世界に転生し、新たな若い肉体を得て活躍する「なろうアニメ」です。
日本では配信で好成績を収めていて、各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると2021年秋アニメ の2位に付けています。

ビリビリ動画では1.5億再生を記録し、2021年を代表するアニメの一つになっています。
なろうアニメはビリビリ動画で非常に好評を博していますが、本作はその中でも近年トップクラスの数字を残しました。

不滅のあなたへ


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2021年にスタートしたブレインズ・ベース(1期)およびドライブ(2期)制作のテレビアニメ。
何らかの刺激を受けるとその性質を記憶・模倣する不死身の「フシ」の長い長い旅路を描いたヒューマンドラマです。
NHKで放送され、第3シリーズの制作まで決まっています。

日本では特別大きな売上や配信成績を収めている訳ではありませんが、ビリビリ動画では好調で、第1シーズンが1.4億再生を記録しています。
第2シーズンは舞台や物語が大きく変化した事もあってか、再生数は伸び悩んでいるようです。

ホリミヤ


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2021年にスタートしたCloverWorks制作のテレビアニメ。
ギャルっぽい見た目の割に苦労人で家庭的な堀京子と、陰キャのような雰囲気で実際はピアス開けまくりの男子・宮村伊澄の恋模様を描いたお話です。
原作コミックスは大ヒットしていましたが、連載開始から10年でのアニメ化、しかも原作は完結していた事もあり、日本ではあまり話題になりませんでした。

一方、アジア圏ではかなりの人気を獲得し、ビリビリ動画では2.5億再生を記録。
更にアメリカのアニメ賞「クランチロール・アニメアワード」でベスト・ロマンス賞、アメリカのメディアが主催するアニメアワード「Anime Trending Awards」でベストキャラクターデザイン賞およびロマンス部門1位を獲得しました。

この海外人気の高さから、2023年に第2期の制作・放送が決定しています。

蜘蛛ですが、なにか?


(画像引用 : Amazon)

2021年に放送されたミルパンセ制作のテレビアニメ。
蜘蛛に転生した主人公「私」をはじめ複数の主人公と時間軸による群像劇が描かれています。
日本では円盤セールスがあまり伸びなかった事から不調だったという声もありますが、なろうアニメらしく配信では一定の成績を収めています。

ビリビリ動画では2クールと有利ながら、3.9億再生という非常に大きな数字を記録しました。
1クール換算でも2億近い数字を残しており、アジア圏でかなり受けた作品の一つに数えられます。

アクダマドライブ


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2020年に放送されたstudioぴえろ制作のオリジナルアニメ。
犯罪者「アクダマ」が蔓延る世界を舞台に、様々な事情を抱えたアクダマ達が結託して大金のかかった任務を遂行する物語です。
日本ではあまり話題にならず、円盤売上は不調、配信もFOD独占のため目立った成績を残せていませんでした。

しかしビリビリ動画では1億再生を突破しヒットを記録。
更に本作はAnime Trending Awardsにおいて年間最優秀賞を受賞しました。
アジア圏だけでなくアメリカでも高い評価を得た作品です。

トニカクカワイイ


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2020年にスタートしたSeven Arcs制作のテレビアニメ。
『かぐや姫』の登場人物をベースに、一組の極めて特殊な夫婦の新婚生活を描いたラブコメディです。
日本では目立ったヒット作にはなっておらず、円盤売上も配信も大きな数字にはなっていません。

一方でビリビリ動画では1.7億再生と大きな数字を記録。
当時、ビリビリ動画ではラブコメが人気を博していた為、その流れに乗って多くの視聴者を獲得したようです。
またクランチロール・アニメアワードでベストカップル賞を受賞するなど、メイン二人の愛情をハッキリ表現する日本のアニメらしくないイチャイチャが人気を集めました。

これらの好評を受けて、2023年春より2期の放送が行われます。

虚構推理


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2020および2023年に放送されたブレインズ・ベース制作のテレビアニメ。
怪異たちの知恵の神になった「おひいさま」こと岩永琴子が、恋人の桜川九郎と共に怪異に関する事件を解決を導くミステリです。
日本ではおひいさまが人気キャラになったものの、アニメ自体は目立ったヒットにはなりませんでした。

しかしビリビリ動画では1期が1.1億再生を記録しヒット。
2期は3年開いた影響で大きく再生数を落としましたが、日本での評価だけではその2期を作る事も難しかったでしょう。
アジア圏で人気を博した事で続編が作られた、近年ならではのケースと言えます。

痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。


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2020年にスタートしたSILVER LINK.制作のテレビアニメ。
ゲームの知識がないままVRMMO「NewWorld Online」を始めた主人公メイプルが、運営の想定を悉く外れたプレイによって驚異的な力を得て無双するお話です。
日本では円盤セールス3000枚以上、配信クール内2位と好結果を残しています。

そしてビリビリ動画では、アジア圏におけるなろうアニメ全盛時に当たった事もあり、1期は2.7億再生と大ヒットを記録。
その1期から3年が経過しての2期だった為、2期は1期ほど大きくは伸びていませんが、それでも第6話の時点で6000万再生を突破し、1億超えのペースを保っています。

ID:INVADED イド:インヴェイデッド


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2020年に放送されたNAZ制作のオリジナルアニメ。
数多くの殺人が発生している世界を舞台に、組織「蔵」に所属する元警官の殺人犯・鳴瓢秋人が「名探偵・酒井戸」となり、犯人の深層心理に入り込む装置を用いて犯行を曝くストーリー。
日本では「5ch民が選ぶ2020年ベストアニメランキング」2位と高い評価を得た一方、円盤セールスおよび配信では全く振るいませんでした。

ビリビリ動画ではその高評価が数字に反映されていて、1.3億再生を記録。
アジア圏では本作や『Fate/Zero』を手掛けたあおきえい監督の人気がかなり高いようです。

魔入りました!入間くん


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2019年にスタートしたバンダイナムコピクチャーズ制作のテレビアニメ。
悪魔学校バビルスに入学した人間界出身の主人公・鈴木入間の奇想天外な学園生活を描いたコメディです。
日本ではNHK Eテレで放送されている事もあって大人から子供まで幅広い世代にファンを抱えていますが、ヒットアニメという括りに入れられる事は余りありません。

一方、ビリビリ動画では好評で1期は1.5億再生、2期は1億再生をそれぞれ突破しています。
どちらも2クールではあるものの、十分高い数字です。

炎炎ノ消防隊


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2019年にスタートしたdavid production制作のテレビアニメ。
突然人間が燃えてしまう人体発火現象「焔ビト」に皆が恐怖する世界を舞台に、焔ビトの脅威から市民を守る為に戦う「特殊消防隊」の活躍を描いたSFアクションです。
原作はヒットしているもののアニメの円盤は全く売れず、失敗と言われる事が多いアニメの一つですね。

実際には国内の配信で好成績を収めており、ビリビリ動画でも1期の再生数は1.1億と好調。
2期はやや落として7500万再生です。

また、OPに起用されたMrs.GREEN APPLEのインフェルノがSpotifyだけで2億再生以上を記録しており、海外ファンからも人気を博しています。

かぐや様は告らせたい


(画像引用 : Amazon)

2019年に放送をスタートしたA-1 Pictures制作のテレビアニメ。
秀知院学園の生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐやによる、「意中の相手に告白させる」という一風変わった恋愛劇と生徒会の日常を描いたラブコメディです。
日本では円盤セールスこそ5000枚程度ですが、1~3期いずれも配信でクール内TOP3に入るほどの人気を獲得しています。

ビリビリ動画でもその人気は凄まじく、1期は2.8億、2期は2.2億、2022年放送・配信の3期でも1.1億再生を記録しています。
ラブコメ作品としては頭一つ抜けたヒット作となっており、アジア圏ではラブコメの決定版と言えるポジションを確立しました。

五等分の花嫁


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2019~2021年に放送された手塚プロダクション(1期)およびバイブリーアニメーションスタジオ(2期・映画)制作のアニメ。
五つ子のヒロイン達と、その家庭教師をする主人公・上杉風太郎との恋愛を描いたラブコメディです。

日本では人気声優陣を揃えた事もあって、イベントのチケット優先販売申込券を封入した1期1巻の円盤セールスは1万枚を突破。
原作コミックスの売上も大きく上昇し、現在は全14巻で2000万部という驚異的なヒットになっています。

2022年公開の映画は興行収入22億円以上と、深夜アニメのラブコメとしては異例のヒットとなりました。
アジア圏でも本作の人気は高く、1期はビリビリ動画で1.3億再生を記録しています。
2期も8000万再生と健闘を見せました。

更に2023年、新作アニメの制作も告知されています。

盾の勇者の成り上がり


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2019年にスタートしたキネマシトラス(1期)およびDR MOVIE (2期・映画)制作のアニメ。
四聖勇者の一人「盾の勇者」として異世界に召喚された主人公ナオフミが、酷い裏切りに遭いながらもヒロイン達の献身で立ち直り、様々な謀略や敵に立ち向かう物語です。

円盤セールスは振るわず2000枚程度だった為、当初は失敗の烙印を押されていましたが、配信で非常に好調だった事で原作やコミカライズの売上も伸び、2期および3期の制作が決まりました。

もう一つの続編の決め手となったのが海外人気で、ビリビリ動画では2クールながら2.9億再生を記録し大ヒットとなりました。
3年以上が経過した2期も1クールで8300万以上と好調な成績を残しています。

どろろ


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2019年に放送されたMAPPAおよび手塚プロダクション共作のテレビアニメ。
48体の魔物の生贄とされ、48箇所を欠損して生まれた百鬼丸が、彼を「あにき」と慕うどろろと共に体を取り戻す旅に出る物語です。

手塚治虫先生の有名作を50年ぶりにアニメ化するという事で話題になり、内容も高い評価を得ましたが、ヒットには至りませんでした。
一方、海外での評価は結果にも表れていて、ビリビリ動画では1.9億再生を記録し、クランチロール・アニメアワードで最優秀キャラクターデザイン賞を受賞。
国外でその知名度に相応しいだけの成果を獲得しました。

転生したらスライムだった件


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2018年にスタートしたエイトビット制作のテレビアニメ。
スライムに転生した主人公リムルが国を興し、世界をに名を轟かすほどの存在となっていく異世界ファンタジーです。

小説家になろうに投稿された小説が原作で、コミカライズの成功で大ヒット作となり、アニメも円盤セールスこそ6000枚前後ながら配信で大ヒットを記録。
現在はシリーズ累計発行部数4000万部のモンスターヒットとなりました。

ビリビリ動画でもその人気は絶大で、1期の再生数は4.5億(2クール)を記録しています。
2期も4.1億と一向に衰えず、シリアス要素が殆どないスピンオフ作品『転スラ日記』まで1億を突破。
今や国内外を問わず大人気となっていて、なろうの枠を飛び越え日本を代表するアニメの一つに数えられるところまで来ています。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない


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2018年に放送されたCloverWorks制作のテレビアニメ。
思春期症候群という思春期に起こるオカルト的な現象に振り回される少年少女の苦悩と青春を描いた物語です。
日本では円盤が8000枚前後のヒットを記録し、以降は映画でのメディア展開が続いています。

ビリビリ動画でも本作は非常に好調で、2.3億再生と大ヒットを記録。
ただの恋愛作品ではなくSF的な要素がより多くのファンの獲得に繋がったと思われます。

はたらく細胞


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2018および2021年に放送されたdavid production制作のテレビアニメ。
とある人間の体内にある細胞を擬人化し、細胞が普段どのような働きをしているかを描いたサイエンスコメディです。

原作コミックスが大ヒットし、鳴り物入りでアニメ化。
そのアニメも話題になりましたが、1期の円盤セールスは5000枚に届かず、2期は全8話と短かった事もあって目立ちませんでした。
一方で凄まじい数のスピンオフ作品が生まれ、その中の『はたらく細胞BLACK』はアニメ化まで果たしています。

海外では息の長いヒットになり、ビリビリ動画では1期が2.4億再生と大ヒット。
2期も7600万再生とまずまずの数字を残しました。
海外人気の高さから原作コミックスのバイリンガル版が発売されています。

ぐらんぶる


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2018年に放送されたゼロジー制作のテレビアニメ。
ダイビングショップ「グランブルー」に居候する大学生の北原伊織を中心に、酒と恋愛と酒と筋肉と酒とダイビングと酒に彩られた変人たちの日常を描いています。

日本ではコメディ色が強いアニメはセールスが芳しくない事が多く、本作もその例に漏れず大きな数字は残していません。
その一方で、ビリビリ動画ではいつの間にか再生数を伸ばし1.6億の大ヒット。
理由はわかりませんが元々原作は大ヒットしている漫画なので、ポテンシャルに見合った数字をようやくゲットしたと言えるかもしれません。

同じくゼロジーが制作した『理系が恋に落ちたので証明してみた。』も海外人気の高さで2期まで作られたので、本作もまだチャンスはありそうです。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン


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2018年に放送された京都アニメーション制作のテレビアニメ。
戦争で両腕を失い、義手を付け代筆屋として新たな人生を歩む事になった少女ヴァイオレットの出会いと別れを描いたヒューマンドラマです。

京アニのアニメとあって放送前から注目され、好評を博しヒットを記録。
その後も驚異的なロングセラーとなり、円盤売上は3万枚に迫るところまで伸びました。
尚、配信はNetflix独占となっています。

京アニ作品はアジア圏でも人気が高く、本作もビリビリ動画で1.8億再生を記録しています。
今や京アニの代表作になっていますね。

りゅうおうのおしごと!


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2018年に放送されたproject No.9制作のテレビアニメ。
16歳の若さで竜王のタイトルを獲りながらスランプに陥った棋士の九頭竜八一が、小学生の雛鶴あいを内弟子に迎え、再起していく物語です。

放送当時は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『ゆるキャン△』『宇宙よりも遠い場所』など話題作目白押しのクールだった事であまり目立てませんでしたが、藤井聡太さんの活躍によって「あり得ないラノベだったのに現実に超えられた作品」として注目を集めました。

日本文化の将棋を題材にした作品でありながら、ビリビリ動画では1.2億再生を記録するヒット作になりました。
中国は銀髪好きのアニメファンが多く、ヒロインの空銀子が彼等の嗜好に刺さったのかもしれません。

ようこそ実力至上主義の教室へ


(画像引用 : Amazon)

2017年にスタートしたLerche制作のテレビアニメ。
実力次第で天国にも地獄にもなる東京都高度育成高等学校を舞台に、問題児揃いのDクラスに所属する主人公・綾小路清隆が狡猾に暗躍するストーリーが描かれています。

原作はシリーズ累計800万部の大ヒットラノベですが、アニメの円盤セールスはあまり伸びず、当時は失敗扱いされていました。
ただ、ビリビリ動画では非常に好調で、1期の再生数は2.4億とかなり大きなヒットになっています。
この実績もあって2022年には2期が放送され、2023年には3期の放送も決まっています。

2期の1巻には原作者による書き下ろし小説『ようこそ実力至上主義の教室へ0』が付属され、2万枚近い売上を記録しています。
2巻以降は2000枚前後に落ち着いたものの、1期よりは高い数字でファン自体も増えているようです。

徒然チルドレン


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2017年に放送されたStudio五組制作のテレビアニメ。
複数の恋人未満カップルの高校生達による日常を、同時進行のオムニバス形式で描いた学園ラブコメディです。
円盤は単独での発売はなく、原作コミックスの9~11巻の特装版として全3巻がリリースされています。

日本ではあまり話題になっていませんでしたが、ビリビリ動画では1.6億再生と大健闘。
当時のラブコメブームに乗って注目を集めたようです。
「Anime Trending Awards」のShort Anime of the Yearを受賞しており、アメリカでも高い評価を得ました。

エロマンガ先生


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2017年に放送されたA-1 Pictures制作のテレビアニメ。
ライトノベル作家の和泉正宗と、その妹でイラストレーター「エロマンガ先生」でもある紗霧をはじめとしたヒロイン達の恋を描いたラブコメディです。
円盤セールスは平均7500枚と十分なヒットになり、その後発売されたOVAも同等のセールスを記録しました。

そしてビリビリ動画でも大きなヒットになっていて、2.3億再生を記録。
なのに何故か2期は制作されていません。
尚、原作は2022年に全13巻で完結を迎えています。

Re:CREATORS


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2017年に放送されたTROYCA制作のオリジナルアニメ。
創造主(クリエイター)たちの想像するキャラクターが現実に出現する世界を舞台に繰り広げられる戦いを描いたアクション作品です。
主人公の性格に賛否あった為、評価も大きく割れ、円盤売上はあまり伸びませんでした。

一方、ビリビリ動画では1.1億再生を記録。
2クール(全22話)だった事もありますが、日本よりも海外で人気を得た作品と言えるでしょう。

小林さんちのメイドラゴン


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2017年にスタートした京都アニメーション制作のテレビアニメ。
OLの小林さんと彼女に助けられた異世界のドラゴン・トールの同居生活をメインに、周囲の騒がしい面々との日常や騒動をコメディタッチで描いています。
京アニ制作とあって注目されましたが、円盤セールスは3000枚強と京アニ作品としては余り振るいませんでした。

しかしこの作品、中国で絶大な人気となり、ビリビリ動画では1クールでありながら3.4億再生を記録。
この驚異的なヒットもあって、2期制作が実現しました。
その2期も4年半ぶりという不利な条件ながら1.2億再生を記録しています。

モブサイコ100

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2016年にスタートしたボンズ制作のテレビアニメ。
超能力者の主人公・モブが幼なじみの高嶺ツボミから振り向いてもらえるように自分を変えるべく奮闘するコメディです。
1期は円盤セールスが6000枚以上を記録しましたが、2期はそれから2年半が経過した事もあって1/3まで落ち込みました。

ただしクオリティは大きく向上しており、クランチロール・アニメアワードで最優秀アニメーション賞に選ばれるなど、超能力アクション系のアニメとしては最高峰の映像との評価を得ています。
実際、ビリビリ動画では1期・2期ともに1.3億再生を記録。
全くファンが離れていません。

この評価もあって2022年には3期が制作されました。
この3期もビリビリ動画では8800万再生まで伸びており、全シリーズ億超えも視野に入っています。

坂本ですが?


(画像引用 : Amazon)

2016年に放送されたスタジオディーン制作のテレビアニメ。
あらゆる挙動がクールでスタイリッシュな主人公・坂本の一挙手一投足を描いた異色コメディです。
全4巻で発行部数350万部という大ヒット作ですが、アニメはあまり話題にならず、円盤セールスも不振に終わりました。

しかしビリビリ動画では配信開始直後から人気を集め、2.2億再生を記録。
クランチロール・アニメアワードの最優秀コメディ作品賞も受賞しています。
シュールなギャグ作品で人を選ぶ作風ですが、海外でこれだけ高い評価を得たのは快挙と言えるでしょう。

Re:ゼロから始める異世界生活


(画像引用 : Amazon)

2016年にスタートしたWHITE FOX制作のテレビアニメ。
異世界に召喚され、「死に戻り」という死ぬ事で過去に戻れる能力を武器に様々な困難に立ち向かい、何度も絶望し醜態を晒しながらも理想の未来へ向かって進むナツキ・スバルと、彼を支えるヒロイン達の物語です。

なろう系アニメ全盛時の象徴とも言える作品で、円盤セールスは1万枚を突破。
特にヒロインの1人、レムの人気は圧倒的でした。

アジア圏でも大いに受け、ビリビリ動画では2億再生を突破。
その後日本で2020年に放送された新編集版に差し替えられましたが、こちらでも8600万再生を記録し、累計で3億再生を突破しています。

日本ではやや影が薄いと揶揄された2期も前半クールが1.4億、後半クールが1億を突破しており、勢いは持続中。
この海外人気もあって、2023年に3期制作が決定しました。

Charlotte


(画像引用 : Amazon)

2015年に放送されたP.A.WORKS制作のテレビアニメ。
思春期になると特殊能力に目覚める子供が稀に出てくる世界を舞台に、他人の体を5秒だけ乗っ取れる力を持つ主人公・乙坂有宇の愉快な日常とその崩壊、そして再生を描いた物語です。

『AIR』『CLANNAD』などで知られる麻枝准さんが手掛け大ヒットした『Angel Beats!』に続く第2弾のオリジナルアニメとあって大きな注目を集めましたが、放送開始直後から賛否両論が巻き起こり、否定的な意見も多く見られました。

一方、ビリビリ動画では1.8億再生を記録。
1クールのアニメとしてはかなり大きな数字です。
アジア圏ではかなり好評だった事が窺えます。

干物妹!うまるちゃん


(画像引用 : Amazon)

2015および2017年に放送された動画工房制作のテレビアニメ。
外では才色兼備の美少女、家ではぐーたらの二等身キャラ・うまるの日常を描いたコメディです。
うまるのマスコット的キャラが人気を呼び、ねんどろいどをはじめとしたグッズがかなり売れ、それが決め手となり2期の制作が決まりました。

日本では2期の頃になるとさすがに勢いにも陰りが見えましたが、ビリビリ動画では1期1.9億、2期1.5億再生と大ヒットを継続。
中国語吹替版はもちろん、大人気作にしか作られない広東語吹替版まで作られています。

オーバーロード


(画像引用 : Amazon)

2015年にスタートしたマッドハウス制作のテレビアニメ。
自分がプレイしていたゲームとそっくりの異世界に転移した主人公が「アインズ・ウール・ゴウン」と名乗り、世界征服のため配下達と進軍を続ける物語です。

なろう系アニメの黎明期~全盛時の間に始まった作品で、円盤セールスは1万枚を突破する大ヒット。
2期以降も安定したセールスを記録し、配信でもクール内トップクラスの数字を残しています。

そんな日本国内での好評を更に上回るのがアジア圏での人気で、ビリビリ動画では1期の再生数が4.5億を記録。
更に2期は4.1億、3期は4.3億と1クールながら爆発的な再生数になっています。
ビリビリ動画内においては日本最高のコンテンツと言っても過言ではありません。

終わりのセラフ


(画像引用 : Amazon)

2015年に放送されたWIT STUDIO制作のテレビアニメ。
ウイルスによって崩壊した世界を舞台に、吸血鬼達のテリトリーから逃れた主人公・百夜優一郎が復讐の道へと突き進む物語です。
1巻の円盤売上はまずまずでしたが2巻以降急落してしまい、それもあって日本ではややネガティブな意見が目立ちました。

一方、ビリビリ動画では1クール目が1.5億再生、2クール目が1.1億再生といずれも億超えを達成。
かなり好調な数字を残しました。

冴えない彼女の育てかた


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2015および2017年に放送されたA-1 Pictures制作のテレビアニメ。
オタク主人公の安芸倫也が、影が薄いクラスメイトの加藤恵をモデルに同人ゲームを作りつつ、ヒロイン達と交流を深めるストーリーが描かれています。
1期、2期、完結編の映画すべて成功を収めた人気ラブコメです。

日本的なハーレム系ラブコメでは珍しくビリビリ動画でもヒットしていて、1期は1.5億再生を記録。
一方で2期はあまり伸びていません。

四月は君の嘘


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2014年に放送されたA-1 Pictures制作のテレビアニメ。
かつて天才ピアニストと称された有馬公生と、奔放なヴァイオリニストの宮園かをりの出会いと交流、そして別れを描いた美しくも儚い物語です。
最終回の展開は物議を醸しましたが殆どのファンが受け入れ、円盤も約1万枚のヒットとなりました。

ハッピーエンドではないにもかかわらず、ビリビリ動画でも1.9億再生(2クール)と好調。
惜しむらくは、絶対に続編を作られる事がない点でしょうか。

ノラガミ


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2014年に放送されたボンズ制作のテレビアニメ。
八百万の神ながら祀られる社を持たない無名神・夜トが、何でも屋「デリバリーゴッド」として活動する中で様々な縁や因縁と向き合うストーリーが描かれています。

女性人気は高かったものの円盤セールスはあまり伸びず、1期が4000枚強、2期が1700枚程度でした。

ビリビリ動画では1期は6800万再生に留まっていますが、2期は1.3億再生を記録。
2クールという訳でもなく、2期が1期の倍まで伸びている例はかなり稀です。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。


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2013~2020年に放送された、ブレインズ・ベース(1期)およびfeel.制作のテレビアニメ。
学校の便利屋「奉仕部」に所属する三人、何事も斜に構える「ぼっち」な主人公・比企谷八幡、才色兼備の毒舌家・雪ノ下雪乃、明るく優しく繊細な女子・由比ヶ浜結衣の三角関係を軸にした学園ラブコメです。

1期から3期まで7年という長い期間がありましたが、最後まで人気は衰えず常時1万枚以上の円盤ヒットを記録しました。

ビリビリ動画でもその持続性は同じで、1期は1.1億、2期は1.6億、3期は9800万再生を記録
国内外で根強いファンを多数抱えている本作は、2023年にアニメ化10周年を迎えています。

氷菓


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2012年に放送された京都アニメーション制作のテレビアニメ。
古典部に入部した省エネ主義の折木奉太郎が、千反田えるに振り回されながら日常の謎を解くミステリ作品です。

それまでの京アニ作品とはテイストが異なりましたが、ヒロインのえるの人気が高く、作品自体も高評価を得て円盤セールス・評価ともに高水準をマーク。
今尚2期を心待ちにするファンが多数います。

ビリビリ動画では1.6億再生を記録。
2012年の作品としては異例のヒットとなりました。

カードキャプターさくら


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1998年にスタートしたマッドハウス 制作のテレビアニメ。
魔法のカードを回収する為に魔法少女となった木之本桜の活躍を描いています。
円盤も大ヒットしましたが、アニメのオタク文化を決定付けた作品として別格の評価を得ています。

かなり古めの作品ながら、ヒーローの李小狼が香港出身とあって中国では非常に人気が高く、ビリビリ動画では過去シリーズが1.3億再生されています。
また2018年に発表されたクリアカード編 も7800万再生を記録し、根強い人気を見せつけました。
その実績もあって、2023年にクリアカード編の続編制作が決まりました。

定番+最新の海外人気作品


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当然と言えば当然ですが、日本で爆発的にヒットしている作品は、ビリビリ動画でも高確率で人気を博しています。

特に顕著なのはジャンプ作品で、日本で歴史的ヒット作となった『鬼滅の刃』は1期が9.3億再生、2期が2.3億再生とやはり別格。
その他のジャンプ勢では『呪術廻戦』が7.7億『SPY×FAMILY』が7億と驚異的な数字を記録しています。
『ジョジョの奇妙な冒険』も5.2億の5部をはじめ、全シリーズで億超えと大ヒットしました。

ジャンプ以外のアニメでは『ソードアート・オンライン』シリーズ、『Fate』シリーズの強さが目立ちます。
SAOは第1期およびアリシゼーション編が全て1億以上、Fateは『Fate/Zero』『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』『Fate/Apocrypha 』『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』が億超えを果たしています。
『とある』シリーズも人気で、特にレールガンは3期が2.2億再生と最も高くなっています。

一方、アメリカでは動きの多いアクション系の作品が大人気。
特にダークファンタジーとヒーローものは非常にウケが良く、前述したジャンプ作品以外では『進撃の巨人』『チェンソーマン』『ワンパンマン』『僕のヒーローアカデミア』などが人気を集めています。

そんな中、近年大健闘を見せたのが『ぼっち・ざ・ろっく!』
2022年の第9回「Anime Trending Awards」において年間最優秀賞を受賞しました。
ビリビリ動画でも9000万再生を突破し、億超えが見えています。

まとめ

ビリビリ動画ではグロテスクな表現があるアニメや、お色気要素の強い作品は消去されてしまう傾向があります。
その為、日本やアメリカなどで人気の作品でもビリビリ動画には記録が残っていないケースがたくさんあります。
そういった事情も踏まえつつ、日本ではあまりヒットしていなくても海外では評価されている作品にあらためて目を向けるきっかけにして貰えると嬉しいです!

【小林さんちのメイドラゴン】3期の可能性を徹底検証! 2期の評価は? 京アニの現在は?


(画像引用 : Amazon)

アニメ2期も無事放送され、スピンオフ作品も多数連載が続く人気作『小林さんちのメイドラゴン』の3期は果たしてあるのか?
2期の評価やストックの有無、京都アニメーションの現状から、その可能性を徹底検証します!

大きな苦難を乗り越え2期放送(本当に大変だったと思います)

(画像引用 : 『小林さんちのメイドラゴンS』公式Twitter https://twitter.com/maidragon_anime

2021年7月7日。
たくさんの人達が星に願い事をするこの日、京都アニメーションおよび『小林さんちのメイドラゴン』のファンは一つの願いを叶えて貰いました。
アニメ2期『小林さんちのメイドラゴンS』第1話の放送です。

勿論それは、人気作の2期が放送されたというだけではありません。
この日を迎えるまでに、ファンやキャスト、原作者のクール教信者先生、そして何より京アニのスタッフの方々は本当に大変な思いをしてきた筈です。
3期の検証を行う前に、その足跡を振り返ります。

『小林さんちのメイドラゴン』は2013年、月刊アクションの創刊号で連載を開始します。
クール教信者先生は当時既に『旦那が何を言っているかわからない件』『小森さんは断れない!』といった作品を手掛けていましたが、まだそれらがアニメ化される前の時期。
その為、メイドラゴンは創刊号の表紙を飾る事はなく、数ある新連載の中の一つとしてスタートしました。

評判は上々で、ニコニコ静画でも配信され読者を順調に増やし、創刊4号目で早くも表紙に登場。
2014年5月に発売された1巻は早々に重版がかかり、月刊アクションの看板作品として定期的に表紙&巻頭カラーを飾る人気作となりました。

そして2016年4月、テレビアニメ化が発表されます。
当時はまだ伏せられていましたが、その半年後に制作は京都アニメーションが行うと判明。
『涼宮ハルヒの憂鬱』『CLANNAD』『けいおん!』『響け! ユーフォニアム』など数多くのヒット作を送り出した京アニが手掛けるとあって、メイドラゴンの知名度もこの報道以降、一気に上昇しました。

2017年冬に放送されたアニメ1期は、当時ほとんど手掛けなくなっていたコメディ路線の作風とあって「昔の京アニを思い出した」という声も多数あがり、好評を博します。
放送終了後も熱は冷めず、ニコニコ動画で第1話が150万再生を突破。
OP映像の再生数も伸び続け、2期を望む声が相次ぎました。

その声に製作委員会(ドラゴン生活向上委員会)および京アニが答えます。
2019年2月にテレビアニメ2期の制作が発表され、ファンは歓喜の渦に包まれました。

しかし2019年7月18日、京都アニメーション放火事件が発生。
この事件によって監督の武本康弘さん、美術監督の渡邊美希子さんらが犠牲になり、会社自体も深刻なダメージを受けてしまいました。

その為、ファンも2期を絶望視し、望む事すら躊躇してしまう状況でしたが……京アニは少しずつ、再起への道を歩み始めます。

そして2020年8月、『小林さんちのメイドラゴンS』の放送を翌2021年に行う事を発表。
武本監督の遺志を継いだ石原立也監督の指揮の下、無事世に送り出された第1話のOPクレジットには「シリーズ監督 武本康弘」と表記されました。

配信は好調!(円盤売上もまずまずです)


(画像引用 : Amazon)

『小林さんちのメイドラゴン』は、Blu-ray・DVD(円盤)が大いに売れた作品という訳ではありません。
ただ持続力は素晴らしく、1期が平均3600枚だったのに対し、2期は3400枚(S巻は除く)。
1期から4年半が経過にしたにもかかわらず、全くと言っていいほど落としていません

それに加え、2期は配信もかなり好調。
各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると、本作は2021年夏アニメ内で堂々のクール2位を記録。
日常系は配信で上位に来る事が比較的少ない事を考えると大健闘ですね。

1期の円盤売上は2期を作る上ではやや物足りない数字と思われましたが、無事2期が制作された今となっては、1期と同等の数字を残している時点で更なる続編に期待が持てます。
配信でも結果を出している事を考えると、3期の可能性は大いにあると言えるでしょう

また、アニメは原作の宣伝という意味合いも少なからずあります。
特にメイドラゴンの場合は、この点が非常に重要です。
何故なら、本編の連載に加えスピンオフ作品が多数あるからです。

メイドラゴンのスピンオフは、アニメ1期の時点ではカンナを主人公として才川ら友人達との日常を描いた4コマ漫画『小林さんちのメイドラゴン カンナの日常』だけでした。
その後、会社で働くエルマを主人公とした4コマ漫画『小林さんちのメイドラゴン エルマのOL日記』、ルコアと翔太のおねショタを描いた『小林さんちのメイドラゴン ルコアは僕の××です。』、ファフニールと滝谷のオタ生活を描いた『小林さんちのメイドラゴン お篭りぐらしのファフニール』が相次いでスタート。
2023年3月現在、これらの作品は一つも終わる事なく全て月刊アクションで連載中です。

よって月刊アクションでは本編を含む5作品のメイドラゴン関連作品が連載されている状況。
まさに月刊メイドラゴンといった雑誌になっています。
これらのスピンオフも売上好調で、シリーズ累計発行部数は350万部に到達しました。

・『小林さんちのメイドラゴン』シリーズ累計発行部数の推移

2016年12月 **48万部(本編⑤巻発売)
2017年03月 **70万部(本⑤、カンナ①。アニメ1期放送中)
2017年07月 *100万部(本⑥、カ②)
2018年03月 *120万部(本⑦、カ④)
2019年02月 *130万部(本⑧、カ⑥、エルマ②。アニメ2期決定)
2019年11月 *180万部(本⑨、カ⑥、エ②、ルコア①)
2020年08月 *200万部(本⑩、カ⑧、エ④、ル②)
2021年08月 *260万部(本⑪、カ⑨、エ⑤、ル③、ファフ①。アニメ2期放送中)
2022年03月 *300万部(本⑫、カ⑩、エ⑥、ル④、フ②)
2022年12月 *350万部(本⑬、カ⑪、エ⑥、ル④、フ②)

アニメ3期が放送されれば、この5作品全てに宣伝効果があります。
出版社である双葉社にとって大きなメリットであり、3期に対して前のめりになる理由は十分にあると言えるでしょう。

2期でもビリビリ動画で億超え達成!(海外人気も健在です)


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メイドラゴンの2期が実現した理由の一つに、海外人気の高さが挙げられます。
この作品は日本でも人気の高い作品として周知されていますが、国外での評価も高く、特に中国では絶大な人気を誇っています

中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」におけるアニメ1期の再生数は、脅威の3.4億再生
1クールのアニメの数字としては、日本の全アニメの中でもトップ5に入るくらいの数字です。

2期はさすがに1期ほどの勢いはありませんが、それでも1.2億再生を突破。
2021年放送のアニメとしてはトップクラスの再生数を記録しています。

この人気の理由は幾つかあると思われますが、有力なのはトールの角が中国の龍をモチーフとしたようなデザインである事、そしてカンナが銀髪寄りの紫の髪である事が挙げられます。
中国では銀髪のキャラが人気で、更にカンナは日本でも大人気のマスコット的可愛さを持つキャラ。
彼女達のキャラ人気が中国での高評価を支えていると思われます。

更に本作はアメリカでも高く評価されています。
アメリカのアニメ賞「クランチロール・アニメアワード」で最優秀コメディ作品賞と最優秀エンディング賞の2冠に輝いており、同じくアメリカのメディアが主催するアニメアワード「Anime Trending Awards」ではOPを担当したfhánaが「Anisong Artist of the Year」グループ部門を受賞しています。
アニメの内容だけでなくOP、EDともに海外での評価が高く、1期OP「青空のラプソディ」のMVは4900万再生、2期OP「愛のシュプリーム!」は1年で1600万再生を記録しています。

その人気の高さから、「青空のラプソディ」のスーパーちょろゴンず(メインキャラの声優陣)バージョンのMVまで制作されました。
こちらも約1000万再生を記録しています。

『小林さんちのメイドラゴン』主題歌MV一覧

・1期OP「青空のラプソディ」
https://www.youtube.com/watch?v=maKok2RItxM

・青空のラプソディ(スーパーちょろゴンず ver.)
https://www.youtube.com/watch?v=yrFYVd8BiL8

・2期OP「愛のシュプリーム!」
https://www.youtube.com/watch?v=XCs7FacjHQY

・2期ED「めいど・うぃず・どらごんず❤︎」
https://www.youtube.com/watch?v=J6_8EYrgk2Y

ストックは余裕!(4期までいけます)


(画像引用 : Amazon)

メイドラゴンのアニメは原作通りの進行ではなく、エピソードの順番を変えつつオリジナル要素を加えたり一部カットしたりと再構築した上で映像化しています。
その為、厳密には全てのエピソードを消化している訳ではありませんが、一応1期で1~4巻、2期で3~7巻まで消化しています。
大体1クールで3巻分くらいを消化していますね。

2023年3月現在、メイドラゴンは13巻まで発売されています。
ストック的には十分過ぎるほどあり、3期どころか4期まで制作する事も可能です。

なので原作サイドの方は全く問題ありませんが……やはり制作サイド、京アニの状況が問題です。
事件後の京アニはどのような体制、どのような規模でアニメ制作を行っているのでしょうか。

現在、京アニは本社・第2スタジオ、第5スタジオ、東京オフィスの4つを拠点として活動しています。
従業員の数は2023年3月時点で184名
最大手ほどではないものの、アニメ制作会社の中ではかなり大きな規模です。

その京アニが現在手掛けている作品は、2023年夏公開の『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~ 』および2024年放送予定の『響け!ユーフォニアム 久美子3年生編』のみ。
3月に『ツルネ』2期の放送が終わり、現状動いている事が好評されている作品はユーフォのみとなりました。
ユーフォの監督は石原さんなので、メイドラゴン3期を作る場合ユーフォと同時進行という事になりますが、複数の作品を同じ監督が同時期に手掛ける事は珍しくないので、問題はないでしょう。

事件後は1年に1~2作(テレビシリーズ+映画)のペースで活動している京アニですが、基本的には今後もこのペースのままだと思われます。
よって、2023年は既にツルネ2期とユーフォの映画で埋まっていて、2024年もユーフォでテレビシリーズが埋まっている事を考えると、メイドラゴン3期は早くても2025年という事になりそうです。

一方で、事件前から京アニは自前のコンテンツをメインにしていて、KAエスマ文庫で出版した作品のアニメ化を積極的に行ってます。
過去作で言えば『Free!』『中二病でも恋がしたい!』『境界の彼方』『無彩限のファントム・ワールド』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『ツルネ』が該当します。

この路線は今後も継続すると思われ、そうなるとKAエスマ文庫の作品のアニメ化企画が水面下で進行している可能性があります。
その場合は更にメイドラゴンが遅れる事も考えられます。

あとキャストの問題として、イルルを担当した嶺内ともみさんが2022年をもって声優業を引退なさっています。
そのため、今後は後任の方があらためて選出される事になるでしょう。

2023年は10周年! 映画の可能性も?(アニバーサリーのサプライズもありですかね)


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前述したように、テレビシリーズ3期となると例え実現するとしても大分先という予想になってしまいますが、映画化の場合は話が変わってきます。

京アニは昔から映画制作に力を入れていて、『涼宮ハルヒの消失』『映画けいおん!』は深夜アニメ発の映画としては当時最高の興行収入を記録していました。
以降もテレビシリーズで手掛けたアニメの多くを映画化していて、成功を収めています。
最も映画制作に長けたアニメスタジオの一つと言えるでしょう。

よってメイドラゴンについても、現状では3期よりも映画化の方が可能性が高いと言えそうです。
その判断に傾く理由が、他に二つあります。

一つは、7巻以降に映画化に相応しい長編エピソードがある事。
7巻終盤~8巻にかけて収録された「カンナと龍玉編」は本作初の長編で、終始シリアスな内容でスケールも大きく、映画化すれば間違いなく映える壮大なエピソードになっています。
ファンの間でも、この長編は映画になるんじゃないかという意見がかなり多いようです。

もう一つの理由は、2023年にメイドラゴンが10周年を迎える事。
映画という華やかな舞台はアニバーサリーを飾るにはこれ以上ないほど相応しく、映画化の発表で10周年を盛大に祝う事が考えられます。

メイドラゴンの公式アカウントは現在も稼働していて、2023年の元旦には『「小林さんちのメイドラゴン」シリーズを宜しくお願いいたします』というメッセージも投稿されました。
その事を考えると、今後大きなサプライズが待っていると期待してもバチは当たらないでしょう。

まとめ

当然3期がベストですけど、映画化も嬉しいですよね。
最高のシナリオは8巻の長編を映画でやって、9巻以降を3期というパターン。
『ゆるキャン』などもそうですが、最近は映画とテレビシリーズ続編を同時に発表する事も結構あるので、10周年のビッグサプライズに期待しましょう!

【僕の心のヤバイやつ】アニメ放送開始! 他のラブコメとは何が違う?【僕ヤバ】


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ネット上で絶大な支持を集め、多くのファンを魅了し続けている人気ラブコメ『僕の心のヤバイやつ』のアニメがついにスタート!
そんな僕ヤバがどうしてここまで愛されているのか、他のラブコメと何が違うのか、その魅力について徹底検証します!

誌上から配信サイトへの移籍で成功

(画像引用 : 『僕の心のヤバイやつ』公式Twitter https://twitter.com/boku__yaba

『僕の心のヤバイやつ』の連載がスタートしたのは2018年3月
週刊少年チャンピオンで10年以上連載され、アニメ化も果たしたドタバタコメディ『みつどもえ』の作者・桜井のりお先生の新作という事で、当初から注目を集めていました。

ただ、同時にかなり異色の新連載でもありました。

実はこの僕ヤバが連載を始める5ヶ月前に、桜井先生はチャンピオン誌上で『ロロッロ!』の連載を始めたばかり。
当然完結はしていない為、2作品同時連載という事になります。
週刊連載、それも連載開始から間もない段階で新たな新連載を始めるケースは稀で、桜井先生のファンからも驚きの声があがっていました。

また内容についても、どちらかと言えばみつどもえ路線の『ロロッロ!』とは大きく異なるリアル志向のラブコメディ
桜井先生の従来の作風とは全く違う内容とあって、戸惑うファンもいたようです。

そんな僕ヤバですが、最初は現在のマンガクロスではなくチャンピオンでの連載でした。
4話目まで掲載した後、配信サイトのチャンピオンクロス(その後「Champion タップ!」と統合してマンガクロスに改名)に移籍し、以降はWeb漫画として連載されています。

本誌から配信サイトへの移籍は「左遷」と取られる事が多く、実際そのようなケースもありますが、この作品の場合は事情が全く異なります。
既に『ロロッロ!』を連載している事を考えると、最初だけチャンピオンで顔見せし、以降は無理のないペースで更新できるWeb漫画でやっていくという予定が最初から組まれていたと思われます。

結果的に、この形をとったのは大成功でした。

僕ヤバは移籍後すぐに話題となり、更新の度に大きな反響を呼んでトレンド入りを果たす話題作になっていきます。
その後もネットならではのスピード感で一気に広まり、連載開始から僅か数ヶ月で「今一番キてる漫画」というポジションにまで上り詰めました。

翌2019年には「次にくるマンガ大賞2019」「このマンガがすごい!2020」にノミネートされ、それぞれ5位と3位に入賞(次にくるマンガ大賞2020では1位)。
コミックスも1巻発売直後に重版され、あっという間にヒット作の仲間入りを果たしました。

そして2022年8月、ファン待望のアニメ化が決定。
2023年4月より放送が開始されました。

・『僕の心のヤバイやつ』累計発行部数推移

2019年09月 *20万部(2巻発売)
2019年12月 *30万部
2020年06月 *50万部(3巻発売)
2020年07月 *70万部
2021年02月 100万部(4巻発売)
2021年07月 120万部(5巻発売)
2021年10月 165万部
2022年01月 200万部(6巻発売)
2022年08月 230万部(7巻発売、アニメ化決定)
2022年12月 260万部
2023年03月 300万部(8巻発売)

「ツイヤバ」に見るネットの上手な活用術

https://twitter.com/lovely_pig328/status/1434470439095390213

(画像引用 : 『桜井のりお』公式Twitter https://twitter.com/lovely_pig328)

僕ヤバのWeb連載が大成功だったと断言できる理由の一つに、「ツイヤバ」の存在が挙げられます。

ツイヤバとは、桜井先生が御自身のTwitterアカウント上で不定期にアップしている1~4ページの漫画です。
これが、ファンと僕ヤバを繋ぐ大きな役目を果たしています。

Web漫画に限らず、Twitterをやっている漫画家の皆さんが連載作品のイラストを描いてアップするのは決して珍しくありません。
しかし漫画形式は比較的珍しく、それを更新と更新の間にほぼ毎回挟む頻度となれば、かなり稀。
僕ヤバは『ロロッロ!』と掛持ち連載していた頃は基本隔週ながら1ヶ月くらい空く事も多かったので、ツイヤバで僕ヤバ成分を補充できたおかげでストレスなく更新を待てた……というファンも多数いたと思われます。

また、ツイヤバは単なる箸休めのショート漫画という訳ではありません。
詳しい説明はないものの、明らかに本編の山田と市川より距離が近く、まるで恋人のようなやり取りをする事もあります。
その為、ファンの間では「これは付き合った後の話なのでは?」「別の世界線の話かも?」と様々な考察がなされていました。

この「全てを語らずファンに考えさせる余地を残す」というスタイルは、本編でも様々な形で活用されています。
そういった点も踏まえ、僕ヤバの他のラブコメ作品と違う部分、独自の魅力について検証していきます。

「変化」が生じる発展的ラブコメ


(画像引用 : Amazon)

僕ヤバの連載が始まった2018年頃は、『からかい上手の高木さん』のヒットを受けて『イジらないで、長瀞さん』『宇崎ちゃんは遊びたい!』『阿波連さんははかれない』など主人公1人に対しヒロイン1人の「一対一ラブコメ」が急激に増えていた時期。
僕ヤバもその時流に乗った漫画の一つというのが、連載開始当初の評価でした。
実際、陰キャ主人公とリア充ヒロインという組み合わせは、一対一ラブコメにおける主流の構成と言えます。

しかし、徐々に他のラブコメとの違いが出て来ます。

一対一のラブコメは多くの場合、主人公の男子がヒロインに振り回される日常を描くという、『高木さん』のフォーマットを踏まえています。
『高木さん』における「からかい」の部分を、「煽り」「天然ボケ」「エロ」などそれぞれの作風に沿った形で表現するという手法でパターン化し、話を組み立てて行くような感じですね。
その為、話が大きく動く事は殆どなく、ラブコメと日常モノのミックスのような作品が大半になっています。

それに対し、僕ヤバはかなりしっかりと恋愛モノとして描かれています。

本作のテーマとして掲げられているのは「距離」「変化」「気付き」ですが、最初に表れるテーマは「距離」です。
というのも、主人公の市川とヒロインの山田は、最初の数話においてはクラスメイトではあっても僅かしか会話しない、限りなく他人に近い間柄なのです。
それどころか、一話目の時点で市川は山田に対し「僕が今最も殺したい女だ」とまで思っています。

これは憎しみの感情ではなく、彼の「リア充を殺したいほど妬んでいる陰キャの極み」というキャラクター性の描写であって、学校一の美女でモデルもやっている山田と極端なほど対照的に描かれています。
一話目の時点で既に好感度MAX、若しくは一話の間に話し込んで距離が一気に縮まる一対一ラブコメが多い中、僕ヤバは非常に遠い距離からスタートし、暫くそのまま進行していきます。

つまり、ラブコメにおいて最も需要のある「主人公とヒロインの掛け合い」を最小限に留めているのです。
これは非常に勇気の要る入り方で、一つ間違えばメインの二人が仲良くなる前に不人気で連載終了となりかねません。
それくらい思い切った設定です。

そんな大胆に攻める姿勢でスタートした僕ヤバは、その後も二人が一気に距離を縮める訳ではなく、少しずつお互いを認識し、小さい接点の中でどういう人間なのかをわかり合い、そして惹かれ合っていきます。
日常を描いてはいるものの停滞した日常ではなく、常に変化が生じているのです。
これが、他の一対一ラブコメと大きく異なる点であり、僕ヤバの魅力の一つと言えます。

「気付き」をテーマにした繊細な描写

https://twitter.com/lovely_pig328/status/1642210148432347136

(画像引用 : 『桜井のりお』公式Twitter https://twitter.com/lovely_pig328)

「距離」「変化」以上に僕ヤバにおけるテーマ性の大きさを表しているのが、「気付き」です。
この作品は、非常に多くの「気付き」を仕掛けとして、そして作品の核として扱っています。

まず顕著なのがタイトルです。
本作のタイトル『僕の心のヤバイやつ』は桜井先生の一存でビシッと決まった訳ではなく、担当さんとの話し合いの中で決めていったそうです。
これが非常にギミックに富んだタイトルになっています。

前述したように、市川は当初山田を「殺したい」と思うほどヤバい奴として描かれています。
その為、一話を読んだ人の多くが「僕の心のヤバいやつ=市川の心の中にある猟奇的な衝動」と解釈した事でしょう。

しかし二話目の時点でそのような衝動はほぼなくなり、読者の中に「じゃあヤバいやつって一体何だ?」という疑問が芽生えていきます。
そして読み進めていく内に「僕の心のヤバいやつ=山田に対する恋なのか何なのかわからない感情」である事に気付くのです。

これ以外にも「表情」「視線の動き」「会話での間」など、様々な要素で各キャラの心情を伝えるような描き方がなされています。
基本コメディタッチの作風なので考察要素があるようには思えない作品ですが、実は非常に繊細な描写を行っていて、読み返す度に読者は新たな「気付き」を得る事が出来ます。

また、作中における各キャラの気付きも、この作品の特徴と言えます。

市川は自分の思いを他者に伝えるのが苦手ですが、些細な事に対して意味を見出す敏感な感性の持ち主
山田は逆で、感情を出す事に躊躇いはないけれど、ややガサツで距離感がカバカバ。
そんな二人がお互いの長所や、自分にない所、或いは誰も知らないような魅力に少しずつ気付いていくその積み重ねによって、想いを寄せ合っていくという構図になっています。

恋敵も「気付き」のきっかけ


(画像引用 : Amazon)

僕ヤバは市川と山田の恋愛を描いたラブコメディで、それ以外のカップルも一応登場しますが、その描写に関してはほとんど行われていません。
ただし、いわゆる「当て馬」的な存在はいます。
山田に対して好意を持つ男性陣です。

とはいえ、山田が彼等に対して心を動かされる事はありません。
こと恋愛に関しては、市川と山田のカップリングが絶対的なものとしてあり、不可侵領域になっています。

では、どうして当て馬となるようなキャラが描写されているのか。
それも偏に、市川と山田の「気付き」の為です。

お互いが好意を持っていても、それを伝える、或いは汲み取るのが苦手な二人ですから、中々恋人同士にはなれません。
しかも僕ヤバという作品は劇的なイベントがあって好きになるというドラマティックな展開はなく、逆に特に理由もないけど好きになるというご都合主義もない。
そういう心情の機微をリアルに描いたラブコメなので、当て馬の存在が自分の好意や相手の好意に気付くトリガーとして組み込まれています。

そういう意味では舞台装置としての役割が主な当て馬の男性陣ですが、彼等はそれだけのキャラではありません。
独自に魅力を持っていたり、市川にとって重要な人物であったり、僕ヤバという作品にとって必要な面々です。
実際、その中の一人は(ネタバレになるので名前は伏せますが)最大の見せ場の回でトレンド入りを果たしているほどです。

僕ヤバはあくまで恋愛がメインの作品ですが、登場するキャラクターそれぞれに強い人間性があり、その描写もこの作品の魅力の一つになっています。
そういう意味ではヒューマンドラマの要素も持っていると言えるかもしれません。

LOVE以外の関係性も大事に

https://twitter.com/bokuyaba_anime/status/1635928826525159425

(画像引用 : 『僕の心のヤバイやつ』TVアニメ公式Twitter https://twitter.com/bokuyaba_anime)

恋愛だけでなく人間性を描いている僕ヤバは、それに関連して人間関係の変化も描いています。
特に、市川の交友関係に関しては、恋愛と同じくらい力を入れている印象です。

市川は元々ぼっちではなく、同じく厨二病ぽいセンスを持つ旧友が何人かいます。
ただ彼等とは学校が離れて疎遠になり、中学生になってからは完全に孤立状態で、担任からも心配されていました。

そんな市川が山田に恋した事で、彼自身「変わりたい」と思うようになります。
斜に構え、世の中の出来事やリア充、陽キャといった面々を捻くれた視点で見ていた彼ですが、人を好きになる事を知ってからは相手の気持ちを推し量ったり、思いを汲んで感謝をしたりする機会も増えてきました。
ウザ絡みしてくるクラスメイトに対しても、気を遣ってくれている面に気付いて友情を感じるなど、人間的な成長を随所で感じさせます

特に、山田の友人の一人、関根萌子との関係性の変化は見所の一つです。
関根のギャルっぽい見た目から、心の中で「ビッチ」呼ばわりしていた市川ですが、彼女の兄が『リゼロ』のレム推しだと知って親近感を抱いたのか、認識を改めます。

その関根、市川と山田の関係にいち早く気付き、さり気なくフォローしたり気遣ったりと、見た目や喋り方に反して実はとても優しい女子。
市川に対して偏見を持つ事なく接し、ピンチの時に助けたりもしてくれる存在で、市川もそれに気付き、心を開いて山田への思いを素直に吐露します。
お互い学業面では優秀という共通点もある為、進路の相談までし合う仲になりました。

こういった市川の恋愛面以外の「変化」も、この作品の特徴の一つ。
何より、それによって市川が魅力的な主人公となり、ファンからも「イッチ」の愛称で親しまれています。
ラブコメはどうしても主人公の人気がイマイチなケースが多いのですが、僕ヤバはそういった事はありません。

これも他のラブコメとは一味違った点であり、大きな特徴と言えるでしょう。

まとめ

いよいよアニメが始まりましたね!
二人を長年追いかけて来た事もあって、感慨深いです。

山田の声を担当する羊宮妃那さんは『着せ恋』の心寿や『それでも歩は寄せてくる』の桜子を演じた方で、今注目されている若手声優の一人です。
この作品は囁く場面が結構多いため、ウィスパーボイスが特徴的な羊宮さんの長所が遺憾なく発揮されていて、良い感じです!

原作の繊細な部分をどう演出してくれるのかも楽しみですね!

【異世界おじさん】2期の可能性を徹底検証! 度重なる延期も配信・海外で好調


(画像引用 : Amazon)

2度にわたる長期延期を経て、ついに無事完結した2022年夏アニメ『異世界おじさん』の2期が制作されるかどうかを徹底検証!
国内外における人気、実績、原作のストックの有無などから、続編の可能性を模索していきます!

人気ジャンルとなった「異世界モノ」を独自視点で描いたラブコメディ


(画像引用 : Amazon)

2022年夏に放送を開始し、2023年3月にようやく最終回を迎え無事に完走する事が出来た『異世界おじさん』。
2期の検証を行うにあたって、まずそのアニメ化までの道のりを振り返っていきます。

この作品は元々、作者の殆ど死んでいる先生が御自身のTwitterで公開していた漫画でした。
殆ど死んでいる先生は元々同人作家で、『シュタゲ』『ガルパン』『艦これ』など様々な作品の二次創作を行っていましたが、2017年にオリジナル作品として本作を投稿したところ、ネット上でたちまち話題になり、翌2018年にComicWalkerで商業連載をスタート。
2018年11月にコミックス第1巻が発売されると即座に重版がかかり、発売から2ヶ月足らずで累計発行部数が10万部を突破しました。

その後も勢いは衰えず、5巻発売時には100万部に到達。
あっという間にヒット作の仲間入りを果たし、連載開始から約3年が経った2021年6月にアニメ化の告知が行われました。

・『異世界おじさん』累計発行部数推移

2019年01月 010万部(1巻発売の2ヶ月後)
2019年04月 025万部(2巻発売)
2019年05月 035万部(2巻発売翌月)
2019年09月 040万部(3巻発売直前)
2019年10月 050万部(3巻発売)
2020年01月 065万部(3巻発売の2ヶ月後)
2020年04月 080万部(4巻発売)
2020年10月 100万部(5巻発売)
2021年06月 150万部(6巻発売、アニメ化決定)
2022年02月 180万部(7巻発売)
2022年06月 200万部(アニメ放送開始直前)
2022年08月 250万部(8巻発売、アニメ放送中)
2022年10月 300万部(アニメ放送中)
2023年03月 330万部(9巻発売、アニメ放送終了)

本作がここまでヒットした背景には、それぞれ受け皿の異なる三つの軸があった事が大きいと思われます。

一つ目の軸は「セガ推し」です。
本作の主人公であるおじさん(本名:嶋㟢陽介)は、当時のゲーム市場では比較的マイナーな部類だったセガサターンメガドライブといったセガのハードに情熱を注いでおり、作中ではセガ関連のゲームの話が次から次に出て来ます。
そんなおじさんのセガマニアぶりがネット上で大いに受け、同世代のセガファンを中心に、ゲーム好きな人達に共感を得ました。

二つ目の軸は「異世界もの」
ただし異世界を舞台とした従来の異世界ものではなく、異世界に転移して帰って来たおじさんの武勇伝を面白おかしく描くという、当時全盛を極めていた異世界モノのテンプレートを逆手に取ったような内容で、異世界ファンタジー好きに新たな切り口を提供しました。

そして三つ目の軸が「ラブコメ」
おじさんは異世界生活の間、エルフのスザイルギラーゼガルネルブゼギルレアグランゼルガ=エルガ(スイ)、氷の一族の末裔メイベル=レイベール、神聖勇者のアリシア=イーデルシアという三人の可愛い女性と縁ができ、彼女たちと様々な冒険やバトルを繰り広げます。
それぞれおじさんに好意を抱いている様子で、そんな彼女たちヒロイン勢と、恋愛に関しては鈍感を極めるおじさんとのやり取りは下手なラブコメよりラブコメしており、ラブコメ好きからも熱い視線を注がれるようになりました。

コメディとしての質も高く、幅広い層へ訴求力を発揮した事で『異世界おじさん』は一気に人気作へと上り詰めたのです。

放送直後は大反響も3度の放送延期……制作会社はどこ?


(画像引用 : Amazon)

原作人気の高さもあって、アニメ『異世界おじさん』の前評判は上々でした。
dアニメ調べ「今期何見る?2022夏アニメ人気投票」、gooランキング調べ「これは外せない!2022年夏スタートの深夜アニメランキング」でいずれも3位にランクインするなど、2022夏アニメの目玉の一つに数えられていました。

そして実際に放送が始まると、1話放送直後に「#異世界おじさん」がトレンド入りするなど、早々に話題沸騰。
セガサターン起動画面に始まり、『心霊呪殺師 太郎丸』『セイントソード』『ゴールデンアックス』『Digital Dance MIX Vol.1 安室奈美恵』などセガゲームのパロディをふんだんに取り入れたOPも話題になりました。

このまま人気アニメとして夏クールを引っ張っていく……と思われましたが、第4話が放送された2022年7月27日、コロナウイルス感染者急増によって5話以降の放送が延期されるというニュースが公式サイトでアナウンスされます。
とはいえ、この時は2週間の延期だったので、ファンの間でも「残念だけど仕方ない」くらいの空気でした。

が。

7話まで放送された後、再びコロナの影響で8話以降の放送が一時休止となる事を発表。
この際の延期は2ヶ月半にも及び、8話が放送されたのは秋クールも後半に突入した11月24日でした。

しかし悲劇はまだ終わりません。

まさか夏アニメを秋アニメと一緒に観終える事になるとは……などと思いながら最終回直前の12話を観ていたファンは、三度唖然とする事になります。
またしてもコロナの影響で放送・配信の延期を発表。
しかも放送日は「未定」とあって、残り1話で随分長い事おあずけを食う事態になってしまいました。

そして、12話の放送から2ヶ月半後の2023年3月8日。
2023年冬クールのアニメが終盤を迎える頃、ついに『異世界おじさん』は最終回を迎える事になりました。

結局、全13話の1クールアニメが実に3クールに跨がって放送されるという異常事態になりましたが……この事態を招いた要因は制作会社の規模にあります。

本作のアニメを制作したのはAtelier Pontdarc(アトリエポンダルク)という制作会社です。
聞覚えがある人は少ないかもしれません。

それもその筈、この会社は2020年7月に設立したばかりの新会社で、過去に元請けとなった作品はWebアニメの『がんばれ同期ちゃん』のみ。
つまり、テレビアニメは本作が初めてだったのです。

WHITE FOXでプロデューサーを務めた吉川綱樹さんが代表取締役を務めるこの会社は、公式HPの情報を見る限り従業員数4名の極めて小規模な会社です。
アニメーション制作は元請けの会社だけで行うのではなく、殆どの制作工程において外注する為、必ずしも従業員が多く所属している必要はありません。
ただ、外注先のスタッフが多数コロナに感染するなどのトラブルが起きた場合、自前のスタッフがいないと自分達でフォローする事も難しく、新たな人手を確保する為に相応の時間を要する事になります。

本作の場合、EDクレジットを見ると明らかですが、スタッフに外国人の名前が多数見受けられます。
それ自体は近年のアニメ制作において珍しい事ではありませんが、海外のスタッフがコロナでダウンした場合、そこから更に横の繋がりでフォローを頼むという事は中々難しいと思われ、日本の会社メインで作るよりもトラブル対応が困難なのは想像に難くありません。
それに加え、延期が長引くと放送枠の確保も難しくなります。

結果、これほど連続かつ長期的な延期が発生してしまったのでしょう。

度重なる延期による売上の影響は?


(画像引用 : Amazon)

三度もの延期によって、アニメ『異世界おじさん』は少なからず機会損失の影響を受けたと思われます。
特に大きいのは、2022年秋クールが話題作・人気作目白押しの激戦区だった事です。

このクールは『SPY×FAMILY』『チェンソーマン』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『ブルーロック』など前評判の高いアニメが多かった上、『ぼっち・ざ・ろっく!』が爆発的ヒットを記録。
それによって、夏クールで『異世界おじさん』を楽しんでいたアニメファンの内、何割かは別のアニメに目移りし、続きを観るのを辞めてしまった可能性があります。

実際、配信サイトにおける再生数を見ても延期の影響は明らかです。

・『異世界おじさん』各話のABEMA視聴数(2023年3月25日現在)

第01話 200万視聴(常時無料)
第02話 31.2万視聴
第03話 29.7万視聴
第04話 33.2万視聴
第05話 26.4万視聴(2週延期)
第06話 24.6万視聴
第07話 28.3万視聴
第08話 21.5万視聴(2ヶ月半延期)
第09話 19.5万視聴
第10話 17.3万視聴
第11話 17.5万視聴
第12話 19.5万視聴
第13話 09.7万視聴(2ヶ月半延期)

・『異世界おじさん』各話のニコニコ動画再生数(2023年3月25日現在)

第01話 92.0万再生(常時無料)
第02話 55.2万再生
第03話 53.5万再生
第04話 52.4万再生
第05話 46.6万再生(2週延期)
第06話 43.3万再生
第07話 40.3万再生
第08話 32.9万再生(2ヶ月半延期)
第09話 30.1万再生
第10話 31.8万再生
第11話 29.8万再生
第12話 32.2万再生
第13話 22.9万再生(2ヶ月半延期)

一方、Blu-ray・DVD(円盤)セールスについては、2022年9月に発売された1巻の初動(初週売上)が1600枚だったのに対し、延期の影響で2023年1月発売となった2巻は約2000枚を記録。
こちらは延期の影響をあまり受けていないように見えます。

とはいえ、延期がなければ1巻発売時には最終話まで放送されていた筈で、その場合はもっと1巻に予約が入っていたと考えられます。

2期の可能性は?


(画像引用 : Amazon)

前述したように、『異世界おじさん』の円盤売上は2000枚前後で、この数字だけを見ると2期は難しそうに見えます。
しかし近年は円盤セールスが低くても配信で好調、或いは海外で人気の作品はどんどん2期が作られているので、円盤の売上が絶対的な指標にはなっていません。
特に、なろう系に代表される異世界モノについては、円盤売上がそこそこでも配信が好調で2期に繋がっているケースが多数あります。

『異世界おじさん』も、このルートを辿れる可能性はあります。

各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると、本作は2022夏クール内で7話までしか配信されなかったにも拘わらず、同クールの上位にランクイン。
GEM Partnersによる「2022年の年間配信サービス視聴者数ランキング」においても、7月は全体の9位、8月は14位、9月は11位、12月は15位にランクインしています。

トータルでは夏クールアニメの中でもトップクラスの配信成績と言えるでしょう。
制作の遅延がなければ、更に好調だったのは間違いありません。

また、本作は中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」でもかなり好評で、8880万再生を記録(2023年3月25日現在)。
これは、2期が制作された、或いは制作が決まっている『スライム倒して300年』『聖女の魔力は万能です』『精霊幻想記』『月が導く異世界道中』『進化の実』『最果てのパラディン』などと比べても全く遜色ない数字です。

よって、2期の可能性は十分にあると言えますが……問題はストックです

アニメ1期では原作7巻の1話目まで消化しました。
そして原作は2023年3月現在、9巻が発売されたばかり。
はっきり言ってストックは全く足りていません

では、最短でストックが溜まるのはどれくらいかを検証していきます。

まず前提として、1期はキリの良い神化魔炎竜戦で終わらせたかったのか、全13話と多めの話数で構成していました。
2期は全10~12話で制作すると想定した場合、11巻まで行けば2期が作れるギリギリのラインに到達すると考えて良いでしょう。

『異世界おじさん』の単行本は半年に1冊のペースで発売しています。
よって、11巻が出るのは2024年春頃と予想されます。
2期の制作が行われる場合、この頃に発表が行われる事になりそうです。

ただ、もう一つ懸念材料があります。
前述したように1期では3度も延期している為、Atelier Pontdarcが再び制作を行う事が出来るかというと……少々厳しいかもしれません。
もし別の制作会社が作るとなれば、また一から選定しなければならず、スケジュール調整や内容の擦り合わせなど様々な事に時間を割く必要が出てくる為、放送までにかかる時間はより長くなってしまうでしょう。

まとめ

度重なる延期は残念でしたが、アニメ自体はとても良い出来で、映像化が難しいと言われた『異世界おじさん』を素晴らしいアニメにしてくれました。
このクオリティでしっかり1クール内に納めて作ってくれるなら、ぜひ同じ制作陣で2期を制作して欲しいです!

【スラムダンク】山王の敗因を徹底検証! 本当に戦犯は堂本監督なのか?


(画像引用 : Amazon)

劇場版アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』の興行収入が120億円を突破し、コミックスもリバイバルヒット中の『スラムダンク』。
その映画でも描かれた山王戦における山王の選手の貢献度を分析。一体誰が真の戦犯だったのかを徹底検証します!

映画で見えたキャプテン深津の貢献


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

山王戦において、監督以外で最も低い評価なのは概ね彼でしょう。
戦略の中心、ポイントガードにしてキャプテンの深津一成
彼を戦犯、もしくは期待外れとする評価は非常に多く見かけます。

その最大の要因は、前年のインターハイ準決勝で牧紳一を抑えている映像が描かれたからでしょう。

試合も最終的には30点差で山王が海南に勝利。
これによって、深津は牧を圧倒したという印象をどうしても受けてしまいます。
そうなると、その海南に敗北し牧に4人もマークを付けなければならなかった湘北では手が付けられない怪物……という先入観を持たざるを得ません。

しかし湘北との試合において、深津が牧のような存在感を示す事は最後までありませんでした。
その為、どうしても「深津は思ったほどじゃなかった」「大した事なかった」という感想が多くなり、あまり凄さを感じないプレイヤーという印象が根強く残ってしまいました。

そんな深津評ですが、『THE FIRST SLAM DUNK』を観た後で印象を変えた人は少なからずいるようです。
勿論、映画と原作で試合内容が変わっている訳ではありません。
変わったのは、深津がどういうプレイヤーでチームに何をもたらしているのかを明確にした点です。

山王戦をあらためて見るまでもなく、深津は得点シーンが非常に少ないです。

試合開始直後、桜木のアリウープが奇跡的に決まって沸き立つ湘北をすぐに現実へ引き戻す、クールに「同じ2点だピョン」と言い放ったジャンプシュート。
後半、赤木が開き直り三井がそれに呼応して決めた3Pの直後、再び20点差に戻した3Pシュート。
この5点だけしか描かれていません。

試合前、宮城と12cmの身長差がある事から、そのミスマッチを利用し点を取るよう堂本監督に言われた事を考えると、かなり物足りない数字です。
同じPGで1年前に圧倒した(と思われる)牧がガンガン点を取るタイプだった為、「本当に牧より上なのか?」という声が挙がるのは当然でしょう。

ただ、それはあくまで事前の決め事。
序盤、深津が再びジャンプシュートに行こうとした際、赤木がその狙いに気付きいち早くブロックに行きました。
しかし深津は狙いが読まれている事を察知し、咄嗟に河田へパスを出し得点をアシストしています。

このプレイ以降、深津は自分から点を取りに行く事を控えています。
相手の対応を見た上で、戦術プランを変更したと考えるのが妥当です。
その後、河田弟が入った事で彼と桜木の間により大きなミスマッチ(20cm以上)が発生した事で、堂本監督の意図を汲み、こちらを使うという作戦にシフトしたと思われます。

この件だけでなく、終盤の最も重要な局面でも堂本監督は深津にゲームメイクを託しています。
つまり深津は山王のコート上の監督を担っているのです。
チームが迷っている際にはメンバーを集めて指示を出し、個別に話したり、時に鼓舞するなど、キャプテン兼コート内監督という非常に大きな役割を二つこなしていました。

映画ではこの点を原作よりも強調していました。
更に、彼の特徴であるパスに関しても、映像化した事でその凄さがわかりやすくなりました。
その為、映画を観た人は「深津はこういう選手だったのか」と理解できた筈です。

これらを考えると、深津を戦犯とする事は出来ません。
マークしている宮城も、得点はインテンション(アンスポーツマンライクファウル)の時のフリースロー2点のみ。
そのインテンションのインパクトがあまりに強いため、やらかした感が強く戦犯扱いされる事もありますが、他の選手もそこそこやらかしている場面はあるので、相対的に見て致命的とまでは言えないでしょう。

三井を止めた一之倉、止められなかった松本


(画像引用 : Amazon)

山王戦において湘北で最も得点を取ったのは三井寿(25点以上)でした。
その内の9点は前半の序盤、一之倉がマークに付いている際の3連続3P。
ただ、これは三井がキレキレだった事、そもそも身長差がある事を考えると致し方なく、その後抑えている事を考慮すれば十分監督の意図通りの働きが出来たと言えます。

一方、後半から登場した松本はどうでしょう。
バテた三井を抜き去りゴールを決めるシーンこそ描かれていますが、取った点数はたった5ポイント。
逆に三井からは後半だけで16点(内3Pが5本)を献上しており、1人で11点ものビハインドを作ってしまいました。

コート内における戦犯がいるとすれば、恐らくは彼が筆頭です。

最大の問題点は、バテているという理由だけで三井のマークが甘くなっている事。
彼がこの日絶好調なのは前半を見れば明らかで、幾ら疲れていると言っても、せめて2発目を入れられた時点で守備に専念し、極力打たせないようなマークをするべきでした。
海南の清田が後半、流川相手にそうしたように。

松本はオフェンス力に長けた選手ですが、それでもディフェンスに集中すれば、あれだけポンポン3Pを打たせるような事にはならなかったでしょう。
それを出来なかったのは大きなミスと言えます。
オフェンス面では他に点を取れる選手がいる訳ですから、それ以外の役割にもっと目を向けるべきでした。

チーム最多得点も偏りが目立つエース沢北


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

山王のエースとして、その凄味をこれでもかと描かれた沢北。
実際、彼が取った点数は26ポイントで、これは両チーム合わせて最多得点
前半の早い段階で引っ込んだ事を考えると、驚異的な数字です。

後半の彼は圧巻でした。
湘北が勢い付き、一時は24点あった差が8点まで縮まったところで急に牙を剥き、一気に11連続得点。
しかもその間、流川を4回止めており、「4点分の働き(by天才桜木)」を4度もやっています。

当然、戦犯である筈もないのですが……作中でも触れられているように、彼のプレイにはかなりムラがあります。
圧倒的な活躍を見せたのはこの時だけで、前半の見せ場は一度流川を抜いた時に大物の片鱗を見せた場面くらい。
その後は冴えないプレイを連発し、途中交代となってしまいました。

もし沢北が前半から本来の力を発揮できていれば、スタミナに不安のある流川は後半までもたなかったでしょう。
海南戦を事前に見ているので、それは間違いなく狙えたはず。
しかし、高校No.1プレイヤーのプライドもあって、流川の体力を削るという選択肢は本人にもチームにもありませんでした。

その点は、ナメていた……とまでは言えないものの、勝つ為のプレイには徹しきれなかったと言えるかもしれません。

とはいえ、これだけのオフェンス力に加え、深津と共にフルコートプレスの中核を担う役割まで担っている事を考えると、その貢献度はやはり絶大です。

流れを変えてしまったポール野辺&河田弟


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

桜木をマークしていた野辺は、高さを買われてレギュラーポジションの座を射止めました。
そのストロングポイントを活かし、前半は桜木に殆どリバウンドを取らせていません。
得点こそたったの2点ですが、元々彼は点を取る事が仕事ではないので、十分に自分の仕事を果たしていたと言えます。

しかし、それはそれとして、何気に戦犯ポイントが高いのも事実です。
というのも、不慮の事故とはいえ彼が前半に流川のダンクを止めようとして負傷してしまった事が、山王敗北の遠因になってしまったからです。

もし野辺が負傷していなければ、前半から河田弟が出る事はなかったでしょう。
後半、完全に決着が付いた段階で投入する事が出来た筈です。

また後半、桜木から二度リバウンドを奪われた時点で交代してしまった彼ですが、その後一度もコートに戻る事はありませんでした。
これは前半の負傷が原因と思われます。
もし終盤戦に彼がコート上にいれば、最重要局面で河田弟を出すという堂本監督の迷采配もなかったと推察されます。

なので、彼自身が悪いという訳ではありませんが、彼の負傷はチームにとって非常に痛手でした。

河田弟に関しては、桜木や赤木にやられている場面が目立つ一方、まだ素人に毛が生えた程度の技術しかない事を考えると責められません。
これは完全に起用した人物の責任であり、河田弟を戦犯とする事は出来ません。

最後まで無敵感があったセンター河田


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

河田に関しては、戦犯扱いする人など誰一人としていないでしょうから、この話題において語る事は殆どありません。
圧倒的フィジカルのセンターでありながら3Pも打てるという、90年代のキャラにして現代のNBAの選手のようなプレイスタイルで、作中トップクラスのセンターだった赤木を終始圧倒。
作中での点数こそ15ポイントですが、悉く赤木を止め、桜木からリバウンドを奪い、桜木のポテンシャルを誰よりも評価するという強キャラ感満載のムーブで、ファンに最強プレイヤーの印象を強く与えました。

あえてケチを付けるなら、沢北同様にスロースターターだった事でしょうか。

沢北とは違い、特に集中力を欠いたりミスしたりした訳ではありませんが、弟がコートに入った直後、彼にばかり構う河田に赤木が苛立ったシーンがありました。
その際のやり取りで、河田は赤木との実力の差をしっかり認識している事がわかります。
ですが、前半は赤木を圧倒するようなプレイは最後までしなかったらしく、赤木を大きく消耗させる事なく2点差で負けた状態で後半を迎える事になりました。

もし彼が前半から全力だったら赤木の消耗はより激しくなり、魚住が駆けつける前に心が完全に折れるか、やぶれかぶれのプレイが重なりファウルが嵩んでいたかもしれません。
手心を加えた訳ではないでしょうが、強者の余裕から来るプレイによって、赤木が復活する隙を与えてしまったような印象はあります。

もっとも、これは難癖のようなもの。
王者・山王を印象付けるような絶望感を赤木と読者・視聴者に与えた河田のプレイは、戦犯とは程遠いものです。

無能の烙印を押されている堂本監督


(画像引用 : Amazon)

「山王の敗因は?」「山王戦の戦犯は?」という問いに対し、最も多くの票を集めるのは堂本監督で間違いないでしょう。

前述したように、桜木以下の技術しかない河田弟を全国大会の初戦にコートに入れるだけでも問題ですが、何をトチ狂ったのか接戦となった終盤に送り出すという暴挙に出たのはフォローのしようもありません。
最強・山王の二番手センターならば赤木以上でなくてもそれに近い実力の選手はいた筈で、その選手を入れれば少なくとも河田弟よりはチームに貢献できた筈です。
また、三井へのマークを松本に徹底させなかった事も、彼が戦犯と言われる理由の一つになっています。

では、彼が怠慢な監督だったかというと、そういう訳でもありません。

事前に湘北レギュラー陣全員の映像を用意し、特徴を把握させた上でOBを集めて調整試合を行わせる徹底ぶり。
スタミナに不安のある三井に一之倉を付け体力を奪う事に成功し、後半の頭にフルコートプレスを仕掛け湘北を圧倒。
点差が開いても緩める事なく、最大で24点もの差を付けました。

普通ならば、これだけ点差が付けばレギュラーと控えを替えてもおかしくありません。
しかしそのままのメンバーで戦う事を選択しました。
これは客観的に見て、過剰なくらい初戦を大事にしている表れと言えます。

その事を考えると、終盤にあえて河田弟を入れたのは、一度試合に入っているプレイヤーを重視したのかもしれません。
あのヒリつくような場面でこの日初めてコートに入る選手を入れてしまうと、試合に上手く入れずミスを犯し、チームに動揺をもたらす可能性はあります。
その点、河田弟であればミスして当たり前くらいの感覚なので、そのリスクはありません。

湘北を強敵、それも不気味な相手だと感じたからこそ、自分達から崩れてしまうリスクを恐れた……という見方も、一応できなくはありません。

といっても、スタメンを変えるほど警戒していた三井の3Pを「それに縛られてくれるなら楽」と軽視したり、桜木のリバウンドが流れを変えていると判断して河田をマークに付けたのに同じく流れを変えた三井の3Pには無頓着だったり、誰がどう見てもアップアップな河田弟を結局最後まで起用し続けたり、後半10~13分の得点が止まっている状況でタイムアウトを取らなかったりと、ツッコミ所が多過ぎるのは事実。
全くの無能とまでは言えませんが、「最大の戦犯は誰か」という問いに対しては、この堂本監督を置いて他にいないでしょう。

まとめ

どうにか堂本監督以外の戦犯を探して、一般論以外の結論を導き出してやろうと頑張ってみましたが、ダメでした。
準備は徹底的にさせるくらい用心深いのに、ゲームに入ると途端にピントがズレてしまうというか……最後まで攻め抜く自分達のスタイルを貫かせるというのであれば、最初から松本起用で点の取り合いをするべきですし、なんかチグハグですよね。
あらためて海南戦を読み直すと、終盤に牧が「完全にバテてるがそれでも三井の3Pは気をつけとけよ」と言っていて、多分牧の方が監督に向いてるんじゃないかと思いました。