『ULTRAMAN』という作品をご存知だろうか? 巨大化して怪獣と戦うのではなく、生身にパワードスーツを纏い、超人的な力で異星人と戦う青年漫画である。2011年から月刊連載が開始し、2019年にはアニメ化され、2022年4月からはシーズン2が放送された。発行部数は400万部を超えている。
子供に読ませる気ないだろと誰もが思うほど政治的描写が難解で、異星人による犯罪も凄惨のひと言。
ウルトラマンが巨人ではなく等身大だからこそ描けるリアリティがあり、しかし主人公は普通の男子高校生という王道の設定がたまらない。
この記事ではそんな『ULTRAMAN』の既刊のストーリーを振り返る。筆者が怪獣に詳しいので、異星人の細かな解説も付け加える。

1巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
このウルトラマンの40年後の世界が本作の始まりとなる。
『ULTRAMAN』における早田 進のデザインは、言わずもがな、ウルトラマンでハヤタ隊員を演じていた黒部 進がモデルとなっている。
12年後、高校生となった進次郎の元にベムラーがやってくる。ベムラーは元々『ウルトラマン』第1話の敵であり、青い光の球となってウルトラマンと宇宙を舞台に壮大な追いかけっこをしていた怪獣だ。

しかし『ULTRAMAN』のベムラーは黒い鎧を纏った人型。サイズも人間と変わらない。
原作で青い球になっていたことから、少し青みがかった黒なのが特徴である。
このベムラーと、パワードスーツを纏った早田 進が戦い、父でのピンチにULTRAMAN SUITを着た進次郎が駆け付ける、というのが1巻の内容である。
『ULTRAMAN』はアニメと漫画、どちらが良いかと聞かれることがあるが、今から見るならアニメと言わせていただく。
ウルトラマンは光を宿す者だからだ。両眼の輝き、カラータイマー、スペシウム光線などが闇夜を切り裂く美しさは、漫画では伝わりにくい。
後述するがアニメと漫画でストーリーが違う部分があるので、漫画の方が良い部分もあるが、アニメ版の変身シーンの演出なども面白いのでまずはアニメから入ってみてはいかがだろうか。

2巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)※グロ画像注意
しかしそれだけではなく、ゼットン星人はウルトラマンの最終回で科特隊基地を内部から滅茶苦茶に破壊した奴だ。それが科特隊基地に常駐しているというのは面白い。
フジ隊員は首まで絞められていたわけだが、胸中はいかほどのものだろう。
諸星という、いかにもセブンに変身しそうな眼鏡男子が出てきた後、進次郎はエイダシク星人という異星人の処分任務に就く。
ベムラーを除けば事実上の初任務なわけだが、人間を捕食するエイダシク星人を見て進次郎が激昂する。

エイダシクの捕食シーンだが、『仮面ライダーアマゾンズ シーズン2』のように、人間の服を着たまま顔だけ異星人に戻って捕食しているのが気持ち悪い。スリルを掻き立てているという意味では素晴らしい演出だが。
戦闘が街中にまで及び、アイドルである佐山レナも巻き込まれる。進次郎はレナに応援されるわけだが、このシーンはヒロイックだ。
『女の子の前でカッコよく戦う』というのは、少年漫画の王道の展開である。
エイダシク星人のモデルはセミ人間(ウルトラQなど)とバルタン星人だ。『エイダシク』はセミを意味する『cicada』(シケーダ)という英単語を逆から読んだのだと思われる。
市街地の戦闘でエイダシクは両腕にプラズマガン(自作した違法兵器)を携えるのだが、バルタン星人のハサミにも見える。
エイダシクを倒すため、進次郎のスーツのリミッターが解除され、カラータイマーが点滅する。
このシーンは声優の名演、カラータイマーの音声、そして夜に轟く赤い光が素晴らしいので、ぜひアニメを観てほしい。

3巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
ウルトラブレスレットとは、『帰ってきたウルトラマン』でウルトラマンジャックが使用していた自在に変形する武器であり、短剣、投擲槍、盾など様々な形状になる。
アニメSEASON2ではこのブレスレットで変身するような描写があるが、ウルトラマンジャックは元来変身に道具は使わない。ウルトラブレスレットは変身してから使う武器である。

しかしジャックの初変身が10巻だとは思わなかった。控えめにいって待ちくたびれた(笑)
ジャックの髪型は、郷 秀樹を演じていた団 時朗のヘアスタイルを参考にしている。
進次郎はカッダ―星人(元ネタ不明)という強盗殺人犯を追うが、命乞いされたことでトドメを刺すことを止める。

ロブトン星人はアイドルの佐山レナに扮して命乞いするという離れ業を披露した。
3巻ではお待ちかね、ULTRAMAN SUIT Ver.7こと、ウルトラセブンが初登場する。
このセブンが初めて戦った相手はブリス星人。漫画では分からなかったが、赤青のカラーリングと蕾のような手の形状、安アパートに現れたことから、ウルトラセブンに登場したメトロン星人がモチーフだろう。

4巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
最新刊まで登場する、メインキャラのひとりといってもいい存在なのだが、何故かアニメには登場しない。
4巻ではレッドが腕試しのために、進次郎と乱闘をする場面があるのだが、代わりにアニメ版で暴れまくるのがブラックキングだ。
『みんなから応援されるウルトラマン』という、誰もが憧れたヒーロー像が見られる。
物語は大きな山場へ入る。大人気アイドル、レナのライブが開かれるのだ。
1巻から続いていた、レナのアンチが殺される事件がここでクライマックスとなるわけである。
そこでアダドというどう見てもダダな怪人がレナのステージに上がる。
ダダは原作では身体能力の乏しい種族なのだが、アダドはセブンと互角に渡り合えるほどに強い。

5巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
レナのライブ会場に、アダドだけでなくベムラーも乱入する。ベムラー乱入の理由は明かされていないが、きっとアダドが死ぬと困ったのだろう。
レナにアダドの手が迫ると、イガル星人・ピグモンが真の姿で登場。
このピグモンのデザインが良い意味でバケモノじみていて素晴らしい。今までのウルトラシリーズとはかけ離れた体型で、四つの眼を持ち、胴体よりはるかに長い尾を地につけて移動する。ここまでアレンジにしてくれたことには感謝しかないのだが、アニメではこの形態に変化しない。
登場シーンも少ないことだし、動かしづらかったのだろうか。

レナのアンチ殺害事件は、異星人と人間の共謀だった。
だからなのだろう、セブンに倒された模様だ。
ちなみにピット星人には女性しかいないらしい。単一生殖するのだろうか?

このときセブンと共に地下道を探索していたメンバーはアニメでははっきりしないが、漫画では全員に名前がつけられている。
『曽我』、『古橋』、『天城』、そして紅一点の『アンヌ』だ。
言わずもがな、ウルトラセブンに登場するウルトラ警備隊の面々から名付けられている。
後半ではACE SUIT(ウルトラマンエース)が初登場。
港で進次郎が生体兵器と戦っているときに助太刀するのだが、この生体兵器はウルトラマンエース1話に登場したベロクロンがモチーフ。
アニメではよりベロクロンに近い姿で描かれているので必見だ。

6巻(ULTRAMAN 異星人考察まとめ)
「ぶった斬ってやるの刑だ!」 というセリフと共にエースの十八番、バーチカルギロチンでベロクロンを両断するのだが、ここはアニメが素晴らしいのでぜひ見てほしい!
その後にヤプールという工匠の異星人が登場。
ヤプールといえばウルトラマンエースのシリーズを通しての敵だったが、まさかの人類に友好的な宇宙人として登場である。
特徴的な橙色で菱形の頭部は、ヤプールたちが合体した『巨大ヤプール』(エース23話など)をモデルにしている。

レナが光の巨人記念館(科特隊基地)にやってきて進次郎と会う。
「ウルトラマンが好き」と話すレナに、進次郎は「もしかして俺、アイドルと付き合えるのでは!?」と妄想する。
エースがまた生体兵器を討伐する。
戦闘の描写はないが、特徴的な頭部からウルトラマンエースに登場した怪獣、キングクラブがモデルだったと思われる。
キングクラブというとかなりマイナーな印象の怪獣だが、実はあの暴君怪獣タイラントの尻尾の部分である。

北斗はかなり精神年齢が低いようで、悪事をする人間を捕まえては恐喝をしていたが、そのことで進次郎、諸星と対峙し、結局諸星にボコボコにされる。因果応報とはこのことだ。
【大人気声優・小野賢章】妻は声優の花澤香菜!鬼滅や呪術廻戦、ハイキューには出演してる!?代表作と共に小野賢章の魅力を紹介!
出典:Amazon
※加筆日:2023年2月18日
※記事内容は2022年4月までの情報に基づくものです。
声優や俳優、歌手としても活躍中の小野賢章。(以下:小野さん)
2022年3月5日に「第十六回 声優アワード」主演男優賞を受賞した。
小野さんといえば、主人公キャラを演じることが多い。
しかし東京喰種の死堪(しこらえ)や、文豪スレイドッグスの芥川龍之介のような、冷酷で狂気に満ちたキャラクターも演じている。
かといって、やはり小野賢章=主人公キャラとして定着しているのではないだろうか。
実はアニメ声優に向いていない…と、思っていた時期もあったようだ。
今回は小野さんが声優になるまでの道のりや、主演作品や代表作の一部を紹介しよう。
アニメ声優として、需要がない!?【声優・小野賢章】
小野さんは4歳から芝居を続けており、俳優としての芸歴は28年になる。(2022年3月時点)
声優として仕事をするようになったのは、のちに小野さんの代表作ともなる「ハリー・ポッターシリーズ」だ。
小野さんの母親が原作の大ファンであり、オーディションに応募した。
つまりハリー・ポッターがなければ、小野さんは声優の世界にはいなかったのだ。
高校生の小野さんはハリーだけでなく、アニメ声優としての仕事もしていた。
しかし当時は「アニメ声優としての需要はない」と語っている。
なぜなら小野さん自身「声の芝居がヘタクソ」だと思っていたからだ。
小野さんはとあるインタビューで、幼い頃からアニメを見て育ってはいないと語っている。
そのため共演者が出演しているアニメ作品をレンタルし、独学で声優を研究した。
小野さんが主演する作品がヒットする理由とは、もちろん原作があってこその声優なのだが、小野さんの演技力の高さにも注目すべきである。
そこには長年、俳優としてキャリアを積んできた小野さんだからだと私は思う。
鬼滅や呪術廻戦、ハイキューに出演している?【声優・小野賢章】
結論からいうと…
小野賢章さんは鬼滅の刃や呪術廻戦、ハイキューなどの、大人気アニメ作品には出演していない!
小野さんは、数々の大人気作品の主人公を担当している。
そのため大ヒットしたアニメに、小野さんが出演していたのではないか?と勘違いするファンも多いようだ。
鬼滅に関しては、主人公である竈門炭治郎役の花江夏樹と親交がありすぎるのが原因となっている。
お互いのTwitterでのやりとりや、花江夏樹のYouTubeにも度々出演し、その仲の良さが垣間見れる。
また小野さんのあだ名の1つに「UNO賢章」と出てくる理由も、花江夏樹のYouTubeが原因である。
さらに小野さんの妻である花澤香菜が鬼滅や呪術廻戦に出演しているため、ファンたちは夫婦共演を期待していたため話題が上がっていたのだ。
実際に呪術廻戦0の乙骨役の声優予想で、多くのファンが小野賢章の名前を挙げていた。
大人気バレーボールアニメ「ハイキュー」
男性キャラクターが多く、小野さんが出ていてもおかしくはない。
しかし小野さんは、ハイキューには主演していないようだ。
このように小野さんは当然人気作品に出演しているとアニメファンに思われがちだ。
そのようにアニメファンから思われているのも、小野さんが人気声優として注目されているからだろう。
ハリー・ポッター シリーズ【声優・小野賢章】
出典:Amazon
言わずと知れた、小野さんの代表作。
当時12歳だった小野さんは、1作目から最終章8作目までの10年間主人公のハリーを演じた。
まさか1作目からだったとは、知らなかった人もいるのではないだろうか。
小野さんはとあるインタビューで、「途中声変わりもあり、苦労もあったものの楽しくやっていた」と答えている。
まさにハリーと一緒に小野さんも成長したのだなと感じられる。
主人公=小野賢章は、ハリーが原因?【声優・小野賢章】
小野さん=主人公キャラと位置付けてしまうのは、視聴者にとってハリーの印象が強烈に残っているからではないだろうか。
小野さんの特徴といえば、透明感のある優しい声。
ただ優しいだけではなく、内面からの強さが垣間見れる演技を見せてくれる。
そんな小野さんの演技は、まさに主人公の声にピッタリだと私は思う。
黒子のバスケ 黒子テツヤ【声優・小野賢章】
出典:Amazon
こちらも言わずと知れた、小野さんの代表作となった作品だ。
当時の小野さんは、あまり感情を出さない黒子の表現をどう演じるべきかを常に考えていたようだ。
のちに「声優としての基礎」を学べたのは、黒子を演じた時だと後に語っている。
ファン目線で見ても、とても難しい役だったのではないかと私は思う。
しかし感情を出さない黒子の内なる闘志を、小野さんは違和感なく演じていた。
さらに小野さんは、本作のED主題歌「FANTASTIC TUNE」で、歌手・小野賢章としてアーティストデビューしている。
キャラソンとは違った、小野さんの力強い中にも透き通った歌声がとても魅力的である。
さらにさらに!
2022年アニメ放送10周年を記念し、10周年プロジェクトが決定した。
歴代の主題歌を担当するGRANRODEOが、10周年を記念して「アニバーサリーソング」を制作する。
小野さんは「GRANRODEO feat.小野賢章」として参加したのだ!
ファンにとっては熱すぎる情報が解禁となった。
実写版・黒子テツヤも本人が担当!【声優・小野賢章】
出典:Amazon
「黒ステ」と呼ばれる2.5次元舞台黒子のバスケ。
舞台版でも小野さんは主人公・黒子テツヤ役を演じている。
こんなことができるのは、俳優でもある小野さんだからこそ!
本人が黒子を演じているので、まったく違和感がない。
むしろ引き受けてくれてありがとう!と、黒バスファンである私は小野さんに伝えたいくらいだ。
黒子を誰よりもわかっている、小野さんの熱い演技。
黒子がアニメの世界から飛び出てきたようで、黒バスファンなら興奮すること間違いなしの作品である。
銀魂゜(第3期) 黒子野太助【声優・小野賢章】
出典:Amazon
小野さんは271話と272話の前後編で、黒子野太助(くろこのたすけ)としてゲスト出演している。
ストーリーのテーマは「同窓会」
攘夷戦争で活躍した奇跡の4人
「白夜叉 坂田銀時」
「狂乱の貴公子 桂小太郎」
「奇兵隊総督 高杉晋助」
「声のデカイ人 坂本辰馬」←www
この4人の他に、もう1人「幻の5人目(ファイブマン) 黒子野太助」と呼ばれるアシストを務めた影の立役者がいた!?
その黒子が同窓会を開いたという話だ。設定が本家と丸かぶりである(笑)
相変わらずパロディだらけの内容で話は終わり、後編のOPや挿入歌に本家のOPをそのまま使っている。
また小野さんも、黒子と同じテンションで演じきっている。
それがまた笑いを誘うのだ。
よく本家から怒られなかったなと、見ている側はヒヤヒヤしていた。
⇩続きます⇩
【スノ松さん】Snow Man全員出演!炎上商法と言われた実写版「映画・おそ松さん」松クラは見るべき!?【ネタバレ・感想有】
出典:映画「おそ松さん」公式Twitter
※加筆日:2023年2月18日
※記事内容は2022年4月までの情報に基づくものです。
公開前から賛否両論!
炎上商法だと言われていた、実写版 「映画・おそ松さん」
2022年3月25日公開初日から10日間で、興行収入10億円の大ヒットを記録している。
今回は、
・松クラだけど、見るべき?
・実写化あり?なし?
・黒い3人は誰?必要なの?
・どのキャラをSnow Manの誰が演じているの?
・アニメの6つ子は出てくる?
・見に行ったファンたちの反応は?
など
実際に映画を見に行ってきた松クラの私が、これらの疑問を解決しようと思う。
(個人的感想と、ややネタバレ含む)
※松クラとは、おそ松さんクラスタの略。つまりおそ松さんのファンという意味である。
松クラだけど、見るべき?【実写版・映画おそ松さん】
結論から言うと、松クラは最低でも1回は見るべき!
なぜなら、松クラのためにある実写版だと思ったからだ。
松クラの中には「Snow Manのための映画」というコメントも多い。
たしかに主役は彼らである。
しかし内容は「原作(アニメ)に敬意を払っている映画」だった。
松野家の内装や家具、小物に至るまで、アニメの世界から飛び出したくらい再現度が高い。
特に「松クラ兼スノファン」の人にとっては、たまらない作品になるだろう。
見るときの注意点【実写版・映画おそ松さん】
松クラは大体想像がつくかもしれないが…
映画・おそ松さんを見た後は「疲れる」ということだ。(良い意味でw)
パロディ、恋愛もの、ループもの、時代劇などなど
後半は「カオス」そのものである。
なんの話だったっけ?と疑問を持たず、何も考えずに見た方が良いかもしれない。
2回目以降は、落ち着いて見られるのではないかと私は思う。
見た結果→スノファンになりそうw【実写版・映画おそ松さん】
映画を見る前の私は、Snow Man(スノーマン)とはジャニーズに所属しているグループくらいの知識だった。
私のようにSnow Manを知らない松クラも、映画は十分に楽しめる内容となっている。
とはいえ見終わった後は、スノファンになってしまいそうになるほど、彼らは6つ子の特徴をうまく表現していた。
6つ子に個性的な色があるように、Snow Manたちも個性的な色が光っているようにみえた。
さらオリキャラ3人も個性の塊だった。
気づいたら彼らのYouTubeを見ている私がいる(笑)
舞台挨拶にて、十四松役を演じた佐久間大介さんは十四松を演じるにあたり、原作の十四松役である小野大輔さんの演技を研究したと語っていた。
実際に佐久間さん演技は、十四松ファンな私からしても十四松そのものに見えた。
バラエティー豊かなSnow Manたちが、おそ松さんを演じるからこそ、ただただ笑える内容になっている。
かといってジャニーズであるSnow Manたちが、体当たり演技しているのも見どころのひとつ。
私は笑いながらも、ジャニーズにこんなことまでさせて…
スノ担が怒って、おそ松さんを嫌いにならないかハラハラして見ていた(笑)
⇩続きます⇩
【平家物語】アニメで学べる日本の教養と現代語訳ならではの面白さに迫る

琵琶法師によって語り継がれ、現代人の多くが一度は名前を耳にする『平家物語』。その『平家物語』がアニメという形で現代に復活した。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」。日本人なら誰もが知っているこのフレーズから、平家の没落が描かれる。
現代に復活した『平家物語』は、実力派クリエイターが集結するサイエンスSARUによって制作された。そして監督は、京都アニメーションで数々の名作を生み出してきた山田尚子だ。
今回は『平家物語』の面白さや魅力について解説していく。
日本の教養『平家物語』をアニメで学べる
『平家物語』は、日本人なら誰もが知るコンテンツであり、教養でもある。だが、日本人の多くは『平家物語』の内容をそこまで知らないのではないだろうか。大まかに「平家が源氏に負けた」ということを知っているぐらいで、その過程でどのような事件が起こったのかについては、よく分からないのが現状だろう。しかし歴史は、流れを知ることでようやく面白さが理解できる学問だ。そういった意味では、堅苦しい文字ではなく、誰もが楽しめるアニメで『平家物語』流れを学ぶことができるのは素晴らしいことのように思える。
現代語訳ならではの面白さ
『平家物語』の原作は、鎌倉時代の軍記として有名な『平家物語』そのものだ。だが、当時の日本語は古文なので、現代語に翻訳されたものが必要になる。今回は古川日出男が訳者の『平家物語』が底本として採用されているようだ。
現代語訳は、訳者によって表現がわずかに異なるため、誰の現代語訳を原作にするのかが重要になってくる。そのため同じコンテンツでも、全く違う雰囲気になることも珍しくない。解釈のやり方が異なるからだ。ただ、『平家物語』に関して言えば、現代語に近い形で訳されているのは古川日出男先生が訳した『平家物語』一択になる。
豪華クリエイター陣によるエンターテインメント

『平家物語』は豪華クリエイターが集結していることで話題になった作品だ。筆者も、クリエイター陣を見て「この作品は絶対に見なければ!」と思い、『平家物語』を視聴した。
まず、監督は山田尚子が担当している。山田尚子監督は京都アニメーションで数々の作品を担当してきたクリエイターだ。代表作としては『けいおん!』シリーズ、『聲の形』、『たまこまーけっと』が挙げられる。山田尚子監督の作風の特徴としては、非常に柔らかな動きと、まるで本物の人間のような表情描写がある。特に表情描写のセンスはとても秀逸で、筆者個人の感想としては「人間よりも人間らしい」と思うほどだ。山田尚子監督の作風は『平家物語』にも相性抜群で、平安時代を想起させる優雅で柔らかなタッチが印象的だった。
そしてシリーズ構成・脚本は吉田玲子が担当している。吉田玲子は山田尚子監督とタッグを組み、『けいおん!』や『たまこまーけっと』などの京アニ作品のシリーズ構成・脚本を手掛けてきた。そのほかにも『のんのんびより』のような日常作品や『ドラゴンボールZ』のようなバトル系作品、ジブリ作品の『猫の恩返し』の脚本を担当したこともある。実力派で経験豊富な脚本家であり、原作を踏襲するだけでなく、アニメオリジナル的な要素を取り入れるセンスにも長けている。『平家物語』でも独自の要素を挿入することで、誰もが楽しめる現代エンターテインメントに昇華させた。
また、音楽を担当した牛尾憲輔にも注目だ。牛尾憲輔はアニメの劇伴作品として『ピンポン』や『ブギーポップは笑わない』のような個性派作品を担当してきた。また、山田尚子監督が手がけていた『聲の形』や『リズと青い鳥』などの劇伴も担当している。『平家物語』でも個性的な音楽が採用された。平安時代を想起させる琵琶を用いた劇伴は何となく想像つくだろう。しかしそれだけでなく、『平家物語』にゴリゴリのロック曲も挿入したのだ。一見するとマッチしないように思えるが、不思議なぐらいにマッチした。
そして声優陣も人気声優ばかりが名を連ねる。主人公のびわを担当する悠木碧を始め、櫻井孝宏、早見沙織、岡本信彦、花江夏樹、千葉繁、杉田智和、梶裕貴、水瀬いのりなど、他作品なら主人公を演じているような声優が起用された。『平家物語』は堅苦しい内容のように思えるので、見るのに少し躊躇してしまうこともある。だが、声優陣の顔ぶれを見て、『平家物語』を見始めた人もいるはずだ。
京アニが作っているようなもの?
アニメ業界で最も信頼されているアニメ制作会社の1つに、京都アニメーションが挙げられると思う。そして『平家物語』のクリエイター陣は、京アニ作品を担当してきたクリエイターだ。それがなぜ、サイエンスSARUでアニメを作るようになったのか。考えられる理由として、放火事件によって京アニのリソースが大幅に削減されてしまったことが挙げられる。リソース的に京アニでアニメを作ることが厳しくなったため、他のアニメ制作会社のリソースを使ってアニメを作ったのだ。
つまり『平家物語』は、京アニのクリエイターがサイエンスSARUのリソースを使って制作したアニメだと捉えてもいい。そう考えると『平家物語』は京アニが製作しているようなものなので、『平家物語』が面白くないわけがないのだ。
史実に則りながらSF要素を散りばめる
『平家物語』は原作の内容に則った上で、SF要素が散りばめられた。具体的に言うと、未来視する能力や死者を視ることができる能力が登場するのだ。もちろん、実際の史実にそのような記述はない。つまり、クリエイター陣がリメイクしたということだ。
『平家物語』は、当然のことながら結末が目に見えている。日本人の誰もが習った内容だからだ。そのため、現代アニメにありがちな、次回が気になるようなシリーズ構成をするのが難しい。そこで、『平家物語』を視聴している人が結末を知っていることを、逆手に取ったのだ。「平家が滅びる」というゴールをあらかじめ説明した上で、平家の幸せな日常を描く。しかも「幸せな日常」は、山田尚子監督のような京アニクリエイターが最も得意とする構成だ。
このようにして、『平家物語』が現代エンターテインメントに昇華され、誰もが楽しめるアニメに仕上がった。
シェイクスピアと同じ技法
世界の教養とも言われているシェイクスピアも、『平家物語』と同じ手法を取っていた。史実をベースにファンタジー要素を散りばめたのだ。シェイクスピアの場合は中世ということでキリスト教やギリシャ神話のような神話の要素を取り入れていった。魔女を登場させたり化物を登場させたのだ。それによって人間の本質を浮き彫りにし、物語に仕立て上げる。
『平家物語』も「未来視」という能力を登場させることで、日常シーンの意味合いを全く異なるものに仕立て上げることに成功している。今後は古典をベースとしたファンタジー作品が登場するようになるかもしれない。
まとめ
それでは本記事をまとめていく。
・『平家物語』は訳:古川日出男の原作が底本となった
・『平家物語』は京アニ系のクリエイターが集結していて、声優も豪華
・『平家物語』はファンタジー要素を取り入れることで、誰もが見やすいアニメに仕上がった
2022年5月28日、サイエンスSARUによって『犬王』が公開される。『犬王』は『平家物語』から数百年後の室町時代が舞台となっている。『平家物語』を視聴したのであれば、『犬王』もぜひとも視聴するべきだろう。
【進撃の巨人 考察まとめ】12年の進撃を振り返る(あらすじ・ネタバレ解説)
肌がなくて、赤い肉が丸出しの、不気味な『巨人』。それが表紙の1巻を渡された。
なんでも、『この漫画がすごい!』というランキングで上位に入っているらしい。早速読んでみた。
夢中になって読み終わった。「なんだこれは!」 既存のどの漫画とも違う。世界観の独走性が凄まじく、続きが気になってしょうがない。
強大な巨人に、ちっぽけな人間がどう立ち向かっていくのか、その命懸けの攻防から目が離せなくなった。
同時に、「これを描いているやつは確実に頭がおかしい」と思った。
作者は一体どんな野郎なのかと気になって、スマホで調べてみた。
①シガンシナ区陥落(進撃の巨人 考察まとめ)

今でこそ『進撃の巨人は北欧神話を元にしている』というのが周知されているが、当時はそんな説は流れていなかった。私はかなり北欧神話には詳しいので、巨人といえば北欧神話だなと思っていたのだが、1巻を読んだときには、確かに北欧要素はあまりないなと思っていた。主人公の一家もヒロインも黒髪だし。
これは諌山先生の上手いところで、北欧モチーフを徐々に解禁していったのだ。また、いかにも少年漫画らしい『巨人同士の闘い』も序盤はほとんどない。”本番”が遅れてやってくるのだ。
”本番”までに時間をかける作品は名作なことが多い。例えば映画『マトリックス』ではキアヌ・リーブスが超人的なアクションを披露するまで、たっぷり時間をとってストーリーを進めている。これにより厚みのある人間ドラマが出来上がるのだ。
他には『ウルトラマン』もだ。諌山先生は「ウルトラマンにプロレスをさせたい」と思っていたことをインタビューで語っていた。
それでも進撃の巨人が「パクリ」と言われないのは、『巨人』という他に類を見ない題材のおかげである。
確かにドラゴン、吸血鬼、狼男などを扱った作品は多くあるが、巨人をモチーフにしているものは少ない。
つまり既存の名作に『巨人』という新しい要素を掛け合わせて世界を構築していったといえる。
自身の経験もブレンドして、この他に類を見ない、三重の壁の世界を創り上げたのだ。
それにしても、巨人が気持ち悪い。「巨人はかっこよく描くのではなく、意図的に気持ち悪くした」らしいが、最初に読んだときは本当に問題作だと思ったし、アニメ化決定の報を受けたときには放送コードに引っかからないか不安だった。
しかし進撃の巨人は、その新しい作風や、読者に媚びたお色気がないことから国民的ヒットとなり、主題歌は紅白歌合戦で披露されるわ、Final SeasonはNHKで放送されるわで、予想以上の反響を生んだ。
② トロスト区奪還作戦(進撃の巨人 考察まとめ)
シガンシナ陥落から5年後。主人公エレンが立体機動を習得したことで、巨人VSちっぽけな人間という構図が展開される。
大人VS子供のような展開が残酷すぎる……命懸けで訓練しても、結局巨人の前には無力という現実。このトロスト区襲撃でエレンが初めて巨人化するわけだが、巨人のような異常なものに対抗するには、結局異常なものじゃないとダメなのだろう。
無茶苦茶シリアスな展開だが夢中になってしまう。現代人が決して味わうことのない、『狩られる恐怖』。
生物にとって原初的な危機だからこそ目が離せないのかもしれない。

ミカサも5年が経ち、体格は大人っぽくなったが、まあ色気のないヒロインだなと(褒めてます笑)
子供の頃のミカサは女の子らしくて可愛かったのだが……。
子供のときといえば、このトロスト区襲撃編で、ミカサの過去が描かれる。両親が殺されてエレンの家に入るエピソードなわけだが、ここでエレンが人攫い二名を殺害しているのだ。
私は「このシーン要る!?」と常々思っていた。巨人に立ち向かう物語なのだから、エレンに100%感情移入したいし、人類VS巨人という構図においては、物語のリズムを乱すノイズだと思っていた。

諌山先生も落ち込んだと言っている。しかしそれを乗り越え、自分の描きたいものを貫いたからこそ、ここまでのメガヒットとなったのだ。
巨人化したエレンはプロレスかよってほど、大きく振りかぶったテレフォンパンチ(予備動作の大きいパンチ)ばかり打つ。トロスト区では初の巨人化で暴走気味なので、荒々しさがぴったりなのだが、後の女型の巨人戦、鎧の巨人戦でも同じような殴り方だ。
エレンは対人格闘の成績が同期でナンバーワンだったので、これにはいささか違和感を覚える。
『グラップラー刃牙』で見られるような、『間合いに入ったときの挙動の読み合い』は皆無である。
諌山先生は格闘技好きで有名だが、恐らく格闘技経験のない素人だ。
しかしそれでいいのである。この理不尽に対する怒りを体現したかのような、大きく振りかぶったパンチが、見ていて気持ちいいのだ。

エレン以外の104期が、知恵と力を合わせて巨人たちを倒すシーンには感動しかない。貴重なライナー、ベルトルトとアニの、裏切りトリオの会話が見れるのも読み返したときに面白い部分だ。
この後、アルミンの決死の説得シーンがあるのだが、このように戦闘以外のシーンが面白いのも『進撃』の大きな長所だろう。
ドット・ピクシスの登場後、物語はトロスト区奪還作戦に入る。
はっきりいってモブキャラなのだが、『イアン』というエレンの護衛隊長がいい奴すぎて泣けてくる。イアンだけではない。エレンの護衛を任された者たちは、作品全体を見ても、エレンに理解のある優しい兵士たちだった。
③第104期訓練兵時代(進撃の巨人 考察まとめ)

ウォール・マリアが破壊されたあと、エレン、アルミン、ミカサは年寄りとともに2年間農業に従事していた。私が『進撃』の世界の住人だったら、農業で家族を養っていきたいと思う。収入がいくらかにもよるが。
食糧生産に貢献したあと、エレン達は第104期訓練兵団に入り、命懸けの訓練を3年間もする。あまり描かれていないが、立体機動の修得過程で命を落としたものもいるだろう。
しばらくは巨人が登場せず、エレンたちの訓練兵生活が描かれる。
ここで非常に怪しいのが、ライナーとベルトルトだ。
このときのライナーはまだ二重人格になっていないし、思わず素の反応をしてしまったのだろう。
この訓練兵時代はアニメだと時系列順になっており、トロスト区襲撃の前に描かれる。個人的にはそのほうが、超大型巨人の2回目の襲来までに、様々なドラマが描かれるので好きだ。
【アニメ化】終末のハーレムが最高に面白い理由5選! 続編、目的までネタバレ解説!!
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- エッチなシーンばかりでオチがないんじゃ…?
- 作品を通して描きたいことはなんなの?
終末のハーレムが最高に面白い理由5選!!
①世界観の作り込みがしっかりしてる(終末のハーレムが最高に面白い理由5選)
『終末のハーレム』の舞台は2040~2045年の近未来なのですが、世界観が詳細に作り込まれています。
元々『ジャンプ+』で連載されている漫画が原作なのですが、作者が原作と作画で分かれているからこそできることかもしれません。
『終末のハーレム』は男性にしか感染しないウイルスによって荒廃した世界を描いているのですが、ウイルスやワクチン生成の化学的手法もしっかりと説明されています。
ただエロいだけの漫画ではありません!
ちなみに2022年現在、世界的にコロナウイルスが流行していますが、『終末のハーレム』は連載開始が6年前の2016年5月なので、コロナが流行る前でした。まさかこのような情勢になるとは作者の方々も思っていなかったそうです。
②ドラマ自体が面白い(終末のハーレムが最高に面白い理由5選)
オチのないハーレムが延々と続くわけではなく、きちんと作品を通してウイルスの謎が明らかになっていきます。
確かに序盤は他のエロアニメのように、エッチなシーンがバンバン続きますが、後半に行くにつれて謎が解明されるので盛り上がります。
個人的な意見かもしれませんが、映画でもなんでも、クライマックスが一番面白くあるべきだと思うんですよ。『終末のハーレム』はきちんとそれが出来ているので、サスペンス系2時間ドラマを見ているような気分になれます。
TVアニメ公式サイトには『近未来エロティックサスペンス』というキャッチコピーがあるのですが、内容に嘘偽りありません。
ただし、現在アニメで放送した部分はまだ漫画の8巻までですので、クライマックスはもっと後になります。(単行本は2022年3月現在、14巻まで刊行されています)
③男キャラも魅力的(終末のハーレムが最高に面白い理由5選
かわいいヒロインが多数出てくるだけではありません。ハーレムの中心にいる男性キャラにも見せ場があります。
しかし物語後半では、命懸けでワクチン開発に挑みます。
怜人より先に目覚めた火野恭司(ひの きょうじ)は、チャラチャラしていてハーレム生活をエンジョイしていますが、読み進めると、男らしくて芯の通ったキャラクターという印象になります。
3番目にコールドスリープから覚めた土井翔太(どい しょうた)は、冴えない高校3年生でしたが、成長促進カプセルに入ってイケメンに生まれ変わります。翔太のストーリーは陰惨ないじめの描写もあり、読むのがつらい方もいると思いますが、生まれ変わった翔太は日本を変える存在になります!
4番目に目覚めた男性、木根渕 善(きねぶち ぜん)のかっこいい見せ場は、まだありません(笑)
④個性豊かなヒロインたち(終末のハーレムが最高に面白い理由5選)
ヒロインの書き分けもすごいです。『終末のハーレム』は地球上で活動可能になってしまった男性が5人のみ、という内容なのですが、男性キャラクターひとりにつき5人以上の女性が描かれます。
ハーレムに参加しない女性も含めて、しっかりと書き分けできるのは驚きです。また美少女だけでなく、年配の女性も登場するので、世界観が非常にリアルです。
ちなみに意外かもしれませんが、第1回人気投票で1位になったキャラクターは東堂 晶(とうどう あきら)という翔太と同じ高校のバレーボール部の女の子です。
投票結果は単行本9巻末にあるのですが、まだ話が佳境に差しかかっていなかったですし、晶の出番が多かったことも理由だと思います。
人気投票の2位は、わずか6票差で北山玲奈(きたやま れな)です。火野恭司のハーレムに参加している女の子で、元女優。芸能界で活躍していた、透明感のある超美少女です。
⑤周防美来が美しい(終末のハーレムが最高に面白い理由5選)
最後にどうしても書きたいのが、メインヒロインである周防美来(すおう みら)がかわいいということです。
「いやそれお前の好みだろ……」と言われてしまいそうですが、それでも書きたいんです!
『終末のハーレム』は水原怜人を中心としたワクチン開発ストーリーなのですが、同時に周防美来の人生を描いた物語でもあります。
クライマックスまで読んだときには、「なんて健気な娘なんだ」という感想しか出てきませんでした。
やっぱりメインヒロインが一番魅力的じゃないといけませんよね!
また、アニメで美来を演じるのは白石晴香(しらいし はるか)さんなのですが、本当に美来にぴったりの声で、命を吹き込むってこういうことなんだなと思わされました。実際に美来が画面の中で生きているかのようでした。
主人公・清磨が「絶望」を「希望」へと変えていくストーリー!? 『金色のガッシュ!!Ⅱ』はどう展開していくのか、徹底考察!!! #金色のガッシュⅡ #金色のガッシュ2

皆さんは、『金色のガッシュ!!』というマンガをご存知でしょうか?
少年誌『週刊少年サンデー』にて2001年から2008年まで連載されていた作品で、アニメ化もされ、高い知名度を誇っていた人気作でした。
連載終了から10年以上も経つにも関わらず、根強いファンが多い『ガッシュ!!』。
なんと、長い時間を超えて、『金色のガッシュ!!』の続編の第一話が、3月14日に公開されたのです!
その名も『金色のガッシュ!!Ⅱ』。
今回は、『ガッシュ‼Ⅱ』の見どころや、これからの展開を考察していきます!
『ガッシュ!!』をよく知る人もそうでない人も、必見の内容ですのでぜひ最後までご覧ください!
前作と明らかに異なる世界観!ダークな世界で描かれる『ガッシュ!!Ⅱ』
第一話は、魔界で魔物の子どもたちが「ワイグ」と「ギル」というキャラクターに追われるところから始まります。
「ワイグ」と「ジギー」は、魔物たちをすべて打ち滅ぼすことが目的だというのです。
前作では、「やさしい王様」になることを目指すガッシュが、最後の戦いに勝利し、無事王様になるところで結末を迎えるハッピーエンドでした。
ところが、そんな前作の結末から一転、『ガッシュ!!Ⅱ』の第一話は非常に暗い雰囲気で始まるのです。
前作の読者なら、ガッシュが王様となった魔界はきっと平和な世界なのだろうと考えていたはずです。
『ガッシュ!!Ⅱ』は、そんな前作のファンの予想を裏切るように、残酷で殺伐とした開幕となっています。
追われている魔物の子、ジギーはゼリィと弟のオルモを守るため、追っ手のワイグと戦います。
そこでジギーは腰に身につけていたビンから、「チェリッシュ」の術である「ガンズ・コファル」を発動するのです。
その攻撃に対して、ワイグは複数のビンが入ったカバンの中から、稲妻が入っているビンを選び、なんとガッシュの第2の術、「ラシルド」を発動させてジギーの攻撃を跳ね返します。
前作では、魔物の子と人間がタッグを組み、魔本を使うことでしか術を発動させることはできませんでした。
ところが『ガッシュ!!Ⅱ』第一話では、術の使い手ではない他の魔物も、ビンを使って一回限り、術を使うことができるシーンが描かれました。
これは、前作の大原則だったルールを覆す、大きな設定の変更点となりそうです。
そして大きな疑問なのは、王様となったガッシュはどうなったのか?という点です。
ジギーが決死の覚悟でゼリィとオルモを人間界に逃した後も、ワイグに追われ続けているゼリィは衝撃のセリフを放ちます。
それは「王様だって死んじゃった!!!」という言葉です。
これは、前作のラストで王様となったガッシュが、すでに死んでしまっていることを意味するものです。
前作からのファンで、続編の第一話も楽しみに待っていた方にとっては衝撃的な一言だったでしょう。
そして、同じシーンでゼリィは、前作に登場し活躍していた魔物の子たちである「テッド・チェリッシュ・レイン」も死んでしまったと叫ぶのです。
『ガッシュ!!Ⅱ』を読んだすべての読者が、ゼリィの言葉に大きなショックを受けたことでしょう。
前作では少年誌で連載されていた作品であったためか、魔物の死が描かれることはありませんでした。
ところが続編では、戦いに敗れたジギーの亡骸が描かれ、魔物たちの死も明かされています。
戦いに敗れたジギーが埋葬される様子も描かれ、「魔物の死」がはっきりと表現されているところが前作との大きな違いです。
『ガッシュ!!Ⅱ』は前作の地続きの物語でありながらも、作品の雰囲気は一変しています。今作は、雷句誠先生が描くダークな『ガッシュ!!』となる、そんな予感をさせる第一話です。
そしてそもそも、心優しいガッシュが王様になったのにも関わらず、なぜ魔物の子たちが死んでしまうような魔界になっているのでしょうか?
そして、ガッシュは何故亡くなっているのでしょうか?
続編の第一話からいきなり、多くの疑問を感じさせる展開です。
『ガッシュ!!Ⅱ』のストーリーが進むにつれ、この疑問も明らかになっていくはずなので、第二話以降も目が離せません!!