(画像引用 : Amazon)
アニメ・漫画の市場的価値の向上に伴い、近年ではヒットした邦画の大半を占めるほど量産されている実写化映画作品。
その中には興行的に失敗した例も多く、中には大爆死してしまった作品も。そんな事例をランキング形式でお届けします!
30位:かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~
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原作連載:2015~2022年
アニメ放送:2019年~
実写映画公開:2019/2021年
原作売上:2200万部
アニメ円盤売上:0.5万枚(1期)
館興行収入:22.4億円/10.6億円
公開館数:290館/319
1作目は興行収入20億以上のヒットを記録し、2019年の映画興行収入24位にランクイン。
公開後は原作コミックスの売上も伸び、メディアミックスとしては成功と言える結果を残しています。
しかし2021年に公開された完結編は半減以下の興収になってしまいました。
1作目は商業的に成功したものの、原作ファンによる否定意見も多く評価はイマイチで、作者の赤坂アカ先生がフォローせざるを得ない状況に陥り、それが続編に響いて失敗……とまとめる事が出来ます。
とはいえトータルで見ると失敗の度合いとしては低めです。
29位:ヲタクに恋は難しい
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原作連載:2014~2021年
アニメ放送:2018年
実写映画公開:2020年
原作売上:1200万部
アニメ円盤売上:0.3万枚
興行収入:13.4億円
公開館数:303館
原作はそこまでコメディ色が強くはなく、あくまで「ヲタクによる職場恋愛」という面がクローズアップされた作品ですが、実写映画では『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』の福田雄一監督とあってギャグがやや多めになっています。
そして何と言っても実写版最大の特徴はミュージカルパート。
アニメでも稀にミュージカルシーンを挿入する作品がありますが、その部分はあまり良い評価を得ていない印象で、本作もこれをマイナス評価する人がかなり多かったようです。
客足は公開直後こそまずまずでしたが、その後はやや伸び悩み、当初見込まれていた15億に届かず。
もしかしたらミュージカルパートがリピーターの数を減らしてしまったのかもしれません。
28位:あしたのジョー
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原作連載:1968~1973年
アニメ放送:1970~1971年、1980~1981年
実写映画公開:2011年
原作売上:2500万部
アニメ視聴率:17.8%
興行収入:11.0億円
公開館数:277館
伝説のボクシングマンガおよびアニメを2010年代に蘇らせた実写映画。
1970年にも実写化されているので、約40年ぶりという事になります。
当時20代中盤で人気絶頂だった山下智久さんが矢吹丈を演じている為、映画を観た人の多くが原作未読の山Pのファンだったと思われ、その人達にとっては山Pの肉体美を堪能できる作品として満足いく内容だったようです。
しかしやはり原作キャラとの乖離は激しく、原作ファンはそもそも観に行かないという選択をしたようで、興収は伸び悩みました。
27位:約束のネバーランド
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原作連載:2016~2020年
アニメ放送:2019~2021年
実写映画公開:2020年
原作売上:4100万部
アニメ円盤売上:0.1万枚
興行収入:20.3億円
公開館数:340館
ジャンプで人気を博し、大きな期待をもってメディアミックスが行われた本作。
先陣を切ってアニメ1期が放送され、その翌年に実写映画が公開されました。
しかし公開時には既に原作は完結済みで、既にピークは過ぎていた印象です。
また配役に関しても「当たり外れの差が激しい」という意見が多く、必ずしも高い評価は得られませんでした。
ネバランはアニメでもCloverWorksが本来の力を発揮できず、ジャンプ作品の中ではメディアミックスがあまり評価されなかった方の事例になってしまった印象です。
26位:寄生獣
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原作連載:1988~1995年
アニメ放送:2014~2015年
実写映画公開:2014/2015年
原作売上:2500万部
アニメ円盤売上:0.1万枚
興行収入:20.2億円/15.0億円
公開館数:418館/422館
『寄生獣』の原作は非常に評価が高く、全10巻という手に取りやすい長さもあって、ネット普及前の作品にもかかわらず現在も「不朽の名作」を挙げる際には必ず取り上げられるほどです。
そんな名作の実写化を『ALWAYS 三丁目の夕日 』『STAND BY ME ドラえもん』の山崎貴監督が手掛けるとあって、事前の期待度はかなり大きく膨らみ、それは418館という最大級の上映館数にも現れていました。
しかし出足の2日間で興収3億4000万円と期待には及ばず、伸びもイマイチ。
娯楽要素が強い作品ではない事もあって、実写化に懐疑的な原作ファンが多かったようです。
25位:3月のライオン
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原作連載:2007年~
アニメ放送:2016~2018年
実写映画公開:2017年
原作売上:?万部
アニメ円盤売上:0.2万枚(1期)
興行収入:7.5億円/6.5億円
公開館数:295館/295館
原作コミックスの売上は「累計300万部」として各媒体で紹介されていますが、実はこの数字は相当前の部数で、これ以降具体的な売上が公式から発表されていない為に300万部で止まっているようです。
オリコンによると単巻60~80万部のセールスを記録しており、16巻まで出ている現在は既に1000万部を突破していると推察されます。
その原作売上を踏まえた上で見ると、実写映画の興収はかなり物足りない数字です。
ただ、この作品独特の空気感や雰囲気を実写で表現するのは難しく、そもそも将棋という題材を実写で面白く描くのは相当困難と思われ、この結果は致し方ないと言えるかもしれません。
24位:逆転裁判
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原作連載:2001年~
アニメ放送:2016年~2019年
実写映画公開:2012年
原作売上:810万本(シリーズ累計)
アニメ円盤売上:0.1万枚
興行収入:5.4億円
公開館数:275館
法廷バトルという特殊なジャンルのゲームで、法廷内でのやり取りにはあえてリアリティを持たせず、子供向けの内容になっています。
その為、原作に忠実であればあるほど大人には陳腐に映る……というジレンマを抱えた実写化にならざるを得ず、かなりの難しさがあったと思われます。
また、基本的に大声での掛け合いが多くなる為、劇場だとけたたましさがより際立ち、落ち着いて観られないというデメリットもあります。
総じて言える事は、そもそもが実写化向きの作品ではないという事です。
23位:ぐらんぶる
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2014年~
アニメ放送:2018年
実写映画公開:2020年
原作売上:800万部
アニメ円盤売上:0.1万枚
興行収入:4.5億円
公開館数:338館
悪ノリの集合体のような作風なので、漫画やアニメでは成立しても実写だと寒い空気になりかねない、そんな本作。
しかし意外とコメディ面での評価は低くはなく、楽しく観られたという人は多かったようです。
ただ原作を知らずに観た人の中には「綺麗な海中風景がたくさん見られると思ってた」「裸の男性陣がたくさんいるからBLだと思って見たのにガッカリ」といった意見もあり、イメージと内容の齟齬が多少なりとも生じていたようです。
その為か、公開規模の割に興収は物足りない結果になりました。
22位:となりの怪物くん
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原作連載:2008~2013年
アニメ放送:2012年
実写映画公開:2018年
原作売上:710万部
アニメ円盤売上:0.2万枚
興行収入:5.0億円
公開館数:286館
菅田将暉さん主演の少女漫画原作ラブコメ……という事で、期待していた女性ファンはかなり多かったようです。
実際、満足した人は相応数いたようですが、興収は人気少女漫画原作の実写映画としてはかなり物足りない結果に終わっています。
しっかりした恋愛ものを見たいという人が多い中、如何にも漫画というキャラによる風変りな恋愛ストーリーが肌に合わなかった……というミスマッチが生じていたようです。
漫画・アニメの実写化作品は原作再現度が高すぎてもチープに見えてしまうというジレンマがあり、本作はそれがマイナス方向に出てしまったのかもしれません。
21位:銀の匙 SilverSpoon
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原作連載:2011~2019年
アニメ放送:2013~2014年
実写映画公開:2014年
原作売上:1700万部
アニメ円盤売上:0.2万枚(1期)
興行収入:7.8億円
公開館数:285館
原作は人気絶頂、アニメも放送中という時期に公開され、タイミング的には完璧だった事もあってヒットが期待されていましたが、興収10億に届かない結果に終わりました。
農業を題材にした本作は「面白いけど地味」というタイプの作品で、主人公・ヒロイン共に個性的とは言い難くエンタメ感も薄め、かといって農業高校が舞台とあって自然の雄大さに浸れるような映像もそこまで多くはないので、実写で良さを表現するのは難しかったのかもしれません。
20位:ママレード・ボーイ
(画像引用 : Amazon)
原作連載:1992~1995年
アニメ放送:1994~1995年
実写映画公開:2018年
原作売上:1000万部
アニメ視聴率:12.9%
興行収入:3.8億円
公開館数:292館
アニメ版は1990年代前半の朝に放送され、当時の子供たちにとってかなり刺激的な内容でした。
それから約25年の月日が経ち、当時の子供はもう立派な大人になっており、その世代を狙い撃ちするにはちょっと時間が経ちすぎているし、その世代のお子さん達はまだ10歳前後が多いと思われ、ややターゲット層が不明瞭なタイミングでの実写化となりました。
また実写化に伴いコメディ要素をほとんど排除している為、原作ファンにとってもやや取っつきにくかったようです。
案の定、興収はかなり低めになってしまっています。
19位:宇宙兄弟
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2007年~
アニメ放送:2012~2014年
実写映画公開:2012年
原作売上:3100万部
アニメ円盤売上:0.1万枚
興行収入:15.7億円
公開館数:322館
モーニング連載の作品で、作風的にも内容的にもアニメより実写向けという印象が強く、実際アニメ化より実写映画化の方が先に発表されました(ただし公開はアニメが先)。
小栗旬さんと岡田将生さんが主演という事で、非常に大きな期待を持たれていましたが、賛否両論がハッキリ分かれたようです。
一番多く見られた否定意見は「2時間前後に纏めた事で内容が薄くなった」というものですが、これはあらゆる実写映画に当てはまる事。
ただ本作の場合、訓練シーンの絵が地味にならざるを得ないので、内容が薄まると余計に地味な絵面になってしまうという問題が生じてしまったようです。
興収15億強は実写映画としてはヒットの部類ですが、本作の原作人気からすると期待に届いたとまでは言えません。
実際、公開直後は「30億も狙えるロケットスタート」と報道されましたが結果はその半分でした。
18位:ガッチャマン
(画像引用 : Amazon)
アニメ放送:1972~1974年/1978~1979年/1979~1980年/2013~2015年(クラウズ)
実写映画公開:2013年
アニメ円盤売上:0.5万枚(クラウズ)
館興行収入:4.8億円
公開館数:307館
1970年代に一世を風靡したSFアニメを原作とした実写映画。
オリジナルアニメの実写化は比較的珍しく、往年のファンにとっては寝耳に水の実写化だったと思われ、当初はネタ的な受け止め方をされていたようです。
しかし同時に実写化が発表され先に公開されたヤッターマンが興収31.4億円とヒットした事で、その後に控えていた本作にも大きな期待が寄せられるようになりました。
ですが……「実写化するはずない作品が実写化した」というサプライズはヤッターマンでお腹いっぱいになっていたのか、本作の公開が始まる頃にはファンの熱も冷めていました。
また、内容に関しても「ストーリーが暗い」「重苦しい」など、期待されていたものとは違っていたようです。
17位:魔女の宅急便
(画像引用 : Amazon)
原作連載:1982~1983年
アニメ放送:1989年
実写映画公開:2014年
アニメ興行収入:43.0億円
実写興行収入:5.3億円
公開館数:281館
ジブリ作品は基本的に実写化は舞台のみで、本作も「ジブリ作品の実写化」という訳ではありません。
あくまで原作である角野栄子先生の児童書を実写化した作品です。
なのでジブリ版魔女宅とは内容が異なって当然ですが、多くの人が本作をジブリオリジナルの作品と思っている為、「あの有名なジブリ映画の魔女宅が実写化される」という誤解が生じ、内容が大きく異なる事に驚いていたようです。
こういった事前に誤解が生じやすい作品は、どうしても先入観と実際の中身とのズレによって評価が低くなりがちで、本作も「アニメ(ジブリ版)と比べて~」といった論調が多く、興収も評価も芳しくない結果に終わっています。
16位:氷菓
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原作連載:2002年~
アニメ放送:2012年
実写映画公開:2017年
原作売上:290万部 (古典部シリーズ)
アニメ円盤売上:1.0万枚
興行収入:1.3億円
公開館数:225館
「氷菓」は米澤穂信先生が手掛けるミステリ小説「〈古典部〉シリーズ」の第1作目で、京アニによってアニメ化された際も古典部シリーズではなく氷菓のタイトルでした。
その為アニメから入ったファンがターゲットだったと思われますが、評価に関しては当時20代前半だった面々が高校1年生を演じていた為、キャスティングに賛否があったようです。
超常現象がなく日常の中に潜む謎を解くという物語なので、実写化との相性が良いタイプだと目されていましたが客入りは悪く、失敗の烙印を押されてしまいました。
15位:弱虫ペダル
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原作連載:2008年~
アニメ放送:2013年~
実写映画公開:2020年
原作売上:2800万部
アニメ円盤売上:0.6万枚(1期)
興行収入:6.9億円
公開館数:339館
2012年からは毎年舞台化されているため実写化との相性も良く、ファンにとっては満を持しての実写映画化だった筈でしたが、期待されていたほど興収は伸びず。
原作・アニメを知らない層からの評価は決して悪くはありませんが、原作組からの評価は賛否がハッキリ分かれていたようです。
本作は各キャラの個性が非常に強く、それは見た目や性格だけでなく選手としての特性においても表現されていますが、その点の見せ方、映像や演出に関して否定的な意見もあったようです。
14位:嘘喰い
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原作連載:2006~2017年
実写映画公開:2022年
原作売上:1000万部
興行収入:2.8億円
公開館数:339館
暴力シーンや倫理的にアウトなシーンが多いためテレビアニメ化はされていない本作ですが、作品人気はかなりのものとあって、実写化が決まった際には原作ファンから熱い期待を寄せられていました。
しかしやはりアニメ化していない事で知名度自体に限界があったのか、スクリーン数の割に興収は寂しい結果に終わっています。
評価自体はそれほど低くはなく、原作組の中でも「原作を再現してくれた」派と「原作が蔑ろにされている」派と真っ二つに分かれているようです。
13位:こちら葛飾区亀有公園前派出所
(画像引用 : Amazon)
原作連載:1976~2016年
アニメ放送:1996~2004年
実写映画公開:2011年
原作売上:1億5650万部
アニメ視聴率:17.0%
興行収入:8.2億円
公開館数:277館
ジャンプで40年連載されていた名物作品で、アニメも長期間放送された事から高い知名度を持つ『こち亀』。
その国民的マンガが2009年に香取慎吾さん主演でドラマ化され、その流れで同キャストによる映画化も実現しました。
香取さんは全力で両津勘吉というキャラに挑んでいましたが、やはり体型も顔も乖離しているのは否めず、原作ファンにとっては納得し辛いキャスティングになってしまい、ドラマ視聴率も映画興収も芳しくない結果に終わっています。
12位:東京喰種 トーキョーグール
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原作連載:2011~2018年
アニメ放送:2014~2018年
実写映画公開:2017年/2019年
原作売上:4700万部
アニメ円盤売上:0.3万枚(1期)
興行収入:11.0億円/3.6億円
公開館数:307館/292館
タイミングを逸した感の強い実写化となってしまった本作。
原作はヤングジャンプの黄金期を支えた大ヒット作ですが、1作目が公開されたのは既に人気のピークを過ぎた時期で、2作目に至っては完結後。
その為、1作目はどうにか10億を超えたものの2作目は2/3減と大きく興収を落としてしまいました。
キャスト陣への不満は比較的少なく、ストーリーやCGも賛否はあれど否定意見ばかりが多いという印象もなく、実写化の中では決して酷い部類の評価という訳ではありません。
ただ前述したタイミングの悪さ、またグロテスクな表現が多いため人を選ぶ作品だった事が災いし、大幅ダウンという結果になったと思われます。
11位:ジョジョの奇妙な冒険
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原作連載:1986年~
アニメ放送:2012年~
実写映画公開:2017年
原作売上:1億2000万部
アニメ円盤売上:2.0万枚(1期)
興行収入:9.2億円
公開館数:323館
膨大な数の熱狂的ファンがいるジョジョの実写化を成功させるとなると、作り手側も相当な原作愛をもって制作しなければ難しい。
それを見事に実現させたのが2020年より展開している『岸辺露伴シリーズ』で、ジョジョ好きを以前から公言していた高橋一生さんが露伴を演じ、アニメシリーズでジョジョファンからの信頼を得ている小林靖子さんが脚本を担当するという鉄壁の布陣で臨んだ結果、ファンの設定した高いハードルを見事に飛び越えてみせました。
そんな露伴シリーズとは対照的にファンからの支持を得られなかったのが、4部を実写化したこの映画。
スタッフやキャストの陣容から「ジョジョを作る為に集結した」というより「人気漫画の実写化を生業とするいつメン」という先入観が強く、多くのファンが映画館に足を運ぶまでに至らなかったようです。
内容については実はそこまで酷評が多い訳ではなく、「賛否がハッキリ分かれている」くらいの評価になっています。
10位:ニセコイ
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2011~2016年
アニメ放送:2014~2015年
実写映画公開:2018年
原作売上:1200万部
アニメ円盤売上:0.6万枚
興行収入:5.3億円
公開館数:294館
実写化には、タイミングを逸したのは明らかなのに立ち止まれず、負け戦も同然という雰囲気の中で発表される作品も残念ながらあります。
本作はその代表例の一つと言わざるを得ません。
原作・アニメが人気を博していたのは2012~2014年くらいの時期で、その後は展開や主人公の言動に対する不満が噴出し、挽回できないまま2016年に連載は終了。
その2年後に公開された本作がヒットする筈もなく、またコスプレ感が強い衣装にも批判が殺到し、興収も評価も散々な結果に終わりました。
9位:テラフォーマーズ
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2012年~
アニメ放送:2014~2016年
実写映画公開:2016年
原作売上:2200万部
アニメ円盤売上:0.1万枚(1期)
興行収入:7.8億円
公開館数:326館
火星で進化したゴキブリと地球の人類の抗争を描いた奇特な設定、そして過激な描写による刺激的なバトルが人気を博した本作ですが、メディアミックスはどれも失敗に終わっています。
特に実写に関しては酷評の嵐で、あらゆる面で低評価を受けてしまい、「逆にどれくらい酷いのか気になる」という声が出て来るほど。
実写化の失敗の多くは「尺不足による説明・描写不足」「原作の良い面を出し切れていない」「原作っぽさを安易に出そうとしてコスプレ感が強い」などの要素が原因としてありますが、本作はそれらもまだ序の口だったようで、あらゆる問題点が指摘されています。
残念ながら、作り手が原作を愛せなかった実写化の典型例になってしまったようです。
8位:耳をすませば
(画像引用 : Amazon)
原作連載:1989年
アニメ放送:1995年
実写映画公開:2022年
アニメ興行収入:31.5億円
興行収入:5.6億円
公開館数:352館
魔女宅と同様、ジブリ映画として有名ですが原作はジブリではなく、柊あおい先生の漫画をもとに実写映画化した作品であって、ジブリは関わっていません。
また、原作の実写化でもなく原作の10年後を描いた作品になっています。
ノスタルジーを感じさせる青春劇だった原作やアニメ(ジブリ版)とは違い、主人公の雫が社会人となって行き詰まる苦悩を描いた物語になっている為、アニメのファンにとっては期待していた内容と違うという印象をどうしても持ってしまい、興収も期待とは程遠い結果に終わってしまいました。
7位:黒執事
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2006年~
アニメ放送:2008~2014年
実写映画公開:2014年
原作売上:3000万部アニメ
円盤売上:1.4万枚(1期)
公開館数:327
館興行収入:6.0億円
抜群の女性人気で原作・アニメ共に大ヒットを記録。
ミュージカルも好評を博し、全ての分野で熱い支持を得ていた本作とあって、実写映画が決まった際には大きな期待を集めました。
また、絢香さんと結婚し研音から独立した水嶋ヒロさんの復帰作という事もあり、原作ファン以外からの注目度も高かったようです。
そのキャスティングは原作ファンからも受け入れられましたが、シエルを出さずシエルをベースにしたオリジナルの男装キャラを出した事で不満が噴出。
これによって原作ファンの多くが「観ない」という選択をし、興収も全く振るわない結果になってしまいました。
原作キャラの性別を変えるケースはドラマ、映画で稀に見かけますが、脇役ではなく主人公の一人と言っても過言ではないシエルでそれをするのは愚の骨頂でしょう。
6位:進撃の巨人
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2009~2021年
アニメ放送:2013年~
実写映画公開:2015年
原作売上:1億1000万部
アニメ円盤売上:5.1万枚
興行収入:32.5億円/16.8億円
公開館数:331館/331館
1作目の興収32億という結果は、ここ10年の実写映画の中でも上位に入る数字であり、決して低い訳ではありません。
しかし実写版『進撃』は実写化失敗の代表格として常に名前が挙げられます。
理由は余りに多く煩雑なので全て挙げる事は出来ませんが、総じて言われているのは「重厚な世界観や伏線を張り巡らしたストーリーなど、原作が評価された部分をほとんどなくしてしまっている」という点で、原作との乖離が許容範囲を大きく逸脱してしまっている点は否めません。
役者陣は全力で作品に挑んだものの、メガヒットした原作にあやかって企画されただけという印象を拭う事は到底不可能であり、実写化が忌避される理由の典型例になってしまったようです。
その評価もあって、前編から僅か50日後に公開された後編は興収が半分まで落ち込みました。
5位:BLEACH
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2001~2016年
アニメ放送:2004年~
実写映画公開:2018年
原作売上:1億3000万部
アニメ円盤売上:1.3万枚(1期)
興行収入:5.4億円
公開館数:328館
本作も明らかにタイミングを間違えた実写化作品の一つです。
ワンピース、ナルトと共に2000年代のジャンプを支え、海外でも人気の高いメガヒット作。
しかし15年にもわたる連載期間中ではなく、連載終了から2年後というタイミングで実写化されても、ファンはピンと来ないでしょう。
それでも原作愛に溢れた実写化ならファンも観たいと思うものですが、あまりそういう印象を持った観客はいなかったようで、評価もかなり低めになっています。
これだけの有名原作で続編も作られていない事を考えると、期待とはかけ離れた結果だったと思われます。
4位:鋼の錬金術師
(画像引用 : Amazon)
原作連載:2001~2010年
アニメ放送:2003~2004年/2009~2010年
実写映画公開:2017年/2022年(2部作)
原作売上:8000万部
アニメ円盤売上:3.7万枚(1作目)
興行収入:11.1億円/2.9億円・2.4億円
公開館数:341館/349館・345館
本作もタイミングが謎過ぎる実写化となりました。
2000年代に爆発的な人気を誇り、現在も名作と名高いハガレンですが、流石に連載完結から7年も経てば熱心に追いかけるファンはそう残ってはおらず、1作目は10億を超えたもののネームバリューを考えると決して良い結果とは言えませんでした。
更に問題なのは、続編が5年後だった事。
『るろうに剣心』のように実写で大ヒットし、かつ新シリーズを連載中ならともかく、興収も評価も低調な状態で5年後に次回作というのは常軌を逸しており、しかも1作目以上のスクリーン数による大規模な上映を強行した結果、悲惨な興収に終わりました。
ハガレンというレジェンド作品をあまりにも蔑ろにした実写化と言わざるを得ません。
3位:ドラゴンボール
(画像引用 : Amazon)
原作連載:1984~1995年
アニメ放送:1986~1996年
実写映画公開:2009年
原作売上:2億6000万部
アニメ視聴率:20.5%(Z)
興行収入:8.7億円(国内)/5600万ドル(全世界)
公開館数:570館
言うまでもなく日本で最も有名な漫画・アニメですが、超常的な力によるバトルがメインの作品とあって実写化はファンの間でも望まれておらず、実現される事もないと思われていましたが……2002年にハリウッドの映画制作会社が本作の実写映画化権を獲得したと発表し状況が一変。
ファンの間でも「ハリウッドなら」という期待が膨らみましたが、その後は音沙汰がなく、企画は水面下で頓挫したものと思われました。
しかし2009年になってまさかの実現。
そして出来上がった映画『DRAGONBALL EVOLUTION』はというと、それはもうドラゴンボールと呼べるものではなく、世界中で酷評の嵐が巻き起こりました。
のちに脚本家がファンに謝罪する異例の事態に発展し、本作はドラゴンボールにおける最大の黒歴史となっています。
2位:デビルマン
(画像引用 : Amazon)
原作連載:1972~1973年
アニメ放送:1972~1973年
実写映画公開:2004年
原作売上:5000万部
アニメ視聴率:11.7%
興行収入:5.2億円
公開館数:?館
「漫画・アニメの実写化は鬼門」という風潮が確立されたのは、この作品がきっかけだったのかもしれません。
1970年代に連載・放送されたこのデビルマンは、のちに多くの作家やクリエイターに大きな影響を与える、日本のダークファンタジーの祖とも言える不朽の名作。
けれども流石に30年以上が経っているため熱心に追いかけるファンは少なく、興収面で芳しくない結果に終わるのは致し方ないところでした。
ただ本作の問題はそこではありません。
制作費が10億円だったため大赤字だった点、そして何よりあまりの出来の悪さから、観客のみならず殆どのメディアが酷評するという異例の展開に。
その反響は凄まじく、実写化失敗の例として常に名前が挙がるようになり、「名作漫画の実写化は鬼門」という印象を強く残しました。
1位:聖闘士星矢
(画像引用 : Amazon)
原作連載:1985~1990年
アニメ放送:1986~1989年
実写映画公開:2023年
原作売上:5000万部
アニメ視聴率:9.4%
興行収入:0.4億円(1週目)/500万ドル(全世界)
公開館数:323館
1980年代にジャンプ誌上で人気を博した本作は、当時ジャンプに多くの女性ファンを呼び込んだ人気作としても知られていますが、北斗の拳やドラゴンボールほど後世に語り継がれている訳ではありません。
しかし海外ではかなり人気があるようで、IPとしては2020年代にも大きな売上を記録しています。
そういう事情もあって、2023年に『聖闘士星矢 The Beginning』のタイトルで実写映画化されました。
聖衣のデザインが原作とかけ離れていて何の映画なのかパッと見ではわからず、そもそも原作を知る人が若い世代に少ない、ジャンプではなくチャンピオンで続編やスピンオフが展開されているため続いている事すら知られていない……といった状況とあって、300館を超える規模の上映としては異例なまでに観客が入らず、公開3日間の興行収入は4000万円程度。
このレベルの爆死は実写映画の中でも殆ど例がなく、また制作費6000万ドル(約83億円)に対し全世界での興収はその10分の1位程度になりそうで、歴史的な失敗作になるのは確実な情勢です。
順位まとめ
01位 聖闘士星矢
02位 デビルマン
03位 ドラゴンボール
04位 鋼の錬金術師
05位 BLEACH
06位 進撃の巨人
07位 黒執事
08位 耳をすませば
09位 テラフォーマーズ
10位 ニセコイ
11位 ジョジョの奇妙な冒険
12位 東京喰種 トーキョーグール
13位 こちら葛飾区亀有公園前派出所
14位 嘘喰い
15位 弱虫ペダル
16位 氷菓
17位 魔女の宅急便
18位 ガッチャマン
19位 宇宙兄弟
20位 ママレード・ボーイ
21位 銀の匙 SilverSpoon
22位 となりの怪物くん
23位 ぐらんぶる
24位 逆転裁判
25位 3月のライオン
26位 寄生獣
27位 約束のネバーランド
28位 あしたのジョー
29位 ヲタクに恋は難しい
30位 かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~まとめ
興行的な失敗は必ずしも内容が原因ではありませんが、大抵の失敗事例には相応の理由があります。
特に作り手の事情が色濃く反映された作品は大抵失敗している印象で、実写化が嫌われる最大の理由でもあります。
自分が好きな作品がこの中に加わる事だけは、勘弁して欲しいですよね。