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何度も見ても切なく、見返したくなる『リズと青い鳥』の描かれ方 #リズと青い鳥

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出典 : (c)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 : 『リズと青い鳥』公式サイト

『リズと青い鳥』は原作・武田綾乃、京都アニメーション製作による劇場版アニメーション。

同原作・製作による吹奏楽部を舞台にしたアニメ『響け!ユーフォニアム(以下ユーフォ)』のスピンオフ作品で、スタッフは『ユーフォ』とは異なり、監督を山田尚子、脚本を吉田玲子、キャラクターデザインを西屋太志と、同じく京アニ作の劇場版映画『聲の形』のスタッフが手掛けています。
キャラクターの造形も明るく可愛らしい『ユーフォ』のイメージから一転、本作の雰囲気に合わせた繊細で大人びたデザインになっています。

触れたら壊れてしまいそうな繊細さがキャラクター・背景・演出・BGMに至るまで徹底されており、静かに流れる間、セリフに頼らない仕草や表情で表される感情は、まるで実写映画のようであり、映像ならではの魅せ方がふんだんに盛り込まれています。

二人のメインキャラクター「みぞれ」と「希美」の想いのすれちがい、感情を揺さぶる圧巻の演奏シーンなど、エンターテイメントとして非の打ちどころがない本作。
鑑賞後は心地良い余韻をもたらしてくれますが、考察したくなる要素も多くあります。
今回はそんな『リズと青い鳥』の魅力について!

ストーリーについて
『響け!ユーフォニアム』との関連性は?

出典 : (c)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 : TVアニメ『響け!ユーフォニアム』公式サイト

『リズと青い鳥』は前述の通り『ユーフォ』のスピンオフ作品で、時系列的には、『ユーフォ』2期(『響け!ユーフォニアム2』)終了後、『ユーフォ』主人公の黄前久美子(おうまえ くみこ)たちが2年生に進級してからのお話です。
物語は、久美子たちの先輩、オーボエパートの3年生「鎧塚みぞれ(よろいづか みぞれ)」とフルートパートの3年生「傘木希美(かさき のぞみ)」、この二人を中心に進みます。

『ユーフォ』が吹奏楽自体をメインに据えた「スポ根」なのに対して『リズと青い鳥』では吹奏楽部を舞台にしてはいますが、「みぞれ」と「希美」、友達同士でありながらもすれちがう二人の「友達としての関係」が物語のテーマとなっています。

あらすじ

夏のコンクール前に練習に励む北宇治高校吹奏楽部。自由曲に選ばれたのは童話を元に作曲された「リズと青い鳥」。
いずれ来る高校生最後のコンクール、そして卒業を前に、みぞれと希美、二人の”友達”としての関係はどこか噛み合っていないようで。
童話の中の「リズ」と「青い鳥」に互いを投影しながら、交わるようで交わらない二人の時は流れていく。

作中作「リズと青い鳥」について

出典 : (c)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 : 『リズと青い鳥』公式サイト

作品タイトルにもなっている「リズと青い鳥」は本作内に登場する童話、及びそれを元に作曲された楽曲。

ずっとひとりぼっちで暮らしていた少女リズの元にある日青い服の少女がやってくる。
二人はすぐに仲良くなるものの、一緒に暮らす中でリズは少女の正体が青い小鳥であることに気づく。
二人で暮らしていたいという気持ちを共有していたものの、もっと自由な世界へ羽ばたいていける少女のことを思い、愛ゆえにリズは別れを告げる。

といった内容の童話です。
みぞれと希美の二人は、リズをみぞれ、青い少女を希美に重ねていて、現実のパートと童話のパートが交差しながら物語は進んでいきます。

メインキャラクター「みぞれ」と「希美」
鎧塚みぞれ

出典 : (c)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 : 『リズと青い鳥』公式サイト

オーボエパートの3年生。非常に物静かで言葉数も少なく、少しミステリアスな少女。

希美とは中学時代からの仲で、友達がおらずひとりぼっちだったみぞれを吹奏楽の世界に引き込んだのが希美。
それからはみぞれにとっての希美は世界の全てと言っても過言ではなく、みぞれは何事も希美を中心に考えるようになった。

楽器の演奏に関しては卓越した技術を持っていて、顧問やトレーナーの先生かも注目されている。
高校1年の時に部の体制を受け入れられなかった希美がみぞれに何も告げずに退部したことを機に演奏が淡泊なものになってしまっていたが、希美と和解したことによりかつての感情的な表現が蘇った。

傘木希美

出典 : (c)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 : 『リズと青い鳥』公式サイト

フルートパートの3年生。みぞれとは打って変わって明るく社交的な性格で友人も多い。
みぞれを希美のことを特別な存在と捉えているものの、希美にとってのみぞれはあくまで、大勢の友人の中の一人といった具合にも感じられる。

演奏の技術に関しては確かなものがあり、その吹奏楽への真摯な思いから1年生の時に当時の3年生と衝突し一度部を退部している。
2年生になり、部の体制が一新されたことを知り、復帰を決意するもののみぞれとのすれ違いから騒動となるが、紆余曲折経て最終的にはかつての関係性を取り戻した。

前作『ユーフォ』を見る必要はある?

同じ世界観を共有していて、
時系列的にも『ユーフォ1期』→『ユーフォ2期』→『リズと青い鳥』の順番になっていますが、
本作はあくまでみぞれと希美の二人に焦点を当てているため、『ユーフォ』の視聴がマスト、というわけではありません

ですが、北宇治高校吹奏楽部という組織がどういった経緯の持っているのか、登場人物たちの関係性がどのようになっているかといったバックボーンが気になる方はチェックしてから視聴することをオススメします。
特に、希美の部への復帰を巡っての騒動を取り扱った2期の1~4話については、
見ていると見ていないで『リズと青い鳥』での感情移入に差が出てきますので、こちらだけでも先に視聴するのがオススメです。

ちなみに、「響け!ユーフォニアム」の映像化作品ですが、
TVシリーズ第1作『響け!ユーフォニアム』とその総集編『劇場版 響け! ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~』にはみぞれと希美の出番はほぼありません
二人の出番はTVシリーズ第2作からとなりますので、要所だけ見たいという方は前述の通り、2期の1~4話を見てください。
(4話で騒動は収束しますが、5話まで見るとみぞれの最高の表情が見れます…!
また2期には総集編『劇場版 響け! ユーフォニアム ~届けたいメロディ~』も存在しますが、こちらは久美子とその直属の先輩・田中あすかの関係に絞られているので、みぞれと希美のストーリーはほぼカットされています。

『リズと青い鳥』の見所!
その1 言葉ではなく、表情や仕草で語る!

出典 : (c)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 : 『リズと青い鳥』公式サイト

『リズと青い鳥』では言葉を使った解説、というものは少なく、モノローグを使うこともありません。
よく映像作品でよくある露骨な「説明セリフありがとうございます!」といった演出とは無縁で、ただそれでも作品として説明不足、ということには全くなっていません。

ではどのように情報を伝えているかというと、表情や仕草です。

『リズと青い鳥』の登場人物たちは、嬉しければ嬉しい顔をし、悲しければ悲しい顔をする。瞳も感情に合わせて揺れ動く。また、言いよどむようなことがあれば、実際に言いよどむのです。

会話をしていてもただ会話をするだけではなく、足を遊ばせていたり、髪の毛を触っていたり、何かを感じている、という信号を視覚的に発信しているのです。
こういった表情や仕草が登場人物たちの特徴や感情をしっかりと語っている、というわけです。

特に印象的なのが、物語の最初、みぞれと希美が音楽室へ向かうシーン。

ほとんど会話はなく、二人がただ音楽室へ向かって歩いていく、という場面なのですが、ただそれだけの動きにさえ、二人がどんな人物なのか、ということが表れています。

例えば上履きの出し方

希美は下駄箱から取り出した上履きを投げ出すように乱雑に床に置くのに対し、みぞれは揃えた状態で床に丁寧に置く

歩き方にもはっきりとした違いがあり、希美はきびきびとした躍動感のある歩き方で、時折振り返ることはあるものの、どんどんと先へ先へと進んでいく。
それに対し、みぞれはやや前傾姿勢でとぼとぼと歩く。ただそれでも視線だけはずっと希美を追い続けている。
(余談だがこの歩き方が相当に芋っぽい。二人の歩き方のギャップというところも素晴らしいですが、このみぞれの歩き方だけでも一見の価値アリです…!)

ただ二人が歩くだけのシーンなのに、二人がどんな性格なのか、またどのような関係なのか、というのが如実表れているシーンです。

その2 誰に感情移入するかで大きく変わるストーリー

この物語を通して、誰に感情移入するか、という話題がありますが、
公式Twitterでの公式アンケートで最も多かったのが「壁とか机とか」
ほぼ半数を獲得し、あくまで傍観者として二人の関係を見守った、という方が多かったようです。

キャラクターに絞ればみぞれと希美は2:1くらいで、みぞれに感情移入したという人の方が多かったようです。
確かにみぞれのように「大好きな人から同じように大好きと思ってもらえない」という気持ちは、人を好きになった人であれば誰しもが感じたことのあるものだと思います。
「何故そこまで希美にこだわるのか?」というところまでは感情移入できないかもしれませんが、「大事な人から大事に思われたい」という気持ちは理解しやすいもの。
また、みぞれを主眼に物語を見ると、多くの物語同様”自立”がテーマとして受け取ることができます。

一方希美に関しては明るいキャラクターながらも、腹の中で何を考えているのかわからない節もあり、やや感情移入しづらいキャラクターではありますが、彼女を軸に物語を見直すと全く違う印象を感じ取れるところがこの作品の凄みです。

特に、終盤の合奏シーンに関しては、視点を変えることで全く異なった感情が押し寄せ、ないまぜになる、感情が渦巻く圧巻のシーンになっています。まさに筆舌に尽くし難いシーンですので是非見ていただきたい…!

まとめ 作品を見終えて

『リズと青い鳥』は具体的な確かな何かを得る、というストーリーではないため、もしかすると物語としては不出来なのかもしれません。

山田監督自身、「途中から途中を描いたもの」「100人の方がご覧になったら、100通りの感想があるんじゃないかなぁ」と語ってるように受け取り手によって評価も様々でしょう。

ただ、描かれているモノは人と人が付き合っていく中で誰も感じ得るモノであり、そこから生きていく上で大切なモノが感じられるのは間違いないでしょう。

私自身、最初見終えての感想は「これはみぞれの成長譚。苦しかったものの前へ進み始めたというのは尊い」といったものでした。
登場人物や作品自体にエールを贈りたくなるような、逆にエールを贈られているような、そういった余韻がありました。

ですが、希美の側に立って物語を捉えると一体どのような景色が見えるのか、という疑問も湧いてきました。
この点についてはまた別の記事で考察したいと思います!

↓考察してみました!↓

【のぞみぞ】『リズと青い鳥』考察 果たして希美は本当にみぞれのことが好きなのか?! #リズと青い鳥

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予告PV
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