【小林さんちのメイドラゴン】3期の可能性を徹底検証! 2期の評価は? 京アニの現在は?


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アニメ2期も無事放送され、スピンオフ作品も多数連載が続く人気作『小林さんちのメイドラゴン』の3期は果たしてあるのか?
2期の評価やストックの有無、京都アニメーションの現状から、その可能性を徹底検証します!

大きな苦難を乗り越え2期放送(本当に大変だったと思います)

(画像引用 : 『小林さんちのメイドラゴンS』公式Twitter https://twitter.com/maidragon_anime

2021年7月7日。
たくさんの人達が星に願い事をするこの日、京都アニメーションおよび『小林さんちのメイドラゴン』のファンは一つの願いを叶えて貰いました。
アニメ2期『小林さんちのメイドラゴンS』第1話の放送です。

勿論それは、人気作の2期が放送されたというだけではありません。
この日を迎えるまでに、ファンやキャスト、原作者のクール教信者先生、そして何より京アニのスタッフの方々は本当に大変な思いをしてきた筈です。
3期の検証を行う前に、その足跡を振り返ります。

『小林さんちのメイドラゴン』は2013年、月刊アクションの創刊号で連載を開始します。
クール教信者先生は当時既に『旦那が何を言っているかわからない件』『小森さんは断れない!』といった作品を手掛けていましたが、まだそれらがアニメ化される前の時期。
その為、メイドラゴンは創刊号の表紙を飾る事はなく、数ある新連載の中の一つとしてスタートしました。

評判は上々で、ニコニコ静画でも配信され読者を順調に増やし、創刊4号目で早くも表紙に登場。
2014年5月に発売された1巻は早々に重版がかかり、月刊アクションの看板作品として定期的に表紙&巻頭カラーを飾る人気作となりました。

そして2016年4月、テレビアニメ化が発表されます。
当時はまだ伏せられていましたが、その半年後に制作は京都アニメーションが行うと判明。
『涼宮ハルヒの憂鬱』『CLANNAD』『けいおん!』『響け! ユーフォニアム』など数多くのヒット作を送り出した京アニが手掛けるとあって、メイドラゴンの知名度もこの報道以降、一気に上昇しました。

2017年冬に放送されたアニメ1期は、当時ほとんど手掛けなくなっていたコメディ路線の作風とあって「昔の京アニを思い出した」という声も多数あがり、好評を博します。
放送終了後も熱は冷めず、ニコニコ動画で第1話が150万再生を突破。
OP映像の再生数も伸び続け、2期を望む声が相次ぎました。

その声に製作委員会(ドラゴン生活向上委員会)および京アニが答えます。
2019年2月にテレビアニメ2期の制作が発表され、ファンは歓喜の渦に包まれました。

しかし2019年7月18日、京都アニメーション放火事件が発生。
この事件によって監督の武本康弘さん、美術監督の渡邊美希子さんらが犠牲になり、会社自体も深刻なダメージを受けてしまいました。

その為、ファンも2期を絶望視し、望む事すら躊躇してしまう状況でしたが……京アニは少しずつ、再起への道を歩み始めます。

そして2020年8月、『小林さんちのメイドラゴンS』の放送を翌2021年に行う事を発表。
武本監督の遺志を継いだ石原立也監督の指揮の下、無事世に送り出された第1話のOPクレジットには「シリーズ監督 武本康弘」と表記されました。

配信は好調!(円盤売上もまずまずです)


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『小林さんちのメイドラゴン』は、Blu-ray・DVD(円盤)が大いに売れた作品という訳ではありません。
ただ持続力は素晴らしく、1期が平均3600枚だったのに対し、2期は3400枚(S巻は除く)。
1期から4年半が経過にしたにもかかわらず、全くと言っていいほど落としていません

それに加え、2期は配信もかなり好調。
各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると、本作は2021年夏アニメ内で堂々のクール2位を記録。
日常系は配信で上位に来る事が比較的少ない事を考えると大健闘ですね。

1期の円盤売上は2期を作る上ではやや物足りない数字と思われましたが、無事2期が制作された今となっては、1期と同等の数字を残している時点で更なる続編に期待が持てます。
配信でも結果を出している事を考えると、3期の可能性は大いにあると言えるでしょう

また、アニメは原作の宣伝という意味合いも少なからずあります。
特にメイドラゴンの場合は、この点が非常に重要です。
何故なら、本編の連載に加えスピンオフ作品が多数あるからです。

メイドラゴンのスピンオフは、アニメ1期の時点ではカンナを主人公として才川ら友人達との日常を描いた4コマ漫画『小林さんちのメイドラゴン カンナの日常』だけでした。
その後、会社で働くエルマを主人公とした4コマ漫画『小林さんちのメイドラゴン エルマのOL日記』、ルコアと翔太のおねショタを描いた『小林さんちのメイドラゴン ルコアは僕の××です。』、ファフニールと滝谷のオタ生活を描いた『小林さんちのメイドラゴン お篭りぐらしのファフニール』が相次いでスタート。
2023年3月現在、これらの作品は一つも終わる事なく全て月刊アクションで連載中です。

よって月刊アクションでは本編を含む5作品のメイドラゴン関連作品が連載されている状況。
まさに月刊メイドラゴンといった雑誌になっています。
これらのスピンオフも売上好調で、シリーズ累計発行部数は350万部に到達しました。

・『小林さんちのメイドラゴン』シリーズ累計発行部数の推移

2016年12月 **48万部(本編⑤巻発売)
2017年03月 **70万部(本⑤、カンナ①。アニメ1期放送中)
2017年07月 *100万部(本⑥、カ②)
2018年03月 *120万部(本⑦、カ④)
2019年02月 *130万部(本⑧、カ⑥、エルマ②。アニメ2期決定)
2019年11月 *180万部(本⑨、カ⑥、エ②、ルコア①)
2020年08月 *200万部(本⑩、カ⑧、エ④、ル②)
2021年08月 *260万部(本⑪、カ⑨、エ⑤、ル③、ファフ①。アニメ2期放送中)
2022年03月 *300万部(本⑫、カ⑩、エ⑥、ル④、フ②)
2022年12月 *350万部(本⑬、カ⑪、エ⑥、ル④、フ②)

アニメ3期が放送されれば、この5作品全てに宣伝効果があります。
出版社である双葉社にとって大きなメリットであり、3期に対して前のめりになる理由は十分にあると言えるでしょう。

2期でもビリビリ動画で億超え達成!(海外人気も健在です)


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メイドラゴンの2期が実現した理由の一つに、海外人気の高さが挙げられます。
この作品は日本でも人気の高い作品として周知されていますが、国外での評価も高く、特に中国では絶大な人気を誇っています

中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」におけるアニメ1期の再生数は、脅威の3.4億再生
1クールのアニメの数字としては、日本の全アニメの中でもトップ5に入るくらいの数字です。

2期はさすがに1期ほどの勢いはありませんが、それでも1.2億再生を突破。
2021年放送のアニメとしてはトップクラスの再生数を記録しています。

この人気の理由は幾つかあると思われますが、有力なのはトールの角が中国の龍をモチーフとしたようなデザインである事、そしてカンナが銀髪寄りの紫の髪である事が挙げられます。
中国では銀髪のキャラが人気で、更にカンナは日本でも大人気のマスコット的可愛さを持つキャラ。
彼女達のキャラ人気が中国での高評価を支えていると思われます。

更に本作はアメリカでも高く評価されています。
アメリカのアニメ賞「クランチロール・アニメアワード」で最優秀コメディ作品賞と最優秀エンディング賞の2冠に輝いており、同じくアメリカのメディアが主催するアニメアワード「Anime Trending Awards」ではOPを担当したfhánaが「Anisong Artist of the Year」グループ部門を受賞しています。
アニメの内容だけでなくOP、EDともに海外での評価が高く、1期OP「青空のラプソディ」のMVは4900万再生、2期OP「愛のシュプリーム!」は1年で1600万再生を記録しています。

その人気の高さから、「青空のラプソディ」のスーパーちょろゴンず(メインキャラの声優陣)バージョンのMVまで制作されました。
こちらも約1000万再生を記録しています。

『小林さんちのメイドラゴン』主題歌MV一覧

・1期OP「青空のラプソディ」
https://www.youtube.com/watch?v=maKok2RItxM

・青空のラプソディ(スーパーちょろゴンず ver.)
https://www.youtube.com/watch?v=yrFYVd8BiL8

・2期OP「愛のシュプリーム!」
https://www.youtube.com/watch?v=XCs7FacjHQY

・2期ED「めいど・うぃず・どらごんず❤︎」
https://www.youtube.com/watch?v=J6_8EYrgk2Y

ストックは余裕!(4期までいけます)


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メイドラゴンのアニメは原作通りの進行ではなく、エピソードの順番を変えつつオリジナル要素を加えたり一部カットしたりと再構築した上で映像化しています。
その為、厳密には全てのエピソードを消化している訳ではありませんが、一応1期で1~4巻、2期で3~7巻まで消化しています。
大体1クールで3巻分くらいを消化していますね。

2023年3月現在、メイドラゴンは13巻まで発売されています。
ストック的には十分過ぎるほどあり、3期どころか4期まで制作する事も可能です。

なので原作サイドの方は全く問題ありませんが……やはり制作サイド、京アニの状況が問題です。
事件後の京アニはどのような体制、どのような規模でアニメ制作を行っているのでしょうか。

現在、京アニは本社・第2スタジオ、第5スタジオ、東京オフィスの4つを拠点として活動しています。
従業員の数は2023年3月時点で184名
最大手ほどではないものの、アニメ制作会社の中ではかなり大きな規模です。

その京アニが現在手掛けている作品は、2023年夏公開の『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~ 』および2024年放送予定の『響け!ユーフォニアム 久美子3年生編』のみ。
3月に『ツルネ』2期の放送が終わり、現状動いている事が好評されている作品はユーフォのみとなりました。
ユーフォの監督は石原さんなので、メイドラゴン3期を作る場合ユーフォと同時進行という事になりますが、複数の作品を同じ監督が同時期に手掛ける事は珍しくないので、問題はないでしょう。

事件後は1年に1~2作(テレビシリーズ+映画)のペースで活動している京アニですが、基本的には今後もこのペースのままだと思われます。
よって、2023年は既にツルネ2期とユーフォの映画で埋まっていて、2024年もユーフォでテレビシリーズが埋まっている事を考えると、メイドラゴン3期は早くても2025年という事になりそうです。

一方で、事件前から京アニは自前のコンテンツをメインにしていて、KAエスマ文庫で出版した作品のアニメ化を積極的に行ってます。
過去作で言えば『Free!』『中二病でも恋がしたい!』『境界の彼方』『無彩限のファントム・ワールド』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『ツルネ』が該当します。

この路線は今後も継続すると思われ、そうなるとKAエスマ文庫の作品のアニメ化企画が水面下で進行している可能性があります。
その場合は更にメイドラゴンが遅れる事も考えられます。

あとキャストの問題として、イルルを担当した嶺内ともみさんが2022年をもって声優業を引退なさっています。
そのため、今後は後任の方があらためて選出される事になるでしょう。

2023年は10周年! 映画の可能性も?(アニバーサリーのサプライズもありですかね)


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前述したように、テレビシリーズ3期となると例え実現するとしても大分先という予想になってしまいますが、映画化の場合は話が変わってきます。

京アニは昔から映画制作に力を入れていて、『涼宮ハルヒの消失』『映画けいおん!』は深夜アニメ発の映画としては当時最高の興行収入を記録していました。
以降もテレビシリーズで手掛けたアニメの多くを映画化していて、成功を収めています。
最も映画制作に長けたアニメスタジオの一つと言えるでしょう。

よってメイドラゴンについても、現状では3期よりも映画化の方が可能性が高いと言えそうです。
その判断に傾く理由が、他に二つあります。

一つは、7巻以降に映画化に相応しい長編エピソードがある事。
7巻終盤~8巻にかけて収録された「カンナと龍玉編」は本作初の長編で、終始シリアスな内容でスケールも大きく、映画化すれば間違いなく映える壮大なエピソードになっています。
ファンの間でも、この長編は映画になるんじゃないかという意見がかなり多いようです。

もう一つの理由は、2023年にメイドラゴンが10周年を迎える事。
映画という華やかな舞台はアニバーサリーを飾るにはこれ以上ないほど相応しく、映画化の発表で10周年を盛大に祝う事が考えられます。

メイドラゴンの公式アカウントは現在も稼働していて、2023年の元旦には『「小林さんちのメイドラゴン」シリーズを宜しくお願いいたします』というメッセージも投稿されました。
その事を考えると、今後大きなサプライズが待っていると期待してもバチは当たらないでしょう。

まとめ

当然3期がベストですけど、映画化も嬉しいですよね。
最高のシナリオは8巻の長編を映画でやって、9巻以降を3期というパターン。
『ゆるキャン』などもそうですが、最近は映画とテレビシリーズ続編を同時に発表する事も結構あるので、10周年のビッグサプライズに期待しましょう!

【僕の心のヤバイやつ】アニメ放送開始! 他のラブコメとは何が違う?【僕ヤバ】


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ネット上で絶大な支持を集め、多くのファンを魅了し続けている人気ラブコメ『僕の心のヤバイやつ』のアニメがついにスタート!
そんな僕ヤバがどうしてここまで愛されているのか、他のラブコメと何が違うのか、その魅力について徹底検証します!

誌上から配信サイトへの移籍で成功

(画像引用 : 『僕の心のヤバイやつ』公式Twitter https://twitter.com/boku__yaba

『僕の心のヤバイやつ』の連載がスタートしたのは2018年3月
週刊少年チャンピオンで10年以上連載され、アニメ化も果たしたドタバタコメディ『みつどもえ』の作者・桜井のりお先生の新作という事で、当初から注目を集めていました。

ただ、同時にかなり異色の新連載でもありました。

実はこの僕ヤバが連載を始める5ヶ月前に、桜井先生はチャンピオン誌上で『ロロッロ!』の連載を始めたばかり。
当然完結はしていない為、2作品同時連載という事になります。
週刊連載、それも連載開始から間もない段階で新たな新連載を始めるケースは稀で、桜井先生のファンからも驚きの声があがっていました。

また内容についても、どちらかと言えばみつどもえ路線の『ロロッロ!』とは大きく異なるリアル志向のラブコメディ
桜井先生の従来の作風とは全く違う内容とあって、戸惑うファンもいたようです。

そんな僕ヤバですが、最初は現在のマンガクロスではなくチャンピオンでの連載でした。
4話目まで掲載した後、配信サイトのチャンピオンクロス(その後「Champion タップ!」と統合してマンガクロスに改名)に移籍し、以降はWeb漫画として連載されています。

本誌から配信サイトへの移籍は「左遷」と取られる事が多く、実際そのようなケースもありますが、この作品の場合は事情が全く異なります。
既に『ロロッロ!』を連載している事を考えると、最初だけチャンピオンで顔見せし、以降は無理のないペースで更新できるWeb漫画でやっていくという予定が最初から組まれていたと思われます。

結果的に、この形をとったのは大成功でした。

僕ヤバは移籍後すぐに話題となり、更新の度に大きな反響を呼んでトレンド入りを果たす話題作になっていきます。
その後もネットならではのスピード感で一気に広まり、連載開始から僅か数ヶ月で「今一番キてる漫画」というポジションにまで上り詰めました。

翌2019年には「次にくるマンガ大賞2019」「このマンガがすごい!2020」にノミネートされ、それぞれ5位と3位に入賞(次にくるマンガ大賞2020では1位)。
コミックスも1巻発売直後に重版され、あっという間にヒット作の仲間入りを果たしました。

そして2022年8月、ファン待望のアニメ化が決定。
2023年4月より放送が開始されました。

・『僕の心のヤバイやつ』累計発行部数推移

2019年09月 *20万部(2巻発売)
2019年12月 *30万部
2020年06月 *50万部(3巻発売)
2020年07月 *70万部
2021年02月 100万部(4巻発売)
2021年07月 120万部(5巻発売)
2021年10月 165万部
2022年01月 200万部(6巻発売)
2022年08月 230万部(7巻発売、アニメ化決定)
2022年12月 260万部
2023年03月 300万部(8巻発売)

「ツイヤバ」に見るネットの上手な活用術

https://twitter.com/lovely_pig328/status/1434470439095390213

(画像引用 : 『桜井のりお』公式Twitter https://twitter.com/lovely_pig328)

僕ヤバのWeb連載が大成功だったと断言できる理由の一つに、「ツイヤバ」の存在が挙げられます。

ツイヤバとは、桜井先生が御自身のTwitterアカウント上で不定期にアップしている1~4ページの漫画です。
これが、ファンと僕ヤバを繋ぐ大きな役目を果たしています。

Web漫画に限らず、Twitterをやっている漫画家の皆さんが連載作品のイラストを描いてアップするのは決して珍しくありません。
しかし漫画形式は比較的珍しく、それを更新と更新の間にほぼ毎回挟む頻度となれば、かなり稀。
僕ヤバは『ロロッロ!』と掛持ち連載していた頃は基本隔週ながら1ヶ月くらい空く事も多かったので、ツイヤバで僕ヤバ成分を補充できたおかげでストレスなく更新を待てた……というファンも多数いたと思われます。

また、ツイヤバは単なる箸休めのショート漫画という訳ではありません。
詳しい説明はないものの、明らかに本編の山田と市川より距離が近く、まるで恋人のようなやり取りをする事もあります。
その為、ファンの間では「これは付き合った後の話なのでは?」「別の世界線の話かも?」と様々な考察がなされていました。

この「全てを語らずファンに考えさせる余地を残す」というスタイルは、本編でも様々な形で活用されています。
そういった点も踏まえ、僕ヤバの他のラブコメ作品と違う部分、独自の魅力について検証していきます。

「変化」が生じる発展的ラブコメ


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僕ヤバの連載が始まった2018年頃は、『からかい上手の高木さん』のヒットを受けて『イジらないで、長瀞さん』『宇崎ちゃんは遊びたい!』『阿波連さんははかれない』など主人公1人に対しヒロイン1人の「一対一ラブコメ」が急激に増えていた時期。
僕ヤバもその時流に乗った漫画の一つというのが、連載開始当初の評価でした。
実際、陰キャ主人公とリア充ヒロインという組み合わせは、一対一ラブコメにおける主流の構成と言えます。

しかし、徐々に他のラブコメとの違いが出て来ます。

一対一のラブコメは多くの場合、主人公の男子がヒロインに振り回される日常を描くという、『高木さん』のフォーマットを踏まえています。
『高木さん』における「からかい」の部分を、「煽り」「天然ボケ」「エロ」などそれぞれの作風に沿った形で表現するという手法でパターン化し、話を組み立てて行くような感じですね。
その為、話が大きく動く事は殆どなく、ラブコメと日常モノのミックスのような作品が大半になっています。

それに対し、僕ヤバはかなりしっかりと恋愛モノとして描かれています。

本作のテーマとして掲げられているのは「距離」「変化」「気付き」ですが、最初に表れるテーマは「距離」です。
というのも、主人公の市川とヒロインの山田は、最初の数話においてはクラスメイトではあっても僅かしか会話しない、限りなく他人に近い間柄なのです。
それどころか、一話目の時点で市川は山田に対し「僕が今最も殺したい女だ」とまで思っています。

これは憎しみの感情ではなく、彼の「リア充を殺したいほど妬んでいる陰キャの極み」というキャラクター性の描写であって、学校一の美女でモデルもやっている山田と極端なほど対照的に描かれています。
一話目の時点で既に好感度MAX、若しくは一話の間に話し込んで距離が一気に縮まる一対一ラブコメが多い中、僕ヤバは非常に遠い距離からスタートし、暫くそのまま進行していきます。

つまり、ラブコメにおいて最も需要のある「主人公とヒロインの掛け合い」を最小限に留めているのです。
これは非常に勇気の要る入り方で、一つ間違えばメインの二人が仲良くなる前に不人気で連載終了となりかねません。
それくらい思い切った設定です。

そんな大胆に攻める姿勢でスタートした僕ヤバは、その後も二人が一気に距離を縮める訳ではなく、少しずつお互いを認識し、小さい接点の中でどういう人間なのかをわかり合い、そして惹かれ合っていきます。
日常を描いてはいるものの停滞した日常ではなく、常に変化が生じているのです。
これが、他の一対一ラブコメと大きく異なる点であり、僕ヤバの魅力の一つと言えます。

「気付き」をテーマにした繊細な描写

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(画像引用 : 『桜井のりお』公式Twitter https://twitter.com/lovely_pig328)

「距離」「変化」以上に僕ヤバにおけるテーマ性の大きさを表しているのが、「気付き」です。
この作品は、非常に多くの「気付き」を仕掛けとして、そして作品の核として扱っています。

まず顕著なのがタイトルです。
本作のタイトル『僕の心のヤバイやつ』は桜井先生の一存でビシッと決まった訳ではなく、担当さんとの話し合いの中で決めていったそうです。
これが非常にギミックに富んだタイトルになっています。

前述したように、市川は当初山田を「殺したい」と思うほどヤバい奴として描かれています。
その為、一話を読んだ人の多くが「僕の心のヤバいやつ=市川の心の中にある猟奇的な衝動」と解釈した事でしょう。

しかし二話目の時点でそのような衝動はほぼなくなり、読者の中に「じゃあヤバいやつって一体何だ?」という疑問が芽生えていきます。
そして読み進めていく内に「僕の心のヤバいやつ=山田に対する恋なのか何なのかわからない感情」である事に気付くのです。

これ以外にも「表情」「視線の動き」「会話での間」など、様々な要素で各キャラの心情を伝えるような描き方がなされています。
基本コメディタッチの作風なので考察要素があるようには思えない作品ですが、実は非常に繊細な描写を行っていて、読み返す度に読者は新たな「気付き」を得る事が出来ます。

また、作中における各キャラの気付きも、この作品の特徴と言えます。

市川は自分の思いを他者に伝えるのが苦手ですが、些細な事に対して意味を見出す敏感な感性の持ち主
山田は逆で、感情を出す事に躊躇いはないけれど、ややガサツで距離感がカバカバ。
そんな二人がお互いの長所や、自分にない所、或いは誰も知らないような魅力に少しずつ気付いていくその積み重ねによって、想いを寄せ合っていくという構図になっています。

恋敵も「気付き」のきっかけ


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僕ヤバは市川と山田の恋愛を描いたラブコメディで、それ以外のカップルも一応登場しますが、その描写に関してはほとんど行われていません。
ただし、いわゆる「当て馬」的な存在はいます。
山田に対して好意を持つ男性陣です。

とはいえ、山田が彼等に対して心を動かされる事はありません。
こと恋愛に関しては、市川と山田のカップリングが絶対的なものとしてあり、不可侵領域になっています。

では、どうして当て馬となるようなキャラが描写されているのか。
それも偏に、市川と山田の「気付き」の為です。

お互いが好意を持っていても、それを伝える、或いは汲み取るのが苦手な二人ですから、中々恋人同士にはなれません。
しかも僕ヤバという作品は劇的なイベントがあって好きになるというドラマティックな展開はなく、逆に特に理由もないけど好きになるというご都合主義もない。
そういう心情の機微をリアルに描いたラブコメなので、当て馬の存在が自分の好意や相手の好意に気付くトリガーとして組み込まれています。

そういう意味では舞台装置としての役割が主な当て馬の男性陣ですが、彼等はそれだけのキャラではありません。
独自に魅力を持っていたり、市川にとって重要な人物であったり、僕ヤバという作品にとって必要な面々です。
実際、その中の一人は(ネタバレになるので名前は伏せますが)最大の見せ場の回でトレンド入りを果たしているほどです。

僕ヤバはあくまで恋愛がメインの作品ですが、登場するキャラクターそれぞれに強い人間性があり、その描写もこの作品の魅力の一つになっています。
そういう意味ではヒューマンドラマの要素も持っていると言えるかもしれません。

LOVE以外の関係性も大事に

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(画像引用 : 『僕の心のヤバイやつ』TVアニメ公式Twitter https://twitter.com/bokuyaba_anime)

恋愛だけでなく人間性を描いている僕ヤバは、それに関連して人間関係の変化も描いています。
特に、市川の交友関係に関しては、恋愛と同じくらい力を入れている印象です。

市川は元々ぼっちではなく、同じく厨二病ぽいセンスを持つ旧友が何人かいます。
ただ彼等とは学校が離れて疎遠になり、中学生になってからは完全に孤立状態で、担任からも心配されていました。

そんな市川が山田に恋した事で、彼自身「変わりたい」と思うようになります。
斜に構え、世の中の出来事やリア充、陽キャといった面々を捻くれた視点で見ていた彼ですが、人を好きになる事を知ってからは相手の気持ちを推し量ったり、思いを汲んで感謝をしたりする機会も増えてきました。
ウザ絡みしてくるクラスメイトに対しても、気を遣ってくれている面に気付いて友情を感じるなど、人間的な成長を随所で感じさせます

特に、山田の友人の一人、関根萌子との関係性の変化は見所の一つです。
関根のギャルっぽい見た目から、心の中で「ビッチ」呼ばわりしていた市川ですが、彼女の兄が『リゼロ』のレム推しだと知って親近感を抱いたのか、認識を改めます。

その関根、市川と山田の関係にいち早く気付き、さり気なくフォローしたり気遣ったりと、見た目や喋り方に反して実はとても優しい女子。
市川に対して偏見を持つ事なく接し、ピンチの時に助けたりもしてくれる存在で、市川もそれに気付き、心を開いて山田への思いを素直に吐露します。
お互い学業面では優秀という共通点もある為、進路の相談までし合う仲になりました。

こういった市川の恋愛面以外の「変化」も、この作品の特徴の一つ。
何より、それによって市川が魅力的な主人公となり、ファンからも「イッチ」の愛称で親しまれています。
ラブコメはどうしても主人公の人気がイマイチなケースが多いのですが、僕ヤバはそういった事はありません。

これも他のラブコメとは一味違った点であり、大きな特徴と言えるでしょう。

まとめ

いよいよアニメが始まりましたね!
二人を長年追いかけて来た事もあって、感慨深いです。

山田の声を担当する羊宮妃那さんは『着せ恋』の心寿や『それでも歩は寄せてくる』の桜子を演じた方で、今注目されている若手声優の一人です。
この作品は囁く場面が結構多いため、ウィスパーボイスが特徴的な羊宮さんの長所が遺憾なく発揮されていて、良い感じです!

原作の繊細な部分をどう演出してくれるのかも楽しみですね!

【異世界おじさん】2期の可能性を徹底検証! 度重なる延期も配信・海外で好調


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2度にわたる長期延期を経て、ついに無事完結した2022年夏アニメ『異世界おじさん』の2期が制作されるかどうかを徹底検証!
国内外における人気、実績、原作のストックの有無などから、続編の可能性を模索していきます!

人気ジャンルとなった「異世界モノ」を独自視点で描いたラブコメディ


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2022年夏に放送を開始し、2023年3月にようやく最終回を迎え無事に完走する事が出来た『異世界おじさん』。
2期の検証を行うにあたって、まずそのアニメ化までの道のりを振り返っていきます。

この作品は元々、作者の殆ど死んでいる先生が御自身のTwitterで公開していた漫画でした。
殆ど死んでいる先生は元々同人作家で、『シュタゲ』『ガルパン』『艦これ』など様々な作品の二次創作を行っていましたが、2017年にオリジナル作品として本作を投稿したところ、ネット上でたちまち話題になり、翌2018年にComicWalkerで商業連載をスタート。
2018年11月にコミックス第1巻が発売されると即座に重版がかかり、発売から2ヶ月足らずで累計発行部数が10万部を突破しました。

その後も勢いは衰えず、5巻発売時には100万部に到達。
あっという間にヒット作の仲間入りを果たし、連載開始から約3年が経った2021年6月にアニメ化の告知が行われました。

・『異世界おじさん』累計発行部数推移

2019年01月 010万部(1巻発売の2ヶ月後)
2019年04月 025万部(2巻発売)
2019年05月 035万部(2巻発売翌月)
2019年09月 040万部(3巻発売直前)
2019年10月 050万部(3巻発売)
2020年01月 065万部(3巻発売の2ヶ月後)
2020年04月 080万部(4巻発売)
2020年10月 100万部(5巻発売)
2021年06月 150万部(6巻発売、アニメ化決定)
2022年02月 180万部(7巻発売)
2022年06月 200万部(アニメ放送開始直前)
2022年08月 250万部(8巻発売、アニメ放送中)
2022年10月 300万部(アニメ放送中)
2023年03月 330万部(9巻発売、アニメ放送終了)

本作がここまでヒットした背景には、それぞれ受け皿の異なる三つの軸があった事が大きいと思われます。

一つ目の軸は「セガ推し」です。
本作の主人公であるおじさん(本名:嶋㟢陽介)は、当時のゲーム市場では比較的マイナーな部類だったセガサターンメガドライブといったセガのハードに情熱を注いでおり、作中ではセガ関連のゲームの話が次から次に出て来ます。
そんなおじさんのセガマニアぶりがネット上で大いに受け、同世代のセガファンを中心に、ゲーム好きな人達に共感を得ました。

二つ目の軸は「異世界もの」
ただし異世界を舞台とした従来の異世界ものではなく、異世界に転移して帰って来たおじさんの武勇伝を面白おかしく描くという、当時全盛を極めていた異世界モノのテンプレートを逆手に取ったような内容で、異世界ファンタジー好きに新たな切り口を提供しました。

そして三つ目の軸が「ラブコメ」
おじさんは異世界生活の間、エルフのスザイルギラーゼガルネルブゼギルレアグランゼルガ=エルガ(スイ)、氷の一族の末裔メイベル=レイベール、神聖勇者のアリシア=イーデルシアという三人の可愛い女性と縁ができ、彼女たちと様々な冒険やバトルを繰り広げます。
それぞれおじさんに好意を抱いている様子で、そんな彼女たちヒロイン勢と、恋愛に関しては鈍感を極めるおじさんとのやり取りは下手なラブコメよりラブコメしており、ラブコメ好きからも熱い視線を注がれるようになりました。

コメディとしての質も高く、幅広い層へ訴求力を発揮した事で『異世界おじさん』は一気に人気作へと上り詰めたのです。

放送直後は大反響も3度の放送延期……制作会社はどこ?


(画像引用 : Amazon)

原作人気の高さもあって、アニメ『異世界おじさん』の前評判は上々でした。
dアニメ調べ「今期何見る?2022夏アニメ人気投票」、gooランキング調べ「これは外せない!2022年夏スタートの深夜アニメランキング」でいずれも3位にランクインするなど、2022夏アニメの目玉の一つに数えられていました。

そして実際に放送が始まると、1話放送直後に「#異世界おじさん」がトレンド入りするなど、早々に話題沸騰。
セガサターン起動画面に始まり、『心霊呪殺師 太郎丸』『セイントソード』『ゴールデンアックス』『Digital Dance MIX Vol.1 安室奈美恵』などセガゲームのパロディをふんだんに取り入れたOPも話題になりました。

このまま人気アニメとして夏クールを引っ張っていく……と思われましたが、第4話が放送された2022年7月27日、コロナウイルス感染者急増によって5話以降の放送が延期されるというニュースが公式サイトでアナウンスされます。
とはいえ、この時は2週間の延期だったので、ファンの間でも「残念だけど仕方ない」くらいの空気でした。

が。

7話まで放送された後、再びコロナの影響で8話以降の放送が一時休止となる事を発表。
この際の延期は2ヶ月半にも及び、8話が放送されたのは秋クールも後半に突入した11月24日でした。

しかし悲劇はまだ終わりません。

まさか夏アニメを秋アニメと一緒に観終える事になるとは……などと思いながら最終回直前の12話を観ていたファンは、三度唖然とする事になります。
またしてもコロナの影響で放送・配信の延期を発表。
しかも放送日は「未定」とあって、残り1話で随分長い事おあずけを食う事態になってしまいました。

そして、12話の放送から2ヶ月半後の2023年3月8日。
2023年冬クールのアニメが終盤を迎える頃、ついに『異世界おじさん』は最終回を迎える事になりました。

結局、全13話の1クールアニメが実に3クールに跨がって放送されるという異常事態になりましたが……この事態を招いた要因は制作会社の規模にあります。

本作のアニメを制作したのはAtelier Pontdarc(アトリエポンダルク)という制作会社です。
聞覚えがある人は少ないかもしれません。

それもその筈、この会社は2020年7月に設立したばかりの新会社で、過去に元請けとなった作品はWebアニメの『がんばれ同期ちゃん』のみ。
つまり、テレビアニメは本作が初めてだったのです。

WHITE FOXでプロデューサーを務めた吉川綱樹さんが代表取締役を務めるこの会社は、公式HPの情報を見る限り従業員数4名の極めて小規模な会社です。
アニメーション制作は元請けの会社だけで行うのではなく、殆どの制作工程において外注する為、必ずしも従業員が多く所属している必要はありません。
ただ、外注先のスタッフが多数コロナに感染するなどのトラブルが起きた場合、自前のスタッフがいないと自分達でフォローする事も難しく、新たな人手を確保する為に相応の時間を要する事になります。

本作の場合、EDクレジットを見ると明らかですが、スタッフに外国人の名前が多数見受けられます。
それ自体は近年のアニメ制作において珍しい事ではありませんが、海外のスタッフがコロナでダウンした場合、そこから更に横の繋がりでフォローを頼むという事は中々難しいと思われ、日本の会社メインで作るよりもトラブル対応が困難なのは想像に難くありません。
それに加え、延期が長引くと放送枠の確保も難しくなります。

結果、これほど連続かつ長期的な延期が発生してしまったのでしょう。

度重なる延期による売上の影響は?


(画像引用 : Amazon)

三度もの延期によって、アニメ『異世界おじさん』は少なからず機会損失の影響を受けたと思われます。
特に大きいのは、2022年秋クールが話題作・人気作目白押しの激戦区だった事です。

このクールは『SPY×FAMILY』『チェンソーマン』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『ブルーロック』など前評判の高いアニメが多かった上、『ぼっち・ざ・ろっく!』が爆発的ヒットを記録。
それによって、夏クールで『異世界おじさん』を楽しんでいたアニメファンの内、何割かは別のアニメに目移りし、続きを観るのを辞めてしまった可能性があります。

実際、配信サイトにおける再生数を見ても延期の影響は明らかです。

・『異世界おじさん』各話のABEMA視聴数(2023年3月25日現在)

第01話 200万視聴(常時無料)
第02話 31.2万視聴
第03話 29.7万視聴
第04話 33.2万視聴
第05話 26.4万視聴(2週延期)
第06話 24.6万視聴
第07話 28.3万視聴
第08話 21.5万視聴(2ヶ月半延期)
第09話 19.5万視聴
第10話 17.3万視聴
第11話 17.5万視聴
第12話 19.5万視聴
第13話 09.7万視聴(2ヶ月半延期)

・『異世界おじさん』各話のニコニコ動画再生数(2023年3月25日現在)

第01話 92.0万再生(常時無料)
第02話 55.2万再生
第03話 53.5万再生
第04話 52.4万再生
第05話 46.6万再生(2週延期)
第06話 43.3万再生
第07話 40.3万再生
第08話 32.9万再生(2ヶ月半延期)
第09話 30.1万再生
第10話 31.8万再生
第11話 29.8万再生
第12話 32.2万再生
第13話 22.9万再生(2ヶ月半延期)

一方、Blu-ray・DVD(円盤)セールスについては、2022年9月に発売された1巻の初動(初週売上)が1600枚だったのに対し、延期の影響で2023年1月発売となった2巻は約2000枚を記録。
こちらは延期の影響をあまり受けていないように見えます。

とはいえ、延期がなければ1巻発売時には最終話まで放送されていた筈で、その場合はもっと1巻に予約が入っていたと考えられます。

2期の可能性は?


(画像引用 : Amazon)

前述したように、『異世界おじさん』の円盤売上は2000枚前後で、この数字だけを見ると2期は難しそうに見えます。
しかし近年は円盤セールスが低くても配信で好調、或いは海外で人気の作品はどんどん2期が作られているので、円盤の売上が絶対的な指標にはなっていません。
特に、なろう系に代表される異世界モノについては、円盤売上がそこそこでも配信が好調で2期に繋がっているケースが多数あります。

『異世界おじさん』も、このルートを辿れる可能性はあります。

各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると、本作は2022夏クール内で7話までしか配信されなかったにも拘わらず、同クールの上位にランクイン。
GEM Partnersによる「2022年の年間配信サービス視聴者数ランキング」においても、7月は全体の9位、8月は14位、9月は11位、12月は15位にランクインしています。

トータルでは夏クールアニメの中でもトップクラスの配信成績と言えるでしょう。
制作の遅延がなければ、更に好調だったのは間違いありません。

また、本作は中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」でもかなり好評で、8880万再生を記録(2023年3月25日現在)。
これは、2期が制作された、或いは制作が決まっている『スライム倒して300年』『聖女の魔力は万能です』『精霊幻想記』『月が導く異世界道中』『進化の実』『最果てのパラディン』などと比べても全く遜色ない数字です。

よって、2期の可能性は十分にあると言えますが……問題はストックです

アニメ1期では原作7巻の1話目まで消化しました。
そして原作は2023年3月現在、9巻が発売されたばかり。
はっきり言ってストックは全く足りていません

では、最短でストックが溜まるのはどれくらいかを検証していきます。

まず前提として、1期はキリの良い神化魔炎竜戦で終わらせたかったのか、全13話と多めの話数で構成していました。
2期は全10~12話で制作すると想定した場合、11巻まで行けば2期が作れるギリギリのラインに到達すると考えて良いでしょう。

『異世界おじさん』の単行本は半年に1冊のペースで発売しています。
よって、11巻が出るのは2024年春頃と予想されます。
2期の制作が行われる場合、この頃に発表が行われる事になりそうです。

ただ、もう一つ懸念材料があります。
前述したように1期では3度も延期している為、Atelier Pontdarcが再び制作を行う事が出来るかというと……少々厳しいかもしれません。
もし別の制作会社が作るとなれば、また一から選定しなければならず、スケジュール調整や内容の擦り合わせなど様々な事に時間を割く必要が出てくる為、放送までにかかる時間はより長くなってしまうでしょう。

まとめ

度重なる延期は残念でしたが、アニメ自体はとても良い出来で、映像化が難しいと言われた『異世界おじさん』を素晴らしいアニメにしてくれました。
このクオリティでしっかり1クール内に納めて作ってくれるなら、ぜひ同じ制作陣で2期を制作して欲しいです!

【スラムダンク】山王の敗因を徹底検証! 本当に戦犯は堂本監督なのか?


(画像引用 : Amazon)

劇場版アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』の興行収入が120億円を突破し、コミックスもリバイバルヒット中の『スラムダンク』。
その映画でも描かれた山王戦における山王の選手の貢献度を分析。一体誰が真の戦犯だったのかを徹底検証します!

映画で見えたキャプテン深津の貢献


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

山王戦において、監督以外で最も低い評価なのは概ね彼でしょう。
戦略の中心、ポイントガードにしてキャプテンの深津一成
彼を戦犯、もしくは期待外れとする評価は非常に多く見かけます。

その最大の要因は、前年のインターハイ準決勝で牧紳一を抑えている映像が描かれたからでしょう。

試合も最終的には30点差で山王が海南に勝利。
これによって、深津は牧を圧倒したという印象をどうしても受けてしまいます。
そうなると、その海南に敗北し牧に4人もマークを付けなければならなかった湘北では手が付けられない怪物……という先入観を持たざるを得ません。

しかし湘北との試合において、深津が牧のような存在感を示す事は最後までありませんでした。
その為、どうしても「深津は思ったほどじゃなかった」「大した事なかった」という感想が多くなり、あまり凄さを感じないプレイヤーという印象が根強く残ってしまいました。

そんな深津評ですが、『THE FIRST SLAM DUNK』を観た後で印象を変えた人は少なからずいるようです。
勿論、映画と原作で試合内容が変わっている訳ではありません。
変わったのは、深津がどういうプレイヤーでチームに何をもたらしているのかを明確にした点です。

山王戦をあらためて見るまでもなく、深津は得点シーンが非常に少ないです。

試合開始直後、桜木のアリウープが奇跡的に決まって沸き立つ湘北をすぐに現実へ引き戻す、クールに「同じ2点だピョン」と言い放ったジャンプシュート。
後半、赤木が開き直り三井がそれに呼応して決めた3Pの直後、再び20点差に戻した3Pシュート。
この5点だけしか描かれていません。

試合前、宮城と12cmの身長差がある事から、そのミスマッチを利用し点を取るよう堂本監督に言われた事を考えると、かなり物足りない数字です。
同じPGで1年前に圧倒した(と思われる)牧がガンガン点を取るタイプだった為、「本当に牧より上なのか?」という声が挙がるのは当然でしょう。

ただ、それはあくまで事前の決め事。
序盤、深津が再びジャンプシュートに行こうとした際、赤木がその狙いに気付きいち早くブロックに行きました。
しかし深津は狙いが読まれている事を察知し、咄嗟に河田へパスを出し得点をアシストしています。

このプレイ以降、深津は自分から点を取りに行く事を控えています。
相手の対応を見た上で、戦術プランを変更したと考えるのが妥当です。
その後、河田弟が入った事で彼と桜木の間により大きなミスマッチ(20cm以上)が発生した事で、堂本監督の意図を汲み、こちらを使うという作戦にシフトしたと思われます。

この件だけでなく、終盤の最も重要な局面でも堂本監督は深津にゲームメイクを託しています。
つまり深津は山王のコート上の監督を担っているのです。
チームが迷っている際にはメンバーを集めて指示を出し、個別に話したり、時に鼓舞するなど、キャプテン兼コート内監督という非常に大きな役割を二つこなしていました。

映画ではこの点を原作よりも強調していました。
更に、彼の特徴であるパスに関しても、映像化した事でその凄さがわかりやすくなりました。
その為、映画を観た人は「深津はこういう選手だったのか」と理解できた筈です。

これらを考えると、深津を戦犯とする事は出来ません。
マークしている宮城も、得点はインテンション(アンスポーツマンライクファウル)の時のフリースロー2点のみ。
そのインテンションのインパクトがあまりに強いため、やらかした感が強く戦犯扱いされる事もありますが、他の選手もそこそこやらかしている場面はあるので、相対的に見て致命的とまでは言えないでしょう。

三井を止めた一之倉、止められなかった松本


(画像引用 : Amazon)

山王戦において湘北で最も得点を取ったのは三井寿(25点以上)でした。
その内の9点は前半の序盤、一之倉がマークに付いている際の3連続3P。
ただ、これは三井がキレキレだった事、そもそも身長差がある事を考えると致し方なく、その後抑えている事を考慮すれば十分監督の意図通りの働きが出来たと言えます。

一方、後半から登場した松本はどうでしょう。
バテた三井を抜き去りゴールを決めるシーンこそ描かれていますが、取った点数はたった5ポイント。
逆に三井からは後半だけで16点(内3Pが5本)を献上しており、1人で11点ものビハインドを作ってしまいました。

コート内における戦犯がいるとすれば、恐らくは彼が筆頭です。

最大の問題点は、バテているという理由だけで三井のマークが甘くなっている事。
彼がこの日絶好調なのは前半を見れば明らかで、幾ら疲れていると言っても、せめて2発目を入れられた時点で守備に専念し、極力打たせないようなマークをするべきでした。
海南の清田が後半、流川相手にそうしたように。

松本はオフェンス力に長けた選手ですが、それでもディフェンスに集中すれば、あれだけポンポン3Pを打たせるような事にはならなかったでしょう。
それを出来なかったのは大きなミスと言えます。
オフェンス面では他に点を取れる選手がいる訳ですから、それ以外の役割にもっと目を向けるべきでした。

チーム最多得点も偏りが目立つエース沢北


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

山王のエースとして、その凄味をこれでもかと描かれた沢北。
実際、彼が取った点数は26ポイントで、これは両チーム合わせて最多得点
前半の早い段階で引っ込んだ事を考えると、驚異的な数字です。

後半の彼は圧巻でした。
湘北が勢い付き、一時は24点あった差が8点まで縮まったところで急に牙を剥き、一気に11連続得点。
しかもその間、流川を4回止めており、「4点分の働き(by天才桜木)」を4度もやっています。

当然、戦犯である筈もないのですが……作中でも触れられているように、彼のプレイにはかなりムラがあります。
圧倒的な活躍を見せたのはこの時だけで、前半の見せ場は一度流川を抜いた時に大物の片鱗を見せた場面くらい。
その後は冴えないプレイを連発し、途中交代となってしまいました。

もし沢北が前半から本来の力を発揮できていれば、スタミナに不安のある流川は後半までもたなかったでしょう。
海南戦を事前に見ているので、それは間違いなく狙えたはず。
しかし、高校No.1プレイヤーのプライドもあって、流川の体力を削るという選択肢は本人にもチームにもありませんでした。

その点は、ナメていた……とまでは言えないものの、勝つ為のプレイには徹しきれなかったと言えるかもしれません。

とはいえ、これだけのオフェンス力に加え、深津と共にフルコートプレスの中核を担う役割まで担っている事を考えると、その貢献度はやはり絶大です。

流れを変えてしまったポール野辺&河田弟


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

桜木をマークしていた野辺は、高さを買われてレギュラーポジションの座を射止めました。
そのストロングポイントを活かし、前半は桜木に殆どリバウンドを取らせていません。
得点こそたったの2点ですが、元々彼は点を取る事が仕事ではないので、十分に自分の仕事を果たしていたと言えます。

しかし、それはそれとして、何気に戦犯ポイントが高いのも事実です。
というのも、不慮の事故とはいえ彼が前半に流川のダンクを止めようとして負傷してしまった事が、山王敗北の遠因になってしまったからです。

もし野辺が負傷していなければ、前半から河田弟が出る事はなかったでしょう。
後半、完全に決着が付いた段階で投入する事が出来た筈です。

また後半、桜木から二度リバウンドを奪われた時点で交代してしまった彼ですが、その後一度もコートに戻る事はありませんでした。
これは前半の負傷が原因と思われます。
もし終盤戦に彼がコート上にいれば、最重要局面で河田弟を出すという堂本監督の迷采配もなかったと推察されます。

なので、彼自身が悪いという訳ではありませんが、彼の負傷はチームにとって非常に痛手でした。

河田弟に関しては、桜木や赤木にやられている場面が目立つ一方、まだ素人に毛が生えた程度の技術しかない事を考えると責められません。
これは完全に起用した人物の責任であり、河田弟を戦犯とする事は出来ません。

最後まで無敵感があったセンター河田


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

河田に関しては、戦犯扱いする人など誰一人としていないでしょうから、この話題において語る事は殆どありません。
圧倒的フィジカルのセンターでありながら3Pも打てるという、90年代のキャラにして現代のNBAの選手のようなプレイスタイルで、作中トップクラスのセンターだった赤木を終始圧倒。
作中での点数こそ15ポイントですが、悉く赤木を止め、桜木からリバウンドを奪い、桜木のポテンシャルを誰よりも評価するという強キャラ感満載のムーブで、ファンに最強プレイヤーの印象を強く与えました。

あえてケチを付けるなら、沢北同様にスロースターターだった事でしょうか。

沢北とは違い、特に集中力を欠いたりミスしたりした訳ではありませんが、弟がコートに入った直後、彼にばかり構う河田に赤木が苛立ったシーンがありました。
その際のやり取りで、河田は赤木との実力の差をしっかり認識している事がわかります。
ですが、前半は赤木を圧倒するようなプレイは最後までしなかったらしく、赤木を大きく消耗させる事なく2点差で負けた状態で後半を迎える事になりました。

もし彼が前半から全力だったら赤木の消耗はより激しくなり、魚住が駆けつける前に心が完全に折れるか、やぶれかぶれのプレイが重なりファウルが嵩んでいたかもしれません。
手心を加えた訳ではないでしょうが、強者の余裕から来るプレイによって、赤木が復活する隙を与えてしまったような印象はあります。

もっとも、これは難癖のようなもの。
王者・山王を印象付けるような絶望感を赤木と読者・視聴者に与えた河田のプレイは、戦犯とは程遠いものです。

無能の烙印を押されている堂本監督


(画像引用 : Amazon)

「山王の敗因は?」「山王戦の戦犯は?」という問いに対し、最も多くの票を集めるのは堂本監督で間違いないでしょう。

前述したように、桜木以下の技術しかない河田弟を全国大会の初戦にコートに入れるだけでも問題ですが、何をトチ狂ったのか接戦となった終盤に送り出すという暴挙に出たのはフォローのしようもありません。
最強・山王の二番手センターならば赤木以上でなくてもそれに近い実力の選手はいた筈で、その選手を入れれば少なくとも河田弟よりはチームに貢献できた筈です。
また、三井へのマークを松本に徹底させなかった事も、彼が戦犯と言われる理由の一つになっています。

では、彼が怠慢な監督だったかというと、そういう訳でもありません。

事前に湘北レギュラー陣全員の映像を用意し、特徴を把握させた上でOBを集めて調整試合を行わせる徹底ぶり。
スタミナに不安のある三井に一之倉を付け体力を奪う事に成功し、後半の頭にフルコートプレスを仕掛け湘北を圧倒。
点差が開いても緩める事なく、最大で24点もの差を付けました。

普通ならば、これだけ点差が付けばレギュラーと控えを替えてもおかしくありません。
しかしそのままのメンバーで戦う事を選択しました。
これは客観的に見て、過剰なくらい初戦を大事にしている表れと言えます。

その事を考えると、終盤にあえて河田弟を入れたのは、一度試合に入っているプレイヤーを重視したのかもしれません。
あのヒリつくような場面でこの日初めてコートに入る選手を入れてしまうと、試合に上手く入れずミスを犯し、チームに動揺をもたらす可能性はあります。
その点、河田弟であればミスして当たり前くらいの感覚なので、そのリスクはありません。

湘北を強敵、それも不気味な相手だと感じたからこそ、自分達から崩れてしまうリスクを恐れた……という見方も、一応できなくはありません。

といっても、スタメンを変えるほど警戒していた三井の3Pを「それに縛られてくれるなら楽」と軽視したり、桜木のリバウンドが流れを変えていると判断して河田をマークに付けたのに同じく流れを変えた三井の3Pには無頓着だったり、誰がどう見てもアップアップな河田弟を結局最後まで起用し続けたり、後半10~13分の得点が止まっている状況でタイムアウトを取らなかったりと、ツッコミ所が多過ぎるのは事実。
全くの無能とまでは言えませんが、「最大の戦犯は誰か」という問いに対しては、この堂本監督を置いて他にいないでしょう。

まとめ

どうにか堂本監督以外の戦犯を探して、一般論以外の結論を導き出してやろうと頑張ってみましたが、ダメでした。
準備は徹底的にさせるくらい用心深いのに、ゲームに入ると途端にピントがズレてしまうというか……最後まで攻め抜く自分達のスタイルを貫かせるというのであれば、最初から松本起用で点の取り合いをするべきですし、なんかチグハグですよね。
あらためて海南戦を読み直すと、終盤に牧が「完全にバテてるがそれでも三井の3Pは気をつけとけよ」と言っていて、多分牧の方が監督に向いてるんじゃないかと思いました。

『かぐや様は告らせたい』全巻レビュー!本当に文化祭以降は失速したのか?


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2022年に全28巻、全281話でついに完結を迎えた『かぐや様は告らせたい』の全巻レビュー!
「文化祭以降失速した」と言われ続けている本作ですが、果たして本当にそうなのかを徹底検証します!

まだみんな初々しい1巻


(画像引用 : Amazon)

記念すべき第1巻はミラクルジャンプで連載されていた期間のエピソード、第1話~第10話を収録。
以降の単行本も、唯一の例外となる9巻を除いて全て10話分の収録となっています。
一部で「怖い」と噂された表紙もインパクト大でした。

この時点で既に「高度な心理戦に見せかけて各キャラのポンコツな部分を描きコメディに昇華していく」というフォーマットは完成しています。
一方でまだ各キャラ初々しく、特に藤原書記は天然系ジョーカーとして描かれていて、後期の面影は見えません。

まだ1巻とあって特別強いエピソードはありませんが、既にかぐやと白銀会長のキャラは出来上がっていて、特にかぐやの腹黒感が早々に出ている第5話「かぐや様はいただきたい」は印象深いです。
この回を機に、各キャラが一気に動き始めた感があります。
アニメで栄えある第1話のエピソードに抜擢されたのも納得です。

尚、ババ抜き回の第2話「ババ抜きをさせたい」、映画回の第3話「かぐや様はよく知らない」、ナゾ解き回の第4話「白銀御行は答えたい」、会長に悪戯する第10話はアニメではカットされてしまいました。
第2話はSpotify限定のオーディオドラマ、第3話はBlu-ray・DVD(円盤)1期4巻特典のドラマCDで音声化はされています。

ヤンジャンデビューの2巻


(画像引用 : Amazon)

掲載誌をミラクルジャンプから週刊ヤングジャンプに移し、仕切り直してリスタート。
ヤンジャン誌上では第11話「かぐや様は交換したい」を第1話としてカウントしていました。

月刊連載から週刊連載になったものの、ネタが尽きるどころかギャグは更に冴えてきて、将来ヤンジャンの看板になるだけのポテンシャルをこの時点で既に発揮しています。
この巻のハイライトは第18話「生徒会は言わせたい」で、ネットでバズった藤原書記の「ドーンだYO!!」が登場したのもこの回。
ただしアニメでは謎の逆作画崩壊を起こし、ちょっと物足りないものになっていました。

ジョーカーとしての藤原書記はこの頃が全盛期で、以降どんどんポンコツマスコットキャラの道を突き進んでいきます。

尚、間接キス回の第13話「かぐや様は口付けたい」、G回の第15話「白銀御行は逃げ出したい」はアニメではカットされてしまいました。
ただしG回はアニメ3話の特殊EDで少し拾っています。

特訓回&石上登場の3巻


(画像引用 : Amazon)

ヤンジャンでの連載も軌道に乗り、いよいよ本格的に人気ラブコメとして認知され始めた時期。
早坂の多面性を表現した表紙も好評でした。

この回のトピックはなんといっても石上の登場。
正論の刃でぶった切る彼がレギュラーメンバーに加わった事で、一気にコメディとしての幅が広がり、完成度が高まったように感じられます。
実際「石上が入ってから『かぐや様』は面白くなった」という意見は非常に良く聞きます。

その石上が初めて真価を発揮した第28話「かぐや様は入れたい」は初期の名物回の一つ。
本人達が不在だと思ってかぐや、藤原書記の胸をイジりまくる石上に白銀会長が「ブレーキ踏め石上」とツッコむシーンは、この作品を象徴する一幕とさえ言えます。

また、この巻ではのちに名物シリーズとなる特訓回もスタート。
第23話「白銀御行は見せつけたい」は白銀会長、藤原書記の新たな一面を見せる事に成功し、それによって本作の面白さも飛躍的に上昇しました。

尚、少女漫画回の第22話「藤原千花は食べられたい」はアニメではカットされてしまいました。
このエピソードは円盤1期4巻特典のドラマCDで音声化はされています。

いよいよノって来た4巻


(画像引用 : Amazon)

石上が本格的にレギュラー化し、白銀会長の妹・圭が登場して一気に賑やかになったのがこの頃。
早くも2度目の特訓回となった第33話「白銀御行は歌いたい」における『ソ(レ)』、第35話「藤原書記は見舞いたい」のトランプでズルした藤原書記を全力で罵る石上、第38話「かぐや様は許したい」で白銀&石上とかぐや&渚の会話をリンクさせた挙げ句の「うるせぇバーカ!!」など、秀逸なネタやエピソードが続々と登場します。
この頃から一気に「この作品、もしかしてアニメ化まで行くんじゃないか?」と思う読者が増えて来たんじゃないでしょうか。

尚、恋の駆け引き回の第32話「かぐや様は嫌われたい」はアニメではカットされてしまいました。
Spotify限定のオーディオドラマで音声化はされています。

神回と名高い「花火の音は聞こえない」収録の5巻


(画像引用 : Amazon)

4巻で大きく上がったハードルを易々飛び越えてきたのがこの5巻。
この巻は何と言っても「花火の音は聞こえない」に尽きます。

これまでも何度か「良い話」や「真面目な話」といった回はありましたが、この前後編にわたるエピソードはこれまでとは明らかに違う雰囲気で進行します。
四宮家の令嬢ゆえに花火大会すら自由に参加できない立場のかぐや、そんな彼女を白馬の王子様のように助けに向かう白銀というヒロイックかつ青春ストーリーを、完璧な演出とタイトルの妙で鮮やかに彩り、たった2話で綺麗に纏め、最高のストーリーを紡ぎました。

この回はファンから「神回」と言われるほど絶大な人気を誇り、本作の人気を一気に引き上げました(それだけにパロディBGMを使ったり重要なセリフをカットしたりしたアニメの演出にはちょっと不満も……赤坂先生はあのBGMお気に入りだったようですが)。

尚、選択授業回の第47話「かぐや様は選ばせたい」、特訓回調理実習編の第49話「白銀御行は捌きたい」はアニメでカットされてしまいました。
第49話はSpotify限定のオーディオドラマで音声化はされています。
とはいえ特訓回はアニメでコンプして欲しかったですね……

白かぐ暴走気味な6巻


(画像引用 : Amazon)

前巻の「花火の音は聞こえない」までの夏休みエピソードが赤坂先生の言うところの「実験編」だったのに対し、それ以降+この6巻のエピソードは日常回のテコ入れと言わんばかりにコメディ描写が色濃くなります。
のちの「氷かぐや編」に通じるかぐやの脳内会議(第53話「かぐやたちは贈りたい」)、屋上で月見する間に星に心を奪われ無意識の内にかぐやを抱き寄せたり添い寝したりする白銀会長(第56話「白銀御行は見上げたい」)など、二人の暴走が目立つ巻となりました。

第54話「藤原千花は確かめたい」で白銀の誕生日を知らなかった藤原書記を石上が追い込む際の「藤原先輩だけが!??!?」も最高!
この頃にはもう、恋愛を題材としたコメディとして他の追随を許さないほどの域に達した印象さえ受けます。

この巻で最も印象深いのは第59話「第67期生徒会」。
本作のエピソードタイトルは基本的に「○○は○○したい」のような形で、稀に「四宮かぐやについて」ような例外もありますが、名詞だけのタイトルはこれが初。
当初は最終回が近いのかとさえ思いましたが、特にそういう事はありませんでした。

尚、犬猫回の第51話「柏木渚は見てられない」はアニメではカットされてしまいました。
この巻は他のエピソードが強過ぎるので妥当でしょう。
Spotify限定のオーディオドラマで音声化はされています。

伊井野ミコ登場の7巻


(画像引用 : Amazon)

この巻はなんと言っても、生徒会最後の一ピースである伊井野ミコの登場が最大のトピックでしょう。
生真面目で自分の正義を貫くあまり融通が利かず、その所為で周囲から白眼視され傷付いていく。
そんな不器用な彼女と白銀会長の選挙戦が決着まで描かれています。

この選挙編はあまりシリアスになり過ぎず、適度にコメディ要素を交えて描かれています。
壇上でミコに優しく助け船を出す白銀会長はかなりカッコ良かったですね。
彼がラブコメ誌上屈指の人気主人公なのも頷けます。

尚、美術回の第62話「白銀御行は描きたい」はアニメではカットされてしまいました。
ギャグ回とはいえ、かぐやの美的感覚が少々常軌を逸してしまったのでカットは仕方ないでしょう。

人気エピソード目白押しの8巻


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「かぐや様の全28巻でどの巻が一番好き?」というアンケートがあるとしたら、この8巻は1位候補の一つに数えられるかもしれません。
それくらい人気エピソードが多い巻です。
セックスを「セッ…」で止めるかぐやが印象的な第71話「かぐや様は出させたい」、作中の大半を少女漫画風に描いた第74話「かぐや様♡アクアリウム」、そして医者コント回としてあまりに有名な第79話「かぐや様は診られたい」など、コメディ路線では最高峰とも言える完成度を誇っている巻です。

尚、ベルマーク回の第75話「かぐや様は集めたい」、渚おこ回の第76話「柏木渚はめんどくさい」、歓迎会回の第77話 「藤原千花は聞き出したい」はアニメではカットされてしまいました。
76~77話は円盤2期4巻特典のドラマCDに収録されています。

初のシリアス長編「体育祭編」収録の9巻


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この巻のみ11話(第81話~第91話)を収録しています。
理由は「ページ数の都合」との事ですが、結果的に「藤原千花は膨らませたい」を最後に入れた事で綺麗にオチていますね。
この9巻は体育祭編が半分以上を占めています。

体育祭編は『かぐや様』で初めて賛否両論が明確に巻き起こったエピソードです。
その原因は主に「①単純に話が重い」「②結末がスッキリしない」の二つで、石上の美学に賛同する読者もいれば、大友京子をはじめ石上を非難する連中にモヤモヤを感じる読者もいて、様々な感想が飛び交いました。
とはいえ、後年になるにつれ評価が上がった印象を受けます。色んな意味で。

向かうところ敵なしの10巻


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この巻の発売前にアニメ化が発表されて、帯で「TVアニメ化決定!!」とあらためて告知されました。
表紙も生徒会メンバーが全員集合していて特別感がありましたね。

収録エピソードも8巻に匹敵する完成度の高さ
ミコの闇の部分がいよいよ露呈し始めた第95話「伊井野ミコは癒されたい」、藤原書記のポンコツぶりを遺憾なく発揮した第96話「かぐや様は食べさせたい」、初登場時の台詞から長らく“ウケルちゃん”と呼ばれ、密かに人気を博していたマキがついにメインを張った第98話「四条眞妃は何とかしたい」など見所たっぷり。
特に、アニメ2期のラストを飾った第100話「生徒会は撮られたい」および第101話「生徒会は撮らせたい」は、地味ながら生徒会メンバーの絆を感じさせる良回で、青春の一ページを感じさせる本作の最終回を見た後で読むと、また違った趣きを感じます。

尚、LIKEとLOVE回の第92話「かぐや様を照れさせたい」はアニメではカットされてしまいました。
このエピソードはSpotify限定のオーディオドラマで音声化はされています。

サブキャラの躍進が目立つ11巻


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アニメ化告知効果もあって、ファンの数も一気に増え始めた時期
体育祭を経て石上がつばめに恋し、早坂が自分の思いを吐露し、白銀会長が進路を明らかにするなど、各キャラが少しずつ現状とは違う方向へ動き始めた頃でもあります。

第105話「石上優はこたえたい」は、3巻収録の第30話「白銀御行は負けられない」以来となる期末テスト回。
「嘘である。」のナレーションで有名ですね。
長期連載になった事で、こういった過去好評だったエピソードのフォーマットを再利用する回も当然出て来ますが、この頃はそれも好意的に受け入れられていました

尚、アニメ化記念アニメ宣伝回の第110話「石上優は語りたい」はテレビアニメでは当然カットされました。
その代わり3期の宣伝ティザーPV(https://www.youtube.com/watch?v=vFN5K-iAyV0)として映像化されています。
手抜き一切なし、テレビアニメと同等の映像なので、見逃していた人はチェックしてみてください。

過去編収録の12巻


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3巻以降は「頭脳戦」と断言できるようなエピソードは減り、すれ違いや勘違いをしてお互い誤解したまま話が進んで行く、いわゆる「アンジャッシュ状態」のネタが多くなる本作ですが、この12巻の前半に収録されている「白銀御行は告らせたい①~③」はいずれもその技法を駆使して、質の高いコメディを作り上げています。

この巻で最も有名なエピソードは第119話「白銀圭は見せつけたい」ですね。
中二でファッションセンスが止まってしまった白銀に、圭がひたすらツッコみまくる回。
「ウェストポーチをウェストに付けんなあぁ!!」は本作の中でも特に有名な台詞の一つに数えられます。

また、ちょっと荒んだ白銀と氷時代のかぐやを描いた第121話「1年生 春」はかなり貴重な過去エピソード。
コミックスでは前会長が「『夏』編につづくぞう」と言っていましたが、続きが描かれる事は最後までありませんでした。
今後、原作以外で何らかのフォローがあるかもしれません。

尚、かぐやコスプレ回の第112話「白銀御行は告らせたい①」はアニメではカットされてしまいました。
このエピソードはSpotify限定のオーディオドラマで音声化はされています。
でもこのエピソードは映像で観たかったですね……

文化祭編スタートの13巻


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赤坂先生は文化祭までを1部、それ以降を2部というつもりで描いていたと述懐しており、この巻から始まる文化祭編は『かぐや様』第1部のラストエピソードという事になります。
それだけに気合いも入っていて、14巻収録のウルトラロマンティック回に向かって入念な準備を積み重ねていく、いわゆる「溜め回」に当たるのがこの巻です。

第122話「かぐや様は告りたい」では大仏が実は肉食系と判明。
まだこの頃はチョイ役程度だった事もあって、急なキャラ変もギャグの一環として受け入れられていました。

尚、ロシアンたこ焼き回の第128話「かぐや様は撃ち抜きたい」はアニメではカットされてしまいました。
カットしても進行に影響ない回なので仕方ないですが、単発回としてはかなり面白いだけに残念。

みんな大好きウルトラロマンティックな14巻


(画像引用 : Amazon)

第1部のフィナーレを飾った文化祭編後半およびその後のエピソードを収録。
この巻はどうしてもウルトラロマンティック作戦を描いた「二つの告白」前中後編が中心になってしまいますが、それ以外のエピソードもキレキレです。

第138話「かぐや様は教えたい」は、「実は大人のキッスをかましていたかぐや」「実はとてもウブな早坂」「やっぱり神ってた渚」と色んな事が判明した上、大人のキッスからセックスまでの期間を渚から聞いたかぐやの「秒?」がバカウケ。
作中屈指の人気回となりました。

第139話「白銀御行は語り合いたい」では、かぐやの人格の一つ「かぐやちゃん」が完全デフォルメ姿で登場。
まさかそんな悪フザケのような回が、本巻ラストの氷かぐや覚醒に繋がるとは想像もできませんでした。

この巻で第3期は終了。
文化祭以降の氷かぐや編&クリスマスエピソードは、劇場でも公開された『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』で映像化されています。

運命の分岐点「氷かぐや編」の15巻


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『かぐや様』で最も物議を醸したのは、この巻の全編にわたって繰り広げられた氷かぐや編かもしれません。
「かぐや様は文化祭編まで」「文化祭以降失速した」など、ネット上で本作を評する人の多くがこのエピソードを分岐点として語っています。
客観的に見て、大きく評価が分かれ否定的な意見が増えた発端がこのエピソードだったのは確かです。

ただ、かぐやと白銀の内面に踏み込んだこのエピソード、決して質が低かったとは思いません。

確かに「つきあい始めたばかりなのにあんな態度はないだろう」という氷かぐやへの非難は理解できるところですが、白銀と恋仲になった事でその内面に生じた齟齬、そして融和へと向かって行くストーリーは、かぐやというヒロインの人間性をより深く理解できましたし、白銀の弱さの露呈も含めたこの一連の難題を1巻分のエピソードで纏めたのは寧ろ素晴らしいと言えます。
氷かぐやの存在やかぐやの多重人格的内面は以前から示唆しており、唐突な思いつきで描かれたものでもなく、しっかり段階を踏んでいる点も好印象。
実際、後年になるにつれ氷かぐや編の評価は上向いていて、今では「単行本で読めば面白い」という意見もかなり多く見られます。

では何が問題だったかというとタイミングです。
二人がついに結ばれて、読者は「やっと二人のイチャイチャが見られる」「周囲にどうやってバラしていくのか、特に藤原書記がどんな反応するのか見たい」といったモードだったのに、そのタイミングで急にシリアスな長編ストーリーが差し込まれた事で、多くの読者が「見たかったのはこれじゃない」という拒否反応を示してしまったのだと思われます。
一通り期待に沿ったエピソードを描いたのちに氷かぐや編突入だったら全く違った評価になっていたでしょう。

尚、赤坂先生のインタビューによると、『かぐや』様はこのエピソードをエピローグとして締める予定だったそうで、ワンクッション挟まなかったのはそれが原因だったようです。

つばめ先輩の行動が物議を醸した16巻


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白かぐ以外のクリスマスエピソード、特に石上・ミコ・つばめの三人を重点的に描いた巻。
かぐや様が後半失速したと言われる要因は氷かぐや編より寧ろこの辺りからでしょう。

「石上と付き合うつもりはないのに同情で抱かれようとするつばめ先輩」「傷心の石上にひたすら酷い言葉をぶつけるミコ」と、どちらも(そういう心理になる下地があるとはいえ)読者にあまり良い感情を与えるものではなく、ただただ二人の株が下がるエピソードになってしまいました。

一方で第157話「藤原千花は超超食べたい」のオチ、藤原書記があどけない笑顔で「うるさいなぁぶっころすよ?」と告げるコマはネット上でバズり、定番の煽りネタになりました。
まだまだこの作品の影響力は健在と言えますね。

お付合いエピソード満載の17巻


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波風立ちまくりだった前2巻とは打って変わって、日常回のみで構成された巻になりました。

冒頭の2話は生徒会メンバーに隠れて付き合っている状態だからこそ出来るネタで、読者の多くが文化祭の直後に読みたかったのは恐らくこういう話だったと思われます。
特に第170話「白銀御行は話したい」はその筆頭とも言える甘々エピソードですね。
反面、ミコの闇の部分が更に強くなったり、大仏に校内最高峰の美少女設定が追加されたりと、まるで白銀のファッションのように各キャラの要素が渋滞を起こし始めた時期でもあります。

不穏な空気漂う18巻


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石上にキツく当たっていた小野寺の改心、石ミコの進展、白かぐのイチャイチャ……など、平和ないつもの『かぐや様』が続いていきますが、第177話「四宮かぐやの無理難題『燕の子安貝』編④」から状況が変わります

このエピソードは石上がかぐやにイジられ、早坂が石上にイジられるという珍しい構図で、終盤まではほんわかするお話ですが、ラストの2ページから空気が一変
早坂がかぐやの付き人を辞めるという流れになります。

更に次の第178話「先輩くんと後輩ちゃん②」のラスト1ページで大仏がつばめ先輩に秘密を暴露する「終わる秘密」編を示唆。
そして第179話「早坂愛のモーニングルーティン」では早坂がかぐやの動向を本家の人間に報告していた事が明らかになります。

いずれも重いエピソードではありますが、導入の仕方と演出がそれにより拍車をかけていて、これから始まる修学旅行編と「終わる秘密」編はかなりキツい話になるかも……と読者を身構えさせる構成になっている点がこの巻、そしてこの後の『かぐや様』の読後感に小さくない影響を与えてしまっている印象を受けました。
これは修学旅行編だけでなく、その後のシリアス展開においても同様です。

早坂メイン&シリアス展開をサッと切り上げる19巻


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前巻に引き続き修学旅行編が展開されていきますが、それほど長くはならず19巻の真ん中くらいで終わります。

「かぐやが早坂を許し、主従関係から対等な友人関係になる」という最終的な着地点はファンの大半が納得したものと思われます。
ただ、そこに至るまでの展開が「肩透かし」だった感は否めません。
仰々しくスタートした割にアッサリし過ぎている印象でした。

氷かぐや編以降、「かぐや様」のシリアスエピソードに関しては非常に風当たりが強くなっていました。
それもあってか「シリアスなお話はあまりウケが良くない」というのが赤坂先生の中にあったのかもしれません。
連載終了後のインタビューで「僕にはコメディ適性があると言われてきました」と述懐している事からも、裏を返せば「シリアスな展開の時には散々言われた」という意識があった事が読み取れます。

その所為で、シリアス展開の中にもギャグ要素をやや多めに入れたり、あまり長くせずアッサリ終わらせたりして、出来るだけ読者がシリアスアレルギーを発症しないよう……という配慮がありありと見て取れました。
この配慮が正解だったかどうかはわかりません。良い面も悪い面もあったように思います。
この頃に【推しの子】の連載が始まった事も影響していると思われます。

一方、この巻には白銀父がユーチューバーになるエピソード(第191話「四宮かぐやの無理難題「燕の子安貝」編⑤」)も収録されています。
この回は後期の名作と言われるくらい評判が良く、「やっぱりかぐや様はコメディ路線だよな」と言われる所以にもなりましたが、同時に「作者の趣味が出過ぎている」という非難も一部で出ていました。
これはのちの「石上がディスコードを推しまくる件」や「ミコがFPSにハマった件」でも散々言われ、「キャラを作者の趣味に染めるな」「脚本の都合でキャラをねじ曲げるな」という意見が噴出していましたが、作者が自分の趣味を作品内に反映させるのは普通の事だと思います。

石つば&石ミコ大論争の20巻


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この巻収録のエピソードに関しては特別波風が立つような回はなく、「つばめが石上の為に何かしようとしている」「大仏が石ミコを支持しない本当の理由」を描きつつ、密度の濃い日常回を積み重ねています。
特に194~195話の「秀知院はバレンタイン」はそれぞれのキャラの想いをチョコを渡すという行為でそつなく表現し、綺麗に纏まったエピソードになっています。

この時期は本編以上に石つば派と石ミコ派のファン同士が激しい大論争を繰り広げていた場外乱闘の方が印象深かったかもしれません。
古くは『スクールランブル』、本作と同時期では『五等分の花嫁』がこのようなカップリング論争をよく巻き起こしていました。

石つば決着の21巻


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この巻のハイライトは「石つば決着」に尽きます。
石上がフラれるという点に関しては、恐らく読者の多くが予想していた事だと思うので割愛するとして……評価の焦点になったのは「つばめが石上をフる為に用意した事」でしょう。

石上の事は嫌いじゃないけど恋人としては見られない、だからフるしか選択肢はない。
彼を傷付けてしまう。
だから、置き土産として彼が少しでも残りの学校生活を楽しく過ごせるようにしたい。

そんな思いでつばめが用意したのは、「石上の濡れ衣をなんとかする」でした。

彼を長らく苦しめていた虚偽の悪評を、発言力の高い面々で『違う嘘』に塗り替えて悪評を上書きする……というアイディアは素晴らしいものの、これからフる相手にそれだけの恩を着せるのは、今後彼女を忘れられなくする「呪い」になってしまう事にもなりかねません。
つばめ先輩はそれも承知の上で、「自分と友人関係のままでいて欲しい」と訴えました。

結果的に、それは「大友京子には何も伝えず一人で泥を被る」という石上の美徳に水を差す行動になってしまいましたが、その美徳をつばめが知る筈もなく、彼女に罪はありません。
ただ読者視点ではどうしても「じゃあ体育祭編はなんだったんだ」となってしまうのも致し方ないところで、この点においてもやはり「読者が見たかったもの」とのズレは否めません。

とはいえ、つばめ先輩にしてみれば「決して嫌いではない可愛い後輩をどうすれば傷付けず(傷付かず)にフる事が出来るか」という難題に直面し、彼女なりに悩んだ末の回答だった筈。
その点において、彼女はかぐや以上に恋愛頭脳戦を必死に戦ったと言う事もでき、この作品のテーマに沿った決着だったという見方も可能です。

決して万人受けはしないし、筋が通っていると言い難い面もありますが、この作品らしい決着だったと思います。

フェイントが目立った22巻


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長らく「白銀にとってのラスボスになるかも」と噂されていた帝が編入してくるも、そんな雰囲気ではなく良好な関係になった……というフェイントからスタートしたこの巻ですが、全体的にはセックスの話ばかりしていました。
そして最終的には白かぐが無事結ばれる事になりましたが、ポイントはその初体験。

告白とキスはあんなにウルトラロマンティックだった二人が、「ヤラないつもりだったけどなんかベッドでイチャイチャしてる内にそんな雰囲気になって結局しちゃった」という、ラブコメ史上類を見ない初体験描写になりました。

この件や帝のエピソードもそうですが、この辺りは「読者の予想を外す」という意図が感じ取れます。
長期連載になった作品によく見られる傾向ですが、元々本作は「従来のラブコメとは違うもの」がスタートだったので、ある意味では既定路線と言えるのかもしれません。

ミコ&大仏大暴走で荒れた23巻


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『かぐや様』最大の問題エピソードとなったのが、この巻のラストに収録された第231話「四宮かぐやの無理難題『仏の御石の鉢』編⑥」から始まるミコと大仏のケンカ……というか大仏の挙動ですね。
以前は「石上の事は異性としてではなく人間として好き」という旨の発言をしていましたが、この回でそれはだったと判明。
この後にも「ミコを応援できない。邪魔しようとまでは思ってない」と言いながらもつばめをサポートする事で間接的に邪魔していましたし、かなりの言動不一致が見られます。

そんな大仏を擁護しミコを責めたかぐやも株を下げる事態になり、例によって「シリアスは長引かせない」という配慮が発動した事もあって、最終的にミコと大仏が仲直りしたとはいえ完全に消化不良で終了。
ハッキリ言って誰も得しないエピソードになってしまった印象です。

ここまでは賛否両論ありながらも良い面は十分見出せるエピソードばかりで、失速という評判ほど悪くない本作の第2部ですが、この大仏関連のエピソードに関しては少々杜撰な印象を受けました。

最終章突入の24巻


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前半の大仏関連の話を引きずって、中々他のエピソードに目を向ける事が難しい巻ですが、第237話「白銀御行は入れたくない」の早坂と白銀の他愛ないやり取りはほっこりします。
本作は基本コメディなので、連載が長くなるにつれて話を作るため各キャラ様々な要素が上乗せされていき、時にそれが不評だったりもしますが、早坂とマキに関しては最後までそういった上乗せがなく初志貫徹したキャラだったように思います。
彼女たちが悪く言われる事がほぼないのもその為でしょう。

そしてこの巻より、『かぐや様』は最終章を迎えます。

お家騒動に石ミコと忙しない25巻


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最終章という事で長編エピソードになるのは当然で、また初期の頃からずっと温めてきた「四宮家の闇」に迫るストーリーという事で、シリアスメインになるのも織り込み済み。
よってこの巻は全て「溜め」の回となります。

一方でそれだけに留まらず、石ミコを一気に進展させたり、かぐや不在の穴を早坂が埋めたりと、ファンが見たいエピソードも盛り込んでいます。
そういう視点で見ると、お家騒動前半戦とも言えるこの巻は総じて良い感じです。
特に第249話「かぐや様は別れたい②」で四宮家次男の青龍からかぐやの手切れ金として10億を引き出し、金に目が眩んだと思わせてそれを軍資金にかぐやを救おうとする白銀はカッコ良く、「これから10億を使ってどう立ち回るんだろう」とワクワクさせる導入回になりました。

呆気ない幕切れの26巻


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非常に期待させる25巻の内容からすると、この26巻で描かれた決着は正直「物足りない」、もっと言えば「諦めてしまったのかな」という印象を抱かずにはいられません。
結局10億を活用できたとは言い難く、カタルシスを感じるような解決策もなく、「四宮家の面々が思ったよりポンコツで、思ったより物わかりがよく、思ったより簡単に片付いた」という決着の仕方になってしまいました。

これまでの本作のシリアス展開の進め方からしても、やはり「不評だし早めに切り上げよう」という意図が見えてしまいます。
シリアス展開にギャグを挟むという構成も、白銀と雁庵の病院コントのような第253話「白銀御行は申し込みたい」は本筋とも絡んでいて評判も上々でしたが、第254話「伊井野ミコは湯切りたい」はこのタイミングでやる意味がわからず茶番にしか見えません

「花火の音は聞こえない」に代表されるように本作はシリアス路線でも名エピソードは十分あり、赤坂先生は決してシリアス描写が苦手だとは思いません。
ただネット上での評判を真摯に受け止め過ぎて、一部読者のシリアスアレルギーが作者に伝染してしまったような印象を受けます。
例え不評でも、数ヶ月休もうとも、しっかり練った上で描いて欲しかったというのが最終章「かぐや様は告らせたい」の個人的な感想です。

日常回メインで原点回帰の27巻


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最終章と銘打ったエピソードは前巻で終わりましたが、本作はもう少しだけ続きます。
この巻は白銀の留学までの日常を描いており、原点回帰とでも言うべき構成になっています。

ここに至るまで、ネットで様々な事を言われてきた本作なので、ファンだったけど最終回直前のこの辺りの話は読んでいないという人も結構いるかもしれません。
出来ればこの巻だけでも読んで欲しい、というくらい『かぐや様』のパブリックイメージそのままのエピソードが詰まっています。
「かぐや様と言えばこういう感じだよな!」という読者のイメージのままの本作で終わらせたい、という赤坂先生の気持ちも伝わってきます。

各キャラの最終回を描いた大団円の28巻


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ラブコメの新たな金字塔、と言っても過言ではない『かぐや様は告らせたい』という名作を締める最終巻は、メイン・準メインキャラほぼ全員の最終エピソードを収録。
よく完結後に「各キャラのその後」として1ページないし数ページで纏められる内容を、1冊まるまる使ってやったような感じです。
非常に贅沢なエピローグになっています。

とはいえ劇的なストーリーではなく、それぞれに覆い被さっていた問題に対して小さな決着を付ける、各キャラに卒業証書を渡すような内容になっています。
単行本には各キャラの性質であったり未来であったりも解説されていて、それぞれのゴールや新たなスタートを垣間見る事ができます。

メイン勢が全員集合してワイワイとした最終回を想像していたファンも少なからずいたと思いますが、敢えてキャラ毎に独立した最終回を描き、最終数ページを生徒会メンバーだけに限定したのは、この作品の好評も悪評も共に乗り越えてきた彼等5人で終わりたいという、赤坂先生の思いだったような気がします。

あと最終回はやっぱり絵も気合いが入っていて、全てのコマで各キャラが綺麗に描かれていますね。
赤坂先生はよく御自身の画力を卑下なさっていますが、この絵で下手はないでしょう。
とても魅力的な絵です。封印するのはあまりに勿体ない。

ともあれ、7年半という長期連載となった本作の最後を飾るに相応しい、素晴らしい最終巻、そして最終回でした。

まとめ

全てのエピソード、全ての巻をベタ褒めする事は出来ません。
それでも、全28巻全281話全て読み直し、あらためてこの作品は名作だったなと感じます。
物語は完結しましたが、これからもこの作品に出会い、そして一喜一憂する人はたくさん出てくると思います。

赤坂アカ先生、長期連載お疲れ様でした。
そしてこの作品を世に出し、楽しませて下さった事に心から感謝申し上げます

【ラブライブ!スーパースター!!】失敗と炎上の原因を徹底検証!2期は何が悪かったのか?


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2022年夏に放送され、多くのファンから不興を買ってしまった『ラブライブ!スーパースター!!』第2期を徹底検証。
一体何が悪かったのか、その失敗の理由や炎上した原因を客観的な視点から、できるだけマイルドに分析していきます!

「シーンありき」でストーリーが崩壊


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『ラブライブ!スーパースター!!』2期が放送されて以降、本作に関してはネガティブな意見が非常に多くなっています。
その反響は大きく、ピクシブ百科事典に「ラブライブ!スーパースター!!アニメストーリー炎上問題」という記事が作られてしまうほど。
ある程度批判に晒されるのは人気作の宿命ですが、本作に関してばそのレベルでは収まらないくらいのブーイングが起こっています。

そこで、2期が失敗だったと言われている理由について検証していきます。

最も多く非難の声が寄せられているのは、ストーリーについてです。
ただ、ストーリーへの不満に関しては過去作でも幾度となく指摘されてきました。

ラブライブシリーズはアニメと音楽を中心とした総合コンテンツですが、キャラクターと担当声優を前面に出したキャラクターコンテンツでもあります。
そういった作品のアニメはどうしても「キャラをどう見せるか」を重要視しなければならず、特にアイドルコンテンツの場合、特定のキャラが目立つとそのキャラに対して他ファンからのヘイトが溜まってしまう可能性があり、自然と制約が多くなります。

その中で作られるアニメは、どうしてもPVのツギハギのような内容になってしまいがちですが……ラブライブは特にその傾向が顕著で、最初に「○○が○○する場面を描く」「○○と○○が○○するシーンを作る」などといった約束事が幾つもあって、後でそのシーンを繋げていく為のストーリーを差し込んでいったような脚本という印象を受けます。
本シリーズで指摘される事が多い「唐突な展開」「説明不足」「整合性のなさ」「ワンパターン」といった問題点は全て、このストーリーの作り方による弊害ではないかと推察されます。

そんなラブライブシリーズの中でも、スパスタは特にこの弊害が色濃く出ています。
それは何故かというと、本作は明確に「澁谷かのんを中心に据えた物語」として描かれていて、彼女の見せ場が前提となっているような構造だからです。
前述したように、特定のキャラばかり目立たせるお話作りはアイドルコンテンツにおいてタブーですが、スパスタは完全にその禁忌を犯しています。

最初にその傾向が見られたのは1期6話
かのん、可可、すみれは本土から遠く離れた離島「神津島」でのライブに参加し、千砂都は本土に残ってダンスの大会に出場する……というストーリーでしたが、終盤かのんが千砂都の元に駆けつけるという展開に。
場面としては幼なじみの友情が描かれた美しいシーンですが、一体どうやって神津島から短時間で駆けつけたのか説明は一切なく、「かのんが千砂都を救うシーン」ありきで作られたシナリオなのは明白でした。

それでも、この時点では「見たい物を見せてくれた」というファン心理が勝り、不満を訴える声はそれほど多くありませんでした。
しかし既に崩壊は始まっていたのです。

2期に入ると、この「かのんが解決」という結論ありきで作られているようなシナリオばかりになってしまいます。
これによって「唐突な展開」「説明不足」「整合性のなさ」「ワンパターン」というラブライブ名物とも言える問題点に加え「特定のキャラ(かのん)ばかりが目立つ」というアイドルアニメのタブーまで追加され、ファンの不満が噴出する事態に発展しました。

「ムーブありき」でキャラが崩壊


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前述した「シーンありき」に続き、スパスタ2期ではもう一つの「ありき」が問題を生じさせています。
それは「ムーブありき」です。

これも基本的なところは同じで、最初に「○○が○○を○○する」「○○が○○に○○される」といったムーブありきで脚本が作られていると強く推察される場面が多く、その結果、様々な弊害が生じています。

最も顕著なのは可可とすみれのやり取りです。
この二人は典型的な「ケンカするほど仲が良い」という関係性を1期で構築していました。
常にポジティブで人当たりが良い可可が、当初スクールアイドルを軽んじていたすみれには厳しく当たり、それがお互いのキャラを引き立てるという構図で描かれていました。

しかし2期ではこれをまるでノルマのように毎回入れてくる為、可可は「口を開けばすみれを罵倒する人物」、すみれは「仲間から常に白眼視される嘗められた人物」という映り方になってしまっています。
2期9話で「本当は通じ合っている」というシーンを描いていましたが、既に可可の印象が非常に悪化した状態で時既に遅し。
加えて「文句ばかりだけど本当は……」というフォローありきで作られた、取って付けたようなシーンという印象が否めず、スタッフの思惑とは裏腹に視聴者はあまり感動できないという状況になってしまいました。

この「ムーブありき」の被害者は他にもいます。
2期から登場したウィーン・マルガレーテです。

彼女の役割は「かのんの強力なライバル」であり、かのんが対抗意識を持つ為に不遜な態度を見せるのは、ライバルキャラとしては自然な振る舞いです。
また1期から登場していたSunny Passionが友好的な2人だった為、そことの差別化という点においても十分納得できる範囲です。

しかし物語の終盤までずっと「フラッと出て来ては挑発的な言動をして去って行く」というムーブの繰り返しで、その上1期からのファンにとって思い入れのあるサニーパッションをあっさりと破った事で更にヘイトが溜まり「ただの傲慢で嫌なキャラ」という印象を持たれてしまいました。

この時点でアイドルアニメではあまり歓迎されないキャラになってしまいましたが、それでも最後まで一貫して「かのんの越えるべき高い壁」であり続ければまだ良かったのですが……結局かのんに「(あなたの言う歌は)本当の歌じゃない」と否定された挙げ句敗北し、負けた後も見苦しい言動を残しSNSで炎上するという中学生らしい精神的な幼さを露呈した事で、なんだかよくわからない存在になってしまっています。

1期の恋もこれに近い作られた方をして人気面で相当苦労していましたが、マルガレーテはそれ以上に極端な嫌われ役を担うハメになりました。
3期では彼女の登場がほぼ確実なため、良い意味でも悪い意味でもその動向に注目が集まっています。

「かのん」ありきで新キャラも本人も生きず


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これまでも何度か触れてきましたが、スパスタは明確に「かのんメインの物語」として描かれていて、かのんを中心とした話作りになっています。
アイドルコンテンツとしては決して良策とは言えず、問題も多く生じる事になりますが……それでも「全員がソロでもトップを目指す」というコンセプトで全員を主人公とした虹ヶ咲との差別化、そしてラブライブシリーズとして新たなチャレンジをしたと考えれば、こういう構成もアリと納得は出来ます。
ただ、それによって生じる弊害はやはり大きく、上記のような様々な不満点が生じてしまい、ファンに強い不信感を抱かせてしまいました。

そして、この「かのん」ありきの話作りによって被害者になってしまったのが、新加入した二期生の4人です。

彼女達は元々、難しい立場に置かれていました。
ラブライブシリーズに限らず、既に関係性が出来上がっているメインキャラの間に割って入る新キャラは、どうしてもファンから厳しい目で見られます。

(ラブライブとは関係ありませんが、かつて人気を博していたバラエティ番組『めちゃイケ』でも新メンバー加入は失敗に終わりました。めちゃイケもナイナイの岡村隆史さんを中心に作っていた番組で、そういった中に新規加入するのが如何に難しいかを物語っています)

それでも、メイと四季がメインで描かれた4話は2期で最も評価が高く、彼女達は大いに健闘しました。
その後も二期生を中心に描いていれば……具体的にはオニナッツの加入を二期生だけで完結させていれば、彼女達の見せ場を作る事ができ、関係性もより深く描けたでしょう。

しかし、ここでも「かのん」ありきが発動してしまい、かのんの説得によってオニナッツが加入する流れになりました。
以降も二期生は殆ど一括りにされてしまい「先輩達には全然敵わない。だから練習しよう!」を繰り返すだけで、具体的な成長の跡があまり視聴者に伝わってきませんでした。

そして「かのん」ありき最大の被害者となったのは、他ならぬかのん本人です。
1期当初は、ラブライブシリーズの主人公では初となる後ろ向きな性格で、そんな彼女が過去のトラウマを払拭して成長する1期のストーリーは、多くのファンの心に刺さりました。
けれど、2期になって「何でも解決するかのん」になってしまい、その実績もあって周囲のメンバーもかのんを持ち上げる言動ばかりが目立つようになった結果、当初の本人の個性も、更には周囲の個性までも潰してしまう個性クラッシャーとなってしまいました。

スパスタ2期最大の失敗は、この点に尽きます。
「かのんメインの物語」ではなく「かのんありきの物語」にしてしまった事で、本来かのんが言わないような台詞(前述した「本当の歌じゃない」など)が用意されてしまうなど全方位に亀裂が入ってしまい、崩壊してしまったイメージです。

「ニコ生アンケート低評価炎上」「Youtube公式動画低評価炎上」「縄跳び炎上」といった各炎上も、こういった問題に対するファンの不満が溜まりに溜まった結果と言えます。
近年のネットは「叩いても良い」という空気になると極端に批判を浴びせられる風潮が強まっており、残念ながらスパスタもその状況に陥っていると言わざるを得ません。

本当に失敗だったのか?


(画像引用 : Amazon)

スパスタ2期に不満の声が多くあがっているのは間違いありません。
とはいえ、まとめサイト等で批判ばかりされている作品がTwitterでは称賛されているケースや、「空気」と揶揄されながら高セールスを記録している作品も少なからず存在するのがこの業界。
スパスタ2期が実際にはどうなのか、Blu-ray・DVD(円盤)の売上を見てみましょう。

・『ラブライブ!』シリーズ円盤全巻平均売上

3.5万枚 ラブライブ!(1期)
6.5万枚 ラブライブ!(2期)

5.4万枚 ラブライブ!サンシャイン!!(1期)
4.7万枚 ラブライブ!サンシャイン!!(2期)

2.3万枚 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(1期)
1.7万枚 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(2期)

1.6万枚 ラブライブ!スーパースター!!(1期)
1.2万枚 ラブライブ!スーパースター!!(2期)

こうして見ると、スパスタの2期が1期より大幅に下落している訳ではない事がわかります。
このデータだけを見る限りでは、2期よりも寧ろ1期の方が失敗しているような印象さえ受けるくらいです。

しかし作品評価と円盤売上の下落率は必ずしも一致する訳ではありません。
円盤は基本的に熱狂的なファンが購入するアイテムであり、ましてラブライブのような長寿シリーズともなると、予約開始直後に全巻予約する猛者がかなりの割合でいます。
そういった人達の多くは、例えアニメの出来がイマイチでもキャンセルまではしないものです。

ただ、出来が余りに悪かったりスタッフや運営に強い不信感を抱いたりした場合、コンテンツそのものへの関心が薄れてしまいます。
そうなると、次シーズンや次シリーズまでは追いかけないという判断に傾きます。
作品の出来が売上に影響するのは、そのシーズンよりも寧ろ次以降のシーズンに対してなのです。

なので、この売上だけを見て判断するのは早計です。
3期の売上を注視する必要があるでしょう。

もう一つのデータとして、フォロワー数の推移も見ていきます。

・『ラブライブ!シリーズ』公式アカウントのフォロワー数推移

1,012,000(虹1期開始)
1,020,000(虹1期終了)

1,030,000(星1期開始)
1,047,000(星1期終了)

1,066,000(虹2期開始)
1,080,000(虹2期終了)

1,083,000(星2期開始)
1,093,000(星2期終了)

1期に関しては、虹ヶ咲よりもスパスタの方がフォロワー数を増やしています。
しかし2期では虹ヶ咲の放送時期の方が伸びています。
シリーズ全般のアカウントなので、アニメの出来とフォロワー数の伸びが直結するとは限りませんが……NHKでの放送という今までとは違う視聴者層へのアプローチを試みておきながら、新規ファンの獲得に伸び悩んでしまったという見方もできます。

とはいえ、「データ上でも2期は悲惨だった」と言えるほどの結果にはなっていないような印象は受けます。
確かに問題点が多いのは事実ですが、「2期にも良い所はあったよ!」という意見や「自分は楽しめた」という人も一定数見受けられます。

「失敗作」というレッテルを貼られつつあるスパスタですが、既に3期の制作は決まっている為、まだ挽回するチャンスは残されてます。

まとめ

……とはいえ、その3期「ありき」のラストシーンも評判が悪かったんですが。

この「ありき」尽しは長期シリーズの弊害でもあるのかなと思います。
全体的にキャラを記号化し過ぎている印象も受けますし、「脚本の都合でキャラが動いている」だけでなく「制作の都合でキャラもストーリーも破綻している」というのが、2期を観た上での率直な感想ですね。
ラブライブの悪い面が全部出てしまった、と纏める事も出来ます。

このまま何も変えずに3期に向かってしまうと、スパスタやLiella!だけでなくシリーズ全体から心が離れて行くファンも増えてしまいかねません。
スタッフ陣にはぜひここで一度、物語作りの原点に立ち返って頂きたいです。

残念美人キャラ40選! かわいいのに変な女子、美しいのにヤバい女性が大集結


(画像引用 : Amazon)

様々な作品に登場し、ファンに愛されている「残念美人」キャラを大特集!
容姿はかわいいのに中身に問題があったり、美しい見た目に反して社会性が欠如していたり……様々なタイプの残念美人を40名厳選してまとめました!

山田杏奈(やまだ あんな)

https://twitter.com/bokuyaba_anime/status/1609203487224504324

(画像引用 :アニメ 『僕の心のヤバイやつ』公式Twitter https://twitter.com/bokuyaba_anime)

2023年にスタートするテレビアニメ『僕の心のヤバイやつ』のメインヒロイン。
中学生ながら身長171.9cmとかなり背が高く、校内でも随一の美人と評判の生徒で、モデルや女優としても活躍する芸能人です。

その大人びた外見とは裏腹に寂しがり屋の甘えたがりで、しかもかなりの食いしん坊で無類のお菓子好き。
学校の図書室でこっそり即席デザートを作るなど、中々ブッ飛んだ性格です。
一方で仕事への責任感や情熱は人一倍強く、プロ意識もしっかり持っています。

アニメの声は羊宮妃那(ようみや ひな)さんが担当。
代表作は乾心寿(その着せ替え人形は恋をする)など。

有馬かな(ありま かな)


(画像引用 : Amazon)

2023年にスタートするテレビアニメ『推しの子』のメインヒロイン。
子役時代には「十秒で泣ける天才子役」と呼ばれ、アイドルも出来る程の容姿と高い演技力を兼ね備えた芸能人です。

しかし人気は長く続かず、女優としては鳴かず飛ばずの状況が長く続いています。
アイドルを始めるも、口と性格は自他共に求めるほど悪いため今一つ馴染めず八方塞がり。
本来の演技力を発揮できる機会に恵まれず、燻った状況が続いています。

アニメの声は潘めぐみ(はん めぐみ)さんが担当。
代表作はゴン(HUNTER×HUNTER)、キュアプリンセス(ハピネスチャージプリキュア!)など。

後藤ひとり(ごとう ひとり)


(画像引用 : Amazon)

2022年にスタートしたテレビアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の主人公。
脱・陰キャを目論んでギターを始め、一日6時間の練習を3年続けた結果、登録者数を持つ人気ギタリストになり、結束バンドの一員となってバンド活動を始めました。
アイドルとしてもやっていけそうなくらい可愛い容姿です。

にもかかわらず、自分の容姿に全く自信がないため目が隠れるほど前髪を伸ばしていて、姿勢も常に悪く全体的に陰気なため周囲には殆ど気付かれていません。
また心への負担が大きい出来事があると顔面崩壊が起こり、人外の容姿になってしまう悪癖がある為、美人でいられるのは僅かな時間のみ。
ファンからは「美人というよりイケメン」という声もあがっています。

アニメの声は青山吉能(あおやま よしの)さんが担当。
代表作は七瀬佳乃(WUG)など。

ガンマ(ルーナ)


(画像引用 : Amazon)

2022年にスタートしたテレビアニメ『陰の実力者になりたくて!』のメインキャラ。
シャドウガーデン「七陰」の第三席。
七陰で最も頭脳明晰なエルフで、フロント企業「ミツゴシ商会」会長および「ミツゴシ銀行」の頭取を務め、強大な魔力も有しています。

その反面、運動能力と戦闘センスは七陰の中でも最下位で、やたらよく転ぶドジッ子。
付いた二つ名は「最弱」と踏んだり蹴ったりな生き様ですが、その卓越した頭脳を駆使し活躍の場を作っています。

アニメの声は三森すずこ(みもり すずこ)さんが担当。
代表作は園田海未(ラブライブ!)、キュアアース(ヒーリングっど プリキュア)など。

メイベル=レイベール


(画像引用 : Amazon)

2022年にスタートしたテレビアニメ『異世界おじさん』のメインキャラ。
おじさんが17年間過ごしていた異世界グランバハマルの住民で、魔炎竜を倒せる「凍神剣」を守護する氷の一族の末裔。
氷のイメージ通り、透明感のある美しく容姿をしています。

おじさんが魔炎竜を倒して以降は存在意義を見失い迷走を始め、ニート思考を膨らましてしまった結果、怠けたり安易にマウントを取ったりする残念な性格になってしまいました。

アニメの声は悠木碧(ゆうき あおい)さんが担当。
他の代表作は鹿目まどか(まどマギ)、ユウキ(SAO)、タツマキ(ワンパンマン)など。

井ノ上たきな(いのうえ たきな)


(画像引用 : Amazon)

2022年にスタートしたテレビアニメ『リコリス・リコイル』の主人公の1人。
秘密結社DirectAttack(DA)に所属するセカンドリコリス。
黒髪ロングの美少女で、射撃の腕には絶対の自信を持っています。

よく言えば合理的、悪く言えば融通が利かない性格で、人質もお構いなしに攻撃するなど冷静に暴走するタイプのため、DA本部から事実上の左遷を食らい喫茶リコリコへ来る事に。
リコリスとして戦う事だけに集中していた為、ファッションには疎く私服も下着も全くこだわりがないため、容姿とは裏腹に全く飾り気のない服装をしていました。

アニメの声は若山詩音(わかやま しおん)さんが担当。
代表作は南夢芽(SSSS.DYNAZENON)など。

ヨル・フォージャー


(画像引用 : Amazon)

2022年にスタートしたテレビアニメ『SPY×FAMILY』のメインキャラ。
表向きはバーリント市役所に勤める27歳女性でフォージャー家の母、裏では秘密組織「ガーデン」に所属する殺し屋〈いばら姫〉。
美しい双眸とは裏腹に、人並外れた身体能力と技術であらゆる標的を確実に仕留める凄腕です。

殺し屋としての能力は超一流ですが、母としてはかなり未熟で、掃除以外の家事はからっきし。
またかなり不器用なため力加減も苦手で、天然ボケな性格もあって失敗ばかりしています。
しかし夫ロイドや娘アーニャとの関係は良好で、家族愛に芽生え懸命に「本当の母」になろうと努力しています。

アニメの声は早見沙織(はやみ さおり)さんが担当。
代表作は胡蝶しのぶ(鬼滅の刃)、雪ノ下雪乃(俺ガイル)、司波深雪(魔法科)など。

ヨル(三鷹アサ)


(画像引用 : Amazon)

2022年にアニメ化もスタートした『チェンソーマン』第2部のメインキャラ。
正義の悪魔に殺されてしまった三鷹アサと契約を結び、彼女の体と融合して人間社会に溶け込んでいます。

アサの容姿が自他共に認める美少女のため、自然と外見は可愛くなっており、ヨルの人格が前面に出た際には高圧的な性格もあってクール美女のような印象になります。
ただし意外と中身はクールではなく、バカと言われムキになって否定するなど子供っぽい一面や抜けた所があり、結果的にアサ共々残念美少女になっています。

ドゥルジ


(画像引用 : Amazon)

2021年に放送されたテレビアニメ『ジャヒー様はくじけない!』のメインキャラ。
かつてジャヒー様が魔界No.2の座に君臨していた頃、その配下として活動していた魔族。
魔界崩壊後は人間界でかつての統治力を遺憾なく発揮し、実業家として大成功を収め、美しき富裕層になっています。

人間界での地位はジャヒー様と逆転しているものの、ジャヒー様を慕う気持ちには何ら変わりなく、なんでも言う事を聞き従う下僕のまま。
ジャヒー様と仲良くする者がいれば嫉妬し、ジャヒー様に過酷な命令をされればドMなので大喜びするなど、基本的には一途な変態です。

アニメの声は花澤香菜(はなざわ かな)さんが担当。
代表作は千石撫子(物語シリーズ)、常守朱(PSYCHO-PASS)、椎名まゆり(シュタゲ)など。

スノウ


(画像引用 : Amazon)

2021年に放送されたテレビアニメ『戦闘員、派遣します!』のメインキャラ。
血の滲むような努力でグレイス王国近衛騎士団の隊長の座に就いた苦労人。
騎士らしい凛とした美女で、王家への忠誠心も高く騎士らしい騎士のように見えます。

ただし実際には出世欲の権化で、金や名誉などに執着し失敗する事も多い残念美女。
それでも一応、ストーリーが進むにつれ仲間の事を大切に思うようになっていきます。

アニメの声は菊池紗矢香(きくち さやか)さんが担当。
代表作は渡来・園香(戦翼のシグルドリーヴァ)など。

安達桜(あだち さくら)

https://twitter.com/adashima_staff/status/1337049442340335616

(画像引用 :アニメ 『安達としまむら』公式Twitter https://twitter.com/adashima_staff)

2020年に放送されたテレビアニメ『安達としまむら』の主人公の1人。
授業にあまり出ずサボるのが日課になっている不良少女。
容姿は整っていて、 クール美人という印象を周囲に持たれているようです。

島村抱月(しまむら)と出会って以降は彼女の事ばかり考えるようになり、同時にネガティブで依存的な性格が顕在化。
自分の言動が原因でしまむらに嫌われたと思い込んで塞ぎ込む事がしばしばあり、実際に不穏な態度を取られるとストレスが限界を越え、いわゆる「メンヘラ」の状態になってしまいます。

アニメの声は鬼頭明里(きとう あかり)さんが担当。
代表作は近江彼方(ラブライブ虹ヶ咲)、千代田桃(まちカドまぞく)、セイウンスカイ(ウマ娘)など。

緑へも(みどり へも)


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2020年に放送されたテレビアニメ『おちこぼれフルーツタルト』のメインキャラ。
芸能事務所「キャットプロ」が行った企画「全国で一番の黒髪ツインテールを探せ」で1位となり所属タレントになったものの、諸々の理由でラットプロダクション所属のアイドルユニット「フルーツタルト」に所属する事になりました。

フルーツタルトのメンバー、イノに強烈な恋愛感情を抱いており、かなり際どい言動を幾度となく披露していることから、公式にまで「フルーツタルトの闇」と称されるほどのヤバい存在になっています。
一応イノに関わる事以外はまともな性格という噂もあります。

アニメの声は守屋亨香(もりや きょうか)さんが担当。
代表作は鹿野志穂(CUE!)など。

宇崎花(うざき はな)


(画像引用 : Amazon)

2020年にスタートしたテレビアニメ『宇崎ちゃんは遊びたい!』のメインヒロイン。
大学の先輩、桜井真一に何かとちょっかいをかける後輩女子。
「ショートカット」「巨乳」「八重歯」が特徴的な美少女です。

性格は「ウザい」の一言で煽り上手。
ただしそれは好意の裏返しで、実際には嫌な奴とかではなくタダのかまってちゃんです。
先輩との仲が進展してきた状況ではウザさも大分軽減し、残念美女からは脱しつつあります。

なお、母親の宇崎月も違った意味での残念美女と言えるかもしれません。

アニメの声は大空直美(おおぞら なおみ)さんが担当。
代表作は緒方智絵里(デレマス)、サターニャ(ガヴドロ)など。

星野みやこ(ほしの みやこ)


(画像引用 : Amazon)

2019年にスタートしたテレビアニメ『私に天使が舞い降りた!』の主人公。
お菓子作りとコスプレ衣装作りが得意で社交性皆無のコミュ症大学生。
容姿は可愛く、周囲には「美人なお姉さん」という印象を持たれているようです。

元々日中の大半をジャージで過ごすなど残念美少女感が強い人物でしたが、妹のひなたが連れてきた小学生女子の白咲花にガチ恋して以降は変態的な行動が目立つようになり、更に磨きがかかっています。
ただし自覚はあるようなので、まだマシな部類かもしれません。
当の本人は更にヤバいストーカーに狙われています……

アニメの声は上田麗奈(うえだ れいな)さんが担当。
代表作は新条アカネ(SSSS.GRIDMAN)、栗花落カナヲ(鬼滅の刃)、白銀リリィ(アイカツスターズ)など。

ティオ・クラルス


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2019年にスタートしたテレビアニメ『ありふれた職業で世界最強』のメインキャラ。
竜人族の姫君で、主人公・南雲ハジメと出会った当初は黒龍の姿でした。
人間態ではかなり巨乳な和服美女です。

ハジメとの戦闘の際にケツパイルをかまされてしまった事が原因でドMに目覚め、以降はハジメをご主人様と慕い、様々な鬼畜行為を御褒美として受け取っているようです。
性癖以外は極めて優秀で、あらゆる面で役立っています。

アニメの声は日笠陽子(ひかさ ようこ)さんが担当。
代表作は秋山澪(けいおん)、リアス(HDD)、天草シノ(生徒会役員共)など。

藤原千花(ふじわら ちか)


(画像引用 : Amazon)

2019年にスタートしたテレビアニメ『かぐや様は告らせたい』のメインキャラ。
名門校「秀知院学園」生徒会の書記で、容姿は華やかで可愛く巨乳、成績は中程度ながら五ヶ国語を操るなど能力も総じて高く、かつては天才ピアニストとして名を馳せていました。

そんな実績や実力が霞んでしまうほど残念な言動が目立ち、結果として「アホの子」という共通認識を持たれています。
勝負でズルをしてはアッサリ見破られる事も多い為、後輩からも視聴者からもかなりナメられている模様。

アニメの声は小原好美(こはら このみ)さんが担当。
代表作はシャミ子(まちカドまぞく)、ロキシー(無職転生)、キュアミルキー(スター☆トゥインクルプリキュア)など。

リスタルテ


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2019年に放送されたテレビアニメ『慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』のメインキャラ。
統一神界においては新米の部類に該当する治癒の女神。
女神だけあって美しい容姿で、回復魔法を得意とする優秀なヒーラーでもあります。

ただし人間界では能力がかなり制限されるため実力が発揮できず、またかなりのメンクイで主人公の竜宮院聖哉の整った容姿に思わず涎を垂らすなど、女神にあるまじき姿が目立ちます。
メンタルも弱く、何かあるとすぐ顔面崩壊を起こす悪癖も。

アニメの声は豊崎愛生(とよさき あき)さんが担当。
代表作は平沢唯(けいおん)、犬山あおい(ゆるキャン)、初春飾利(超電磁砲)など。

本庄アル(ほんしょう ある)


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2019年に放送されたテレビアニメ『ひとりぼっちの○○生活』のメインキャラ。
主人公・一里ぼっちのクラスメイトで、彼女にとってクラスで二番目に友達になった人物。
面倒見が良く、またクラス内でも可愛さ上位に入る人気者です。

一方でやる事なす事残念な事にも定評があり、「ハンガーがかかったままの制服で登校」「テニス部なのに帰宅部と良い勝負」「集合写真写真でまともに映った試しがない」「自分のキャラソンを作詞作曲」などその実例は枚挙に暇がなく、残念美人の代名詞的存在と言えます。

アニメの声は鬼頭明里さんが担当。

手品先輩(てじなせんぱい)


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2019年に放送されたテレビアニメ『手品先輩』の主人公。
奇術部唯一の部員であり当然部長。
手品をこよなく愛し、相応の知識や技能も身に付けています。かなりの巨乳を持つ美人さんです。

ただし極度のあがり症でコミュニケーション能力も壊滅的な為、クラス内に友達は一人もいない模様。
そんな性格なので人前での手品は失敗続きで、それどころか毎回エッチなハプニングによって醜態を晒してしまいます。
でもへこたれる事なく手品への情熱を持ち続ける、バイタリティに溢れた先輩です。

アニメの声は本渡楓(ほんど かえで)さんが担当。
代表作は源さくら(ゾンサガ)、メイプル(防振り)、イレイナ(魔女の旅々)など。

桐須真冬(きりす まふゆ)


(画像引用 : Amazon)

2019年に放送されたテレビアニメ『ぼくたちは勉強ができない』のメインキャラ。
主人公・唯我成幸が通う一ノ瀬学園の世界史教諭で、冷徹な印象を受けるほど表情を崩さないクールな美人教師です。
過去の出来事から、生徒の進みたい進路よりも才能に合った進路を重要視しています。

威厳に満ちている教師としての姿とは対照的に、私生活はズボラで掃除もロクにできず汚部屋状態。
部屋着は高校時代のジャージで、私服を買う事も殆どない模様。
虫をはじめ様々なものが苦手で、事ある毎に唯一プライベートの事を知られた成幸を頼っています。

アニメの声はLynn(りん)さんが担当。
代表作はミオリネ(ガンダム水星の魔女)など。

マキ オゼ(茉希尾瀬)


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2019年にスタートしたテレビアニメ『炎炎ノ消防隊』のメインキャラ。
第8特殊消防隊に所属する一等消防官で、第二世代の能力者。
炎を生物のように操るなど、能力の操作に長けています。

可憐な顔で一見すると細身ですが、体はかなり鍛えています。
その鍛え込まれた肉体を見るとストイックな印象を受けますが、実際には年齢(19歳)相応、或いは年齢より幼い乙女脳で恋バナも好き。
女性らしくない体がコンプレックスで、そこをイジられると割とガチめにキレます。

アニメの声は上條沙恵子(かみじょう さえこ)さんが担当。
代表作は上城大華(遊戯王SEVENS)。

鵜飼みどり(うかい みどり)


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2018年に放送されたテレビアニメ『うちのメイドがウザすぎる!』のメインキャラ。
元航空自衛隊二等空尉で、部下だった鴨居つばめに片想いし、自衛隊を去った彼女を追いかけ自分も辞め、その後は色々あってハウスクリーニングの会社を起業しました。
凛とした雰囲気のアラサー美女です。

元々極度のドMだったようですが、つばめへの愛に目覚めてからは「稼いだ金を全部FXに突っ込んで溶かすプレイ」に興じるなど変態への道一直線。
ただし性癖さえ除けば常識人で、つばめの愛する小学生の高梨ミーシャからは「みのりん」と呼ばれ慕われています。

アニメの声はM・A・O(まお)さんが担当。
代表作はぺコリーヌ(プリコネ)、シオン(転スラ)、鷺沢文香(デレマス)など。

邪神ちゃん(じゃしんちゃん)


(画像引用 : Amazon)

2018年にスタートしたテレビアニメ『邪神ちゃんドロップキック』の主人公。
オカルト趣味の花園ゆりねによって魔界から召喚された上半身ギャル、下半身蛇の悪魔。
服は着ずに長い髪で胸を隠しています。上半身だけを見るとかなりの美女です。

性格は全てにおいてクズ。
弱きを挫き強きに媚びる主人公にあるまじき姿勢で、友達のメデューサをATM代わりにしたり脅迫や強奪を繰り返したり、生活費や借りた金をギャンブルに注ぎ込んで散財したりと、これまでの外道行為は数知れず。
しかし、ゆりねからその悪行が帳消しになるほどの非道な虐殺を毎度されている(悪魔なので死なない)為、ヘイトはそれほど溜まっていません。

アニメの声は鈴木愛奈(すずき あいな)さんが担当。
代表作は小原鞠莉(ラブライブ!サンシャイン!!)など。

ゴールドシップ


(画像引用 : Amazon)

2018年にスタートしたテレビアニメおよび2021年にサービスを開始したゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のメインキャラ。
2011~2015年に活躍しGI6勝を挙げた競走馬「ゴールドシップ」を擬人化したウマ娘。
大型で美しい馬だったゴールドシップに合わせ、高身長で巨乳の美人(アニメ公式では「神々しいまでの美貌」と紹介)にデザインされています。

そして性格も破天荒だったゴールドシップ(競走馬)そのままに行動の殆どが奇行、言動の大半がフリーダム。
アニメ版の後に登場したゲーム版では更に変人具合が増していて、アニメ版の彼女が実は控えめに描かれていたと知りファンは思わず唸ったとか。

担当声優は上田瞳(うえだ ひとみ)さん。
代表作はレイリー(戦翼のシグルドリーヴァ)など。

シズル

(画像引用 : 『プリンセスコネクト!Re:Dive』公式Twitter https://twitter.com/priconne_redive)

2018年にサービスを開始したゲームおよび2020年にスタートしたテレビアニメ『プリンセスコネクト!Re:Dive』の登場人物。
秘密結社ギルド「ラビリンス」に所属するヒューマンで、表向きにはクレープ屋のお姉さんとして働いています。
見た目は麗しい淑女です。

しかし中身は血の繋がりがない主人公を「弟」と認識しているヤバい人で、溺愛し過ぎて会わない時間が長いと禁断症状が出るほど。
また元々バイオレンスな人でもありましたが、現在は大分マシになっていてスーパーな頭突き程度に留めています。

担当声優は生天目仁美(なばため ひとみ)さん。
代表作はキュアハート(ドキドキ!プリキュア)、周防美琴(スクラン)など。

鳥羽美波(とば みなみ)


(画像引用 : Amazon)

2018年にスタートしたテレビアニメ『ゆるキャン△』の登場人物。
各務原なでしこや志摩リンが通う本栖高校に赴任してきた教師で、野外活動サークルと関わった縁もあって、なし崩しの内に顧問になりました。
なでしこが「キレイ」というだけあり、糸目の美しいお姉さんといった容姿です。

一見すると普通の新任教師ですが……実はかなりの酒乱。
キャンプ場でも遠慮なくグビグビ呑む事から「グビ姉」という渾名が付きました。
それでも締める時はキッチリ締めるため野クルメンバーからは慕われています。

アニメの声は伊藤静(いとう しずか)さんが担当。
代表作は桂ヒナギク(ハヤテのごとく!)など。

小淵沢報瀬(こぶちざわ しらせ)


(画像引用 : Amazon)

2018年に放送されたテレビアニメ『宇宙よりも遠い場所』のメインキャラ。
南極で行方不明となった母を探すために南極へ向かう方法を模索し続ける女子高生。
凛とした美少女で、モデルにスカウトされるほど容姿は整っています。

そんな外見から受ける印象とは裏腹に、うっかり者でノープランな突貫型。
敵認識した相手には強気に出られるものの、基本的にはあがり症で柔軟性にも欠け、仲間から「ポンコツ」扱いされるに至りました。
しかし彼女の信念に生きる姿勢にはみんなが一目置いています。

アニメの声は花澤香菜さんが担当。

天真=ガヴリール=ホワイト(てんま・ガヴリール・ホワイト)


(画像引用 : Amazon)

2017年に放送されたテレビアニメ『ガヴリールドロップアウト』の主人公。
天使学校を首席で卒業した優秀な天使でしたが、人間界のネトゲにハマり堕落し、駄天使と化してしまっています。
かつては天使らしい清楚な見た目でしたが、現在はダウナー系の美女になりました。

天使らしい天使だった頃の面影は見た目以外にはなく、すっかりやさぐれてズボラな生活を営んでいます。
彼女に憧れた後輩のタプリスはかなりショックを受けていました。
それでもヴィーネら周囲の友人達は今の彼女の方が好きみたいです。

アニメの声は富田美憂(とみた みゆ)さんが担当。
代表作は虹野ゆめ(アイカツオンパレード!)、伊井野ミコ(かぐや様)、リコ(メイドインアビス)など。

新島真(にいじま まこと)


(画像引用 : Amazon)

2016年に発売されたゲームおよび2018~2019年に放送したテレビアニメ『ペルソナ5』のメインキャラ。
秀尽学園高校の生徒会長を務める高校3年生で、のちに怪盗団へと加入。
主人公ジョーカーの参謀として、その冷静さと分析・判断力を遺憾なく発揮しています。

外見もスペックの通り知的美人といった印象です……が、「優等生の仮面」を被っている事にジレンマを感じ、どこかでハメを外したいと思っていたのか、怪盗「クイーン」として覚醒してからはハイな一面も見せています。
またオバケが苦手でビビると姉に助けを請い泣き出したり、尾行の際に全く隠れられていなかったりと、天然ポンコツの素質もあるようです。

アニメの声は佐藤利奈(さとう りな)さんが担当。
代表作は御坂美琴(とあるシリーズ)、南春香(みなみけ)、ネギ(魔法先生ネギま!)など。

枝垂ほたる(しだれ ほたる)


(画像引用 : Amazon)

2016~2018年に放送されたテレビアニメ『だがしかし』の主人公。
大手の菓子メーカー「枝垂カンパニー」の社長令嬢であり、大の駄菓子好きで田舎の駄菓子屋「シカダ駄菓子」で様々な駄菓子トリビアを披露しています。
かなりの美女で抜群のプロポーションを誇っています。

ただ、本人は自分を誇示する事にまるで興味がなく、下着を見られる事にも殆ど抵抗がないなど羞恥心が仕事をしていない模様。
根深いアラサー説がありますが、実際には年齢不詳で最後まで明かされていません。

アニメの声は竹達彩奈(たけたつ あやな)さんが担当。
代表作は中野梓(けいおん)、リーファ(SAO)、中野二乃(五等分の花嫁)など。

アクア


(画像引用 : Amazon)

2016年にスタートしたテレビアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』のメインキャラ。
水を司る女神で、日本人の死後の魂を導く案内役も担っていました……が、主人公カズマに転生特典として異世界に連れて行かれ、彼のパーティでヒーラーとして働く事になりました。
女神だけあって美しい容姿、しかもアニメでは「履いてない」ため、アングルによってはかなり際どいシーンもあります。

元祖「駄女神」と言えば彼女。
その駄目っぷりは言うに及ばず、能天気で空気を読まずプライドが高くすぐ調子に乗ってカズマを小馬鹿にする煽り上手で精神年齢低めなトラブルメーカー。
更に打たれ弱くて依存心が強く信者にすら信頼されていない駄目さ加減ですが、ごく稀に女神らしい事もします。

アニメの声は雨宮天(あまみや そら)さんが担当。
代表作はエリザベス(七つの大罪)、霧嶋董香(東京喰種)、水原千鶴(かのかり)など。

澤村・スペンサー・英梨々(さわむら・スペンサー・えりり)


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2015~2019年に放送・公開されたアニメ『冴えない彼女の育てかた』のメインキャラ。
「柏木エリ」のペンネームで同人活動を行っている新進気鋭のイラストレーター。
同時に八重歯とツインテールがチャーミングな美少女でもあります。

主人公の安芸倫也の幼なじみで、子供の頃はお互い異性として意識していた筈ですが、ある事件を機に疎遠となり、高校生になって運命の再会を果たしました……が、中々思うような関係にはなれず苦戦。
イラストレーターとしての実績とは裏腹に、恋愛面ではポンコツでした。

アニメの声は大西沙織(おおにし さおり)さんが担当。
代表作はメジロマックイーン(ウマ娘)、千寿ムラマサ(エロマンガ先生)、ヴィーネ(ガヴドロ)など。

土間埋(どま うまる)


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2015~2017年に放送されたテレビアニメ『干物妹!うまるちゃん』の主人公。
兄のタイヘイと二人暮らしの妹で、学校やご近所でも評判の美少女。
品行方正で文武両道と非の打ち所がありません。

ただしそれは外面の話で、家ではグータラ三昧の「干物妹」であり、作品内ではデフォルメされた「うまる」としてそのだらしない私生活が描かれています。

アニメの声は田中あいみ(たなか あいみ)さんが担当。
代表作は真波マリン(アイカツフレンズ!)など。

青山ブルーマウンテン(あおやまぶるーまうんてん)


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2014年にスタートしたテレビアニメ『ご注文はうさぎですか?』の登場人物。
喫茶店「ラビットハウス」の常連客で、その正体は「うさぎになったバリスタ」「怪盗ラパン」などのヒット作を手掛ける人気小説家です。
おっとり系の眼鏡美人で、とても落ち着いているように見えます。

けれど実際には小説のネタを探し過度な観察を行っている変人で、かなり極度の天然ボケ気質でもあります。
常に街をフラフラ彷徨っているため、担当編集で元後輩の真手凛はいつも苦労している様子。

アニメの声は早見沙織さんが担当。

夜ノ森紅緒(よのもり べにお)


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2014年に放送されたテレビアニメ『未確認で進行形』のメインキャラ。
主人公・夜ノ森小紅の2つ上の姉で、学校では生徒会長を務めている優等生。
容姿も「可愛い」に振り切った妹とは違い、美人系のお姉さんです。

色んな方向に超人じみていて、妹や可愛いものに対しての溺愛っぷりもかなり重症。
家事は大の苦手で、特に料理に関しては視聴者にお見せ出来ないレベルの仕上がりになっています。

アニメの声は松井恵理子(まつい えりこ)さんが担当。
代表作は神谷奈緒(デレマス)など。

平塚静(ひらつか しずか)


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2013~2020年に放送されたテレビアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のメインキャラ。
主人公・比企谷八幡が通っている総武高校の教師で、彼を奉仕部へと半ば強制的に加入させた張本人です。

見た目はクール系の美人ですが、男運がないのか結婚運が尽きているのか、婚活パーティーに参加しても追い出されてしまうなど出会いや結婚とはとことん縁が無い様子。
教師としては最高で、常に生徒の事を思い、的確なアドバイスを与えています。
でも結婚は遠い。

アニメの声は柚木涼香(ゆずき りょうか)さんが担当。
代表作はエルルゥ(うたわれるもの)、遠野美凪(AIR)など。

柏崎星奈(かしわざき せな)


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2011~2013年に放送されたテレビアニメ『僕は友達が少ない』のメインキャラ。
聖クロニカ学園の生徒で、理事長の一人娘。 隣人部に所属し、毎日仲間たちと怠惰な日々を送っています。
成績優秀、運動神経抜群、そして見た目も麗しくスタイルも抜群と非の打ち所がない完璧超人です。

ただし性格だけは悪く、とにかく傲慢かつプライドが高いため同性の友達が一人も出来ず、本人も密かに苦悩していたようです。
ヒロイン=残念美人という本作のコンセプトを象徴する人物ですね。

アニメの声は伊藤かな恵(いとう かなえ)さんが担当。
代表作は松前緒花(花咲くいろは)、佐天涙子(超電磁砲)など。

高坂桐乃(こうさか きりの)


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2010~2013年に放送されたテレビアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のメインヒロイン。
主人公・高坂京介の実の妹。中学生でありながらファッション誌の専属モデルになるほどの美少女で、いわゆる陽キャとして周囲に認知されています。

しかしその正体は、成年向けゲームをこよなく愛すガチのオタク。
また兄に対する態度と口は非常に悪く、家庭内限定の残念美女です。

アニメの声は竹達彩奈さんが担当。

山中さわ子(やまなか さわこ)


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2009~2011年に放送・公開されたアニメ『けいおん!』の登場人物。
桜が丘高校の音楽教師で、平沢唯たち放課後ティータイムが所属する軽音部の顧問を務めています。
長い髪と眼鏡が特徴的な美女で、唯たち生徒もその美しさには言及しています。

ただし外面と中身が別物で、他の教師や生徒の前ではお淑やかにしているものの、実際にはデスメタルをこよなく愛するワイルドな性格。
そういうはっちゃけた面も部員からは好かれているようです。

アニメの声は真田アサミ(さなだ あさみ)さんが担当。
代表作は時崎狂三(デアラ)、デ・ジ・キャラット(Di Gi Charat)など。

吉野屋先生(よしのやせんせい)


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2007~2013年に放送・発売されたアニメ『ひだまりスケッチ』のメインキャラ。
やまぶき高校の美術の先生で、主人公・ゆの達の担任を務めています。
容姿に関しては自信があり、生徒の評判も上々です。

ただ、アラサーにしては精神年齢が低く、常識外れの言動で生徒を混乱させる事がしばしばあります。
モラルや羞恥心も欠如しているようで、人前で肌を晒す事にも抵抗がなく、生徒にとっては色んな意味で「教師」と言えそうです。

アニメの声は松来未祐(まつき みゆ)さんが担当。
代表作はクー子(ニャル子さん)、 チョッピ(プリキュア Splash Star)、鷺ノ宮伊澄(ハヤテのごとく!)など。

まとめ

見た目と中身のギャップが魅力の残念美人ですが、残念であればあるほどキャラは立つけどヒロイン力は落ちるというジレンマもあります。
そういう意味では、キャラクターとしての魅力を発揮する上で最も難易度が高い属性と言えるかもしれません。
今回ピックアップした40名は、その魅力が遺憾なく発揮されているキャラばかりです!

【かぐや様は告らせたい】4期の可能性を徹底検証! 原作完結後もメディアミックスは続行で可能性あり?


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アニメ3期も好評、更にその後も新作アニメーションが制作されるなど、原作完結後にもメディアミックス展開が続いている『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』。
そのテレビシリーズ4期が制作される可能性について徹底検証します!

平成最後~令和初期を代表する人気ラブコメディ


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ラブコメディ!

昭和、平成、そして令和と続くアニメの歴史において、このジャンルはいつの時代も幅広い人気を博し、その時々で名作を生み出してきました。
その数十年と続く歴史の中にあって、平成最後のクールとなった2019年冬に1期が放送された『かぐや様は告らせたい』は、間違いなく代表的な作品の一つに数えられるでしょう。

そんな『かぐや様』が連載をスタートしたのは2015年
週刊ヤングジャンプの看板作品となった本作ですが、実は連載を始めた雑誌はヤンジャンではなく、その増刊のミラクルジャンプという雑誌でした。
のちに【推しの子】でタッグを組む事になった横槍メンゴ先生の『レトルトパウチ!』、同じくヤンジャンに移籍してアニメ化も果たした『潔癖男子!青山くん』、ウルトラジャンプに移籍しこちらもアニメ化した『もののがたり』など、幾つかの人気作を生み出した雑誌でしたが、現在は休刊となっています。

そんな決してメジャーとは言えない雑誌で開始した『かぐや様』ですが、従来のラブコメの切り口ではなく、天才的な頭脳を持つ両想いの主人公2人が駆け引きや心理戦で相手に告白させようとする「恋愛頭脳戦」をコンセプトを打ち出しつつ、斜め上の展開でしっかり笑いを取る「ラブとコメディの融和」とも言うべき作風で早々に読者のハートをゲット。
ラブコメ好き界隈では早々に「面白い漫画が始まった!」と話題になり、コミックスの1巻が発売された2016年3月にヤンジャンへの移籍が発表されました。
事実上の昇格ですね。

その1巻の売れ行きも好調で早々に重版が連続してかかり、更には大重版決定→2巻も即重版というヒットコースまっしぐらの流れに乗ります。
以降も「神回」と言われる人気エピソードを量産し、第65回小学館漫画賞一般向け部門、第3回次にくるマンガ大賞コミックス部門など様々な賞を受賞。
漫画ファンや有識者から高い評価を得て、順調に売上を伸ばし続けました。

・『かぐや様は告らせたい』シリーズ累計発行部数の推移

2016年06月 **20万部(2巻発売)
2016年10月 **30万部(3巻発売)
2017年01月 **50万部(4巻発売)
2017年04月 **80万部(5巻発売)
2017年07月 *100万部(6巻発売)
2017年10月 *145万部(7巻発売)
2018年02月 *200万部(8巻発売)
2018年06月 *240万部(10巻発売、アニメ化告知)
2018年09月 *285万部(11巻発売)
2018年12月 *350万部(12巻発売、スピンオフ「同人版」1巻発売)
2019年01月 *400万部(13巻発売、アニメ1期開始)
2019年03月 *550万部(14巻発売、アニメ1期終了、スピンオフ「語りたい」1巻発売)
2019年07月 *750万部(15巻発売)
2019年09月 *800万部(16巻発売、実写映画1作目公開)
2020年01月 *900万部(17巻発売)
2020年04月 1000万部(18巻発売、アニメ2期開始)
2020年06月 1100万部(アニメ2期終了)
2020年07月 1200万部(19巻発売)
2020年11月 1300万部(20巻発売)
2021年02月 1400万部(21巻発売)
2021年05月 1500万部(22巻発売)
2021年12月 1700万部(24巻発売)
2022年06月 1800万部(26巻発売、アニメ3期終了)
2022年10月 1900万部(27巻発売)
2022年12月 2200万部(28巻発売)※全世界累計

1~3期はいずれも国内外で大人気


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全世界シリーズ累計発行部数2200万部のメガヒットとなった『かぐや様』ですが、上記の発行部数推移を見ても明らかなように、その原動力となったのはアニメです。
アニメ化前から巻割(巻平均)30万部と十分なヒット作でしたが、アニメ1期放送によるブースト効果はかなり大きく、巻割は一気に50万部にまで増加。
スピンオフ2作も含んでいるため単純比較はできませんが、ファンの数が凄まじい勢いで増えたのは間違いありません。

更に特筆すべきは2期
通常、2期になるとアニメ化によるコミックス販促効果は大幅に薄れていくものですが、2期開始前は53万部だった巻割が2期終了後には63万部に増加しました。
2期でここまで顕著な効果が出るケースは稀で、如何に『かぐや様』のアニメ化が成功したかを物語っています。

一方、アニメのBlu-ray・DVD(円盤)セールスは1期が平均5000枚強、2期が3500~4000枚、3期が2000枚と、そこまで大きな数字ではありません。
しかしこの作品の人気は円盤売上よりも配信の方で顕著に表れています。

各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると、2期は同クール内で2位、3期は3位を記録。
1期はそれ以上の総合ポイントを獲得しており、非常に多くの人が配信を利用して本作を観ていた事がわかります。

更にアニメ『かぐや様』は海外でも高い需要を獲得しています。
中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」では、1期が2億8000万再生、2期が2億2000万再生、3期が1億1000万再生と、トータルで6億再生以上を記録しています。
アジア圏において、全ラブコメアニメの中でも最高峰の人気を獲得している作品と言える数字です。

また、「Crunchyroll Award」「Anime Trending Award」など海外の様々なアニメ賞レースにおいても数多くの受賞を果たしており、非常に高く評価されています。

これだけ国内外で広く評価され、需要のあるアニメはそう多くはありません。
以上の実績を考慮すれば、4期は決して非現実的ではなく、寧ろかなりの確率で実現する事が予想されます。

原作は完結! それでもアニメ化展開は続く?


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かぐや様4期実現において最大のネックは、原作が完結している点です。
本作は2022年に大団円を迎え、スピンオフ作品も同時に連載を終えました。
更に、作者の赤坂アカ先生がこの完結をもって漫画家としては引退し、原作者としての活動のみ行っていく事を発表している為、続編を描く可能性はほぼゼロとなっています。

そういった状況なので、原作の売上や人気を支援するという意味でのアニメ化を行う意義は、連載中よりも大きく低下しました。
出版社としても、既に連載を終えた作品より連載中の作品を優先するのは当然の事なので、完結した時点で新作が作られる可能性はどうしても低くなってしまいます。

しかし、『かぐや様』に関しては例外になり得るだけの材料も幾つかあります。

まず、完結後にもアニメ化展開が続いている点は確実に好材料です。
3期終了後、新作アニメーションとしてクリスマス編(氷かぐや編)を映像化した『かぐや様は告らせたい -ファーストキッスは終わらない-』の制作が告知され、2022年12月に90分の長編作品として劇場公開されました。
このアニメはテレビでの放送も予定されています。

これが例えば「完結編」と銘打たれていたら、4期の可能性は完全に絶たれていましたが、本作にはそのような記述は一切ありません。
よってこれは、今後4期の制作を視野に入れた上で、その4期を完結編とするための調整も兼ねた単発の映像化という捉え方も出来ます。
要するに、クリスマス編を4期に入れてしまうと1クールまたは2クールでは終われないため、このエピソードを先に単独作品として消化した、という解釈です。

これが的を射ているかどうかはわかりませんが、メディアミックス展開を止めていない点が大きなプラス材料なのは間違いないでしょう。

また、海外人気の高さも4期を支持する理由の一つです。
最終巻で急に「全世界シリーズ累計2200万部」という告知が行われていましたが、かぐや様のコミックスは海外でも人気を博してるようです。
アニメで火が点いて海外でコミックスが売れるケースは、ヤンジャンの作品においても『東京喰種』をはじめ幾つも前例があり、かぐや様もその波に乗りつつあるのでしょう。

という事は、今後は海外のマーケットに対し積極的に宣伝していくという事が考えられます。
その場合、新作アニメが大きな宣伝材料になる事は言うまでもありません。

国外のファンに対する宣伝効果を期待して、4期の制作が行われるのは十分に「アリ」です。

ストックは十分! 4期が制作されるならどのエピソード?


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アニメ『かぐや様』は現在、16巻まで映像化されています。
最終巻が28巻なので、ストックは12巻分残っているという事になりますね。
1~3期で14巻の途中までアニメ化されている事を考えると、ほぼ3クール作れるだけのエピソードが残っている事になります。

よってストックに関しては全く問題ありません。
4期どころか5期、なんなら6期まで作る事は可能です。

もっとも、原作が既に完結している事を考えると、そこまで引っ張るとは考え難いでしょう。
4期を完結編とし、1クールもしくは分割2クールで放送というのが最も現実的かと思われます。

では、実際に4期が作られた場合、どのエピソードが採用されるかを予想していきます。

(尚、ここからは少々ネガティブな意見も含まれていきます)

圧倒的な人気と評価を得ている『かぐや様』ですが……氷かぐや編以降の評価は必ずしも高いものばかりではありません。
むしろ「文化祭以降失速した」という意見が非常に目立っています。
コミックスの売上が大きく落ちている訳ではなく、あくまで「そういう意見もある」という範囲ではありますが、これもまた『かぐや様』という作品を語る上では避けて通れないトピックです。

その為、賛否両論が顕著な3期以降のエピソードに関しては、かなり厳選した上で4期の制作が行われると予想されます。
余り評判が良くないエピソードについては、カットないし短縮する事もあり得るでしょう。

ただ、本作を完結する上でどうしても欠かせないエピソードもあります。
四宮家のお家騒動(24~26巻)です。
これは、かぐやと白銀会長の行く末を描く上で外せない、いわば「本筋」とも言えるエピソードなので、短縮する事はあってもカットする訳にはいきません。

早坂がメインとなる修学旅行編(18~19巻)は、仮に省略しても辻褄を合わせる事は可能です。
早坂は作中屈指の人気キャラですが、生徒会とは関わりが薄い事を考えると、カットされる事も考えられます。

石上、つばめ、ミコの恋愛事情については、原作であまり掘り下げられなかった重要な要素(ステラの人バレ)をアニメで補完する事が考えられます。
ただ、それをしないのであればカット対象にもなり得ます。

逆に大仏に関するエピソードは、かなりの確率でカットされるでしょう。
本作において最も否定的な意見が目立つのは彼女関連のエピソードだからです。

その他の日常エピソードについては、かなり削られてしまう事になると予想されます。
本作はむしろ、本筋に絡まない日常回の方が人気が高い傾向が見られますが、1~3期においても割とカットされている回がある事を考えると、完結に向けた4期では中々採用され難いという判断に傾きます。

以上の事を踏まえ、4期は以下のような内容になると予想します。

1クールの場合:修学旅行編+お家騒動+各キャラの最終回
2クールの場合:大仏関連など評判がイマイチなエピソードをカットしつつラストまで

【推しの子】とのW展開も?


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2023年春より、赤坂先生が原作を務めている【推しの子】のアニメがスタートします。
かぐや様と直接関係がある作品ではないものの、同じ世界観の中のお話であり、既に原作同士はコラボも行っている為、関連性はかなりあります。

そこで今後、かぐや様と推しの子のメディアミックスが同時展開される可能性を検証してみましょう。

かぐや様はアニプレックス製作、A-1 Pictures制作のアニメなのに対し、推しの子は動画工房が制作しています。
その為、製作および制作の繋がりは薄いです。

ただ、制作会社が違う方が却って同時展開しやすくはあります。
同じ制作会社だと同時に制作はできないので、とあるシリーズの『禁書』と『超電磁砲』のように放送時期をズラすしかありませんが、制作会社が違えば同時期の放送も可能。
例えば「かぐや様4期終了後に、同じ枠で推しの子2期を放送」といったリレー方式で視聴者を引っ張るというパターンも考えられます。

この両作品は兼任ファンが多い為、W展開という形でアニメを進めて行くメリットは十分あります。

まとめ

4期まで作られるアニメはかなり稀ですが、かぐや様ならその目も十分にあると思います!
最近は劇場版で完結というパターンも結構多いので、4期→映画で終わるパターンかも?
どういう形でも良いので、もう少し動く彼らを見ていたいですよね!

【推しの子】星野ルビー徹底検証!かわいいのにどうして影が薄いのか…?


(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/)

2023年春にアニメが開始される人気作【推しの子】より、主人公の一人として活躍する星野ルビーを大特集!
その類い稀なルックスで人気アイドルの道を邁進する一方、読者から「影が薄い」と言われる理由を検証していきます!

星野ルビー(ほしの るびー)キャラクター概要


(画像引用 : Amazon)

【推しの子】に登場する女性キャラクターで、本作の主人公の1人
前世は宮崎県の病院に入院していた天童寺さりな(てんどうじ さりな)で、現在はアイドル・星野アイ(ほしの あい)の娘「星野瑠美衣(ほしの るびい)」に転生。
かつて母アイが所属していた苺プロダクション所属のアイドルとなり、アイがセンターを務めていたアイドルグループ「B小町」を再結成させ、新生B小町の一員として様々な活動を行っています。

年齢は16歳で、陽東高校の芸能科に通学中。
幼少期は母のアイ、双子の兄・星野アクア(ほしの あくあ)と生活していましたが、現在はアクアと共に苺プロの現社長・斎藤ミヤコ(さいとう みやこ)と暮らしています。

明るい金髪の髪を肩まで伸ばし、左側を結んだワンサイドアップにしています。
成長と共に母親の面影が色濃くなり、左目にアイから受け継いだ星状のハイライトを宿しています。
容姿のレベルは非常に高く、アイドルとしてもズバ抜けていて、同じ芸能人という立場の人間が羨むほどです。

天真爛漫を絵に描いたような性格で、思った事を率直に口にする為、その無邪気さが時に毒舌になる事も。
基本的には芸能界とアイドルに憧れる純粋無垢な人物ですが、ネットの汚い世界に触れて育ったことで少々過激な一面もあります。
「嘘」が嫌いで、嘘をつく事もつかれる事も極端に嫌がります。

アイドルとしてのスキルは偏りがあり、ダンスはグループ内でも随一で、歌は最も下手
アイドルに対しての想いは人一倍強く、キツい練習にも全く音を上げず楽しんで行うタイプで、先輩の有馬かな(ありま かな)からは「アイドルになるために生まれてきたみたいな子」と評されています。

兄アクアとの兄妹仲は良好で、シスコン気味な兄に負けず劣らずブラコン気質。
母親代わりのミヤコとは本物の親子のような関係で、同じグループのかな、MEMちょとも仲良し。
学校ではクラスメイトでグラビアアイドルの寿みなみ(ことぶき みなみ)、人気タレントの不知火フリル(しらぬい ふりる)と仲良くなり、当初は何者でもなかった自分にコンプレックスを抱いていましたが、アイドルデビュー後は堂々と友達付き合いをしています。

担当声優は伊駒ゆりえ(いごま ゆりえ)さん。

2021年より81プロデュースに所属している新人声優。
2022年にオーディオドラマ「その初恋は甘すぎる」オーディションに参加、『デュエル・マスターズ キングMAX』『可愛いだけじゃない式守さん』などに出演。
そして2023年、ルビー役で初メイン、初主演を果たしました。

前世さりなの声優は高柳知葉(たかやなぎ ともよ)さん。
代表作はオグリキャップ(ウマ娘 プリティーダービー)、陽夏木ミカン(まちカドまぞ)、木ノ幡みら(恋する小惑星)など。

2章序盤まではちゃんと主人公。それ以降は……

(画像引用 : 『赤坂アカ』公式Twitter https://twitter.com/akasaka_aka)

ルビーは連載が始まる前から【推しの子】のメインキャラとして、前面に押し出されていました。
連載開始告知の際にはメインビジュアルとして描かれるなど、その華やかな外見もあって非常に目立った存在でした。

しかし連載が進むにつれ、ルビーの存在感は次第に薄れていきます
そんな彼女の軌跡を振り返ってみましょう。

彼女の初登場は第1話ですが、その時はルビーではなく前世のさりなとしての登場でした。
それも、アクアの前世ゴローの回想という形。
さりなは退形成性星細胞腫という病気に冒され、ゴローに看取られ12歳でその人生を終えていたのです。

(ちなみに退形成性星細胞腫は現在、星細胞腫のグレード3という分類になっています。星細胞腫とは簡単に言うと脳腫瘍の一種で、更にざっくり言うと脳のガンです。グレードは悪性度を意味し、他の部位のガンで言うところのステージ(進行度)とは異なるので「ステージ3程度のガン」という訳ではありません。退形成性星細胞腫の5年生存率は20~30%と言われていて、これは殆どのガンのステージ3より低い数字です)

この時点ではあくまで「ゴローが看取った悲劇の少女」に過ぎませんでしたが、なんという運命のイタズラか、彼女の魂は新たな肉体を得ます。
さりなが生涯を終える瞬間までずっと憧れていたアイドル・星野アイの子供「星野ルビー」として転生したのです。

しかもその際に生まれた子供は二人で、片割れの双子の兄アクアはゴローが転生した子供。
ルビーにとって彼は初恋の相手であり、「憧れの人物の娘」「初恋の相手の妹」というとんでもない宿命を背負う事になりました。

この事実が判明した時点では、紛れもなくルビーは【推しの子】の主役の一人でした。

アイに憧れ同じように踊りたいとずっと願いながらも、脳の病気でまともに動かない体を嘆き、涙した記憶。
それを他ならぬ母アイの言葉と教えで上書きし、「私も踊っていいんだ!」と歓喜する幼きルビーの姿は多くのファンに感動を与え、主役らしい光を放っていました。

その後、アイがストーカーに刺殺され絶望感に苛まれるルビーでしたが、ミヤコの支えや「アイのようになりたい」という想いで耐え抜き、真っ直ぐに成長します。
地下アイドルのスカウトを受けてアクア達をヤキモキさせるなどの紆余曲折はあったものの、無事ミヤコの運営する苺プロに所属する事になり、アイドルとしての第一歩を踏み出しました。

このエピソードが描かれた2巻序盤までは、ファンも本作を「ルビーの物語」と捉えていたでしょう。
けれどその後、徐々に流れが変わります。

アクアがかなと再会し、彼女に誘われWebドラマの撮影に挑むエピソード(第二章)の時点では、ルビーのファンも「ルビーの話が一段落したし、次はアクアだよな」と余裕の静観。
その後、かなが苺プロに所属する事になった時も、アクアが恋愛リアリティショーに参加するエピソード(第三章)に突入した際も、「これはB小町のメンバーを集める布石だ」と考え、メンバーが揃った時にルビーメインのエピソードが大々的に描かれるだろう……と信じて疑いませんでした。

そしていよいよメンバーが揃い、第四章「ファーストステージ編」へと突入。
「ここからはルビーのターンだ!」と全国のルビーファンが息巻いて見守っていましたが……メインで描写されたのはルビーではなく有馬かな
第四章は常にかな視点で描かれる事になり、ルビーは最後に見せ場こそあったものの、終始サブのポジションのままでした。

以降の章においても同様の現象が起こり続け、いよいよルビーがメインで描かれるという流れになっても、主人公らしく描かれるエピソードは中々出て来ません。
「主人公の1人」「もう1人の主役」という肩書きは最早形骸化され、出番も決して多いとは言えず、完全に「主人公の妹」状態。
2章序盤以降のルビーは、お世辞にも主人公とは言えない立ち位置に納まってしまっています。

実は扱い難いキャラ?

(画像引用 : 『横槍メンゴ』公式Twitter https://twitter.com/Yorimen)

「影が薄い」と言われているルビーですが、それもその筈で「もう一人の主人公」という肩書きとは裏腹に出番も見せ場も多くはなく、目立ちようがない状況が続いています。
では、何故こんな状況になってしまったのでしょうか

一般的に、メインキャラの影が薄くなる理由として最も多いのは、人気の面で他のキャラに食われるという現象です。
例えば『とある魔術の禁書目録』は、本来メインヒロインのはずのインデックスが回を追う毎に後続のヒロイン勢に押され出番が減っています。

そしてもう一つ、動かし難くて出番が減るケースもあります。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』は、当初メインヒロイン枠のヘスティアが「例の紐」で人気を博し、紐神様と崇められていましたが、ダンジョンに潜れないという性質の影響で出番が極度に減っています。
更に人気面でもリュー・リオンから食われてしまっていて、1期しか観ていないアニメファンと原作ファンとの間に大きな認識の齟齬が生じている状態です。

ルビーは、この両方の例が併発している状況と言えます。
人気面では、彼女の後に出て来たヒロイン勢、かなと黒川あかね(くろかわ あかね)がかなり強めに恋愛要素を押し出している為、アクアの妹枠になったルビーは圧倒的に不利。
その上、役者ではないルビーは役者メインのエピソードでは中々他キャラと絡めず、ほぼ出番がない状態にならざるを得ないので、どう足掻いても影は薄くなってしまいます。

もう一つ穿った見方をするならば、ルビーは正統派のキャラゆえに扱いが難しいキャラかもしれません。

原作の赤坂アカ先生は『かぐや様は告らせたい』でもそうでしたが、癖のあるキャラの描写が得意。
その為、本来そこまで味付けしなくて良いキャラにまで妙な属性を付けてしまい、ファンから「そんなキャラじゃなかっただろ!」とツッコまれる事も多々ありました。
ルビーは真っ直ぐに育ったキャラで、まだピュアなお年頃の12歳で亡くなったさりなのイメージを大きく変え辛い事もあって、赤坂先生にとって積極的に動かし辛いキャラの1人かも……という邪推をしてしまいたくなります。

そんなルビーですが、8巻で大きな変貌を遂げます
現状、まだ馴染んでいないという印象はありますが、これによって動かし辛いキャラではなくなりました。
また「アクアへの前世バレ」という切り札を持っている状態なので、今後ルビーが一気に主役の座に返り咲く可能性は十分にあります。

ルビーの名言・迷言集(~第四章)

https://twitter.com/oshinoko_comic/status/1599674943553224704

(画像引用 : 『漫画【推しの子】』公式Twitter https://twitter.com/oshinoko_comic)

天真爛漫なルビーは発言に関しても奔放で、その時その時思った事を言いたい放題です。
そんな彼女の名言・迷言をまとめました!
なお、アニメ1期で放送される可能性が高い第四章「ファーストステージ編」までの範囲からの選出です。

もし芸能人の子供に生まれていたらって考えた事はない?

ルビーがさりなだった頃、ゴローに対して言った言葉
【推しの子】という作品がルビー、そしてさりなの物語である事を強く示唆していて、何気に意味深長です。
もしかしたら、今後クローズアップされる事もあるかもしれません。

娘の私がママのおっぱい吸うのは自然の摂理なんですけど 与えられた当然の権利なんですけど

ルビーに転生した直後、アクアに謎のマウントをとっての台詞
ピュアなようで、実は結構歪んでいるのが窺えます。
勿論それは、アイへの歪んだ愛情です。

私をオギャバブランドに返してー!!

アイとアクアが出演する映画の撮影所へ赴いた際の台詞
アイは撮影が別日の為、親愛なるアイ不在とあって寂しさが爆発してしまったようです。
ある意味、正しい幼児退行と言えます。

重曹を舐める天才子役…?

その撮影所で出会ったかなの「十秒で泣ける天才子役」というキャッチフレーズを言い間違えた一節
この一言がきっかけで、作中でもリアルでもかなは「重曹ちゃん」と呼ばれ、本名をしばしば忘れられています。
ある意味、【推しの子】の人気に火をつけたのはルビーのこの一言かもしれません。

処女受胎に決まってるでしょ 男なんて最初から存在してない

アイの父親は誰かという話になった際、瞳のハイライトを消して言い放った衝撃の一言
アイへの歪んだ愛情はここにきて極まり、あのアイですら珍しく本気で危機感を抱いていました。

絶対ママみたいになるんだ!

地下アイドルにスカウトされ、反対するアクアやミヤコに対し真っ向から言い放った決意の一言
憧れた人物と同じようになりたい、という願望の事を『同一化(同一視)』と言いますが、ルビーのアイに対する憧れがストレートに出ている台詞ですね。
赤坂先生はこの同一化を色んな所で用いています。

ウチの兄シスコンなの

アクアがルビーと同じ学校を受験した理由を「妹が心配だから」と説明した事に対し、その補足として平然と言い放った一言
かなからは「きっも!」とミもフタもないツッコミを受けていました。
尚、ルビーの方も結構なブラコンなのでお似合いの兄妹です

ああいう子はコッテリしたオタの人気を滅茶苦茶 稼ぐ!

かなをB小町にスカウトする際、アイドルオタとしての嗅覚と知識を総動員して彼女を分析した結果の台詞
これによって重曹ファン=コッテリしたオタという図式が界隈で広まりました。
かなの読者イメージは殆どルビーが作っています。

私にとって先輩は只の小娘だから

B小町が初ライブを大規模フェス「ジャパンアイドルフェス」のステージで迎える際、「あなた達の為にも失敗できない」と緊張するかなに対して言い放った台詞
勿論、悪口などではなくかなを励ます為の言葉であり、この後は「可愛くて努力家などこにでもいるただの新人アイドル。コケて当たり前! 楽しく挑もうよ!」と続きます。
ルビーらしい、まっすぐな台詞と意気込みですね。

だって今回の仕事は傍に世界で一番信頼できる人が居るので

本作の最後の舞台となるであろう、映画「15年の嘘」のインタビューで「おにいちゃん」に向けて言った言葉
これがアクアに対してなのか、別の人物に対してなのかは不明ですが、いずれにせよ今後の展開を占う上で大きな意味を持つ台詞です。
目に明るい星が宿っているので、嘘は言っていないと思われます。

まとめ

アニメで声がつく事で一気に映えるキャラだと思うので、アニメ放送後にルビー人気は一気に爆上げする事が期待できると思います!
新人さんが声を担当するのも、ルビーの初々しさとマッチしていて期待大です。
主役の輝きを取り戻して欲しいですね!

【推しの子】星野アクア 徹底検証!「最悪の復讐」とは何か?


(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/)

2023年春よりアニメがスタートする大ヒット作品【推しの子】より、主人公の星野アクアを大特集!
彼がこれまで歩んで来た道のりを振り返りつつ、これから行われるであろう復讐劇の内容を徹底予想します!

星野アクア(ほしの あくあ)キャラクター概要


(画像引用 : Amazon)

【推しの子】に登場する男性キャラクターで、本作の主人公の1人。
前世は宮崎県の病院に勤務していた産婦人科医のゴローこと雨宮吾郎(あめみや ごろう)で、現在はアイドル・星野アイ(ほしの あい)の息子「星野愛久愛海(ほしの あくあまりん)」に転生し、苺プロダクション所属の芸能人として活動しています。

職業は「タレント」で、役者だけでなくバラエティ番組への出演なども行っています。
年齢は16歳で、陽東高校の普通科に通学中。
幼少期は母のアイ、双子の妹・星野ルビー(ほしの るびー)と暮らしていましたが、現在はルビーと共に苺プロの現社長・斎藤ミヤコ(さいとう みやこ)と生活しています。

ウェーブがかった金色の髪で、前髪は長く左目が半分隠れています。
端正なルックスと右目の星状のハイライトはアイから受け継いだもの
容姿のレベルは高く、プロデューサーや有名芸能人からも一目置かれています。

医者になるだけあって知能は高く偏差値は70とかなり優秀ですが、役者としての演技力は並で、事前に演技を準備して挑むタイプです。
一方で、類い稀な洞察力や思考力によって「受け」は強く、アドリブも得意。
クールでシニカルな性格の為、容赦ない言葉を投げかける事もありますが、大抵の場合は理性を働かせています

恋愛観は転生後の年齢に拠るところが強く、本人曰く「自分と近い年齢の子を恋愛対象として認識する」「年下は無理」とのこと。
前世ではそれなりに女性と交流を重ねていたようで、その頃の経験は転生後にも活かされています。

妹のルビーに対してはやや過保護気味で、自他共に認めるシスコン
幼い頃に撮影現場で出会った有馬かな(ありま かな)とはお互いに意識し合う仲になっているようです。
仕事で参加した恋愛リアリティショー「今からガチ恋♡始めます(今ガチ)」で出会った黒川あかねとは番組の延長で「ビジネス恋人」となり、定期的に会う仲になっています。

担当声優は大塚剛央(おおつか たけお)さん。

アイムエンタープライズに所属している声優。
2016年に『あまんちゅ!』でデビューし、2018年8月公開の劇場版アニメ『詩季織々「上海恋」』のリモ役でアニメ初主演、同年10月放送『風が強く吹いている』カケル(蔵原走)役でテレビアニメ初主演を果たし、以降も数多くの作品にメインキャラとして出演しています。
代表作は星野アクア、リオン・フォウ・バルトファルト(乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です)、カケル、眉見鋭心(アイドルマスター SideM)など。

幼少期の声優は内山夕実(うちやま ゆみ)さん。
代表作はルーデウス・グレイラット(無職転生)、猪熊陽子(きんいろモザイク)、ナギ(Aチャンネル)など。

前世ゴローの声優は伊東健人(いとう けんと)さん。
代表作は観音坂独歩(ヒプノシスマイク)、二藤宏嵩(ヲタクに恋は難しい)、硲道夫(アイドルマスター SideM)など。

「俺」と「僕」の間で揺れる日々

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(画像引用 : 『漫画【推しの子】』公式Twitter https://twitter.com/oshinoko_comic)

【推しの子】は様々なジャンルが複合的に絡み合っている作品ですが、その本筋となるのはやはりサスペンスであり、アクアの復讐劇です。
とはいえ、彼の人生は必ずしも復讐にばかり費やされていた訳ではありません。
そんなアクアの半生を、彼が生まれる前から振り返ってみます。

前世のゴロー時代はアラサーながら子供っぽい一面もあり、医者でありながら気取る事なく明るい性格でした。
そんな彼を、入院患者のさりなはいたくお気に入りだったようで、のちに「初恋の人」と言っています。
そんなさりなの影響で、ゴローはアイドルユニット「B小町」の星野アイ(ほしの あい)を推していました。

そのアイが妊娠し、マスコミに嗅ぎつけられないよう田舎の産婦人科を希望した縁で、彼女と出会う事になります。
イメージとは大分違い、「嘘は愛」と言い切る彼女に複雑な思いを抱きつつも更に好感を持ち、信頼関係を築く事が出来ましたが……出産予定日を迎えたその日、ゴローは何者かによって殺害されてしまいます。

しかし運命のイタズラか、はたまた神様の気まぐれか、彼の魂は天に召される事なく新たな命へと宿ります。
なんと、アイの子供して転生する事になりました。

幼少期は双子の妹ルビーと共に、アイの子供として悠々自適な生活を送っていましたが……ある日、アイがストーカーに刺殺されてしまい、生活が一変。
その激動の日々の中で、アクアはアイ殺害には黒幕がいる事に気付き、真犯人に復讐する事を密かに決意します。

このような奇々怪々な人生を歩んだ事で、アクアの人格はゴロー時代とは打って変わり、クールで狡猾な人間になります。
一方で性根そのものまでねじ曲がる事はなく、身内や頑張っているのに報われない人物、弱っている者には手を差し伸べる、そんな人格が形成されていきました。

この二面性が、彼を苦しめていく事になります。

アクアの一人称は安定せず、「僕」と言う事もあれば「俺」と言う事もあります。
作中で「どんどんと『僕』と『星野アクア』の境目がなくなっていく」という台詞がある為、一見すると「ゴローの人格が出ている時が僕で、アクアとしての意志で話す時は俺」と解釈しがちですが……事はそう単純ではありません。
というのも、ゴロー時代から既に彼は「僕」と「俺」を使い分けているからです。

詳細は省きますが、ゴローの頃から彼は自分を押し殺し、周囲を優先して自分の望まない道を選ぶような人生を歩んできました。
そういう心理状況が長く続くと、多重人格というほど明確ではないものの、心の中に自分とは違う自分が生まれる事が往々にしてあります。
ゴローの場合、主に不本意な自分や情けない自分に対し、自嘲的表現として「僕」を用いている傾向が見受けられます。

アクアに転生して以降もそれを受け継いでいて、対人だけでなく心の声でも基本的には「俺」を使いますが、ゴローの声として「僕」を使う事もあれば、全く関係ない時に「僕」を使う時もあります。
彼はゴロー時代の自分を「不本意な人生を歩んだ情けない男」と思っているフシがあり、だからこそゴローとしての自分を「僕」と表現しているのでしょう。

星野アクアとして、成すべき事を成そうと生きる「俺」
そんな自分に対して、何処か本意でない感情を引きずっている「僕」

彼は、そんな二つの自分の間で揺れ動きながら、第二の人生を歩んでいるのです。

アクアの描く「最悪の復讐劇」とは?


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自分が「こうありたい」と願った自分として人生を生きたい。
アクアの中に、そういう願望があるのは事実です。
しかし同時に、アイを殺した黒幕を放置する事など決して出来ないというのも純然たる本心です。

では、彼は果たしてどんな形での復讐劇を目論んでいるのでしょうか?

まず真犯人ですが、既に原作では明らかになっています。(アニメで明かされるのは大分先の話になるので、ここでは具体名は割愛します)
その真犯人と思われる人間はアクアが作中で言っていたように、アイを刺したストーカーではなく、彼に情報提供を行った人物です。
実際に手は下しておらず、また諸々の理由から仮に逮捕されたとしても大きな罰を受ける事はまずありません

よって、アクア自ら犯人を殺す……というのが最もイージーな復讐劇となるでしょう。
しかしアクアは、それで復讐完遂とは思っていないようです。
単に犯人が死亡するというだけでは、偉大なアイドルであり母でもあるアイの人生が奪われた事実と釣り合いが取れない……とアクアは考えているでしょう。

アクアの価値観を考慮すれば、犯人が「こうありたい」と願っている人生を全て奪い、尊厳と価値観をズタズタに引き裂く事こそが最大の復讐劇であると思われます。

ならば一体、どのような方法の復讐が犯人の尊厳を踏み躙れるのか。
それは、彼を表舞台に引きずり出す事です。

黒幕は他人(ストーカー)を操作してアイ殺害を実行しました。
自分の手を汚さないで相手の命を奪う事を美学としているタイプだと強く推察されます。
また、アイが東京ドーム公演を間近に控えた絶頂期に彼女を殺させた事を考慮すると、アクアは犯人を「社会的評価にコンプレックスやトラウマを抱えている人物」だとプロファイリングしているかもしれません。

ならば犯人を衆目に晒し、かつ彼が行ってきた犯行を大衆が嘲笑うという流れを作る事こそが、犯人にとって最も屈辱的かつ効果的な復讐になると考えているのではないかと予想する事が出来ます。
ただ殺すのではなく、犯人の美学を社会に全否定させ、笑いものにした上で殺せば、犯人は「無様な人物」として歴史に名を残し、それをリカバリーする機会も永遠に訪れません。

原作1巻および110話では、アクアと彼に近しい人物の多くが、アイの半生を綴った映画「15年の嘘」に出演する事が示唆されています。
この映画が復讐の舞台になる事は間違いないでしょう。

アクアは犯人が行った犯行を全てトレースし、それを映画として公開する事で犯人の存在と犯行そのものを世間に晒しつつ、如何に犯行が杜撰で幼稚だったかを公に晒す事で尊厳を奪おうとしている……と予想します。

アクアの名言・迷言集(~第四章)

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(画像引用 : 『漫画【推しの子】』公式Twitter https://twitter.com/oshinoko_comic)

主人公だけあって、決める時にビシッと決めるタイプのセリフが多いアクア。
そんな彼の名言・迷言をまとめました!
なお、アニメ1期で放送される可能性が高い第四章「ファーストステージ編」までの範囲からの選出です。

推しのアイドルが妊娠しとる!!

ゴロー時代、妊娠したアイが診察室に現れた際の心の叫び
人によっては年単位で立ち直れないレベルの衝撃だったでしょうが、割とすぐ切り替えられたあたり、ゴローは健全なオタだったのかもしれません。

僕はどうしようもないほど君の奴隷(ファン)だ

アイの本性を知り、それでも彼女が美しいと感じた際のゴローの偽らざる本音
アイドル本人が望む事なら叶えてあげたい、と考えるのはファン心理として当然ですが、やはり何処か自虐的な印象を抱かせる台詞です。

ルビーをアイドルにはさせない アイと同じ轍を踏ませない…絶対に。

アクアに転生し、アイドルを目指している双子の妹ルビーに対して人知れず妨害工作を行っている際の台詞
アイの事を思えばその心情は理解できますが、やはりやり過ぎの感は否めず、シスコンと言われるのもやむを得ないですね。

子供部屋おじさんの言う事って響かねえなぁ

40半ばで社会的地位も確立している五反田監督が実家から出ようとしない事に対し、蔑むような目で発した心の声
割と多くの人を敵に回しそうな台詞でもあります。
なお、カントクの弁明は「都心に広い実家あると出るメリットない」との事です。

せっかくだから滅茶苦茶やって帰るか

アクアのキメ台詞シリーズ第1弾
かなに誘われ『今日あま』の撮影に参加し、その現場でかなが評価されていないと知り、どうにかしてやろうという心情から発した台詞です。
主人公らしさが際立ったカッコ良い台詞ですが、若干厨二っぽいのはご愛敬。

別に嘘は吐いてないんだし

かなをB小町にスカウトする際、「そこらのアイドルよりずっと可愛い」「有馬になら大事な妹を預けられる」など散々持ち上げた事に対する述懐
アクアのかなに対する評価、感情が表面化された最初のシーンですね。

めっちゃ緊張するわ~皆よろしくね!

「今ガチ」に参加した直後の、軽薄なキャラ作りをした上での台詞
本人もしっくり来てなかったのか、あまり視聴者に好評ではなかったのか、割とすぐこのキャラは捨ててしまいました。

若者特有の共感しあうだけの会話キツぅ……

上記のシーンの直後、やっぱりしっくり来ていなかったのかと思わせる本音の吐露
なお、この心の声を漏らした際に隣にいたのはMEMちょなので、その場に「若者」は一人もいませんでした。

ここからが本当のリアリティショーだ

アクアのキメ台詞シリーズ第2弾
「今ガチ」の行き過ぎた演出もあって、あかねが炎上し自殺未遂まで犯した事態に怒りを覚え、彼女のイメージの回復と番組への意趣返しも兼ねた妙案を思い至った際の台詞です。
とはいえ、方法自体はとてもスマートでした。

大人がガキ守らなくてどうすんだよ

あかねを助ける為の動画作りを行う際、ディレクターに言い放った台詞
前世がアラサーの産婦人科医だったからこその、重みのある言葉です。

黒川あかねは使える ここで手放す訳にはいかない

「今ガチ」のラスト、あかねに告白しキスした際の漆黒のモノローグ
アクあか(アクアとあかねのカップリング)を楽しんでいた読者を一気に突き通すような腹黒い台詞ですが、このような奸智に徹しきれないのがアクアのアクアたる所以です。

まとめ

アクアという主人公は、かなり複雑な人間性を抱えています。
そんな彼を、担当声優の大塚さんがどう演じてくれるのか、とても楽しみです!
彼の若干厨二っぽいキメの台詞を早くアニメで聞きたいですね!

アニメ化して欲しい漫画・ラノベ・ゲームはどの作品? 2023年にアニメ化が発表されそうな作品TOP40を発表


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2023年にアニメ化が発表されそうな漫画・ラノベ・ゲームTOP40を発表!
既に大人気のヒット作から今後伸びてきそうな期待の新作まで、様々な作品を40作チョイス。
独断と偏見でアニメ化の可能性が高い順番に順位付けしてみました!

40位:タコピーの原罪


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2021~2022年に少年ジャンプ+で短期集中連載された漫画作品。
作者はタイザン5先生です。

いじめられっ子の久世しずかが、「ハッピー」を広めるため地球にやって来たハッピー星人タコピーと出会い、壮絶な人世を歩むヒューマンドラマです。
連載期間中は更新日になると常にトレンド上位にランクインするなど、ネット上で大反響を呼びました。

単行本は上下巻の2冊。
累計発行部数は130万部を突破し、巻割(巻平均)で65万部というメガヒットになりました。

2巻分のストーリーしかないので1クールでのアニメ制作は困難と思われますが、劇場版であれば十分制作可能。
本作が大ヒットしている期間に企画が立ち上がっていれば、今年2023年にアニメ化が発表される頃合いと言えるでしょう。

タイザン5先生は現在、週刊少年ジャンプ誌上で『一ノ瀬家の大罪』を連載しており、こちらも話題作になっています。

39位:ヘブンバーンズレッド


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2022年2月にサービスを開始したゲームアプリ。
『Kanon』『AIR』『CLANNAD』で知られるKeyと『消滅都市』『ダンメモ』などで知られるWFSが共同開発しており、Key所属の麻枝准さんがシナリオ、音楽を担当しています。

謎の生命体「キャンサー」に襲われた地球を舞台に、決戦兵器「セラフ」で対抗する少女達の奮闘を描いた物語です。
ジャンルはRPGですが、ファンの多くは麻枝さんの描くストーリーに期待を寄せています。

サービス開始と同時に人気ゲームの仲間入りを果たし、「Google Play Best Of 2022」においてベストゲーム2022など3部門を制覇するなど高い評価を得ています。
これまでKeyの人気作はほぼアニメ化されているので、本作も人気に火がついた直後にはアニメ化企画が立ち上がっていると予想されますが……まだ開始から1年とあって、今年中の発表は微妙かもしれません。

38位:あかね噺


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週刊少年ジャンプ2022年11号より連載を開始した漫画作品。
原作・原案は末永裕樹先生、作画は馬上鷹将先生が担当しています。

落語家の父を持つ主人公・阿良川あかねが破門にされてしまった父の無念を晴らすため、自ら落語家の道を歩む物語です。

落語漫画は『うちの師匠はしっぽがない』『じょしらく』などアニメ化したヒット作もあるくらいなのでマイナーではありませんが、ジャンプ作品としては非常にチャレンジングな題材。
それでもしっかりとした内容と読みやすさで人気を博し、連載陣として定着しました。
「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門で第3位にランクインするなど、評価も上々です。

4巻発売時点での累計発行部数は50万部で、順調にファンが増えています。
ただしアニメ化までの道のりはまだまだ険しく、2023年内にアニメ化が発表される為には更なるファンの増加が必要でしょう。

37位:スーパーの裏でヤニ吸うふたり


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2022年3月より作者の地主さんが自身のTwitterに投稿を行っているWeb漫画で、同年8月より月刊ビッグガンガンでの連載もスタートしました。

スーパーで働く爽やかな女性・山田に日々癒やされている冴えない40半ばのサラリーマン・佐々木が、スーパーの裏で出会ったクールな毒舌家・田山(正体は山田)とタバコを吸いながら雑談するヒューマンドラマです。
会話劇がメインですが、徐々にラブコメ要素も増してきています。

「次にくるマンガ大賞 2022」Webマンガ部門で1位を獲得し、その勢いに乗って単行本も大ヒット。
2巻発売時点で累計発行部数は60万部に達しています。
ただ、2023年内に出せるコミックスは4巻までが限界で、年内のアニメ化発表は微妙なラインです。

36位:宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する


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2010年8月より小説家になろうで連載を開始したWeb小説。
作者はすずの木くろ先生です。

宝くじで40億円を当てた主人公“カズラ”こと志野一良が、異世界と現世を行き来しながら40億円の資金と日本の物資力で異世界の問題を解決していくファンタジー作品

2014年より黒獅子先生をイラスト担当に招きモンスター文庫で書籍化、2016年より今井ムジイ先生作画によるコミカライズがComicWalkerで連載されています。
また2020年からは、漫画アプリ「がうがうモンスター」で尺ひめき先生作画によるスピンオフ漫画『宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する~マリーのイステリア商業開発記~』もスタートしました。

総累計発行部数160万部のヒット作で、設定のインパクトもあって有名な作品ですが、なかなかアニメ化には至っていません。
書籍化10周年の2024年に実現するなら、今年内の発表もあるかも?

35位:ガイシューイッショク


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ビッグコミックスペリオール2017年12号より連載を開始した漫画作品。
作者は色白好先生です。

不動産屋に勤務する主人公・小森広海と、漫画家を目指して上京した20歳のヒロイン・境みちるによるラブコメディ
セクシーな表紙からエロ系のマンガだと誤解している人も多いと思いますが(実際下ネタ要素も多分にありますが)、基本的にはみちるの毒舌やブラックな言動と、それに振り回される主人公によるコメディを楽しむ漫画です。

4巻時点で累計発行部数は130万部を突破しています。
かなりヒットしている作品なので、ストックが溜まる今年にはアニメ化発表の可能性が十分あると思われます……が、長期休載もありペースが安定しない点がネックです。

34位:しあわせ鳥見んぐ


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まんがタイムきらら2020年7~9月号にゲスト掲載され好評を博し、11月号より連載を開始した4コマ漫画
作者はわらびもちきなこ先生です。

芸大に通う主人公・宮内すずがバードウォッチング愛好家の大学生・時庭翼と出会い、バードウォッチングの魅力にハマっていく……というお話。
基本的にはライトなハートフルコメディで、いろんな種類の鳥達と彼等を愛するバードウオッチャー達のキャッキャウフフを楽しめるきらら系らしい作品ですが、シリアスなエピソードもあり読み応え十分の漫画です。

アニメ化前でありながら三度も表紙を飾っており、編集部から押されている作品という印象を受けます。
あとは『まちカドまぞく』のようにジワジワ人気が上がっていけば、アニメ化の可能性も自ずと上がって行くでしょう。

33位:ハイスコアガール DASH


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大ヒット作となった『ハイスコアガール』の続編として、月刊ビッグガンガン2020年Vo.01より連載を開始した漫画作品。
作者は押切蓮介先生です。

前作から11年後、28歳になり担任教師となった日高小春が、クラスの問題児達に振り回されながらも昔培ったゲームの技術と情熱で更生させていく学園ストーリーです。

連載開始当初は、前作の負けヒロインがアラサーまで独身を貫いていることから「死体蹴り」と揶揄され、前作と全く違う作風に戸惑う読者も多かったようですが……小春がらしさを取り戻していくにつれ前作とは違った魅力が発揮されています。
前作のアニメを制作したJ.C.STAFFは続編やスピンオフのアニメ化に積極的なので、十分可能性はあります。

32位:こういうのがいい


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週刊ヤングジャンプ2020年17号に読切が掲載され好評を博し、同年10月よりWebマンガサイト「となりのヤングジャンプ」で連載を開始した漫画作品。
作者は双龍先生です。

恋人の押し付けや束縛に疲れ別れた男女同士が意気投合し、エッチはするけど恋人じゃない、でもセフレとも違う「フリーダムフレンド」としてユルユルな関係を築き、それぞれの生活の中でお互いに癒やされていくコメディです。
W主人公の村田元気はエンジニア、江口友香はファミレスのアルバイト店員で、お仕事モノの要素もあります。
定点カメラ視点で描く技法を多用し、独特のリズム感を出している点も特徴ですね。

コミックスは4巻まで発売され、累計発行部数は60万部を突破。
アニメ界ではエロ枠は安定した需要があるので、有力なアニメ化候補作品の一つです。

31位:青野くんに触りたいから死にたい


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月刊アフタヌーン2017年2号より連載を開始した漫画作品。
作者は椎名うみ先生です。

交際を始めて2週間で恋人の青野龍平を事故で失い、後を追おうとしていた女子高生・刈谷優里の前に青野の幽霊が現れ、そのまま交際を続行する……という一風変わった設定のラブコメディです。

ほのぼのとした印象の絵柄とは対照的に、狂気を感じるほど一途な優里の挙動がホラーじみていると話題になり、ネット上で人気を獲得。
2022年には実写化も行われ、何度も全巻重版がかかっていました。
10巻まで発売されているのでストックは十分あり、メディアミックスとの相性も良いので、アニメ化の目は十分あります。

30位:よくわからないけれど異世界に転生していたようです


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2017年5月より小説家になろうで連載を開始したWeb小説。
作者はあし先生です。

10歳の孤児の少女レンが馬車転落事故に遭った際に前世の記憶(30代男性の研究者で、爆発事故に巻き込まれ死亡)を思い出し、当時の記憶と魔法の素質を駆使して一人でユルいサバイバル生活を送りつつ、何だかんだで敵と戦ったり仲間とワイワイしたりする物語です。
転生モノの王道を複数詰め込んでランダムに出現させるような作風で、エンタメ性が非常に高く、その無軌道っぷりが受けて人気作へと上り詰めました。

2019年よりカオミン先生がイラストを担当する書籍版(Kラノベブックス)、内々けやき先生作画によるコミカライズ(水曜日のシリウス)がスタート。
累計発行部数200万部のヒットになっておりストックも十分あるため、アニメ化にも期待が持てます。

29位:ぬるめた


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2018年4月より作者のこかむもさんが自身のTumblrやpixiv、ニコニコ静画に投稿を行っているWeb漫画で、まんがタイムきららMAX2020年2~4月号にスペシャルゲスト掲載され好評を博し、5月号より連載を開始しました。

天真爛漫な人造人間のくるみ(魚住くるみ)、その保護者で男勝りなちあき(宗円千明)、クールだけど笑い上戸のさきな(鴉越咲樹菜)、ツッコミ担当のゆき(高田詩雪)によるおバカな日常が描かれています。

次にくるマンガ大賞2022にノミネートされ、その勢いで1巻に重版がかかり2022年3月号で表紙を飾るなど、同じくMAXで連載中の『ななどなどなど』と共に次世代「きららMAXの顔」候補として注目されています。

28位:合コンに行ったら女がいなかった話


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2020年3月より作者の蒼川なな先生がpixivや自身のTwitterに投稿を行っているWeb漫画で、2021年2月より ガンガンONLINEでの連載もスタートしました。

第1話の内容はタイトル通り、3人の男子大学生が合コンに行ったら相手の3人も男子だったというお話……かと思いきや男装していた女性だった!という第1話から始まる、普通の大学生と男装大学生によるわちゃわちゃ系のラブコメディです。

設定は奇抜ながら、作風自体は『野崎くん』や『WORKING!!』のようなコメディ寄りの内容。
タイトルでBLモノと思って敬遠している人はまだまだ多いと思われ、アニメ化すれば更に人気が出る事間違いなしです。
2022年には実写化も行われました。

27位:明日、私は誰かのカノジョ


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2019年5月よりサイコミで連載している漫画作品。
作者はをのひなお先生です。

様々な事情や悩みを抱え、「レンタル彼女」「パパ活」などで生計を立てている女性たちの強さと弱さを描いたヒューマンドラマ
SNSで非常に大きな反響があり、特に女性からの共感が凄まじく、大ヒット作となりました。

13巻まで発売され、累計発行部数は500万部を突破。
ヒット規模は文句なしですが、元々実写向きの作品で既にドラマ化も行われ、現在最終章に突入している為、アニメ化確実!とまでは言えません。
それでも十分可能性はあります。

26位:煙と蜜


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ハルタVol.59(2018年11月発売)より連載を開始した漫画作品。
作者は『伝説の勇者の伝説』のコミカライズで作画を担当した長蔵ヒロコ先生です。

大正時代の名古屋を舞台に、良家の令嬢で12歳の小学生・花塚姫子と、その許嫁で帝国陸軍少佐の土屋文治、30歳が織り成す18歳差の恋物語です。

設定が設定だけに一部で非難めいた声もありますがファンも多く、アニメ化候補作品の一つに数えられます。

25位:ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。


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2018~2021年に小説家になろうで連載されたWeb小説。
作者はえぞぎんぎつね先生です。

パーティ絶滅の危機に瀕し、主人公ラックが「ここは俺に任せて先に行け!」を実行し10年後に生還すると、世界を救った英雄として称えられていた……という内容のファンタジー作品です。

DeeCHA先生がイラストを担当しGAノベルで刊行されている書籍版、阿倍野ちゃこ先生が作画を手掛けマンガUP!で連載されている漫画版も発売中。
特に漫画版は人気が高く、シリーズ累計発行部数は200万部を突破しました。
ストックも十分あり、いつアニメ化しても不思議ではない人気作だけに、連載5周年の今年は可能性大ですね。

24位:ゆびさきと恋々


(画像引用 : Amazon)

デザート2019年9月号より連載を開始した少女漫画。
作者は漫画家ユニット・森下suuです。

聴覚障害があり耳の聞こえない女子大生・糸瀬雪と、大学の先輩・波岐逸臣のピュアな恋愛を描いた物語
少女漫画ですが少年誌で掲載されていても違和感のない絵で、男性でも楽しめる恋愛作品です。

8巻まで発売され、累計発行部数は300万部と目下大ヒット中。
ただ2004年放送のドラマ『オレンジデイズ』を思わせる題材は圧倒的に実写向きで、アニメ化よりも実写化が先に行われる可能性が高いです。
既にミュージカルにもなっています

23位:魔法使いの約束


(画像引用 : Amazon)

2019年11月にサービスを開始したゲームアプリ。
『スタンドマイヒーローズ』で知られるcolyが開発・運営を行っています。

『アイドリッシュセブン』の都志見文太さんがシナリオを担当。
魔法使いが存在する世界を舞台に、「大いなる厄災」から世界を守るため、人間と魔法使いが心を通わせ共に戦うストーリーが描かれている育成SLGです。

女性向け作品というカテゴリーに入る事が多いゲームですが、主人公は男女どちらでも選べ、恋愛要素もないので男性も遊べるゲームです。
600万DLを超えるヒット作でコミカライズ、舞台化が行われるなどメディアミックスに積極的なので、5周年を迎える2024年にアニメ放送が行われる可能性は十分ありそうです。

22位:東京エイリアンズ


(画像引用 : Amazon)

月刊Gファンタジー2020年5月号より連載を開始した漫画作品。
作者は『青春×機関銃』のNAOE先生です。

東京を舞台に、地球人と地球外生命体「宇宙人」の異能者がバトルを繰り広げるスペースアクション。
バトルものですが、美しい作画によるイケメン達の華麗な戦いが人気で、前作『青春×機関銃』同様に女性人気がかなり高い作品です。

その『青春×機関銃』が6巻発売の時点でアニメ化が発表されており、本作も6巻まで発売されているので、そろそろアニメ化が発表されるタイミングと思われます。
既にLINEスタンプやコラボカフェなど様々な企画が実施されているので、メディアミックス展開にも期待できます。

21位:転生貴族 鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~


(画像引用 : Amazon)

2019年10月より小説家になろうで投稿を開始したWeb小説。
作者は未来人A先生です。

35歳の平凡なサラリーマンが異世界の弱小貴族の子供に転生し、人間のステータスを認識できる「鑑定」のスキルを駆使して勢力を拡大させていくファンタジー作品

なろうで人気を博し、2020年より書籍化とコミカライズが同時に企画されました。
書籍版はjimmy先生がイラストを担当し、Kラノベブックスより4巻まで発売中。
井上菜摘先生が作画を担当している漫画版はマガポケで連載され、10巻まで発売されています。

漫画版の売上が好調で、累計発行部数は200万部を突破。
公式アカウントも既に作られていて、アニメ化の気配をビシビシ感じます。
なお、既にアニメ化されている『転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~』など「転生貴族」というワードが入った作品は他にも多数ありますが、これはジャンル的な流行であって作者が同じという訳ではありません。

20位:来世は他人がいい


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月刊アフタヌーン2017年10月号より連載を開始した漫画作品。
作者は小西明日翔先生です。

関西最大勢力のヤクザの組長の孫娘・染井吉乃と、その許嫁で関東最大勢力ヤクザの総長の孫・深山霧島が織り成すバイオレンスな日々を描いたラブストーリーです。

元々はTwitterやpixivで展開していた漫画で、ネット人気や女性人気が非常に高く、「次にくるマンガ大賞2018」コミックス部門1位を獲得するなど連載開始直後から大きな支持を得ていました。
日本だけでなくアジア圏のファンも多いようです。
7巻まで発売されストックも大分溜まっており、売上も好調なのでいよいよアニメ化も実現可能となってきました。

19位:ハニーレモンソーダ


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りぼん2016年2月号より連載を開始した少女漫画。
作者は村田真優先生です。

かつていじめられっ子だった優等生・石森羽花と、レモン色の髪をした男子高校生・三浦界を中心とした青春ラブストーリー
一組ではなく複数のカップルの恋愛模様が描かれる少女漫画らしい作品で、「ハニレモ」の愛称で人気を博しています。

2023年3月24日に22巻を発売。
累計発行部数は1000万部を突破しており、現在連載中の少女漫画ではトップクラスの人気を誇っていて、既に実写映画化も行われています。
近年、少女漫画はアニメ化せず実写化のみに留まるケースも多いですが、『思い、思われ、ふり、ふられ』のように実写の後にアニメ化する作品もあるので、十分可能性アリです。

18位:1年A組のモンスター


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月刊ComicREX2018年3月号より連載を開始した漫画作品。
作者は『男子高校生を養いたいお姉さんの話』『きらぼしお嬢様の求婚』の英貴先生です。

問題児揃いの季園(すえぞの)女子高等学校1年A組を舞台に、恐ろしく真面目な担任・自見太郎の奮闘を描いた学園漫画
10巻まで発売され、累計発行部数は120万部を記録しています。
既にドラマCDも発売済みで、連載開始から5年経った今、アニメ化へ向けて着実に進んでいる印象です。

17位:薫る花は凛と咲く


(画像引用 : Amazon)

2021年10月よりマガジンポケットで連載している漫画作品。
作者は三香見サカ先生です。

底辺の男子校「千鳥高校」に通う強面の紬凛太郎と、名門お嬢様校「桔梗女子」に通う優しき女子高生・和栗薫子による恋愛ストーリーが描かれています。

コメディ要素は薄く王道の恋愛もので、少女漫画(普通の女子がスパダリ系男子に好かれる)の設定を逆にしたような内容で男女問わず人気を博し、「第6回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」で2位、「次にくるマンガ大賞 2022」web漫画部門で6位にランクインするなど評価も上々。
6巻まで発売されておりストックも溜まってきた為、そろそろアニメ化が発表されても不思議ではありません。

16位:アラフォー男の異世界通販生活


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2017年9月より小説家になろうで投稿を開始したWeb小説。
作者は朝倉一二三先生です。

異世界に転移したアラフォー独身男の主人公ケンイチが、転移の際に授かった「現代日本にあるネット通販サイトを使える能力」を駆使し、異世界生活を満喫するお話です。
ジャンルとしてはスローライフに属します。

2016年より、やまかわ先生がイラストを担当する書籍版がMFブックスより刊行。
続いて月刊Gファンタジー2019年5月号でうみハル先生作画によるコミカライズ版の連載がスタートしました。
コミカライズの売れ行きが好調で、アニメ化の可能性がどんどん膨らんでいます。

15位:逃げ上手の若君


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週刊少年ジャンプ2021年8号より連載を開始した漫画作品。
作者は『暗殺教室』『魔人探偵脳噛ネウロ』の松井優征先生です。

鎌倉時代および室町時代を舞台に、主人公の北条時行が得意の逃げ足を駆使して逃若党の仲間達と共に活躍する様を、史実をもとに描いています

大ヒット作家の新作という事で連載前から話題になり、手堅くジャンプ連載陣の中堅を担っています。
ジャンプ作品は中堅クラスまではアニメ化する事が多く、既に『夜桜さんちの大作戦』『アンデッドアンラック』『マッシュル』などもアニメ化決定済みなので、本作のアニメ化自体はほぼ確実です。
『暗殺教室は』連載開始から2年足らずでアニメ化が発表されているので、本作も今年そうなる可能性は十分あります。

14位:僕の妻は感情がない


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コミックフラッパー2019年9月号より連載を開始した漫画作品。
作者は杉浦次郎先生です。

サラリーマンの主人公タクマから「お嫁さんになって」と言われた家電ロボットのミーナが、ロボットでありながら妻らしくなる為に奮闘し、少しずつ人間のような感情が芽生えていく物語です。
ホンワカした日常もののような印象を与えつつ、実際には重いテーマを内在している作品でもあり、ロボットものとしての評価は巻が進むにつれ上がっています。

「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門で6位を獲得。
5巻まで発売されており、ストックは大分溜まってきているので、今年中にアニメ化の発表がありそうな気配を感じます。

13位:ウィッチウォッチ


(画像引用 : Amazon)

週刊少年ジャンプ2021年10号より連載を開始した漫画作品。
作者は『SKET DANCE』『彼方のアストラ』の篠原健太先生です。

魔女や魔法が存在している世界を舞台に、鬼の力を持ちながら平穏に暮らすモリヒト(乙木守仁)と幼なじみで魔女のニコ(若月ニコ )、更に乙木家に集まった風変わりな面々が織り成す日常をコメディメインで描いています。
スケダンと同じ世界の物語で、セルフコラボとして成長したスケダンのキャラも登場しました。

『逃げ上手の若君』と同時期に連載を開始して、コミックスの売上もほぼ同じ。
掲載順はやや不安定ながら上位に名を連ねる事も多く、人気作として定着して来ました。
『逃げ若』と同時期にアニメ化の発表が行われるかもしれません。

12位:異世界賢者の転生無双~ゲームの知識で異世界最強~


(画像引用 : Amazon)

2018年より小説家になろうで連載を開始したWeb小説。
作者は進行諸島先生です。

自分がプレイしていたVRMMOと似た異世界に「エルド」という名前で転生した主人公が、ゲーム知識を駆使し最下位職「ノービス」から賢者へと転職し無双していくファンタジー作品です。

2019年にはGAノベルより柴乃櫂人先生をイラストに招いた書籍版が発売され、2020年には三十三十先生が作画を担当する漫画版がマンガUP!でスタートしました。

進行諸島先生は2022年にアニメ化された『失格紋の最強賢者』『転生賢者の異世界ライフ』の作者で、本作はこれら賢者シリーズの第三弾です。
どちらのアニメも配信で好成績を残しており、本作もその勢いでアニメ化される可能性は高いと思われます。

11位:桃源暗鬼


(画像引用 : Amazon)

週刊少年チャンピオン2020年28号より連載を開始した漫画作品。
作者は漆原侑来先生です。

鬼の血を引き継いでいる主人公・一ノ瀬四季が羅刹学園に入学し、学園の生徒達と共に切磋琢磨しながら、桃太郎の子孫が集う「桃太郎機関」に殺された養父の仇を討つべく戦うダークファンタジーです。

桃太郎という誰もが知る昔話をモチーフにしつつ、イケメン達が躍動する王道ストーリーでエンタメ性が高く男女問わず高い人気を誇っていて、チャンピオンの看板作品になりました。
13巻まで発売され、累計発行部数は200万部を突破。
アニメ映えするタイプの作品と思われ、アニメ化されたら国内外を問わずファンを飛躍的に増やすと予想されます。

10位:メダリスト


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月刊アフタヌーン2020年7月号より連載を開始した漫画作品。
作者はつるまいかだ先生です。

金メダルを夢見てフィギュアスケートクラブ「ルクス東山FSC」に所属する主人公の小学生・結束いのりと彼女のコーチを務める明浦路司が何度も壁にブチ当たりながらも成長していく物語
デビュー作とはとても思えない作画力、そして小学生を主人公としているとは思えないほど熱く厳しくスリリングなストーリーに、多くの読者が心を鷲掴みにされています。

「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門で1位、第68回「小学館漫画賞」一般向け部門受賞と評価は圧倒的。
漫画界における次世代のエース候補であり、アニメ化は確実視されていますが、アフタヌーンはじっくり時間をかけてアニメ化する傾向が強く、2023年内に発表されるかは微妙な情勢です。

9位:プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク


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2020年9月にサービスを開始したゲームアプリ。
『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』で知られるCraft Eggの子会社Colorful Paletteがセガと共同開発しているリズム&アドベンチャーゲームです。

当初は「沢山ある初音ミクコンテンツの一つ」と思われましたが、サービスが始まると「プロセカ」の愛称で親しまれ、特に男性キャラの人気が高くなり女性ファンが急増。
現在はリズムゲームの中でもトップの人気を誇り、ユーザー数は1000万人を突破しました。
2022年にミニアニメ『ぷちセカ』が制作された事もあり、いよいよ本格的なアニメ化が行われる雰囲気になっています。

8位:WIND BREAKER


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2021年1月よりマガジンポケットで連載している漫画作品。
作者はにいさとる先生です。

「偏差値は最底辺、喧嘩は最強」と噂されていた風鈴高校に入学した主人公・桜遥が、実は風鈴高校が街を守る集団「防風鈴」として街中のトラブルを解決し市民に感謝されていると知り、風鈴の一員として戦う事を決意する……というお話

年々コンプライアンスが厳しくなる中、それを逆手に取ったような令和ならではのキレイなヤンキー漫画として人気を博し、6巻発売時点での累計発行部数は122万部を記録。
現在は10巻までリリースされており、ストックも十分に溜まっています。
女性ファンが多く、「ネクスト東リベ」として期待されている漫画とあって、アニメ化は間違いないでしょう。

7位:黄泉のツガイ


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月刊少年ガンガン2022年1月号より連載を開始した漫画作品。
作者は『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』の荒川弘先生です。

山奥の村で生まれ、「昼と夜を別つ双子」として生まれた少年ユルが、「ツガイ」と呼ばれる怪物とツガイ使い達との戦いに巻き込まれる伝奇ファンタジーです。

様々な勢力が入り乱れる複雑な内容ながら読みやすく、荒川先生らしい作風で連載開始当初から人気を博し、3巻発売時点で発行部数は100万部を突破。
アニメ化はほぼ間違いありません。
問題はタイミングですが、過去に4作のアニメ化を達成している荒川先生の新作なので、連載を立ち上げる時点でアニメ化企画は動き始めていると思われ、連載開始から2年以内でのアニメ化発表は十分にあり得ます。

6位:魔導具師ダリヤはうつむかない


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2018年4月より小説家になろうで連載を開始したWeb小説。
作者は甘岸久弥先生です。

過労死した前世から異世界転生し、魔導具師となった赤髪の女性ダリヤ・ロセッティが幸せを掴もうとするも婚約破棄され、そこから新たな人生を歩み始める物語
なろう系で一時代を築いている人気ジャンル「婚約破棄系」の代表的な作品で、なろうの累計ポイント歴代9位にランクインしています。

メディアミックスは既に多く、景先生がイラストを務める書籍版『魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~』(MFブックス)を軸に、旧漫画版、現漫画版、スピンオフ小説とそのコミカライズが発表されています。
特に現漫画版『魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~』は人気が高く、シリーズ累計発行部数は120万部を突破しています。
これだけ積極的にメディアミックスを行っている事を考えれば、アニメ化はほぼ確実と言えそうです。

5位:アネモネは熱を帯びる


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まんがタイムきららフォワード2021年1月号より連載を開始した漫画作品。
作者は桜木蓮先生です。

人助けのため受験できず、不本意な高校に入った大槻凪紗と、その時に助けられた病弱な少女・小宮山茉白が織り成す百合恋愛を描いた物語
きらら系の中でも百合成分がかなり強めの作品で、コミック百合姫の作品群と並べても違和感はないくらいです。

1~3巻に重版が掛かっていて、きらら系ではかなり有力なアニメ化フラグが立っている状態。
連載開始から僅か半年で表紙を勝ち取り、これまで三度表紙を飾っている実績からも、現在のきらら作品の中においてアニメ化最有力候補と言えるでしょう。

4位:ウマ娘 シンデレラグレイ


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週刊ヤングジャンプ2020年28号より連載を開始した、競走馬を擬人化したメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』を原作とした漫画作品。
脚本はアニメ『ウマ娘』も担当する杉浦理史さん、企画構成はプロデューサーの伊藤隼之介さん、作画は久住太陽先生が担当しています。

カサマツトレセン学園出身のオグリキャップを主人公とした、ウマ娘達の苛烈なレース人生を描いた熱血漫画
アニメでも2期はシリアス要素が強めでしたが、本作はかなり熱いストーリーが展開され、独自色を出すことに成功しています。

累計発行部数は9巻発売時点で450万部を突破しており、同時期に連載が始まりアニメ化されている【推しの子】 を上回るなど実績は十二分。
2023年放送のウマ娘3期との兼ね合いもありそうですが、そろそろ頃合いでしょう。

3位:アオのハコ


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週刊少年ジャンプ2021年19号より連載を開始した漫画作品。
作者は三浦糀先生です。

バドミントン部に所属する猪股大喜、大喜の想い人でバスケ部所属の先輩女子・鹿野千夏、大喜の友人で新体操部所属の同級生・蝶野雛を中心とした恋愛ストーリー
家庭の事情で大喜と千夏が同居することになり、物語は緩やかに動き始めます。

ジャンプの恋愛モノでは珍しくコメディ要素が薄めでお色気もハーレム要素も皆無
そのピュアな恋愛模様が人気を博し、累計発行部数は200万部を突破しました。
9巻まで発売中で、ストック的にも十分です。

ちなみに、ジャンプの恋愛作品は殆どが連載開始から2年以内にアニメか発表を行っています。

2位:ダンダダン


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2021年4月より少年ジャンプ+で連載している漫画作品。
作者は龍幸伸先生です。

宇宙人の存在を信じない女子高生のギャル・綾瀬桃とオカルトマニアの男子高校生・高倉健が宇宙人と妖怪に遭遇し、怪異たちとバトルを繰り広げる物語
メインは怪異アクションバトルですが恋愛要素もあります。

龍先生は下積み時代に『地獄楽』『チェンソーマン』をアシスタントとして支えていた超画力の持ち主で、本作でもその画力が遺憾なく発揮されています。
それで逆にアニメ化が不可能と言われているくらいです。

累計発行部数は5巻の時点で120万部。
ジャンプラにおいては準エース格で、次のアニメ化候補の筆頭です。
ufotableなどの実績あるアニメスタジオが映像化すれば海外ファンが急増する事になるでしょう。

1位:SAKAMOTO DAYS


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週刊少年ジャンプ2020年51号より連載を開始した漫画作品。
作者は鈴木祐斗先生です。

かつて「最強の殺し屋」と呼ばれたものの女性に一目惚れして引退・結婚し安西先生のような体型になった「坂本商店」店長の坂本太郎と、彼のもとに集った異能力者・実力者達が家族との平凡な日常を守るため刺客たちとバトルを繰り広げるアクション作品

連載開始からしばらく掲載順位は不安定でしたが、徐々に上位常連となり近年は5位以内で安定。
10巻発売時点で累計発行部数は250万部を突破し、アニメ化前の『鬼滅の刃』とほぼ同じ水準に達しています。

現状、アニメ化していないジャンプ連載陣の中で最も人気が高く、アニメ化は確実
ストック的にも今年発表はほぼ間違いないでしょう。

順位まとめ

*1位 SAKAMOTO DAYS
*2位 ダンダダン
*3位 アオのハコ
*4位 ウマ娘 シンデレラグレイ
*5位 アネモネは熱を帯びる
*6位 魔導具師ダリヤはうつむかない
*7位 黄泉のツガイ
*8位 WIND BREAKER
*9位 プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク
10位 メダリスト
11位 桃源暗鬼
12位 異世界賢者の転生無双~ゲームの知識で異世界最強~
13位 ウィッチウォッチ
14位 僕の妻は感情がない
15位 逃げ上手の若君
16位 アラフォー男の異世界通販生活
17位 薫る花は凛と咲く
18位 1年A組のモンスター
19位 ハニーレモンソーダ
20位 来世は他人がいい
21位 転生貴族 鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~
22位 東京エイリアンズ
23位 魔法使いの約束
24位 ゆびさきと恋々
25位 ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。
26位 煙と蜜
27位 明日、私は誰かのカノジョ
28位 合コンに行ったら女がいなかった話
29位 ぬるめた
30位 よくわからないけれど異世界に転生していたようです
31位 青野くんに触りたいから死にたい
32位 こういうのがいい
33位 ハイスコアガール DASH
34位 しあわせ鳥見んぐ
35位 ガイシューイッショク
36位 宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する
37位 スーパーの裏でヤニ吸うふたり
38位 あかね噺
39位 ヘブンバーンズレッド
40位 タコピーの原罪

2021年にアニメ化されると予想した作品(https://moemee.jp/?p=12425)はほとんど実現したので、新たに次のアニメ化候補作品を選出しました!
単にアニメ化されるだけじゃなく、アニメ化によって大化けする作品もこの中にあるかもしれません。
それも楽しみです!

【推しの子】有馬かな(重曹ちゃん)徹底検証!メインヒロインに相応しいのか?


(画像引用 : 『アニメ【推しの子】』公式サイト https://ichigoproduction.com/)

2023年春にいよいよアニメ化される大人気作品【推しの子】より、ヒロインの有馬かなを大特集!
“重曹ちゃん”の愛称で本作の人気に貢献した一方で、近年は何かと叩かれがちな彼女のヒロイン力を徹底的に検証します!

有馬かな(ありま かな)キャラクター概要


(画像引用 : Amazon)

【推しの子】に登場する女性キャラクターで、本作のヒロインの1人
幼少期に子役として芸能界デビューを果たし、その後も活動を継続している芸能人。
長らくフリーでしたが、高校2年時より苺プロダクションに所属する事になりました。

職業は「女優 兼 アイドル」で、苺プロのアイドルユニット「B小町」センターを務めています。
年齢は17歳で、陽東高校の芸能科に通学中。
両親とは暮らしておらず、自身の稼ぎで一人暮らしをしています。

髪の色は赤(マンガ/アニメ的表現。実際にこの色に染めている訳ではない)。
幼少期から一貫してボブカットで、芸能活動中も常にその髪型を維持しています。
童顔ながら、顔の良さで仕事相手を選ぶプロデューサーに重用されるほど容姿は整っていて、本人もそう自負しているものの、一方で「アイドルをやれるほど可愛くはない」とも思っているようです。

赤子の頃から芸能活動しているため、芸能界の良い面も悪い面も熟知している模様。
子役時代に周囲からチヤホヤされた影響で尊大になり、非常に口が悪く捻くれ者に育ってしまった一方で、長い低迷期も経験しているためネガティブな面も強く、相応の処世術も身に付けています。
仕事に対しては真摯に取り組もうとする努力家ですが、長年の苦労で精神は大分磨り減っている様子が窺えます。

子役時代から「10秒で泣ける天才子役」と呼ばれるほど女優としての能力は高く、他の役者を食うほど華のある演技が出来るため、複数の専門家から一目置かれています。
しかし芸能人として生き残るため、自分を押し殺して他の演者を生かすための演技に主眼を置いているようです。

自他共に認める口の悪さのため友人と呼べる人間は少ないものの、面倒見が良く苦手な事にも熱心に取り組むなど責任感もあるため、B小町のメンバーとは良好な関係を築いています。
芸能人の先輩とも最低限の付き合いはしているようですが、本人にとって本意でない関係性の方が多いようです。
主人公の星野アクア(ほしの あくあ)に恋しており、同じく元子役かつアクアに想いを寄せる黒川あかね(くろかわ あかね)とは仕事・プライベートの両面でライバル関係にあります。

担当声優は潘めぐみ(はん めぐみ)さん。

アトミックモンキーに所属している声優。
2011年より放送を開始した『HUNTER×HUNTER(2作目)』で主人公、ゴン=フリークス役に大抜擢され華々しいデビューを果たし、2014年には『ハピネスチャージプリキュア!』の王女・白雪ひめ/キュアプリンセスを演じるなど、これまでに数多くの作品で主人公やメインキャラを務めています。
代表作は有馬かな、ゴン、キュアプリンセス、アッコ(リトルウィッチアカデミア)、草摩紅葉(フルーツバスケット)など。

重曹ちゃんは好かれてるの? 嫌われてるの?

(画像引用 : 『横槍メンゴ』公式Twitter https://twitter.com/Yorimen)

テレビアニメ化が決まり、2023年春に放送される事が決まった【推しの子】。
各メディアが行っている2023年春アニメの期待度アンケートでは軒並み上位にランクインしていて、作品人気の高さが窺えます。

一方で、近年はジャンプ+のコメント欄で辛辣な感想を寄せられることが多い本作。
特にその標的となっているのが、この有馬かなです。
原作未読で、これからアニメを観ようと思っているアニメファンからしたら「これだけバッシングされている訳だから不人気キャラなんだろうな」と思わずにはいられないでしょう。

しかし、かなは決して不人気なだけのキャラではありません。
寧ろ【推しの子】というマンガを人気作に押し上げたのは、紛れもなく彼女です。

『クズの本懐』の横槍メンゴ先生と『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカ先生がコンビを組んだ本作は、連載開始当初から話題作でしたが、「主人公が推しのアイドルの子供に転生する話」という尖った内容の為、敬遠する人も相当数いました。
そんな中、第二章「芸能界」で成長したかなが登場し『かぐや様』を髣髴とさせる顔芸やツッコミを披露し、作品の空気が変わった事で、かぐや様のファンも本作に注目するようになります。
そしてかながアクアに恋するプロセスが描かれると、各まとめサイトで一気に「重曹ちゃんかわいい」というスレがまとめられ、作中で星野ルビーがかなを評し「コッテリとしたオタの人気を滅茶苦茶稼ぐ」というパワーワードを叫ぶとコッテリとしたオタを自称するファンが多数現れるなど、ちょっとしたブームになりました。

その後も「重曹ちゃん」という彼女の愛称は幾度となくトレンド入りします。
彼女が目立った回は目に見えて反響が大きく、人気の高さを幾度となく証明しました。
ファンの多さは間違いなく作中トップクラスでしょう。

反面、作中で最もヘイトを集めているキャラの一人なのも否定できません。
元々、かなは口が悪く捻くれた性格を自認しているキャラで、実際かなり問題発言が目立ちます

例えば、第三章「恋愛リアリティーショー編」であかねが窮地に陥りどうにか持ち直した際、その事をアクアから聞いたかなは思わず「あのままリタイヤしてくれれば良かったのに」と漏らしてしまいます。
一応、その理由を「あかねは女優として業界内で高い評価を得ている商売敵であり目の上のたんこぶで、その実力を認めているからこそいなくなって欲しい」という嫉妬心からだと述懐してはいましたが、こういう事を言ってしまうキャラなので、どうしても賛否両論なのは否めません。

そんなバックボーンがあった中で、第七章「スキャンダル編」では彼女の軽率な行動が原因でアクアとルビーの兄妹が決裂してしまう……という展開が描かれた為、かなり大きめのバッシングがかなに浴びせられている状況です。

これらの事実からもわかるように、かなはとても好かれているキャラであり、とても嫌われているキャラでもあります。
作中でアクアが「反転アンチ(元ファンがアンチになった状態)が一番厄介」と言っていましたが、かなはまさにその反転アンチがかなり多く、そういう意味でも作品を象徴するキャラなのは間違いありません。

重曹ちゃんはメインヒロインに相応しい? 相応しくない?

https://twitter.com/Yorimen/status/1347471353427881986

(画像引用 : 『横槍メンゴ』公式Twitter https://twitter.com/Yorimen)

【推しの子】という作品のジャンルは多様で、サスペンスでありアイドルものでもあり、そしてラブコメでもあります。
ラブコメが主軸ではないので、必ずしもこの作品にメインヒロインという存在が必要な訳ではないのですが、かなをそのポジションのキャラだと認識しているファンは少なからずいるようです。
しかし一方で、「かなはメインヒロインに相応しくない」と主張する人もいます。

果たして、どちらが正しいのでしょうか?
物語序盤のかなを振り返りつつ、その検証を行っていきます。

かなの初登場は第一章「幼年期」で、アイドル・星野アイの子供として転生したアクアと映画の撮影現場で知り合います。
アクアに演技で負けたと感じたかなはその後、十数年の間ずっとアクアの事が忘れられず彼が芸能界にいないかチェックしていたようで、同じ学校に入学してきたのはまさに奇跡。
運命の人と言っても過言ではないくらいです。

更にその後、再び同じ現場で仕事する事になりますが、子役時代は売れていた彼女も現在は泣かず飛ばずで、この仕事も主役ではあるものの注目度の低いWebドラマ。
かな以外の配役は揃って素人に毛が生えた程度の面々で、作品の質よりも役者の顔を売る事を目的としたドラマとあって評判は最悪。
本来なら演技力の高いかなですが、そんな現場で本気の演技をすれば他の役者の下手さが悪目立ちして作品のバランスもコンセプトも崩壊する為、仕方なく抑えた演技をしていました。

そんなかなに全力の演技をさせようと、アクアは一計を案じます。
その結果、最も重要なクライマックスシーンでかなは最高の演技をすることができました。
同時に、かなのアクアへの想いも一気に最高潮まで達しました。

その後のかなは完全に恋する乙女モードです。
アクアから呼び出されると「告白されるかも」と勘違いして髪を調え、アクアから事務所に入って欲しいと懇願されると断れず加入。
一挙手一投足、全てが可愛いとファンから絶賛され、メインヒロインとしての盤石な地位を築きました。

……が、その直後の第三章に、かなの地位を脅かすもう一人のヒロイン、黒川あかねが登場。
あかねも連載が進むにつれ、かなとは違った魅力を発揮していき、かなと同格のポジションまで上り詰めました。

人気面ではほぼ互角。
しかし、ストーリー上では常に「かながメインヒロイン、あかねが二番手ヒロイン」という状況が続きます。
(その後、更に色々あってアクアと両者の関係性は激変しますが、アニメ化されるのは大分後になると思われるので、ここでは省略します)

こういった事情から、あかねファンの一部から「かなが優遇されている」という意見が見られるようになりました。
また、作中でかなが度々あかねに対し厳しい言動を見せるのも、その流れに拍車をかけていきます。
前述したように、かなは毒気の強いキャラなので問題発言や問題行動が多く、それらを総合して「メインヒロインに相応しくない」という声が出るのは、ある意味当然の事と言えるでしょう。

とはいえ、純粋にストーリーを追えば、かながメインヒロインの立ち位置に最も近いのは動かしがたい事実です。
何より、ラブコメにおけるメインヒロインは大なり小なり嫌われる要素があるもの。
一対一のラブコメを除けば、嫌われないメインヒロインなどほぼ存在しないでしょう。

なので、性格は終わっていると言われているかなですが、メインヒロインに相応しくない訳ではありません。

重曹ちゃんの名言・迷言集(~第四章)

https://twitter.com/oshinoko_comic/status/1625042096863469568

(画像引用 : 『漫画【推しの子】』公式Twitter https://twitter.com/oshinoko_comic)

口の悪さには定評のある重曹ちゃんだけあって、印象に残る台詞の多さは作中随一。
そんな彼女の名言・迷言をまとめました!
なお、アニメ1期で放送される可能性が高い第四章「ファーストステージ編」までの範囲からの選出です。

天才だってナイフで刺されればお陀仏です

第一章のインタビュー時に思わず発した問題発言
この「天才」が誰を指しているのかは未だ確定はしていない為、本作の不穏要素の筆頭となっています。
と同時に、重曹ちゃんの迂闊さをこれ以上ないくらい示している迷言で、嫌われる理由の一つにもなっています。

イビるぞマジで!

アクア&ルビーと再会した際、「あんま好きじゃないけど仲良くしましょ」と言うルビーに対してキレた台詞
とはいえ、後輩にここまで言われてこの程度で済ませている重曹ちゃん、実は性格悪くないんじゃないでしょうか

えっ じゃあ私の家とか?

久々に再会したアクアが素っ気ない態度を取るので、カラオケに行ってもう少し話をしようと訴えるも断られ、違う場所を提案した一言
あまりにも軽率なため、アクアからも「距離の詰め方やばくない?」とツッコまれていました。
勿論、アクアだから言った一言なんですが。

ええ~っ? もしかしてそういう? 困るなぁ……ええ~っ?

アクアに突如呼び出され、告白されると勘違いした際のモノローグ
こう思いながらメスの顔で髪を直す彼女は、誰がどう見てもヒロインです。

断言するわ! アイドルの9割はエゴサをしてる!!

エゴサするしないの話をルビーとしていた際の台詞
あくまで重曹ちゃんの私見です。
でも9割というのも、実際には遠慮した表現かもしれません。

皆 自分だけは例外って思いながらしっかり人を追い込んでるのよ

あかねが炎上している最中、SNSによる中傷などのネットリンチに対して経験者の立場でルビーに発した一言
自分の胸に手を当ててみると、実際には「自分だけは例外」という意識すらなく、無自覚でそれをやってしまっているような気もします。

アンタの推しの子になってやる

B小町として初めて大きなフェスのステージにセンターとして立つも、自分より他の二人の方が人気があるし、自分はもうオワコンだから誰も見てくれない……とネガティブを爆発させていた彼女が、観客席にいるアクアから励まされ、勇気を貰った際のモノローグ
アニメで映像化されれば、100%「タイトル回収」がトレンド入りするでしょう。

まとめ

原作ではちょっとバッシングが目立っている重曹ちゃんですが、アニメでは全盛時(失礼)の彼女が描かれるので、アニメファンの間では一気に人気キャラになると思います。
特に「主人公に恋に落ちた乙女の顔」の時の重曹ちゃんが描かれる回は、相当凄い事になるんじゃないかと予想します!

エッチなシーンが多いアニメTOP50! 一番エロいのはどのアニメ?

出典 : Amazon.co.jp

【2023年3月12日追記しました】
男のロマン、えちえちなシーンがたっぷりあるアニメを紹介します!
水着や入浴シーンが多めのソフトエロな作品から、濡れ場ありの過激でハードな作品まで、全部で40作品を厳選してランキングにしました。
それぞれのエロスの度合いを示した「えちえち度」付き!!!

50位:フェアリーテイル 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

長期間にわたって放送された大人気王道アニメのフェアリーテイル

主人公のナツはルーシー、グレイ、エルザといった個性派ギルドのフェアリーテイルで活動している魔道士でそこにはギャグ要素や感動シーンなど見ていて飽きる場面が少ないといった印象です。

これといったエッチな描写自体はあまり多くありませんが、巨乳で可愛いセクシーなキャラクターが多くもし見ていない人がいたらぜひ見てほしい作品です!

えちえち度:★

49位:ようこそ実力至上主義の教室へ 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

このアニメは現在2期までが放送されており、2023年夏頃に3期があるとのことです。

主人公の綾小路清隆(あやのこうじきよたか)の手腕で様々な困難をクリアしていく話なのですが、謎めいたシーンも多く見どころ満載です。

エッチな要素自体は多くないのですが、可愛くて巨乳な女の子もたくさんいて、どんな人でも楽しめるアニメだと思います!

えちえち度:★

48位:クズの本懐 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

このアニメは2016年から2017年にかけて放送され、高校生のシビアな恋愛模様が描かれた作品となっております。

エッチのシーンもあり、歪んだ恋愛事情を展開していくのですが、感動する場面も多くあるため様々な彼らの言葉を共有できる方もたくさんいるかと思います!

えちえち度:★

47位:この素晴らしい世界に祝福を 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

このアニメは、2016年に放送されたラノベ発のアニメで、主人公のカズマはある日死んでしまい異世界へ行くことに

そこでアクア、めぐみん、ダクネスといった個性をもつ彼女らと共に冒険するのですが、カズマはアニメの中ではクズ扱いで、女性の下着や女性を痛ぶることへの抵抗が全くないキャラ設定となっておりギャグ漫画の中にエッチな要素も含まれているのでお勧めしたいアニメの一つです。

えちえち度:★

46位 はじめてのギャル 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

このアニメは2017年に放送されたアニメで、主人公の羽柴ジュンイチは童貞を捨てるため友達の勧めで同じクラスのギャル八女ゆかなに土下座で告白!

結果は『きもい』と一言で終わったのかと思いきや事態は思わぬ方向へ。

ギャル好きにはたまらない作品になります。是非チェックしてみてください!

えちえち度:★

 

45位 ひげを剃る。そして女子高生を拾う 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

このアニメは2021年に放送されたラノベ発のアニメで、26歳のサラリーマン吉田がある日女子高生の荻原沙優(おぎわら さゆ)と訳ありで一緒に住むことになる所から始まります。

その中で、沙優は過去の経験から家に泊めてくれたお礼でエッチするという概念を持っていたが、吉田はそれを拒否。

エッチな描写もありながら、泣けるアニメとなっており是非おすすめしたいアニメです!

えちえち度:★

 

44位 エロマンガ先生 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

2017年に放送されたラノベ発のアニメで、和泉マサムネには引きこもりの妹がいるのですが、実は妹は兄が書くラノベのイラストを担当するイラストレーター。

妹はネット上ではエロマンガ先生と名乗っており、名前の通りエッチな描写を書くのに長けています

エッチな描写自体は多くないが、可愛い妹がエッチなイラストを描いていることに魅力を感じてしまいます。

可愛いキャラクターもたくさん出てきますので、ぜひチェックしてみてください!

えちえち度:★

43位 その着せ替え人形は恋をする 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

その着せ替え人形は恋をするは2021年から2022年に放送されたアニメで、主人公の五条くんがヒロインの喜多川海夢(きたがわ まりん)服アニメのコスプレ用の服を作るという話です。

そのコスプレの服自体がエッチなデザインになっているのですが、二人でラブホに入ってしまったりとエッチなハプニングもちらほらあります。

可愛い描写もたくさんありますので是非チェックしてみてください!

えちえち度:★

42位 食戟のソーマ 【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

食戟のソーマは2015年から2020年にかけて放送された人気漫画です。

主人公の創真(ソーマ)は、お父さんの勧めで超難関料理学校に入学することになります。

中には数々の実力を持った料理人たちも。

その中で、料理バトル中に必ずといっていいほどエッチな描写が見られます。

料理を食べた女の子たちの服が破れてしまったりとか、、、、

エロ要素だけではなく、ストーリーもすごく見応えがあるので是非チェックしてほしいアニメの一つです!

えちえち度:★

41位 監獄学園(プリズンスクール)【エッチなアニメ・ランキング】

出典 : Amazon.co.jp

2015年に放送された漫画原作の人気アニメです。

ある日女子風呂を覗いてしまったキヨシら5人組は学校内に設置された監獄に入ることになってしまい、日々重労働をするハメに。

その中で裏生徒会である白木芽衣子らといった3人組が彼らを管理しているのですが、お仕置きとしてかなり攻めたアングルからの描写も多いため、ギャグ要素も含みながらエロも取り入れてるというアニメです。

えちえち度:★

【推しの子】黒川あかね 徹底検証!死亡フラグを回避できたのか?


(画像引用 : 『【推しの子】原作』公式サイト https://youngjump.jp/manga/oshinoko/akanegenkikane/)

2023年春にアニメの放送を控えている【推しの子】より、ヒロインの黒川あかねを大特集!
炎上を乗り越え女優として順調な道を歩む一方、常に不穏な状況下にある彼女が今後どうなっていくかを徹底的に検証します!

黒川あかね(くろかわ あかね)キャラクター概要


(画像引用 : Amazon)

【推しの子】に登場する女性キャラクターで、本作のヒロインの1人
芸能事務所および劇団「ララライ」に所属している芸能人で、女優として活動しています。
本名は「黒川茜」で、読みは同じです。

年齢は17歳で、芸能活動の傍ら高校にも通っています。
比較的裕福な家庭で生まれ育ち、女優業が本格化して以降も実家暮らしを継続中。
事務所の方針で、恋愛リアリティショー「今からガチ恋♡始めます(今ガチ)」に参加する事になり、そこで主人公・星野アクア(ほしの あくあ)と知り合う事になりました。

髪の色は青みがかった黒(マンガ/アニメ的表現。実際に染めている訳ではない)。
幼少期は同い年の子役・有馬かな(ありま かな)を真似てボブカットにしていましたが、今ガチの頃はセミロング、それ以降はロングまで伸ばしています。

非常に真面目な性格で、これと決めた事を一途に突き詰める研究家であり勉強家。
偏差値78と頭脳明晰で、心理分析やプロファイリングも長けており、しばしば相手の考えや思惑を鋭く読み取きます。
一方で演技以外に関しては決して器用ではなく、寄せられる批判や悪態に対しても正面から受け止めてしまい、時に一人で苦悩を抱え込む事もあります。

演技に関しては「役にどっぷり入り込む没入型」と評されており、憑依型女優と呼ばれるタイプ。
演じる役の人となりだけでなく、その人物の生い立ちや行動理念など、あらゆる角度から人物像を分析し、演技に落とし込みます。
その的確さから「天才女優」という評価を得ており、舞台だけでなく様々な媒体で活躍する事になります。

女優業で子供の頃から多忙を極めていたため学校を休む機会が多く、クラス内では冷ややかな目で見られていた模様。
反面、ララライでは他の劇団員と良好な関係を築いているようです。

「Aちゃん」から「黒川あかね」へ

(画像引用 : 『横槍メンゴ』公式Twitter https://twitter.com/Yorimen)

女優という職業を邁進し続けているだけあって、黒川あかねという人物は作中で幾つもの顔を見せています。
まずはそれを繙きつつ、物語序盤のあかねを振り返ってみましょう。

彼女が最初に登場したのは、コミックス2巻のラストカット。
今ガチのキービジュアルに、アクアの隣に並んで映っている姿でした。

この時のあかねはクール系美少女といった佇まいで、共演者の鷲見ゆき(すみ ゆき)やMEMちょと比べても一際大人びて見えます
これを見た読者の殆どは、あかねをそういうタイプのキャラだと直感的に思った事でしょう。

ところが、今ガチにおける彼女は寧ろそのイメージとは真逆で「真面目過ぎるくらい真面目な子」でした。
その性格の為、自己アピール必須の現場である今ガチでは上手く立ち回れず、視聴者から「空気」「居ても居なくても良い」という評価でしたが、読者的には寧ろ高評価しかなく、コッテリとしたオタから早々に目を付けられます。
「焼き肉を食べる時には絶対トングを手放さない」と言えばトングちゃんと呼ばれ、「恋リアでリアルに恋するの?」というアンケートにAちゃん名義で答えればAちゃんと呼ばれ、曇った表情をすれば「庇護欲をそそられる」と喜ばれていました。

その後、偶発的にゆきの顔を傷付けてしまった場面が放送で流され、大炎上。
あまりに無慈悲な、目を覆いたくなるような数々の誹謗中傷を浴びせられたあかねは生きる気力を失ってしまい、突発的に横断歩道から飛び降りようとしてしまいます。

その窮地を救ったのがアクア
彼の働きとメンバーの協力によって窮地を救われたあかねは無事持ち直し、今ガチへの参加を継続する事が出来ました。

ただし、素のままで今ガチに出演するのは叩かれた時のダメージが大きい為、別のキャラクターを演じようという話になります。
そこで、あかねはアクアが好きなタイプだと明言した「星野アイ」を演じる事にしました。
自分の為に尽力してくれたアクアに対する好意に他なりません。

その期待通りの展開に、予想以上の炎上と病み具合に困惑していたファンは「やっと可愛いAちゃんが見られる」と喜んだ事でしょう。

しかし、アイの分析を行うあかねの姿に、ファンは更なる困惑を抱く事になります。
あかねの写真やデータを部屋中に貼り付け、瞳孔が開いたような目で生々しい言葉の数々を用い分析するあかねの姿は、とても「Aちゃん」と重なるものではなく、この呼び方は以後一切されなくなりました

更にその後、あかねは不可能だと思われたアイの完コピを見事に実現させ、アクアを驚愕させます。
アイはアクアにとって推しアイドルであり母親。
身近で彼女を見てきた彼ですら、あかねの演じるアイはアイ本人そのものでした。

このように、僅かコミックス1巻分の中で何度もイメージを改革してきたあかねですが、女優キャラによくある「意図的に演じたキャラ変」なのはアイの時のみ。
初期のクールな表情もキャラが定まっていなかったからではなく、元々こういう一面を持っている人物だったからで、クールで賢いあかねも、真面目過ぎて不器用なあかねも、恋する乙女なあかねも、全て彼女本来のパーソナリティによるものです。

「クソデカ感情」の持ち主

https://twitter.com/Yorimen/status/1466060367088734208

(画像引用 : 『横槍メンゴ』公式Twitter https://twitter.com/Yorimen)

色んな顔を持つあかねですが、もう一つ大きな特徴があります。
その真面目さと真剣さ故に、一度特別な感情を抱くとそれが極度に肥大化し、時に恐怖さえ感じさせてしまう事です。
いわゆる「クソデカ感情」ですね。

今ガチ終了後、アクアが例え話として「自分が芸能界にいる目的が人を殺す事だったとしたらどうする?」と問いかけた際に、彼女は一拍の間を置き「一緒に殺してあげる」と答えました。
それは決して冗談ではなく、自分が辛い時に支えてくれたアクアに恩返ししたい、彼の目的を叶えてあげたいという気持ちが言わせた偽りなき本心です。

そしてもう一人、あかねがクソデカ感情を持っている人物がいます。
有馬かなです。

あかねは幼少期、同い年でありながら子役として立派に活躍しているかなに憧れ、演技の道を志すようになりました。
その後、かなと現場で出会い思いを伝えますが……当時のかなは芸能界の忖度や政治ありきのキャスティングに辟易していた為、拒絶され「演技なんかどうでも良い」「私の真似なんかするな」などと言われてしまいます。

そんなかなの真意を知るため、あかねは必死に努力を重ね、精鋭揃いのララライで「若きエース」と言われるまでに成長しました。
そして同時に、かなに対する感情も肥大化し、同時に拗れてしまい、「私の知ってるかなちゃんはもっと凄い」「こんな演技はかなちゃんらしくない」といった厄介ファンのようなクソデカ感情を持つに至ったのです。

思い込みが強いタイプなのは間違いありませんが、あかねの場合はそこに天才的頭脳による客観的判断が加わり、極めて解像度の高い考察が行われる為、結果として「冷酷に正論を突きつけてくる」という一面が彼女に宿りました。
これもまた、黒川あかねを形成する大きな要素の一つです。

死亡フラグが追いかけてくるヒロイン

(画像引用 : 『横槍メンゴ』公式Twitter https://twitter.com/Yorimen)

あかねが登場してから暫くして、彼女は「死亡フラグが立っている」と言われるようになります。
理由は複数あり、主なものは以下の通りです。

1. 有馬かなが未来のインタビューで「天才だってナイフで刺されればお陀仏です」と言っている
2. そのインタビューで、主要キャラの内あかねだけが答えていない
3. アクアに強烈な好意を抱き、彼がアイを殺した犯人を追っている事をプロファイリングで突き止めた
4. アクアから「この子の頭脳は復讐に役立つ」と思われている
5. 単独行動で犯人を見つけてアクアの為に怒り犯人を刺激しかねない
6. 幸薄そうな雰囲気

1は普通に考えれば1巻でストーカーに刺されて死亡したアイの事ですが、かなはあかねを「天才役者」と表現しているので、1の「天才」があかねを指している可能性はあります。
2は単にあかねの存在が当時のプロットになかったか、インタビューに答える機会がなかった可能性もあり、2023年2月時点では後者の可能性がかなり高い状況です。
3はミステリーにおける死亡フラグの筆頭「真相に迫り過ぎた人物」に該当します。

4は真犯人がアクアの復讐心に気付いた場合、戦力を削るという意味で狙われる可能性があります。
5は彼女の性格と能力を考えれば十分あり得る展開であり、実際かなり近い状況になっていました。
6は何の根拠もありませんが、多くのあかねファンが危惧を抱いているのは寧ろこの点かもしれません。

このように幾つもの死亡フラグを立てていたあかねですが、原作10巻の時点で彼女の身に「ある事」が起こり、その結果死亡フラグは一旦回避されたかのように見えます。
しかし実際には、寧ろ更に強力な死亡フラグが立ってしまった状態です。

7. 真犯人と思われる人物に目を付けられている
8. 真犯人は現在進行形で殺人目的で動いている
9. 真犯人は価値ある人物の命を奪いたいと考えている
(これらの描写がアニメ化されるのは大分後になると思われるので、詳細については省略します)

よって、残念ながらあかねは死亡フラグを回避できていません

あかねの名言・迷言集(~第四章)

https://twitter.com/oshinoko_comic/status/1604748377106915329

(画像引用 : 『漫画【推しの子】』公式Twitter https://twitter.com/oshinoko_comic)

一見すると優等生で清楚な印象ですが、実はそこそこ変わり者で結構怖い一面もあるあかね。
そんな彼女の名言・迷言をまとめました!
なお、アニメ1期で放送される可能性が高い第四章「ファーストステージ編」までの範囲からの選出です。

こういう場では絶対トングを手放さないって決めてるんです

今ガチメンバーで焼き肉を食べに行った際の一言
この台詞から一部で「トングちゃん」と呼ばれていましたが、同じ回に出て来た「Aちゃん」の方が主流になりました。
なお、この後に行われた別の打ち上げでもトングを持っていました。

わ……私が不甲斐ないから……

今ガチで全く目立つ事が出来ていない事に対し、マネージャーが社長から怒鳴られている場面に遭遇し、精神的に追い詰められて零した言葉
痛々しい場面ですが、この時のあかねの曇り顔が良いというファンは多い模様。
わかります。

このまま辞めたくない

炎上騒動の果てに自殺未遂をしてしまい、ギリギリのところでアクアに助けられ、その彼から「今ガチを続けるか辞めるか」を問われた際の台詞
すぐにそう答えられる強さを持つあかねですら、ここまで追い込まれてしまうのがSNSの怖さですね。

アクアくんの好みを演じてアピールしたら喜んでくれるかな

今ガチ復帰に際しキャラ付けをして撮影に挑む事にし、そのキャラをアクアの好きな「星野アイ」に決めた時のモノローグ
恩人であるアクアに対する好意を示す言葉です。
この時は非常に王道的なヒロインでした。

思春期の段階で性交渉があった子特有のバランスの悪さ

上記の場面の直後、自室にこもってアイに関する考察を行っている際の彼女に対する分析の一つ。
あくまで独り言なので遠慮は一切なく、その中でも特にヤバいプロファイリングがこれですね。
しかもこれが大当たりだったりするのが彼女の恐ろしいところです。

やっちゃったなぁとは思うけど あれくらいよくある話でしょ!

アイを演じている状態で、自分の炎上騒動について語った台詞
勿論、実際には死のうとするほど追い詰められた訳ですが、そんな本心とは真逆の事をケラケラ笑いながら言えるところにあかねの「演じる力」の真髄を感じます。

ど……どうしたら良いのかなぁ…

上記の場面の直後、アイを演じているあかねに赤面し立ち去ったアクアの反応に他の女性陣が色めき立ち「どうする!?(ガチで付き合うの?)」と問われた際のリアクション
どれだけ演技が凄くても、素の彼女は普通の17歳の女の子だとわかるほっこりなシーンです。

アクアくんは私の事 異性として見てないでしょ?

今ガチのラストシーンで、恋愛リアリティーショーのお約束でもあるキスを交わし、この後どういう関係性を築くかの話し合いの中で発した一言
あかねの卓越した洞察力が窺える台詞であり、彼女の心情を考えると切ない台詞でもあります。

それは一番言われて嬉しい言葉でもあるから

上記の場面の直後、「異性としては見ていないけど、女優としてのあかねに強い興味を持っている」と言われ、納得したように発した返事の言葉
女優としての矜恃が感じられるだけでなく、アクアが見せた精一杯の誠意に対して返した優しさでもあり、あかねの人となりがわかる台詞でもあります。

まとめ

作中随一の人気ヒロインで、アニメ化によって更にファンの数が大幅に増えると予想される為、普通であれば死亡するとは考え難いんですけど……ここまでフラグが立ってしまうと安心は出来ません。
現状、あかねが生き残れる可能性は五分五分といったところだと思います。
結論が出るのは、本作がクライマックスを迎える頃になるでしょう。

どんな形であれ、最後に彼女が幸せであって欲しいと願うばかりです。

【まちカドまぞく】3期の可能性を徹底検証! 最大の懸念は伊藤いづも先生の体調?


(画像引用 : Amazon)

2022年春に2期が放送された人気アニメ『まちカドまぞく』の3期が制作される可能性を徹底検証!
円盤売上をはじめとした各指標、現在の原作ストックや連載状況、原作者の伊藤いづも先生の現状などから、3期を含む今後の展望についてまとめました!

まぞく覚醒! 地道に辿りついたアニメ化

(画像引用 : 『伊藤いづも』公式Twitter https://twitter.com/izumo_ito)

『まちカドまぞく』がまんがタイムきららキャラットで連載を開始したのは2014年の事でした。
2014年と言えば、“ごちうさ”の愛称でおなじみ『ご注文はうさぎですか?』の第1期が放送され、大きな反響を生んでいた時期。
更に翌年には、そのごちうさや『きんいろモザイク』の2期など、毎クール何らかのきららアニメが放送され、きらら黄金期を迎えていました。

一方、連載を開始した直後のまちカドまぞくは、必ずしも話題作という訳ではありませんでした。
当時のキャラットは『ひだまりスケッチ』という不動の人気作に加え、『GA 芸術科アートデザインクラス』『Aチャンネル』『キルミーベイベー』といったアニメ化作品、そして「今日も一日がんばるぞい!」のコマがネットミームになって大反響を呼んでいた『NEW GAME!』といった連載陣が人気で、『まちカドまぞく』は知る人ぞ知る……というポジション。
実際、コミックスの1巻が出た直後は重版がかかっておらず、作者の伊藤いづも先生も『NEW GAME!』のアニメ制作現場レポートを担当するような立場でした。

初めて重版がかかったのは2巻が出た5ヶ月後、2017年3月のこと。
バレンタインに投稿したマンガがぷちバズりしたのもありつつ、連載が進むにつれ徐々に人気を増やしていった結果、ようやくこの作品の面白さがジワジワ広がり始めました。

同年7月、第3回「次にくるマンガ大賞」にノミネート。
更に翌年もノミネートされ、上位入賞こそならなかったものの、作品知名度は着実に上昇していきます。

そして2019年1月……ついにテレビアニメ化の発表が行われました!

連載開始からアニメ化まで、約5年もの月日を要しています。
これは、アニメ化した他のきらら作品と比較してもかなり遅い方です。
それだけ、この作品が地道に地道にファンを増やしてきた証と言えます。

主なきらら作品 連載開始からアニメ開始までに要した期間

02年01ヶ月 けいおん!
02年03ヶ月 かなめも
02年08ヶ月 Aチャンネル
02年08ヶ月 ゆるキャン△
02年08ヶ月 アニマエール!
02年09ヶ月 ドージンワーク
02年09ヶ月 うらら迷路帖
02年10ヶ月 夢喰いメリー
02年10ヶ月 桜Trick
02年11ヶ月 ひだまりスケッチ
02年11ヶ月 はるかなレシーブ
03年00ヶ月 幸腹グラフィティ
03年00ヶ月 恋する小惑星
03年02ヶ月 がっこうぐらし!
03年03ヶ月 きんいろモザイク
03年03ヶ月 ご注文はうさぎですか?
03年03ヶ月 ハナヤマタ
03年04ヶ月 あんハピ♪
03年04ヶ月 スローループ
03年05ヶ月 城下町のダンデライオン
03年06ヶ月 NEW GAME!
03年08ヶ月 キルミーベイベー
04年00ヶ月 球詠
04年00ヶ月 RPG不動産
04年01ヶ月 こみっくがーるず
04年02ヶ月 ステラのまほう
04年02ヶ月 ブレンド・S
04年07ヶ月 ぼっち・ざ・ろっく!
04年08ヶ月 スロウスタート

04年10ヶ月 まちカドまぞく

05年02ヶ月 ゆゆ式
05年02ヶ月 GA 芸術科アートデザインクラス(当初の掲載誌が廃刊)
05年05ヶ月 おちこぼれフルーツタルト(コロナ禍の影響で3ヶ月延期)
05年08ヶ月 あっちこっち
13年04ヶ月 三者三葉

そしてそれは、アニメも同じでした。
放送開始前の注目度は決して高くはなく、2019年夏アニメの期待度ランキングでは軒並み圏外
放送前日の公式Twitterのフォロワー数は7000と非常に少なく、同クール内ではほとんど最下位くらいの位置でした。

それでも、まちカドまぞくは少しずつ、しかし着実にフォロワー数を増やしていきます。
いわゆる「神回」と言われるような大きな上昇こそありませんが、最終回の評判が非常に良かった事や「シャミ子が悪いんだよ」という原作にないフレーズが流行るという謎の出来事もあり、放送終了後も少しずつ伸ばし続けました。

・『まちカドまぞく』公式アカウントのフォロワー数推移

007,000 07月11日(放送前日)
009,000 07月13日(第1話放送翌日)
011,000 07月20日(第2話放送翌日)
013,000 07月27日(第3話放送翌日)
014,000 08月03日(第4話放送翌日)
016,000 08月10日(第5話放送翌日)
017,000 08月17日(第6話放送翌日)
018,000 08月24日(第7話放送翌日)
021,000 08月31日(第8話放送翌日)
022,000 09月07日(第9話放送翌日)
023,000 09月14日(第10話放送翌日)
024,000 09月21日(第11話放送翌日)
028,000 09月28日(第12話放送翌日)
040,000 12月31日(年末)

 

この傾向はアニメ1期のBlu-ray・DVD(円盤)の売上にも見られます。
1巻の発売初週(初動)は3300枚でしたが、2週目以降も伸ばし続け、4週目で5000枚を突破。
全4巻の平均売上でも5000枚を超え、見事2期を勝ち取ったのです。

1期のノリとテンポふたたび! ファンの期待に満点で応えた2期


(画像引用 : Amazon)

常にゆっくりと、地道に一歩ずつ前に進むまちカドまぞくの歩みとは対照的に、本作のアニメはかなりテンポが速い作品です。
そのテンポの速さと作品全体のふんわりまったり感のギャップも、この作品の魅力と言えます。

そしてそのテンポは、2022年春に放送された2期『まちカドまぞく 2丁目』でもしっかり受け継がれました。

1期を指揮した桜井弘明監督をはじめ、主要スタッフは殆ど続投。
作風も1期と何ら変わる事なく、当時楽しんだファンがそのまま安心して楽しめるアニメになっていました。

特に評判が良かったのは、第6話「夕日の誓い!まぞくたちの進む道」です。
ファンから絶大な人気を誇るこの原作3巻終盤のエピソードは、本来ならアニメ1期のラストに持って来る予定とされていたほどクライマックス感満載で、感動的な内容。
そこに1期のOP「町かどタンジェント」を流すという心憎い演出も見事にハマって、多くの視聴者を魅了しました。

一方、やはり2期ともなると1期の頃や「シャミ子が悪いんだよ」旋風の時のようなライトファンを巻き込む勢いはなく、「ファンは大満足、でもファン以外からはあまり話題にされない」というのが2期放送時の率直な状況でした。
それは円盤の売上にも現れていて、1巻の売上は4000枚と1期よりもややダウン。
ただ2巻以降の減少もほとんどなく、全巻3500~4000枚の売上を保つ脅威のキープ力を見せました。

……とはいえ、平均3700~3800枚という円盤セールスは、きららアニメの続編ラインである5000枚には残念ながら届いていません。
実際、1期・2期共にまちカドまぞくとほぼ同じ売上だった『NEW GAME!』は3期が作られる事のないまま最終回を迎えています

今は円盤があまり売れなくても続編が作られる時代で、例えば『からかい上手の高木さん』はまちカドまぞくより低い売上でも3期、更には映画まで作られました。
しかしそれはコミックスのセールス或いは配信で好成績を収められるアニメに限った話。
まちカドまぞくはコミックスや配信が強いタイプの作品ではないので、円盤売上がそのまま続編のボーダーとなります。

少なくとも現状では、客観的に見て3期の可能性はあまり高くないと言わざるを得ないでしょう。

ただ、あくまで現時点での話です。
例えば、まだ発売されていない2期のBlu-ray BOX(コンパクト・コレクション)の売上が好調だった場合は、情勢が変わる事が十分に考えられます。
まちカドまぞくは現在も根強い人気があるので、何かのきっかけでファンが増える事はあり得ます。

また、グッズも継続して販売されていて、特にフィギュアはかなり好評です。
コトブキヤのシャミ子および桃のフィギュアは再生産も行われていました。

グッズの売上は、決して軽視は出来ません。
かつて『干物妹!うまるちゃん』が、グッズ売上の好調さが決め手となって2期が作られた……なんて事もありました。
もし今後、まだ企画されていないシャミ子のねんどろいど等が発表され、それが想像以上の売れ行きになったら、3期の可能性は自然と膨らみます。

ひと時の休暇!! 原作の連載は中断中


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更に、まちカドまぞくにはもう一つ大きな懸念材料があります。
それは、伊藤先生の体調面です。

元々、伊藤先生は非常に精力的な方で、まちカドまぞくも連載開始当初は一挙2話掲載される事もありました。
また第1期ED「よいまちカンターレ」および第2期ED「宵加減テトラゴン」の作詞を手掛けたり、2022年に発売された画集「伊藤いづもイラスト集 -宵加減-」では全イラストにコメントを付けるなど、 マンガ以外でも活動的な方です。

しかしシャミ子同様に体が弱く、持病を抱えながら連載を行っていて、特に近年は体調の悪化が目立ち、アニメ1期の終了後には長期的な休載がありました。
2期放送前になんとか復帰したものの、2期放送中から再び長期休暇に入り、現在は2023年内の復帰を目指し療養中です。

アニメ自体は、原作者がいなくても作ることは出来ます。
しかし原作者が長期休載中という状況下で3期の制作を行うのは、少々難しいかも知れません。
アニメには原作の宣伝という一面があるからです。

きらら系の雑誌を出版している芳文社は基本、アニメ製作委員会に入っています。
アニメのAパートとBパートの間に原作または他のきらら系作品のCMが入るのは、芳文社が出資しているからです。
まちカドまぞくも例外ではありません。

よって、芳文社がGOサインを出さない限り、製作委員会が成り立つ可能性は低いと思われます。
という事は、連載が止まっている間はアニメの制作も行われない……という予想に傾きます。

勿論、伊藤先生の体調が回復し連載が再開されればその限りではありません。

ストックは大丈夫! 劇場アニメもあり得る?


(画像引用 : Amazon)

ここからは、伊藤先生が予定通り年内に復帰すると想定した上で、今後のメディアミックスに関する展望を記していきたいと思います。

現在、まちカドまぞくのコミックスは6巻まで発売されています。
2期で4巻まで映像化されたので、現在残っているストックは5~6巻の2冊分という事になりますね。
1期、2期ともほぼ2冊分が消化されているので、アニメ1クール分を作るだけのストックはギリギリある、という計算になります。

なのでストック面では心配は要りません。
6巻のラストは物語的にも一区切りといった内容なので、尻切れトンボになる事もなく、前述した懸念材料を除けば3期を成立させる事自体は現時点でも出来ます。

また、テレビシリーズ以外の選択肢もあります。
例えば『きんモザ』は2期までテレビシリーズで制作された後、劇場アニメで展開していき、ラストまで映像化されました。
小規模の上映ではありますが、劇場アニメは2作制作されています。

このパターンはきららアニメの中でもかなり異例です。
ただOVAの場合は他にも幾つか例があります。
『ひだまりスケッチ』はテレビシリーズの合間にOVAが何作か作られていますし、『ゆゆ式』もテレビシリーズの4年後にOVAで新作が作られました。

こういった前例があるので、仮に3期がなかったとしても、まちカドまぞくのアニメの続きを観る事が出来ないとは限りません。
きららアニメでは前例がありませんが、近年では『邪神ちゃんドロップキック』のようにクラウドファンディングで2期、3期と繋いでいく作品もありますし、『ゆるゆり』のようにクラウドファンディングでOVAを制作するケースもあります。

時代が変わり、アニメ化にも様々な方式が生まれています。
3期という形がベストなのはファンの総意だと思われますが、例え3期ではなくても、2期の続きが観られればどんな形だって良いという人は多いはず。
そういったファンの声がアニメスタッフや出版社に届けば、前例にない事でも検討してくれるかもしれません。

「まちカドまぞくのファンは根強い」

発信する側にそう思って貰う事が、アニメの火を絶やさない為にファンが出来る唯一の事ではないでしょうか。

まとめ

伊藤いづも先生は『まちカドまぞく』連載開始から長らくTwitterの全てのコメントに丁寧な回答をしていた、とても優しい方です。
アニメから入ったファンの人達も、そんな伊藤先生のお人柄を作品を通して知っているかと思うので、今後どれだけでも待てると思います。
今は来るべき時に備え、エネルギーをチャージしておく時期と捉え、まぞくの火を消さないようにしたいですね。

3期、そして伊藤先生の復帰を心よりお待ちしています!

【うる星やつら】リメイクはなぜ失敗だったのか? 徹底検証


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2022年秋にリメイク版の放送が始まった『うる星やつら』。非常に期待されていましたが、放送が進むにつれネガティブな意見が見られるようになりました。
そこでリメイクは本当に失敗だったのかどうかを様々な角度から徹底検証し、真相を究明します!

原作は3500万部の大ヒット作! 旧アニメは最高視聴率24.7%の超人気アニメ


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2022年1月1日、産経新聞の全面広告で『うる星やつら』の再テレビアニメ化が発表され、トレンド入りを果たすなど大反響を呼びました。
一方で、若い世代の中には「何でこんなに騒いでるんだ?」と首を傾げる人も少なからずいたようです。

それもその筈。
うる星やつらの連載、及びアニメ放送が行われていたのは1980年代
約40年前の作品となると、今の10代20代にとっては親世代が楽しんでいた作品であり、その凄さを知る機会はほとんどなかったと思われます。

そこで、リメイクの成功不成功を問う前に、うる星やつらという作品がどれだけの実績を残してきたか振り返ってみます。

本作が週刊少年サンデーで連載を開始したのは1978年
当然スマホや携帯電話などなく、まだ家庭用ゲームも全く普及していない時代で、アーケードゲームの『スペースインベーダー』が大ブームとなっていた頃です。
マンガに関しても今とは全然違い、まだ劇画調の絵柄が主流でした。

そんな中でスタートしたこのうる星やつらは、極めて斬新な作風で人気を博します。
本作を構成している要素は「ラブコメ」「ドタバタギャグ」「不条理」「SF」「学園青春」「冒険」「格闘」「怪奇」など多岐にわたり、今でこそこういった「ごった煮」「ジャンルの渋滞」とも言うべき作品は多々見られますが、当時ここまでフリーダムなマンガは皆無。
この作品が登場し、多くの人に受け入れられた事で、マンガで表現できる幅や枠組みが大きく広がりました。

また、所謂「萌え」という概念も、本格的な起点は本作だと言われています。
ヒロインのラムは虎縞のビキニという露出度の高い服を常用していて、アニメ放送開始直後はそれが問題になった事もあるようですが、圧倒的な人気によってそういった声さえも押し切り、若い世代を魅了する女性キャラとして定着しました。
このラムだけでなく、女好きで軽薄な主人公・諸星あたる、イケメンでお金持ちなのに何処か抜けてる2.5枚目キャラの面堂終太郎、当初はヒロインポジションだったのに連載が進むにつれ怪力要素が健在化していった三宅しのぶ、女性なのに父親から男として育てられ一人称も「おれ」の藤波竜之介……など、個性的過ぎるキャラ達がいずれも人気者になり、作品だけでなくキャラに入れ込むファンが急増した事で、「キャラ萌え」の文化が男女問わず広まったのです。

このキャラ萌え要素も、混沌としたジャンルの多様さも、今では当たり前にあるもの。
つまり、うる星やつらが作った「王道」と言う事が出来ます。
本作の最大の実績は、マンガおよびアニメの世界に幾つもの王道を作った圧倒的影響力にあると言えるでしょう。

勿論、それだけではなく記録面でも大きな数字を残しています。
同時期に連載されていた『タッチ』と共にサンデーの二枚看板として1980年代のサンデー黄金期を牽引。
連載中も大ヒットしていましたが、連載終了後に発売されたワイド版や新装版も長く売れ続け、現在では累計発行部数3500万部を記録しています。

1981~1986年に放送されたテレビアニメも大好評で、常時20%前後の視聴率を記録し、最高で24.7%をマークしています。
また劇場版も多数制作され、特に押井守監督が指揮を執った2作目『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』はループものの決定版としてアニメファンから絶大な支持を得ていて、後の様々な有名作に多大な影響を与えたレジェンドと崇められています。

うる星やつらという作品を一行でまとめるなら、「一時代を築き無数のジャンルの王道を作った大正義作品」と言えるでしょう。

放送前の期待度は「激戦クールの目玉の一つ」


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上記のような偉大過ぎる実績があり、当時のファンの心に数十年にわたって棲み着いている作品とあって、36年ぶりのリメイクとなった『令和版うる星やつら』は大きな注目を集めました。
それは、各メディアが調査した期待度アンケートの結果にも表れています。

・dアニメ「今期何見る?2022秋アニメ人気投票」…4位
・アニメ!アニメ!「2022年秋アニメ、期待値の高い作品は?」…4位
・Filmarks「2022年 秋アニメ 期待度ランキング」…4位
・WonderSpace「期待度が高い!秋アニメランキング」…2位
・みんなのランキング「2022秋アニメ期待度ランキング」…9位
・にじめん「2022秋アニメ期待度調査アンケート」…7位

このように、あらゆるアンケートでTOP10入りを果たしています。
しかも2022年秋クールは、圧倒的な前評判を誇っていた『チェンソーマン』をはじめ、『SPY×FAMILY(第2クール)』、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』、『BLEACH 千年血戦篇』『僕のヒーローアカデミア(6期)』『ブルーロック』など話題作が目白押しの超激戦区。
これだけの作品に囲まれ、40年前に放送されていたアニメのリメイクが上位にいる訳ですから、そのネームバリューの凄まじさが窺い知れます。

また、公式Twitterのフォロワー数も順調に伸びていました。
秋アニメの放送が始まる前、2022年9月30日の段階で、うる星やつら公式アカウントのフォロワー数は17万人以上。
ガンダム新作の水星の魔女や、人気原作のブルーロックを上回っていました。

これだけ大きな期待を背負って、令和版うる星やつらは2022年10月14日、ノイタミナ枠で放送を開始しました。

第1話は好評で円盤予約も好調も、2話以降は……


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令和版うる星やつらの第1話は、原作の第1話『かけめぐる青春』を映像化した内容でした。
これは昭和版の第1話『うわさのラムちゃんだっちゃ!』と同じです。
令和版らしく、OP映像ではあたるやラムがスマホを持っていますが、作中ではオリジナル版の時代背景に合わせて黒電話やブラウン管テレビなど昭和の風景そのままで描写されていて、レトロ感が前面に打ち出されていました。

この1話は好評で、放送終了後にBlu-ray・DVD(円盤)のネット予約がスタートするとAmazon、楽天などの主要ECモールで軒並み上位を独占。
トレンドでも複数のワードが上位に入り、上々のスタートを切りました。

しかし、勢いはここがピーク。
2話以降は話題になる事が少なくなり、次第にネガティブな反応も生じてきます
その多くが「思ったより話題にならない」といった内容でした。

果たして本当にそうだったのか。
公式Twitterのフォロワー数の推移を見てみましょう。

・『うる星やつら』公式アカウントのフォロワー数推移

185,000 10月13日(放送前日)
196,000 10月15日(第1話放送翌日)
200,000 10月22日(第2話放送翌日)
201,000 10月29日(第3話放送翌日)
202,000 11月05日(第4話放送翌日)
203,000 11月12日(第5話放送翌日)
203,000 11月19日(第6話放送翌日)
203,000 11月26日(第7話放送翌日)
203,000 12月03日(第8話放送翌日)
203,000 12月10日(第9話放送翌日)
203,000 12月17日(第10話放送翌日)
205,000 12月24日(第11話放送翌日)
211,000 01月07日(第12話放送翌日)
212,000 01月14日(第13話放送翌日)
212,000 01月21日(第14話放送翌日)
212,000 01月28日(第15話放送翌日)
212,000 02月04日(第16話放送翌日)
211,000 02月11日(第17話放送翌日)
210,000 02月18日(第18話放送翌日)
210,000 02月25日(第19話放送翌日)

この表を見てもわかるように、1話の直後では1万人以上の増加がありましたが、以降は急激に増加スピードが鈍っています。
第10話で少し上昇したのは、原作屈指の人気エピソード「君去りし後」が放送された影響でしょう。
その反響などもあって年末年始には若干増えたものの、2023年に入ってからは再び停滞し、2月に入ってからは放送中にもかかわらず減少する事態になってしまいました。

如何に2話目以降の食いつきが弱いかが、この推移に現れています。

フォロワー数がアニメの人気の全てではありませんし、内容が悪いと断じる事も出来ません。
しかし、この状況では「失敗だった」という声が多くなるのも無理はありません。

パイオニアならではのジレンマ


(画像引用 : Amazon)

何故、令和版うる星やつらはこれほど苦戦しているのでしょうか。

理由は幾つかあると考えられますが、ここでは「新規ファン」と「古参ファン」の二つの目線で検証していきたいと思います。

まず新規ファン、すなわちリアルタイム世代ではないアニメファンの視点で本作を観ると、どうしても「古い価値観のアニメ」とならざるを得ません。
近代のラブコメにおいて、ヒロイン以外の女の子を追いかけ回す主人公や、事ある毎に暴力(電撃)を食らわせるヒロインは絶滅危惧種どころかほぼ絶滅状態であり、視聴者に全く免疫がない状態です。
この価値観のズレは致命的かもしれません。

また、当時は斬新だった「多種ジャンルの混在」「個性的過ぎるキャラ達」「なんでもありの世界観」は、うる星がヒットして以降の40年で定番化し、珍しいものではなくなっています。
うる星が素晴らしい作品だからこそ、多くのクリエイターがそれをお手本にし、それらの作品がまたヒットして普及し続けた結果、大元となったうる星が現代の視聴者にとっては特別ではなくなってしまったのです。
いわば「パイオニアのジレンマ」ですね。

そして古参ファンからも、一部で厳しい意見が出ています。
よく見られるのが「中途半端」という意見ですね。

本作を象徴するOP曲「ラムのラブソング」を敢えて起用せず現代に合わせたかと思えば、声優陣はオリジナル版を尊重し過ぎて声を寄せている為、本来の個性が発揮できていない。
本作の特徴である軽妙なハイテンションと流れるようなテンポも、再現されているようでイマイチされていない。
そういった「どっちつかず」な感じが、古参ファンも今一つ乗り切れていない要因かもしれません。

加えてもう一つ、古参ファンには大きな問題があります。

某人気漫画家の方が「好きな作品なだけに観るのが難しい」と呟いていましたが、これと同じ事を思っているうる星ファンはかなり多いと推察されます。
リメイクされるアニメは一作目がそこまで評価されていなかったり、賛否両論あったりするケースが多いのですが、うる星の一作目(1981年版)は物凄く深い思い入れを持っている人がかなり多いだけに、「思い出を汚されたくない」という人は相当数いるでしょう。
これらはリメイク作品には必ずついて回る問題ですが、長年にわたって視聴率20%前後取っていたアニメとなると、人数の桁が違います。

同じ人気作でも、例えば『おそ松さん』はターゲットとなる層を『おそ松くん』と明確に変える事で成功しましたが、うる星の場合は演出や台詞回しを現代向けにしつつもほぼそのままの形で世に出している為、余計に過去作と比較せざるを得ないという難しさがあります。
制作する側が過去の作品を意識し過ぎる事はままありますが、このうる星に関しては視聴者の方も大きくなり過ぎた思い出を意識し過ぎて、素直に楽しめないのかもしれません。
かといって、現代の若い世代が楽しむには、昭和と令和ではズレが大き過ぎるという大きなハードルがある為、現在のような状況になっていると考えられます。

主題歌は好調! ED曲は新たな作品の顔に


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どうしてもネガティブな意見ばかりになってしまいますが、想像以上に高評価を得ている要素もあります。
それは主題歌です。

前述したように、古参ファンの多くはOP曲として「ラムのラブソング」を希望していました。
「あんまりソワソワしないで♪」から始まるこの曲は、オリジナル版の第1話~第77話まで起用された最初のOPテーマであり、うる星を語る上で欠かせない主題歌です。
カラオケで歌う人も今尚多くいる、不動の人気ソングですね。

その為、令和版うる星のOP曲として起用された「アイウエ feat. 美波, SAKURAmoti」には厳しい評価が下されると思われましたが……そんな不利な状況を吹き飛ばし、好評を博します。
OP映像の再生数は2023年2月28日現在、1194万回を記録。
同じ秋アニメの大ヒット作『ぼっち・ざ・ろっく!』のOPでも480万回、OP映像が話題になった夏アニメの『リコリス・リコイル』ですら500万回ですから、これが如何に凄い数字かわかりますね。

更に、ED曲「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」に関しては、ED映像も530万回と絶好調ですが、楽曲人気は更に凄まじく、MV再生数は2700万回を突破。
ストリーミングでも5000万再生を突破しており、アニメのED曲としては異例のヒットになっています。
今後は「うる星のEDと言えばトウキョウ・シャンディ・ランデヴ」と言われる事になるかもしれません。

まとめ

成功か失敗かは、放送が全て終わってから評価する事ですので、少なくとも現時点で断定する訳にはいきません。
ただ「苦戦している」とはハッキリ言える状況ですし、そういう意味では「ここまではどちらかというと失敗」という評価にならざるを得ません。
とはいえ、「最後のデート」をはじめ人気エピソードはまだまだ残っているので、これからの巻き返しに期待したいですね!

【リコリス・リコイル】錦木千束徹底検証!心臓は今後も動き続ける事が出来るのか?


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2022年を代表する大ヒット作となり、続編の制作も発表された『リコリス・リコイル』より、主人公の1人・錦木千束を大特集!
彼女の胸に埋め込まれている人工心臓の秘密、そして続編でもその心臓がちゃんと動き続けるのかを検証しました!

錦木千束(にしきぎ ちさと)キャラクター概要


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『リコリス・リコイル』に登場する女性キャラクター、本作の主人公の1人
犯罪やテロ行為を防ぐ為に暗躍する政府公認の秘密組織「Direct Attack」、通称“DA”に所属する実働部隊員「リコリス」の一員で、階級はファーストリコリス
DA支部の表向きの顔として錦糸町に構える和風喫茶店「喫茶リコリコ」の従業員でもあります。

年齢は17歳で、相棒の井ノ上たきな(いのうえ たきな)の1つ上。
身長162cm、誕生日は9月23日、血液型はAB型。
胸はかなり大きめ

髪の色は光輝く美しい金色寄りの白。
ショートボブの左サイドに赤いリボンを付けています。

リコリスとして行動する際にはファースト専用の赤をベースとした制服、喫茶リコリコで働く際には赤い着物ベースの制服を着用しています。
私服は赤に限らず、様々なバリエーションを所有しているようです。

表情豊かで喜怒哀楽を素直に表現し、明るく快活で自由奔放な性格
人見知りは全くせず、初対面のたきなに対してもフレンドリーに接し、その性格もあってリコリコでは看板娘として振る舞い、多くの客に親しまれています。
座右の銘は「やりたいこと最・優・先」で、後述する己の運命を受け入れているかのように刹那主義です。

リコリスとしての能力はDA内でも最強格で、特に卓越した洞察力に起因する回避力は神がかっており、至近距離からの銃撃すら平然と回避します。
一方で、「命を大事に」を信条としているため非殺傷弾を用いており、自らに不殺の制約を課している影響で攻撃面では隙が生じる事も。
それでも銃と格闘技を織り交ぜ遠近両面での対応が可能で、総合力はズバ抜けています。

リコリコの店長、ミカは父親的な存在で、中原ミズキ(なかはら みずき)とは軽口を叩き合う仲。
物語途中に加入するクルミとの仲も良好です。
DA本部の春川フキ(はるかわ ふき)は元ルームメイトで、犬猿の仲ではあるもののお互いを認め合っている様子が見受けられます。

担当声優は安済知佳(あんざい ちか)さん。

エイベックス・ピクチャーズに所属する声優で、2009年に放送されたテレビアニメ『あにゃまる探偵 キルミンずぅ』のメインキャラクター、御子神ナギサ役で声優デビュー。
2014年放送『棺姫のチャイカ』のチャイカ・トラバント役で初主演を果たし、2015年に『響け!ユーフォニアム』の高坂麗奈役で大きな注目を集め、以降は様々な作品でメインキャラを演じる人気声優となっています。
代表作は錦木千束、高坂麗奈、安楽岡花火(クズの本懐)、飛鳥川ちせ(SSSS.DYNAZENON)、古手川千紗(ぐらんぶる)など。

続編発表も千束の心臓問題は未解決?


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千束というキャラを語る上で欠かせないのが、彼女の心臓です。
1期「So far, so good」でサラッと明らかにされましたが、彼女の心臓は「丸ごと機械」の人工心臓
よって鼓動はなく、胸に耳を当てても音は聞こえません。

現実における人工心臓は、大きく「完全置換型人工心臓」「補助人工心臓」の2つに分けられます。
完全置換型人工心臓とは、患者の心臓を摘出して埋め込まれる人工心臓。
一方、補助人工心臓は患者の心臓を残しつつ心機能の一部を代替し、心臓を補助する人工臓器です。

千束の人工心臓は、完全置換型人工心臓に該当します。
ただ、現実ではこの完全置換型人工心臓は実用には至っていません。
数十年前から研究・開発は行われていますが、実際に全置換型人工心臓を埋め込まれて2年以上生きた実例はなく、完全な成功を収めたケースはゼロです。

一方、アラン機関の支援によって生み出されたという千束の人工心臓は「現在知られている技術の数世代先を行く最も実用に足る代物」と吉松シンジ(よしまつ しんじ)は言っており、現実の物より遥かに優れた性能である事がわかります。
それでも人間を一生、つまり80年以上支えていけるような耐久性はなく、ミカ曰く「もって彼女が成人するまで」
千束が手術を受けたのは「10年前の話」としてミカが語っていたので、当時の千束は7歳前後(恐らく電波塔事件の前)だったと推察されるので、人工心臓の寿命は13年前後という事になります。

千束の心臓は吉松の部下、姫蒲(ひめがま)によって過充電を起こされ、それ以上の充電が出来ない状態、つまり事実上の故障状態にされてしまいます。
この心臓は、アランチルドレンならではの特異な才能を持った人物が開発したオーバーテクノロジーで、他の人間が修理する事は出来ません。
よってバッテリー切れ=死であり、この時点で千束の余命は2ヶ月となってしまいます。

それに伴い、千束はリコリコを閉店する決断を下しました。
DAの支部が存続するには1人以上のファーストリコリスが在籍している事が条件なので、千束がいなくなればリコリコは自然消滅せざるを得ず、そうなる前に自分の意志で店を畳むというのが彼女の出した結論でした。
リコリコは千束が最も大事にしていた居場所であり、それを自分から終わりにすると決めた無念は計り知れないくらい大きかった筈ですが、千束はそんな感情を一切表に出しませんでした。

その後、千束達と別れ国外に移動する事になったクルミが、飛行機の遅れで出来た時間を使って最後の足掻きと言わんばかりに「千束の人工心臓に一番近い心臓」の検索を行います。
すると、川辺楓という名前の博士が書いた論文がヒット。
彼女の目に映る画像から居場所を追跡した結果、この女性が10年前に吉松と接触して千束の心臓を渡している事、そしてその9年後に再び吉松と接触して別の人工心臓を渡している場面を見つけ出しました。

クルミ曰く、この時に吉松が受け取ったのは「改良した心臓」であり、千束の人工心臓よりも性能が上がっていると考えられます。

そして1期の最終話、この心臓は紆余曲折の末に千束の胸に埋め込まれました。
この時点で千束の心臓には少なくとも13年以上の耐久性があると推察されます。
それ以上の事は視聴者にはわからないので、ここで物語が終わっていればファンの脳内で「千束は新たな心臓でたきな達と共に一生仲良く暮らしました」といったハッピーエンドが描かれていた事でしょう。

しかし2023年2月、『リコリス・リコイル』の続編が発表された事で、千束の心臓問題は「ファンの想像にお任せする」から「未解決の問題」へと変貌しました。
「千束の寿命が不明」という状態をたきなが放置しているとは考え難く、彼女達が共に生きて行く以上は必ず直面していく問題だからです。
よって続編で「心臓の制作者である川辺楓との接触」など、千束の心臓を巡る新たなストーリーが展開される事になると思われます。

千束の心臓は吉松の胸から取り出した物?


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そしてもう一つ、続編で千束が直面するであろう問題があります。
吉松の生死、そして心臓の在処についてです。

「改良型人工心臓」を所持していた吉松は、その心臓を自分の胸の中に移植したと宣言します。
そして、千束に自分を殺させて心臓を奪わせる事で彼女が暗殺者としての才能を開花させる事を望んでいましたが……千束は不殺を全うし、吉松の目論見は崩れ去りました。

その後、第13話「Recoil of Lycoris」でミカが吉松と対峙し、心臓はミカが回収しました。
ただ、その心臓は吉松の「胸の中」にあったのか、彼が持っていた「アタッシュケースの中」にあったのかは描写されていません。
吉松が嘘をついていたとしたら後者、そうでないのなら前者という事になります。

同時に、前者であればミカは吉松、すなわち愛する者を殺した事になります。
この事をもし千束が知る事になったら、彼女の罪悪感は計り知れないものになるでしょう。
逆に後者の場合、吉松は生存している可能性が高くなります。

13話で描写されたのは「シンジは嘘を言わない」というミカの言葉と銃声、そしてアタッシュケースに入っていたメッセージのみ。
どれも吉松の真偽、生死を決定付けるものではなく、この時点では「視聴者の想像にお任せします」という演出だったと思われます。

しかし続編が決まった事で、この件にも決着が付く可能性が出て来ました。

現状、どちらの可能性が高いと言えるような材料もないので、ミもフタもない言い方ですが「制作スタッフにとって都合の良い方」が選ばれると推察されます。
つまりストーリーが作りやすい方ですね。

もしミカが吉松を殺して心臓を回収していたとしたら、この件を千束に伝える事はないでしょう。
一方、吉松が生存している場合は「川辺楓との接点」という存在意義がある為、ストーリーに組み込みやすくなります。

この事から、どちらかというと吉松生存の可能性が高いと思われます。
とはいえ、吉松死亡ルートでも「姫蒲が復讐しに来る」などのストーリーを作れるので、こちらも十分あり得ます。

千束の名言・迷言集


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常に明るく、場の雰囲気をパアッと輝かせる千束ですが、彼女の言葉にはどこか重みを感じさせるものも少なくありません。
ここでは、そんな千束の名言・迷言を纏めました!

冗談は顔だけにしろよ酔っ払い

食べモグの「リコリコのホールスタッフが可愛い」という投稿に対し、ミズキが自分だと主張した事への辛辣な反論
まだ第1話の前半で、千束がどういうキャラなのか視聴者に伝わっていない状況で発した一言なので、一瞬毒舌キャラと思った人もいたかもしれませんね。
勿論、実際にはただの軽口に過ぎず、二人の距離感がよくわかる一言です。

千束が来ましたー!

初出は第2話で、リコリコに出勤した時の挨拶
7話では、たきな達に落ち込んでいると思われていた中、明るくこのフレーズを言いながら入店して来ました。
リコリコの雰囲気を明るくする為にあえて発している言葉でもあるのでしょう。

基本的に一人称は「私」の千束ですが、たまに「千束が○○」という表現を用います。
彼女の境遇を考えると、千束という名前と自分という存在を一人でも多くの人に覚えていて欲しい、という心の現れだったのかもしれません。

あの人達も今回は敵だっただけだよ。誰も死ななかったのはよかったよかった

非殺傷弾で戦う是非について、たきなに疑問を呈された際の台詞
恐らく千束は「罪を憎んで人を憎まず」というポリシーを持っていると思われます。
そんな彼女の生き様がわかる言葉です。

私は君と会えて嬉しい!

楠木(くすのき)司令官にDA本部への復帰を懇願したものの、にべもなく断られ情緒不安定になるたきなを抱きかかえながら、満面の笑みで告げた台詞
たきなに新たな存在意義を与えた希望の言葉ですね。
たきなが千束に心を許したのは、この言葉があったからでしょう。

なんだとてめぇどこ中だコラァ~!

フキが売ってきたケンカを買う形で受けた模擬戦の直前、フキとの言い争いの際に発した台詞
彼女との仲が決して悪い訳ではなく、寧ろじゃれ合いのようなものだとわかるおフザけの言葉ですね。
不良マンガの定番の台詞ですが、なぜ千束がこんなフレーズを知っていたのかは謎です。

誰かの時間を奪うのは気分がよくない。そんだけだよ

千束が不殺を貫く理由として、たきなに明かした自身の心情です。
たきなはもっと博愛主義的な理由を想定していたようで、意外に思うのと同時に、あくまで利己的なこだわりだった事に好感を抱いたようです。
実際、変に高尚ぶるよりもずっと千束らしい理由ですね。

公衆の面前で乳を触るな!

千束の心臓が人工心臓だと知り、それが本当か確かめる為にたきなが直接胸に触れてきた際のツッコミ
しかし視聴者からは「だったら公衆の面前じゃなきゃ良いの?」と逆にツッコまれていました。
実際その通りだったようで、この後誰もいない所では大人しく触れさせていました。

ありがとう先生。私に決めさせてくれてありがとう

自分の救世主だと吉松の事を認識してた千束に対し、ずっと吉松の真意を隠してきたミカがついに真相を語った際、その罪悪感と逡巡で嘆くミカに対して言った言葉です。
吉松の希望を伏せる事で、「吉松の願い通り最強の殺し屋を目指すのではなく、自分の信じた道を進む」という選択肢を与えてくれた……という大人の解釈ですね。
長くは生きられないと自覚して生きて来た千束は、借り物の脆い心臓とは対照的に、17歳とは思えないほど大きくて強い心を持っています。

誰かを殺して生きても!それはもう私じゃない!

吉松を殺して心臓を奪おうとするたきなに対し言い放った、毅然とした言葉
自分の命よりも自分の信念を大事にしている千束ならではの台詞です。
千束に感化され、考え方や生き方を大分軌道修正しているたきなですが、この件については今後も相容れないかも知れません。

まとめ

自分の人生が長くない事を察して生きて来たからこそ、底抜けに明るく、同時に達観した人生を歩んでいる千束。
1期ではその千束がたきなを変貌させた描写が目立ちましたが、千束もまた、たきなに生き甲斐を貰った事で変わって行く気がします。
続編では、そんな千束も見てみたいですね!

【リコリス・リコイル】井ノ上たきなはガチ恋してるのか? 徹底検証


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続編の制作が発表され、ますます注目を浴びているオリジナルアニメ『リコリス・リコイル』より、主人公の1人・井ノ上たきなを大特集!
彼女が劇的に変わった理由、そして千束への恋愛感情の有無などを徹底的に検証します!

井ノ上たきな(いのうえ たきな)キャラクター概要


(画像引用 : Amazon)

『リコリス・リコイル』に登場する女性キャラクター、本作の主人公の1人
犯罪やテロ行為を防ぐ為に暗躍する政府公認の秘密組織「Direct Attack」、通称“DA”に所属する実働部隊員「リコリス」の一員で、階級はセカンドリコリス
訳あってDA本部から異動する事になり、DA支部の表向きの顔として錦糸町に構える和風喫茶店「喫茶リコリコ」の従業員となりました。

年齢は16歳で、相棒の錦木千束(にしきぎ ちさと)の1つ下。
身長160cm、誕生日は8月2日、血液型はA型。
比較的スレンダーな体型です。

正統派の黒髪ロング。
リコリコで働く際には左右二つに分けて結んでいます。
客からは「目に愛嬌がなく子供」と思われている一方、「あと10年もすれば素晴らしい美人になる」と評されるなど容姿は整っています。

リコリスとして行動する際にはセカンド専用の紺色をベースとした制服、喫茶リコリコで働く際には青い着物ベースの制服を着用しています。
ファッションには無頓着で私服にもこだわりは一切なく、動きやすい物を選んで着用していました。

合理性を重んじる性格で、DA本部在籍時は常に淡々としており喜怒哀楽に乏しくクールな性格でした。
しかし千束との出会いによって感情表現が豊かになり、リコリコではごく普通の女の子として客からも受け入れられています。
責任感は強く、やると決めたら一直線で、リコリコの経営状況が芳しくないと知ると自ら経理の担当を買って出ました。

射撃能力が非常に高く、銃の腕には絶対的な自信を持っています。
反面、ボディーガードのような守勢に回る戦いにはあまり向いていない模様。
当初は敵の命を奪う事に躊躇いはありませんでしたが、千束とコンビを組むようになってからは多少意識を変えているようです。

リコリコ内での人間関係は良好で、千束以外の面々とも自然なコミュニケーションを取れています。
一方、DA本部所属のリコリスからは過去の振る舞いから良く思われておらず、悪い噂を流され腫れ物に触るような扱いになっています。
その中で唯一、蛇ノ目エリカ(じゃのめ えりか)にだけは慕われているようです。

担当声優は若山詩音(わかやま しおん)さん。

劇団ひまわり出身の元子役で、現在も所属しています。
声優デビューは2006年放送の『RED GARDEN』ですが、本格的な声優活動を開始したのは2019年からで、映画『空の青さを知る人よ』の主人公・相生あおいを演じ注目を集め、2021年放送『SSSS.DYNAZENON』の南夢芽役で知名度を飛躍的に上昇させました。
代表作は井ノ上たきな、南夢芽、相生あおい、川合麻依(ハコヅメ~交番女子の逆襲~)など。

千束との出会いで劇的に変化


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『リコリス・リコイル』は美少女二人がテロ組織と戦うガンアクションであり、喫茶リコリコの愉快な日常を描くお仕事ものであり、主人公二人の交流を描いたバディものでもあります。
そしてもう一つ、大きな物語の軸として描かれるのが、たきなの成長です。
井ノ上たきなという普通じゃない少女が、錦木千束というこれまた普通じゃない少女と出会い、彼女に感化されながら自身を変革していく物語でもあるのです。

その物語の冒頭、DA本部に所属していた頃のたきなは一部のファンから「狂犬」と言われています。
凶暴な表情や声こそ出していませんが、当時のたきなは合理主義・結果主義を拗らせていたようで、「組織、上司、同僚が自分に求めている事」よりも「自分が設定した目標の実現」を優先し、それに伴うリスクも殆ど無視していました。

ただ、こういった性格にありがちの「周りの目や評価など気にしない」というタイプではありません。
寧ろ、そこを気にし過ぎている故の暴走が目立っていたようです。
たきなにとってDA本部は「結果を出さないと居られない居場所」で、リコリスとは「悪を確実に仕留める存在」であり、自分の思い描くリコリス像を貫く事が評価に繋がると信じて疑いませんでした。

つまり、たきなは「味方がどうなっても良い」とか「自分さえ良ければ良い」などと思っている訳ではなく、「リコリス」や「任務」といった大枠を遵守する事が最優先というプライオリティを持っている人間なのです。
簡単に言ってしまえば「融通が利かない」と纏める事が出来るでしょう。
これは持って生まれた素質や人格の問題というよりは、狭い世界の中でも更に狭い人間関係の中で育った影響で視野が極端に狭くなっていった結果、このような性質になったのでしょう。

そんな彼女が千束と出会って一番変わったのは、心に余裕が出来た事です。

DA本部から事実上の左遷になり、彼女の最優先すべき事項は「本部への復帰」となりました。
しかし第3話「More haste, less speed」で千束から「私は君に会えて嬉しい!」と言って貰えた事で、たきなの中の大枠は「千束」へと書き換えられました。
千束の隣にいる事が最優先で、千束本人がそれを受け入れてくれている為、心に余裕が生まれ視野も一気に広がり、それまでの彼女にはなかった感情表現、他人を慮る事が出来るようになったのです。

ただ、この変化を「成長」と言えるかどうかはまだわかりません。
千束の計らいで本部に復帰する事になった際、たきなは以前の狂犬と呼ばれていた頃の姿に戻りつつありました。
もし、その後も千束のいない人生を歩む事になったら、完全に以前の彼女に戻ってしまったかもしれません。

そういう意味では、アニメ1期の段階では千束に精神的に依存している状態という事が出来るでしょう。
まだまだ成長の途中であり、たきなが真に成長する為には千束依存の状態から脱し、自立する必要があるかもしれません。

とはいえ、自立だけが成長の道筋という訳でもありません。
千束との出会いでたきなが大きく変化したように、たきなとの出会いによって千束も少し変わりました。
「やりたいこと最優先」な千束が1期のラストシーンで「何しようか。これから」と呟き半ばたきなに意見を求めたのも、千束の最優先事項の中にたきなの存在が組み込まれたからでしょう。

これから先、千束が更にたきなの影響で変わり続ける事があれば、二人はお互いに影響し合う仲として、真の意味で対等となります。
それは自立とは違う道のりでの依存脱出を意味します。

2023年2月、『リコリス・リコイル』は続編の発表が行われ、たきなの成長物語の続きが描かれる事が決まりました。
今後、たきながどのような成長の道程を進むのか、その続編で明らかになるでしょう。

千束への想いは相棒への友情? それともガチ恋?


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たきなにとって千束は、自分を狭い檻の中から解き放ってくれた恩人であり、相手の息の根を止める戦い方しか知らなかった自分に別の解決策を教えてくれたパートナーであり、年齢の近い同性の友人でもあります。
前述したように、1期の途中からたきなの最優先事項は「千束の隣にいる事」であり、彼女の存在はたきなの居場所そのものと言っても過言ではないでしょう。
当然、絶対的な信頼を寄せる相棒なのは疑う余地がありません。

では、そこから更に踏み込んだ仲になりたいと思っているかどうかを検証します。
早い話が「ガチ恋」なのかどうかです。

現代におけるジェンダー問題を考えるまでもなく、アニメという分野では同性同士の恋愛……女性同士であれば「百合」になりますが、これらの恋愛についてはフラットな表現がなされています。
腫れ物を触るような扱いになっているケースは極めて少なく、一つの恋愛の形として描かれる事が殆ど。
『リコリス・リコイル』も例外ではなく、本作ではミカと吉松シンジが同性同士で恋人関係だった事が強く示唆されています。

よって、本作の世界観では百合が特異な恋愛として描かれる事はありません。
たきなの心に恋愛感情が芽生えているとしても、それが百合好きを拗らせた視聴者の歪んだ解釈という訳ではなく、正しい可能性の指摘と言う事が出来ます。

とはいえ、少なくとも1期の段階では、たきなの千束への想いを恋愛感情と断じる材料はありません。
前述したように精神的に依存しているのは間違いなく、千束が死ぬ事を何より恐れ、自分が殺されるよりも許しがたい事という描写は見て取れますが、その想いが大切な相棒への友情なのか、それともガチ恋なのかはわかりません。

そもそも、恋愛感情の有無をどうすれば推し量れるのか。
これは様々な考え方があって然るべきですが、ここでは「独占欲の有無」を指標にしたいと思います。
「自分以外の人と仲良くするのを見ると胸が痛む」という心情は、必ずしも恋愛だけに属する訳ではありませんが、ある程度の年齢に達した上での独占欲は恋愛以外の情ではほぼ見られないからです。

たきなの千束に対する独占欲は、1期の範疇においては顕著ではありません。
ただ、千束が危機に瀕した際、それを助けるのは自分でなくてはならないという意識は随所で見られます。
リコリスが狙われているという話が出た際には即座に同棲を試み、千束が真島(まじま)に一騎打ちを挑まれた13話においても、「千束を助けられるのは私」と断言していました。

たきなは合理性を極めて重要視しています。
単純に千束を危険から守る為だったら「安全を確保するため一時的にDA本部に身を寄せるべき」と主張するでしょうし、「実力で勝るフキに助けに行って欲しい」と懇願したでしょう。
その判断よりも「自分が千束を助けたい」という気持ちが強いのは明白で、これは独占欲の一種と見て良いかもしれません。

以上の根拠から、1期終了時点においては「ガチ恋と確定できるほどの材料は乏しいが、その可能性は大いにある」と言えるでしょう。
続編でもし嫉妬心を露わにしたり、千束に下着を見られて恥じらいを見せたりするようなら完璧です。

たきなの名言・迷言集


(画像引用 : Amazon)

思った事をハッキリ言うたきなの言葉は、時に刺々しくナイフのような切れ味があり、時に火傷しそうなほど激しい情熱を感じさせます。
ここでは、そんなたきなの名言・迷言を纏めました!

生きてますよね?

物語冒頭、エリカが人質に取られた状況にもかかわらずマシンガンをぶっ放し、フキから糾弾された際の返し文句
この時点では「味方の危険を顧みないヤベー奴だ」と誰もが思った事でしょう。
その後、千束に「あの状況において最も合理的な行動だと思いました」と述懐した事で、たきなの真意が判明します。

これでおあいこですね

フキ&サクラとの模擬戦でフキを殴り、勝利後に放った痛烈な一言
前述の冒頭シーンでフキに殴られたリベンジを見事に果たしました。
実は結構根に持っていたようです。

きっと避けると思いましたから

その模擬戦で、射線上に千束がいたにもかかわらず撃った事への述懐
自分自身だけを信じていたたきなが、初めて他人(千束)を信頼した瞬間ですね。

千束のを見せてください

ミカのオススメに従いトランクスを履いている事を千束にガミガミ言われ、一緒に下着を買いに行った際の更衣室での一幕
たきなの一般常識の欠如、羞恥心のなさが現れています。
逆に千束はかなり恥ずかしそうでした。

さかな~!

大事な人(吉松)を見つけられないと落胆する千束を励ます為、魚の物真似をした衝撃的なシーンでの一言
千束との出会いでたきなが変わった事を決定付ける、リコリコ1期最大の名場面です。
同時に、この作品の人気を決定付けたワンシーンでもありました。

ええ。めっちゃかわいいですよ

アラン機関のネックレスを表に出した千束へ向けて言った台詞
純粋だからこそ、こういう事を平気で言えて、しかも言った事を忘れられるのかもしれません。
ある意味、たらしの素質があるのかも……

あれは私の行動の結果でクルミのせいじゃありません

DA本部から異動となった間接的な原因をクルミが作っていたと判明した際、クルミの謝罪を受けての一言
決して他人を思いやる気持ちがない訳ではない、ちゃんと良い子なんだとわかるシーンですね。

ここでは千束を救えない。それだけです

念願のDA本部への復帰が叶ったものの、任務を放棄してでも旧電波塔に向かった千束を援護しに行くと決断した際の台詞
たきなの千束への想いの強さが表れた印象的なシーンです。
そんなたきなに温情を見せつつ、行かせてやったフキの株も爆上げでした。

離して!心臓が逃げる!

千束の人工心臓の代わりとなる唯一の心臓を胸の中に移植した、死にたくなければ自分を殺して奪えと言う吉松を、千束はどうしても撃てない。
そんな千束の代わりに吉松の体から心臓を抉り出そうとするたきなが、千束の制止を振り切って吉松を追おうとする際の台詞です。
鬼気迫る声と表情も相まって、非常に狂犬感が強いシーンです。

まとめ

たきなの感情が豊かになるにつれて、リコリコという作品もどんどん魅力的になっていきましたね。
リコリスとしても人間としても完成している千束とは対照的で、だからこそ二人の個性がより際立っていたように思います。
続編でたきなの活躍がまた見られるのが嬉しくてたまりません!

【SPY×FAMILY】国民的アニメになれるのか? 令和最強コンテンツを徹底解剖


(画像引用 : Amazon)

今や日本を代表するアニメの一つとなった『SPY×FAMILY』。その令和最強コンテンが今後「国民的アニメ」という称号を得られるかどうかを徹底検証!
誰もが知っていて、老若男女から愛されるアニメになれる可能性をあらゆる角度から探ります!

国民的アニメの条件とは?


(画像引用 : Amazon)

2022年に待望のアニメ化が実現し、多くの視聴者が夢中になった『SPY×FAMILY』
各メディアが実施した年間アニメランキングで軒並み1位を獲得するなど、その評価は非常に高く、2022年を代表するアニメとなりました。
更にその名声はアニメ界隈に留まらず、2022年の全トレンドの中でもトップクラスの実績を残しています。

・『SPY×FAMILY』2022年ランキング実績

ねとらぼ調査隊「2022年一番面白かったアニメ」1位
みんなのランキング「2022年アニメ人気ランキング」1位
ViVi「2022年に流行ったアニメランキング」1位
AT-X「アニメランキング2022」3位
Yahoo!「検索大賞2022」アニメ部門1位、声優部門1位
サイバーエージェント「2022年Z世代ヒットトレンドランキング」1位
TikTok「流行語大賞2022」コトバ部門 1位
Google「2022年検索ランキング」2位
日経トレンディ「2022年ヒット商品ランキング」21位
YouTube「2022年の流行語大賞」ノミネート

国内でこれだけの評価を得ている上、中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」では脅威の7億再生を記録するなど海外でも不動の人気を獲得。
今やSPY×FAMILYは日本を代表するアニメの1つとなったのは間違いありません。

そうなってくると、次の関心事はこの作品が「国民的アニメ」と呼ばれる存在になれるかどうかです。

国民的アニメという言葉は、ピクシブ百科事典やニコニコ大百科などで独自のページを設けられ、各メディアでも度々使用されるなど、既に広く一般化されています。
ピクシブ百科事典で「国民に広く知れ渡る、国民的な人気、知名度のある人気アニメ」、ニコニコ大百科では「その国の子供から大人にまで広くに知られ、愛され続けるアニメ」と定義付けられているように、知名度の圧倒的な高さと幅広さが条件と言って良いでしょう。

では、どのようなアニメが国民的アニメと呼ばれているのか。
幾つかのメディアが投票を行っているので、その結果を見てみましょう。

・株式会社CMサイト調べ「令和の国民的アニメ人気ランキング」

1位 サザエさん
2位 ドラえもん
3位 名探偵コナン
4位 ONE PIECE
5位 ちびまる子ちゃん
6位 それいけ!アンパンマン
7位 ルパン三世
8位 ポケットモンスター
9位 ドラゴンボール
10位 クレヨンしんちゃん

・みんなのランキング「国民的アニメランキング!」

1位 ドラえもん
2位 クレヨンしんちゃん
3位 名探偵コナン
4位 ポケットモンスター
5位 ドラゴンボール
6位 それいけ!アンパンマン
7位 星のカービィ
8位 ONE PIECE
9位 ルパン三世
10位 ちびまる子ちゃん

・アキバ総研「国民的アニメ人気投票」

1位 名探偵コナン
2位 忍たま乱太郎
3位 はなかっぱ
4位 サザエさん
5位 ONE PIECE
6位 ポケットモンスター
7位 ドラえもん
8位 クレヨンしんちゃん
9位 妖怪ウォッチ
10位 ドラゴンボール

この全ての投票でTOP10に入っているのは『サザエさん』『ドラえもん』『名探偵コナン』『ONE PIECE』『ポケットモンスター』『ドラゴンボール』『クレヨンしんちゃん』です。
2つ入っているのは『ちびまる子ちゃん』『それいけ!アンパンマン』『ルパン三世』ですね。

これらの作品に共通しているのは、現在も新作アニメが制作され、テレビで放送されている点です。
つまり、圧倒的知名度に加え長期的に現役コンテンツである事が国民的アニメという認知に繋がっていると言えます。

果たしてSPY×FAMILYがこれらの作品に並び、国民的アニメの仲間入りを果たせるのか
これからじっくりと検証していきます。

原作は累計発行部数2900万部のメガヒット


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前述した国民的アニメ10作品のうち、8作品はマンガ原作のアニメです。
それらの作品とSPY×FAMILYの累計発行部数を比較してみます。

・国民的アニメの原作マンガ累計発行部数

5億1000万部 ONE PIECE(国内のみで4億1000万部)
3億0000万部 ドラえもん(国内のみで2億5000万部)
2億7000万部 名探偵コナン(国内のみで1億4900万部)
2億6000万部 ドラゴンボール(国内のみで1億6000万部)
0億8600万部 サザエさん
0億5800万部 クレヨンしんちゃん
0億3250万部 ちびまる子ちゃん
0億1000万部 ルパン三世

0億2900万部 SPY×FAMILY

「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス認定された『ONE PIECE』をはじめ、どの作品も原作が大ヒットしている事がわかります。
上位4作品に関しては海外でも大ヒット。
いずれも数十年という年月をかけてロングセラーになっているマンガばかりで、作者が既に亡くなっている作品でもずっと売れ続けています。

一方、SPY×FAMILYの累計発行部数は2023年2月時点で2900万部とアナウンスされています。
既に『ちびまる子ちゃん』に迫る数字で、早くも国民的アニメの資格ありと言える部数を残していますが、SPY×FAMILYの凄さは累計だけに留まりません。
驚異的なスピードで部数が伸び続けている点がポイントです。

振り返ってみると、SPY×FAMILYは連載1話目から数々の記録を樹立してきました。

ジャンプ+で2019年3月25日に掲載された第1話は早々にトレンド入りし、ジャンプラ史上最高記録のコメント数となる2000超をマーク。
今も連載開始直後のマンガがトレンド入りするのは珍しい事ですが、この頃は殆ど前例がなく、これだけ一瞬でマンガファンの心を掴んだ作品は史上初と言って良いでしょう。

その後も順調に読者を増やし続け、7月に発売されたコミックス第1巻は発売から僅か3週間で30万部を発行する異例のヒットになります。
以降もその勢いは全く衰えず、アニメ化が発表される前の段階で初版100万部、累計1500万部を達成しました。

・『SPY×FAMILY』累計発行部数推移

2019年07月 0030万部(1巻発売の22日後)
2019年10月 0080万部(2巻発売)
2019年11月 0100万部(2巻発売翌月)
2020年01月 0200万部(3巻発売)
2020年05月 0300万部(4巻発売)
2020年09月 0600万部(5巻発売)
2020年12月 0800万部(6巻発売)
2021年06月 1000万部(7巻発売)
2021年11月 1250万部(8巻発売、アニメ化決定)
2022年04月 1500万部(9巻発売、アニメ1クール目スタート)
2022年04月 1700万部(アニメ化効果で部数UP)
2022年05月 2100万部(アニメ化効果で部数UP)
2022年08月 2500万部(アニメ化効果で部数UP、アニメ2クール目スタート)
2022年10月 2700万部(10巻発売)
2022年12月 2900万部(アニメ化効果で部数UP)

現時点で巻平均(巻割)は290万部。
つまり、単純計算で290万人がコミックスを購入した事になります。
ONE PIECEがこの水準に達したのは累計1億部を超えてからで、如何にSPY×FAMILYが驚異的なスピードでファンを増やしているかがわかります。

本作が連載を始めた当時、既にWEBマンガは一定のポジションを築いていましたが、どうしてもジャンプ本誌をはじめとした紙媒体で連載している作品の方が格上感はありました。
しかしこのSPY×FAMILYの驚異的なスピードでの普及は、更新と同時にファンが一斉に一つの作品を読み、そして感想を言い合えるWEB媒体ならではの盛り上がりがあってこそ。
このSPY×FAMILYがWEBマンガの地位を上昇させ、マンガそのものの在り方に一石を投じたと言っても過言ではありません。

そういう意味では、本作は社会現象級のヒットと言え、国民的アニメの資格十分と言える作品です。

「アニメは配信の時代」を象徴する令和最強コンテンツに


(画像引用 : Amazon)

WEBマンガの歴史を変えたSPY×FAMILYですが、アニメに関しても同様の特徴を示したと言えます。

SPY×FAMILYのアニメは古橋一浩監督の指揮の下、CloverWorksとWIT STUDIOが共同で制作し、2022年4月に放送をスタートしました。
前述した推移表からもわかるように、このアニメによってSPY×FAMILYの原作コミックスの売上は大幅に増えており、巻割は167万部から290万部と倍近く伸びています。
つまり100万人以上のファンを増やしており、アニメ化は大成功でした。

ただ、Blu-ray・DVD(円盤)の売上はそこまで派手な数字を残している訳ではありません。

2022年7月に発売された第1巻の初週売上(初動)は約8000枚
その後も目立った伸びはなく、2巻以降もほぼ同じ数字で推移しています。
よって累計平均は1万枚前後と予想されます。

ジャンプのアニメと言えば、かつて円盤はそれほど売れないというのが通例でしたが、近年は『鬼滅の刃』『呪術廻戦』が大ヒットを記録。
これらの作品と比べても、SPY×FAMILYの円盤売上は大きく劣ります。
また、アニメ化前後で同じような部数の伸びを見せていた『進撃の巨人(1期)』と比べても同様で、これだけファンを増やしたアニメの割には円盤はあまり売れていません。

今は「円盤が売れない時代」と言われていますが、2022年は『リコリス・リコイル』や『ぼっち・ざ・ろっく!』といった作品が2万枚を超えるビッグセールスを記録しており、SPY×FAMILYの売上は2022年の円盤セールスランキングで10位前後
同年の作品と比較しても、トップクラスのセールスを記録している訳ではないのです。

では、このアニメが何処でヒットしたのかというと、ネット配信です。
近年はサブスクリプションサービスを利用して配信でアニメを観る人が急激に増えていますが、その配信でSPY×FAMILYは驚異的な再生数を記録しています。

ABEMAプレミアムやAmazonプライム・ビデオなど、18の定額制動画配信サービスの視聴者数を集計した、GEM Partnersによる「2022年の年間配信サービス視聴者数ランキング」において、2位の『鬼滅の刃』に約1.7倍もの差を付けて圧倒的1位を獲得。
1期が最終回を迎えた後も上位をキープし続けており、16週連続1位という凄まじいロングランを記録しています。

音楽業界ではサブスクが普及し、ヒット曲=再生数の高い曲という認識が定着してきましたが、映像部門に関してはまだそこまでではなく、「配信で動画視聴する時代」と言われつつもドラマに関しては視聴率、アニメにおいては円盤の売上が指標にされる傾向が続いていました。
しかし2022年、ドラマでは『silent』、アニメではこのSPY×FAMILYが配信分野でめざましい記録を樹立し大きな話題になりました。
従来の指標だけでは決して測れない、新時代のヒット作と言えます。

円盤による大ヒットは確かに大きな利益をもたらします。
一方で、数万枚売れたら大ヒットという、ある意味では閉鎖的な市場でもあります。
それに対し、配信は数百万規模の市場なので、ヒット作とそうでない作品の視聴者数の差は歴然としており、SNSなどの反響にもかなり大きな差が生じます。

昔、テレビアニメは視聴率20%を超える作品も沢山あって、特に『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』の全盛期は40%近い数字を記録しました。
そういう時代があったからこそ、これらの作品は国民的アニメとなったのです。
さすがにこの時代ほどの一般普及は困難ですが、それでも配信によって通常のヒットアニメより遥かに多くの人数に観られたSPY×FAMILYは、令和で最も国民的アニメに近いポジションにいます。

子供のアイドルとなったアーニャ


(画像引用 : Amazon)

国民的アニメに欠かせないのが「誰もが知るキャラクター」の存在です。

アニメは「作画」「ストーリー」「演出」「音楽」など様々な要素が重なり合って一つの作品になりますが、その中で「キャラクター」はやや特殊な要素と言えます。
というのも、作品の外で注目される事が多々あるからです。

例えば『ポケットモンスター』のピカチュウは、原作ゲーム内においては数あるポケモンの中の一匹に過ぎません。
しかしアニメだとメインキャラクターの一角を担うだけでなく、本作を象徴するマスコットキャラとして無数のキャラクターグッズが生産・販売されており、更に外伝作品への参加や他作品とのコラボなど、多岐にわたって活躍しています。
その為、ポケモンを観た事がなくてもピカチュウは知っているという人も非常に多く、作品の枠を越え世界的な知名度を誇っています。

こういったキャラが生まれると、その作品の知名度も当然、飛躍的に上昇します。
特に普段アニメを観ないお年寄りや、まだアニメをしっかり観る年齢に達していない幼児などについては、キャラクターから作品を知るケースが大半を占めていると思われ、「国民的アニメとは国民的キャラクターがいるアニメ」と言ってもいいくらいです。
実際、そのような調査結果も出ています。

ねとらぼ調査隊調べ「国民的アニメキャラクター(2021年)」ランキング

1位 ドラえもん(ドラえもん)
2位 フグ田サザエ(サザエさん)
3位 孫悟空(ドラゴンボール)
4位 ピカチュウ(ポケットモンスター)
4位 野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)
6位 江戸川コナン(名探偵コナン)
7位 アンパンマン(それいけ!アンパンマン)
8位 モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)
9位 さくらももこ(ちびまる子ちゃん)
10位 磯野カツオ(サザエさん)

株式会社日本リサーチセンター調べ「第7回 NRC全国キャラクター調査 認知度ランキング」

1位 ドラえもん
2位 サザエさん
3位 それいけ!アンパンマン
4位 ちびまる子ちゃん
5位 ゲゲゲの鬼太郎
6位 クレヨンしんちゃん
7位 ルパン三世
8位 鉄腕アトム
9位 となりのトトロ
10位 アルプスの少女ハイジ

では、多くの人々に愛される「国民的キャラクター」とは、どのようなキャラがなれるのでしょうか。
大きく分けて三つに分類できます。

1. 外見が可愛いマスコットタイプ
2. シルエットだけで誰かわかる外見個性派タイプ
3. 性格や能力、喋り方が特徴的な内面個性派タイプ

ピカチュウやドラえもんといった世界的に圧倒的な知名度を誇るキャラは、この1~3全てを満たしています。
まだ言葉を多く理解できていない幼児や日本語がわからない外国人でも、その可愛さや個性に惹かれて興味を持ち、アニメの存在を知っていく……という流れが膨大に生まれる事で作品知名度は上昇し、ただの人気作から国民的アニメへと変貌していくのです。
よって国民的アニメには、国民的キャラクターという導き手の存在が極めて重要です。

そしてSPY×FAMILYには、国民的キャラクターになり得る逸材がいます。
御存知アーニャです。

アーニャは上記の1~3いずれも満たしています。
可愛らしさは言うまでもなく、大きな頭と左右のとんがり髪飾りによってシルエットだけでも誰かわかる造形で、悪巧みした時の目を細めた表情も印象的です。
喋り方に関しても、舌足らずで少し変わった言語・言葉遣いという点は特徴的ですし、相手の心を読めるという異能力も持っています。

実際、アーニャは既に子供の間でアイドル的人気を獲得しています。

進研ゼミ小学講座が実施した「小学生の憧れの人ランキング2022」で、アーニャは3位にランクイン。
1位が「友達」、2位が「お母さん」なので、キャラクターとしては1位です。
また、PGF生命調べ「今年のくらしを明るくしてくれたキャラクターランキング」でも2位のルフィに倍の差を付け1位になるなど、既にアーニャは国民的キャラクターへと着実に近付いています。

このアーニャが高齢層の間でも広く認知された時、SPY×FAMILYは国民的アニメと呼ばれる事になるでしょう。

映画化で「ドラえもん」「クレしん」「コナン」に続けるか


(画像引用 : Amazon)

これまで検証してきたように、SPY×FAMILYには国民的アニメとなり得るだけの下地が既に出来上がっている段階と言えます。
ただ、これから更に知名度を伸ばしていくには、継続性が非常に重要となってきます。

前述した通り、国民的アニメと呼ばれている作品は全て長期にわたってテレビ放送が行われてきました。
現在放送されていない『ルパン』と『ドラゴンボール』でもトータルでは10年以上の放送期間がありますし、何度も再放送されているため実際の放送期間は更に長いです。

・国民的アニメのテレビ放送期間

サザエさん   1969~現在
ルパン     1971~1972、1977~1980、1984~1985、2015~2016、2018、2021~2022 ※シリーズ放送以外も単発長編多数
ドラえもん   1973、1979~現在
ドラゴンボール 1986~1997、2015~2018
アンパンマン  1988~現在
ちびまる子   1990~1992、1995~現在
クレしん    1992~現在
コナン     1996~現在
ポケモン    1997~現在
ワンピ     1999~現在

SPY×FAMILYがこれらの作品と肩を並べるには、毎年何らかの形で新作を発表していく事が重要になってきます。
とはいえ、現代の制作体制で毎年テレビシリーズの新作を放送・配信するのは極めて困難です。

そこで注目されるのが、映画です。

上記の国民的アニメのうち、『ドラえもん』『アンパンマン』『クレしん』『コナン』『ポケモン』はコロナ禍の時期を除き毎年必ず映画を公開しています。
毎年ではないものの、『ドラゴンボール』は20作以上、『ワンピ』も15作以上が制作されており、国民的アニメは映画にも注力されている事がわかります。

特にドラえもん、クレしん、コナンの3作は、映画によって国民的アニメになったと言っても過言ではありません。
ドラえもん、クレしんはテレビシリーズではやらないシリアスな長編ストーリーを映画でやる事で、作品のイメージを変革させる事に成功しました。
コナンもテレビシリーズでは描けないスケールの大きな事件を扱い差別化に成功し、第22作目の『ゼロの執行人』以降は100億近い興行収入を毎年記録するお化けコンテンツになっています。

SPY×FAMILYは2期制作と同時に映画化も発表されており、作者の遠藤達哉先生が原作、監修、キャラクター原案を務める完全新作ストーリーで作られる事が決まっています。
本作が国民的アニメとなるには、この映画で大ヒットを記録するだけでなく、コナンのように毎年興収でトップ争いをするようなコンテンツになるのが一番の近道です。

近年はアニメ映画の需要が高まっていて、ワンピも2022年公開の『ONE PIECE FILM RED』が約200億円の興収を記録し、自己最高を3倍近く更新しました。
この流れに乗ってSPY×FAMILYの映画が成功を収める確率は極めて高く、そうなれば劇場版の続投は確実。
もし毎年映画が公開される形になれば、ドラえもんやコナンのようなファミリー層向けの定番映画として定着し、国民的アニメとなるのにそう時間はかからないでしょう。

連載スピードの低下をオリジナル回でカバーできる?


(画像引用 : Amazon)

これまでは肯定的な見解のみを記してきましたが、SPY×FAMILYが国民的アニメとなる為の壁も幾つかあります。
最も懸念されるのは、原作の連載スピードの低下です。

本作を掲載しているジャンプラは週刊連載が基本ですが、作品によっては隔週の場合もあります。
SPY×FAMILYは当初から隔週連載、つまり2週に1度の掲載です。
ただ、1話ごとのページ数は通常の週刊連載より多い25ページ前後なので、コミックスのリリースペースは3~4ヶ月に1冊と順調でした。

しかし2022年頃からこのペースに乱れが生じます。
アニメが始まった影響でマンガ以外の仕事が増え、休載せざるを得ない週が増えてきたのが大きな原因と考えられます。
コミックスのリリースペースも5~6ヶ月に1冊となっており、今後は更に映画の仕事も増えるのでペースが落ちる事はあっても復活するのは考え難く、中々ストックが溜まっていかない状態になっています。

・『SPY×FAMILY』年間掲載数

2019年3月~2020年2月 22話
2020年3月~2021年2月 19話
2021年3月~2022年2月 19話
2022年3月~2023年2月 15話

アニメ1期(2クール)で既に38話目まで映像化されているので、2023年放送予定の2期が1期同様2クールだった場合、現在のストックをほぼ使い切る事になるでしょう。
そうなると、3期の放送に必要なストックが溜まるのは早くても2年後……となってしまいます。
これでは「継続性」という点で難しくなってきます。

そこで鍵を握るのが「オリジナル展開」です。
本編のストックが足りないのなら、オリジナルストーリーで埋めるしかありません。
その場合、監督の技量が問われる事になります。

古橋監督はかつてジャンプの看板作品だった『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の監督として知られ、その後も『HUNTER×HUNTER(1999年版)』『機動戦士ガンダムUC』『どろろ』などを手掛けているベテランです。
るろ剣の追憶編が顕著ですが、原作の世界観を膨らまし独自の物語を作る事に長けた監督で、その特徴はSPY×FAMILYにも存分に発揮されています。
SPY×FAMILYではシリーズ構成も務めており、本作のオリジナル回は古橋監督の手腕によって成り立っているのです。

何かと叩かれがちなオリジナル回ですが、本作は原作ファンからも好評を博しています。
オリジナル回を増やしてアニメの放送・配信ペースを維持できれば、ファンへの安定した提供が可能となり、知名度も更に伸びていくでしょう。

ヨルさんの暗殺者設定が足枷に?


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アニメ放送が始まって以降、SPY×FAMILYの話題は途切れる事がありませんが、中にはネガティブな話題もあります。
その中で最も多いのが、ヨルさんの職業に関してです。

ヨルさんは日中こそバーリント市役所の女性事務員として健全に働いていますが、その本職は暗殺組織ガーデンに所属する殺し屋。
「いばら姫」のコードネームで知られる一流の暗殺者です。
暗殺のターゲットは原則として悪人に限定されていますが、やはり人殺しであるという事実は重く、本作がハッピーエンドでは終われないと言われている所以でもあります。

そして、この設定はSPY×FAMILYが国民的アニメとなる為の足枷になるかもしれない、という見解もあります。
メインキャラの1人、しかも母親役が人殺しとなると、子供の教育上良くない……という意見にも一理あるところです。
特にSNS普及後は、一つの意見がクローズアップされて過度に問題化するケースも多々あり、こういった意見が主流のように扱われる事もあります。

ただ、これに関しては特に問題ではないと思われます。

その根拠は2つあって、1つは「最初から殺し屋と明言されている事」、そしてもう1つは「悪を挫く必殺仕事人のような存在である事」です。
人殺しは教育上よろしくない、というのは正論ですが、ルパンも悪党限定で殺しはしていますし、ドラゴンボールの悟空も同様。
ヨルさんが暗殺者である事と、国民的アニメである事は決して矛盾はしません。

また、直接手を下す生々しい描写はほとんどなく、コミカルな描写、或いはアクションシーンの一環として実際に絶命させたかどうか濁している描写に留めているので、子供の教育上悪いと感じる親御さんは殆どいないでしょう。

とはいえ、懸念材料がない訳ではありません。
前述したように、本作は2期以降のストックがまだなく、今後のアニメではオリジナル回が増えると予想されます。
その際、古橋監督がヨルさんをメインにしたストーリーを考案した場合、この問題が再燃する可能性はあります。

古橋監督はアクションシーンに定評があり、重厚で緻密な演出によってアニメファンの印象に残るシーンを幾つも生み出してきました。
特に、るろ剣追憶編の雪代巴に関する描写は非常に生々しく、古橋監督の名をアニメファンに知らしめた一因となっています。

もし、巴の描写と同じような方向性でヨルさんが描かれると、原作ではそれほど気にならなかった彼女の暗殺シーンが違う伝わり方になるかもしれません。

勿論、アニメは監督だけで作るものではないですし、全ての決定権が監督にある訳でもないので、監督の個性が強いからといって原作の雰囲気を変える描写が許される訳でもないでしょう。
1期を見る限りそういった傾向は全くなく、ファンが望むままのSPY×FAMILYを描いている印象なので、現時点ではこの懸念が現実になる可能性は限りなく低いです。

まとめ

SPY×FAMILYが国民的アニメになる一番の鍵は、やはりアーニャが国民的キャラクターの仲間入りを果たせるかどうか、そして映画がヒットするかどうかにかかっていると思います!
特に映画は、今後のSPY×FAMILYの方向性を左右する事になると思うので、今から楽しみですね!

【リコリス・リコイル】ヒットした理由を徹底検証! アニメファンはこんな百合アニメを待っていた?


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2022年夏に放送され、大反響を呼んだオリジナルアニメ『リコリス・リコイル』が、なぜここまでヒットしたのかを徹底検証!
制作スタッフやOP映像の反響、百合要素など、様々な視点でこのアニメがヒットした理由を模索していきます!

オリジナルアニメ久々のメガヒット


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2018年、『ゾンビランドサガ』『宇宙よりも遠い場所』が大ヒットした事で、オリジナルアニメの復権が期待されました。
しかし残念ながら後続が続かず、2019年に『鬼滅の刃』が社会現象になった事もあって、ジャンプ連載の人気原作アニメが好評を博す一方、オリジナルアニメは年々存在感を失っていました。

そんな中、久々にオリジナルアニメのメガヒット作が誕生します。
2022年夏に放送された『リコリス・リコイル』です。

オリジナルアニメは原作付きのアニメと違って、基本的にはブランディングが行われておらず、先々の展開がわからない事もあって、放送前の期待度は高くないのが通例です。
本作は、『ソードアート・オンライン』シリーズのキャラクターデザインで知られる足立慎吾さんの初監督作品という大きなトピックがありましたが、それでも各メディアが発表した放送前の期待度ランキングでは、上位に名前はありませんでした。

・dアニメ調べ「今期何見る?2022夏アニメ人気投票」…24位
・Filmarks調べ「2022年 夏アニメ 期待度ランキング」…10位圏外
・アニメ!アニメ!調べ「2022年夏アニメ、期待値の高い作品は?」…10位圏外
・株式会社CMサイト調べ「<2022年夏アニメ>期待値ランキング」…20位圏外
・gooランキング調べ「これは外せない!2022年夏スタートの深夜アニメランキング」…35位

しかし放送が始まると瞬く間に夏クール屈指の注目作となり、『リコリコ』の愛称でアニメファンから親しまれ、評価も尻上がりに上昇。
放送開始から1ヶ月も経っていない2022年7月下旬にdアニメが実施した「今期何見てる?2022夏アニメ人気投票」では堂々の第1位となり、24位だった期待度ランキングから驚異的なジャンプアップを見せるなど、沢山のファンを夢中にさせる人気作へと踊り出ました。

その後も放送を重ねる度に注目度は増し、トレンドランキングで「#リコリコ」が何度も1位を獲得。
9月に発売されたBlu-ray・DVD(円盤)第1巻の売上は3万枚を超え、深夜放送のオリジナルアニメでは2016年放送の『ユーリ!!! on ICE』以来となる快挙を成し遂げています。

実は百合の原点? ありそうでなかった女女バディ


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『リコリコ』がここまでの人気を獲得した理由として、「百合×バディ」というありそうで余りなかったレアな組み合わせが挙げられます。

「百合」は男性ファンに一定の支持層がいる人気ジャンルの一つ。
また「バディもの」も、『TIGER&BUNNY』『黒執事』など人気作を数多く輩出したジャンルです。

ただ、女性×女性のバディものは過去にあまり例がありません。
バディものの多くは男性同士のコンビで、前述した二作品以外にも『文豪ストレイドッグス』『ハイキュー!!』にもバディ要素が色濃くあり、過去にも『今日から俺は!』など多数のヒット作があります。
一方、女性同士のバディものは『ハコヅメ』や初期のプリキュアシリーズなどがあるものの、かなり少数です。

まして百合要素のバディものとなると極めてレア。
近年では2021年放送の『裏世界ピクニック』くらいしか該当作はないかもしれません。

しかし、この百合×バディというジャンル、実は最古参の百合好きにとっては「原点」と言えるかもしれません。
というのも、百合というジャンルが二次創作などで大々的に扱われるようになったのは、1980年代に放送されていたアニメ『ダーティペア』の影響が大きいからです。

この作品は百合を扱った訳ではなく、内容はあくまで女女バディもの。
ただ、女性同士が一つの目的に向かって協力し合い、時にぶつかりながらも守り合って絆を深めていくというエモい過程が描かれた事で、決して少なくない数の視聴者が百合好きに目覚めたようです。
その中の一部が自身の妄想を同人誌などで描いた事で、百合文化は静かに広まっていき、1990年代の『美少女戦士セーラームーン』で一気に爆発し、2004年放送『マリア様がみてる』で普及したと言われています。

『リコリコ』は、このダーティペアの再来と言えるかもしれません。
当時と違って百合は既に定着したジャンルですが、近年あまりヒット作に恵まれず、アニメファンの間ではご無沙汰で、鮮度の高い状態でした。
それに加え、千束とたきなの絆が深まり関係性が徐々に築かれていく過程をしっかり描いた事で、本作は今まで百合にあまり興味がなかった層をも虜にしていったと推察されます。

『リコリコ』大ヒットの背景には、「百合」と「バディもの」の相性の良さが大いに関係していると思われます。

メイン2人を輝かせた露骨で巧みなキャラクターデザイン


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『リコリコ』は、これまでのアニメでは余り行われていなかった大胆な試みを幾つも行っています。
その一つが、キャラクターデザインの露骨さです。

マンガやアニメの世界において「キャラクターの描き分け」というのは、本来ならば重要なスキルです。
外見で個性を見せる事によって、それぞれのキャラが独自の魅力を打ち出し、作品に幅や奥行きが生まれます。

ただ、現実にはそういった描き分けを行われる作品ばかりではありません。
特に女性が多く登場する男性向け作品の場合は「全員美少女」が鉄則で、メインキャラだけでなく準メイン、果てはモブまで「目が大きく無難な髪型の美少女」として描かれる事が多いようです。

しかし『リコリコ』の場合は、主人公格の二人である千束とたきなを従来の美少女描写で華やかに描き、それ以外のキャラは「可愛くても癖がある」「可愛さをかなり抑えている」といった描き方がされています。

例えば、クルミは可愛く描かれているものの前髪をアップにしてオデコ丸出しにしていますし、ミズキもメガネのお姉さんキャラという比較的不人気属性を備えています。
そして他の面々に至っては、露骨に可愛さをスポイルしたようなキャラデザです。

この差別化によって、メインの二人の美少女感がグッと増しています。

また、その二人に関しても対照的なデザインです。
千束は金髪気味なボブに赤リボンという幼さと華やかが同居した髪型で、たきなは鉄板中の鉄板である黒髪ロング。
感情表現や愛嬌も正反対とあって、両者はまるで太陽と月のような、典型的な凸凹コンビになっています。

勿論、メインの二人を対照的に描くのはバディものにおける基本中の基本。
ただ『リコリコ』の場合はそこに留まらず、メインとそれ以外についても対照的に描く事で千束とたきなの二人が特別感を備え、一際輝いて見えます。

この二段構えのメリハリによって千束とたきなに人気を集中させた事が、本作を成功に導いた理由の一つと言えるでしょう。

「3秒間の蹴り合い」と「さかなー」に込められた情報量


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『リコリコ』が人気作になっていった過程を、本作の公式Twitterフォロワー数の推移から見ていきます。

・『リコリス・リコイル』公式アカウントのフォロワー数推移

019,000 07月01日(放送前日)
026,000 07月03日(第1話放送翌日)
049,000 07月10日(第2話放送翌日)
078,000 07月17日(第3話放送翌日)
120,000 07月24日(第4話放送翌日)
154,000 07月31日(第5話放送翌日)
187,000 08月07日(第6話放送翌日)
215,000 08月14日(第7話放送翌日)
232,000 08月21日(第8話放送翌日)
264,000 08月28日(第9話放送翌日)
283,000 09月04日(第10話放送翌日)
299,000 09月11日(第11話放送翌日)
314,000 09月18日(第12話放送翌日)
338,000 09月25日(第13話放送翌日)
443,000 02月14日(現在)

第1話放送前は、内容が事前にわからないオリジナルアニメとあってフォロワー数はかなり少なめで、夏クール全体の32位でした。
期待度ランキングも総じてこれくらいだった為、妥当な位置と言えます。

第1話終了後の増加は、実はそれほど高くありません。
たきながまだ狂犬だった頃で、キャラの関係性も明確ではなく、シリアスともコメディとも言えない作風だった事もあり、視聴者も手探りの段階だった事が窺えます。

しかしその翌週、2話放送後にはクール内で増加率No.1に踊り出るなど、一気にフォロワーが増加。
この2話で勢いに乗り、そこからは猛烈なスピードで上昇し続けている事がわかります。

では、2話が神回だったのか……というと、確かに高評価ではありましたが、そこまで爆発的人気というエピソードではありません。
最大のトピックとなったのはOP映像です。
第1話はOPがなく、EDは通常通りだった為、この第2話がOPの初出しとなりました。

このOP映像、千束とたきなの私服姿のカットが次々流れるシーンなど見所は幾つかありますが、最大のインパクト視聴者に与えたのはラストの場面。
千束が隣を歩くたきなのお尻を軽く蹴り、それに対したきなが全力で蹴り返す……という一連のやり取りが視聴者のハートを鷲掴みにし、SNSで話題になって多数のまとめサイトに取り上げられました。

このシーンのポイントは、単純に女子がお尻を蹴り合う珍しいシーンというだけでなく、二人のキャラクターと関係性が一目でわかるところ。
「千束がフザけて軽く蹴る」 → 「たきなが全力で蹴り返す」 → 「千束は苦笑い、たきなは本気で怒る」という僅か3秒のやり取りですが、そこには「千束の天真爛漫さと茶目っ気」「たきなの融通の利かなさと真面目さ」「そんな二人が絡み合う事で生まれる化学反応」「じゃれ合うほど仲良しになる」……といった情報が詰め込まれています。
これによって、視聴者はこのアニメがどんな方向性なのか、千束とたきながどんな関係性を築くのかが見えて来て、一気に関心を持てるようになったのです。

・『リコリス・リコイル』OPムービー
https://www.youtube.com/watch?v=VxR_BYPG7v4

更にもう一つ、大きなターニングポイントとして第4話でたきなが披露した「さかなー」が挙げられます。
梟のネックレスをくれた「大事な人」を10年探し続け、でも見つけられないと落胆している千束に対し、彼女を元気付ける為にたきなが魚の物真似で道化を演じたシーンです。

この場面も、事前に千束がチンアナゴの物真似をした事へのアンサーとしてたきながはっちゃけた……というだけではありません。
第3話で「自分と会えて嬉しい」と言ってくれた千束への恩返しだったり、これまでの自分の殻を破ろうとしている事が窺えたり、全然性格が違う千束にあえて合わせる行動を取る事で「あなたの相棒としてやっていきます」という意思表示だったり……と、様々な情報が組み込まれています。
視聴者はその空気を感じ取り、二人の関係性が深まっていく事に多幸感を抱き、よりこの二人と『リコリコ』が好きになっていったのです。

第4話終了後、フォロワー数が飛躍的に増加しているのはこの為です。
爆発的ヒットの背景には、このようなインパクトと情報量の多さを兼ね備えた名シーンが複数あった事が挙げられます。

巧みな男キャラの活用術


(画像引用 : Amazon)

『リコリコ』の大胆な試みとして、もう一つ挙げておきたいのが「真島」の存在です。

百合要素の濃い作品は、男性キャラをあまり目立たせないのが一般的です。
全く登場させない作品も沢山あります。
百合好きの中には男性キャラを忌み嫌い、男が出てくるだけで観る気が失せるという人も少なくない為、妥当な判断と言えます。

しかし『リコリコ』にはインパクトのある男キャラが複数登場します。
その中でも特に印象深いのが、この真島という人物です。

彼はテロリストとして活動する一方で、自分と同じアランチルドレンの千束に対し強い執着心を抱き、接触を図ってきます。
千束とたきなにとっても明確な敵勢力ですが、この二人(ちさたき)を応援しているファンにとっても非常に邪魔な存在と言えます。

通常の百合作品では、こういったお邪魔キャラを男性にやらせるのはリスクが伴うので、まずしません。
ですが、『リコリコ』はむしろこの真島の描写にかなり力を入れていて、後半はちさたきに次ぐ出番と活躍の場が与えられていました。

にもかかわらず、真島は『リコリコ』ファンの間では割と受け入れられているようです。
最大の要因は、その描かれ方にあると思われます。

真島はアランチルドレンで特殊能力持ちという以外にも、千束と幾つか共通点があります
映画好きという点、「やりたい事最優先」というポリシー、そして自分の信念に頑ななところです。

こういった共通点が幾つもある事から、千束と真島のやり取りは何処か兄と妹のようにも見えます。
あらゆる点で対照的な千束とたきなの関係性とは対になっていて、これもキャラクターデザインと同じようにメインの二人を際立たせる為の演出と見る事が出来ます。
その為、敵としても千束との関係にしても何処か「噛ませ犬」のような印象を抱かせ、言うほど邪魔にならないのです。

そしてもう一つ、ちさたきに影響する存在があります。
ミカと吉松のカップルです。

喫茶リコリコの店長で、千束の親代わりでもあるミカ。
千束にとって恩人である吉松。
この二人が深い仲のパートナーだった事は、作中の様々なシーンで示唆されています。

この二人の関係性が描かれた事が何を意味するのかというと、「この作品は同性同士のカップルを描きます」という制作陣のスタンスです。
彼等の関係が明確に示唆されている事で、千束とたきなの百合カップリングに関しても何ら問題はないというお墨付きが公式サイドから与えられているのです。

『リコリコ』という作品は、理詰めのストーリーで視聴者を唸らせるというタイプではありません。
物語の大筋や設定については、むしろ大味と言ってもいいかもしれません。
「制服姿の女子が拳銃でドンパチやるアクションもの」という本作のエンタメ重視とも言えるキャッチーな作風は、ともすれば大雑把なイメージを持たせてしまう事もあります。

しかし前述してきたように、この作品は決して雑に作られた訳ではありません。
むしろ、「千束とたきなの関係性を描く物語」としては、あらゆる手法と演出を駆使し、極めて綿密に作られています。
この作品が百合好きに評価され、新たな百合好きを生み出している背景には、計算され尽くした「お膳立て」が潜んでいるのです。

そして同時に、そういったお膳立てを気にせずに楽しめる点も、本作の魅力と言えます。
バランスを重視し、口癖として何度も「バランス取らなきゃなあ!」と叫ぶ真島はキャラとして魅力的ですし、ミカと吉松がそういう関係だと判明した際には単純にインパクト大でした。
百合好きでない人にとっても、『リコリコ』はアクション要素満載のエンタメ性が高いバディものとして純粋に楽しめるようになっています。

百合好きには深掘りできる作品、それ以外のアニメファンには娯楽として純粋に楽しめる作品。
そういう多面的な作りによって、『リコリコ』は幅広いファン層を獲得し、大ヒットに繋がったと考えられます。

まとめ

「ちさたき」の魅力ばかりが注目の的になっていますが、一作品として完成度が高いからこその大ヒットなのは間違いありません。
特に演出面の構造は素晴らしく、ちさたきの魅力を際立たせる為にあらゆる手を尽くしている印象です。
ぜひ、同じスタッフで続編を作って欲しいですね!