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Aug
【五等分の花嫁∽】3期?それとも劇場公開OVA? 人気ラブコメの新作アニメを徹底解剖
(画像引用 : アニメ『五等分の花嫁∽』公式サイト https://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/)
大人気ラブコメの新アニメとして放送・公開される事となった『五等分の花嫁∽』について大特集!
既に映画で完結した筈なのに再びアニメ化された理由、放送時期、どのような内容になるのか……などの様々な情報をお届けします!
『五等分の花嫁』をおさらい! 全14巻で2000万部のメガヒットラブコメ
(画像引用 : Amazon)
近年、週刊少年マガジンは空前のラブコメブームが到来していて、一時は連載作品の実に40%以上がラブコメという状況でした。
にもかかわらず、その多くがアニメ化を果たすほど支持されており、マガジン読者のラブコメ需要はかなり高いと言えます。
かつてはヤンキー漫画やデスゲーム漫画が幅を利かせていた雑誌とは思えないほど、今のマガジンは可愛い女の子で溢れかえっているのです。
この流れを決定付けたのは、2017~2020年に連載されていた『五等分の花嫁』で間違いありません。
本作の爆発的なヒットが、マガジンをラブコメ一色にしたと言っても過言ではないでしょう。
そんな、マガジンラブコメブームの立役者となった五等分の花嫁の足跡を振り返ってみます。
2017年8号に掲載された読み切りの好調を受け、2017年36・37合併号から連載を開始した五等分の花嫁は、「ヒロインが五つ子」という尖った設定で注目を集めます。
一卵性の五姉妹という事で顔は全員そっくりですが、髪型と性格は全員異なり、区別自体は簡単。
五つ子ヒロインでありながら個性をしっかり描き分けるという、アニメ『おそ松さん』でも成功した手法がラブコメでも見事にハマり、本作は瞬く間に人気作品となりました。
2019年にはテレビアニメ化を果たし、そのアニメもヒットを記録。
2021年には2期が放送され、2022年には原作ラストまでを映像化した劇場版『映画 五等分の花嫁』が公開され、興行収入22億4000万円と大成功を収めました。
特筆すべきは、最初の段階で「ヒロインの中の誰か1人が必ず主人公の風太郎と結ばれる」という事を明記した点。
これによって読者に「どのヒロインが勝者になるのか」という興味を抱かせ、単に可愛い女の子が沢山出てくるハーレムラブコメとは一線を画した緊張感が生まれました。
加えて、各ヒロインそれぞれにエモーショナルなエピソードを用意し、ヒロインの魅力を次々と引き出す事に成功。
その先陣を切って最初にデレた三玖が人気を博し、他のヒロイン達もそれに続いた事で、単純に作品のファンというだけでなく「推しヒロインに勝って欲しい」と願うファンが急増。
大勢の熱心なファンに支えられ、五等分の花嫁は爆発的なヒットを記録するに至りました。
コミックス全14巻の累計発行部数は、脅威の2000万部。
巻割(巻平均)は143万部で、これは歴代のあらゆるラブコメ作品の中でも最上位の記録です。
しかも、完結を迎えヒロインレースの結果が出た後もなお伸び続けています。
・『五等分の花嫁』累計発行部数推移
2017年12月 0010万部(*2巻)
2018年03月 0025万部(*3巻)
2018年05月 0040万部(*4巻)
2018年08月 0070万部(*5巻)
2018年10月 0100万部(*6巻)
2018年12月 0150万部(*7巻)
2019年02月 0270万部(*8巻)
2019年04月 0420万部(*9巻)
2019年06月 0560万部(10巻)
2019年09月 0720万部(11巻)
2019年11月 0860万部(12巻)
2020年01月 1000万部(13巻)
2020年04月 1200万部(14巻)
2020年08月 1300万部
2020年12月 1400万部
2021年04月 1500万部
2022年05月 1600万部
2022年12月 2000万部
その結果、誰もが予想しなかった新アニメの制作へと繋がっていきました。
『五等分の花嫁∽』はテレビシリーズ3期? 映画第2弾?
(画像引用 : アニメ『五等分の花嫁∽』公式サイト https://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/)
アニメでも大団円を迎え、春場先生も次回作となる『戦隊大失格』の連載を開始し、2022年12月にはそのアニメ化まで発表された為、五等分の花嫁に関しては完全に店じまいと誰もが感じていた2023年春。
「五等分の花嫁 SPECIAL EVENT 2023」の会場で突然アナウンスされた新作アニメーション『五等分の花嫁∽』制作決定のニュースに、ファンは歓喜以上に驚きの声をあげたようです。
まさに「嬉しい誤算」といった発表となりました。
この際に提示された内容は「アニメシリーズでは描かれなかった原作エピソードの映像化」という説明のみ。
その為、ファンの間では3期を期待した人が多かったようです。
ただ、2期が『五等分の花嫁∬』というタイトルで、∫(インテグラル)という記号を用いて2期の「Ⅱ」を表現していたのに対し、∽(相似記号)はⅢとは明らかに異なるという違いはありました。
その後、中野家五つ子姉妹の誕生日である5月5日に合わせて新情報を解禁。
『五等分の花嫁∽』はスペシャル番組で、2023年夏にテレビ放送される事、7月14日から全国劇場にて3週間限定で上映される事が発表されました。
∽はSpecialのSを表現していたようです。
「劇場公開されるという事は映画第2弾?」と思ったファンもいたようですが、こういった「劇場で先行公開して後でテレビで放送」というパターンは映画という括りに入れないのが一般的。
劇場で先行公開するOVAと同じですね。
よって、『五等分の花嫁∽』はテレビシリーズ3期でも映画第2弾でもなく、劇場で先行公開されるテレビスペシャルという事になります。
ただ、夏放送とアナウンスされていたにもかかわらず、8月に入っても『五等分の花嫁∽』の具体的な放送スケジュールは告知されませんでした。
これにはポジティブな意味での理由があったようです。
108館というスペシャルアニメの先行公開としては異例なくらい多い館数で上映された本作ですが、その期待を更に上回る数の観客を動員。
公開4日間で約19万5000人、興行収入2億2200万円を記録し、五等分の花嫁という作品が完結してもなお凄まじい人気を誇っている事が証明されました。
そしてこの人気を受け、予定されていた3週間を延長しての続映、更には公開劇場の追加が決定。
映画館で公開されている真っ最中にテレビで放送するのはあり得ない為、夏放送を予定していたものの延期せざるを得なかったのです。
その後、「五等分の花嫁記念日」の8月8日にテレビスペシャルの放送日が発表され、9月2日と9月9日の2回に分けて放送されると告知されました。
しかも深夜ではなく、TBS系列で夕方の16時30分~17時に放送される事に。
予定外の延長上映によって当初予定していた枠での放送が出来なくなり、急遽放送枠を再検討したからだと思われます。
原作のどのエピソードをアニメ化?
(画像引用 : Amazon)
前述したように、『五等分の花嫁∽』はこれまでアニメ化されていなった原作エピソードを映像化しています。
そのエピソードとは、風太郎と五つ子たちが過ごした高校生活最後の夏休み。
その為、公式では本作を「夏休み編」とも呼んでいます。
この夏休み編は、原作の11巻に収録されている第90話「私とある男子②」、第91話「偶然のない夏休み」、第92話「秘密の痕」、第93話「ツンデレツン」、そして5巻収録の第38話「リビングルームの告白」を映像化した内容になっています。
時系列的にはテレビシリーズ2期の直後、劇場版の直前に当たります。
ただし、順番通りの映像化ではなく、構成はかなり変えています。
38話は過去回想という形にし、90~93話をシャッフルして四葉の回想エピソードの90話をラストに持って来ています。
全体像としては、テレビシリーズの補完というよりは劇場版の前日譚といった意味合いが強いです。
38話は人気エピソードにもかかわらず、1期と2期の間の時期だった為に飛ばされてしまい、特に三玖のファンから映像化を熱望する声が挙がっていた回。
それだけに、今回拾われた事で多くのファンが喜んでいたようです。
制作会社は「まどマギ」「物語シリーズ」のシャフト
(画像引用 : Amazon)
『五等分の花嫁∽』の制作スタッフは、テレビシリーズや劇場版とは異なる陣容となっています。
テレビシリーズ1期は手塚プロダクション、2期および劇場版はバイブリーアニメーションスタジオが手掛けましたが、今回はシャフトが担当。
過去に『ひだまりスケッチ』『さよなら絶望先生』『物語シリーズ』『魔法少女まどか☆マギカ』など数多くのヒット作を輩出した人気・知名度共に高い会社ですね。
近年は以前ほど目立ったヒット作はありませんが、2022年に放送した『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』は好評を博しました。
監督も毎回変わっています。
1期は桑原智監督、2期はかおり監督、劇場版は神保昌登監督が務めていましたが、今回は宮本幸裕監督が指揮を執りました。
宮本監督は主にシャフトの作品を手掛けている方で、特に『まどマギ』には深く関わっており、テレビシリーズではシリーズディレクター、劇場版では監督として制作の中核を担いました。
一方で、過去シリーズから続投している主要スタッフもいます。
シリーズ構成は1期から劇場版まで大知慶一郎さんが担当していましたが、今回も続投。
キャラクターデザインも勝又聖人さんが2期、劇場版から続投となりました。
なお、キャラデザには『幸腹グラフィティ』『ルミナスウィッチーズ』の潮月一也さんが新たに加わっています。
OPテーマとEDテーマもこれまでを踏襲し、中野家五つ子が歌唱を担当しています。
OPの「五等分の未来」はポップで爽やか、EDの「たからもの」はしっとりバラードと、これも今までの傾向と同じですね。
これが最後のアニメ化?
(画像引用 : アニメ『五等分の花嫁∽』公式サイト https://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/)
本来ならば劇場版が完結編であり最後のアニメ化作品になると誰もが思っていただけに、『五等分の花嫁∽』制作決定の発表は寝耳に水だったファンも多かった筈。
流石にもうこれ以上のアニメ化は考え難く、今回がラストと見なすのが普通の捉え方でしょう。
ただ、本作の劇場公開が予想以上の大成功を収めた事で、最後かどうかはわからなくなりました。
何より五等分の花嫁が未だ現役コンテンツで、イベントを打てば満員、グッズも完売続出……という現状を考えると、今後更なるアニメ化展開がないとは言い切れません。
それに、まだ映像化されていない回も幾つか残っています。
11巻の最後に収録されている一花回の第94話「分枝の時①」および第95話「分枝の時②」は、今回も映像化されませんでした。
また、第72話「学級長の噂」もテレビシリーズでは丸々カットされています。
この回は四葉ファンにとって重要な回だった為、カットは物議を醸しました。
第37話「勤労感謝ツアー①」および第38話「勤労感謝ツアー②」に関しても、一部映像化したもののかなりカットされています。
この他、半分くらいカットされている回は結構ある為、1クールの映像化は難しくても今回のようにスペシャルアニメとして制作する分には十分なストック(?)があると言えます。
よって、再度同じような企画が立ち上がっても不思議ではありません。
まとめ
原作もアニメも完璧に完結した後にまたアニメ化されるケースはほぼ全て再アニメ化なので、この五等分∽のようなパターンは本当に稀です。
しかも劇場効果が大成功だった事で、今後別の作品でも同じような完結後のアニメ化展開が行われる可能性は十分にあります。
アニメ業界に新たな風を吹かせた作品として、今後も語り継がれる事になりそうです!