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Dec

『かぐや様は告らせたい』『キングダム』『デスノート』……実写で成功する漫画・アニメ作品の特徴とは?

成功の秘訣は「現実とかけ離れていない世界観」

出典 : Amazon.co.jp

2010年以降、実写化で成功した主な映画作品は以下の通りです。

・テルマエロマエ
興行収入59.8億円、続編も44.2億円と大ヒット

・るろうに剣心
1作目が 30.1億円とヒット、2作目(前後編)がそれぞれ52.2億円、43.5億円と大ヒット

・Orange
女性に好評を博し32.5億円を記録

・信長協奏曲
ドラマ視聴率は12.5%とまずまずだったものの、劇場版で46億円を記録

・暗殺教室
第1作は27.7億円、第2作は35.1億円と右肩上がり

・銀魂
第1作は38.4億円、第2作は37.0億円といずれもヒット

・キングダム
56.9億円と大ヒットを記録

これらの作品に共通しているのは、リアルよりの世界観であることです。
暗殺教室や銀魂はSF要素も多分にありますが、ファンタジー感はそれほど濃くはなく、現実世界と大きくかけ離れている訳ではありません。

実写化は、二次元の世界を強制的に三次元にする訳ですから、そこには当然歪みが生まれます。
ファンタジー色が強ければ強いほど、その歪みも大きくなります。

これは単に世界観だけの問題ではありません。
少年漫画のハーレム系ラブコメによく見られる、髪型や髪の毛の色が現実離れしたキャラが大勢いる作品も同様です。
それをそのまま実写化するケースが近年増えていますが、どうしてもコスプレ感が出てしまい、安っぽい印象を与えてしまいます。

ヒットした実写映画は、その歪みが比較的少ない作品ばかり
逆に成功しなかった作品の中には、実写化したことで逆に現実離れしてしまった作品が目立ちます。

また、時代劇や歴史ものがヒットしやすい傾向もあるようです。
特に、連載終了から10年以上が経過し鮮度の面で不利だった『るろうに剣心』の大ヒットは、その傾向をより顕著にしています。

原作へのリスペクトは必要?

出典 : Amazon.co.jp

本来、実写化は漫画・アニメファン以外にも作品を届かせる上で有効なメディアミックスですが、前述したように原作のビジュアルに合わせようとし過ぎて、却って失敗している作品も多々あります。
原作通りにしようとし過ぎて、より原作と実写の歪みを大きくしてしまうのは本末転倒です。

ならば、原作へのリスペクトは必要ないかというと、決してそういう訳ではありません。
例えどれだけ「実写化はNO!」という風潮があっても、公開直後に劇場に足を運ぶのはほとんどが原作ファン
最初の観客は原作ファンなのです。

映画の成功を左右するのは、公開当初の客入り
よって、原作ファンの心を掴むのは絶対に必要です。

ただしそれは「原作から大きく変えてはいけない」というアニメ化のお約束とは全く違います。
実写化は、その時点で既に原作とはかけ離れた作品。
忠実である事とは違う形で、原作へのリスペクトを示すべきなのです。

例えば、映画版のデスノートは原作とストーリーを変えており、ある意味最大のタブーとも言える結末の変更まで行っています。
それでもこの結末は好評を博し、原作以上とする声も目立つほどです。

この映画版デスノートの結末は、原作とは違う一方で「主人公・夜神月の敗北」「好敵手・Lの死」という重要な二点は変えていないからです。
ポイントをしっかりと抑えているからこそ、原作ファンからも評価されたのです。
制作スタッフが作品や各場面のツボを抑えていれば、原作ファンは寛容になります。

また、監督のコメントも何気に重要です。
監督が作品についてどう思っているのか、作品へのリスペクトを持っているかどうか、原作ファンはこのコメントでまず判断します。
そこで「お、この監督なら信頼できる」と思ってもらえるか、「なんか大雑把に作りそうだな……」と思われるかで、作品への期待度は大きく変わります。

『銀魂』福田雄一監督は公開前、元々銀魂のファンだったこと、原作者の空知英秋先生とのやり取りなどを公にし、「『銀魂』に救われた」「『銀魂』をやりたいですではなく、『銀魂』は僕がやったほうがいい」「僕はやっぱり『銀魂』が大好き」といった作品愛とリスペクトをたくさん語っていました。
元々『勇者ヨシヒコ』でコメディセンスを見せていた監督だけに、ファンの間では歓迎ムードが漂ってはいましたが、これらのコメントでファンの心を掴んだのは間違いないでしょう。

これは作者も同様で、作者の実写化への意気込みもまた、ファンに実写も楽しもうと思わせるきっかけになります。
実写映画が20億円以上のヒットとなった『かぐや様は告らせたい』赤坂アカ先生は、原作エピソード1話まるまる使って実写化への思いを表現し、新聞等でも積極的にインタビューに答え、実写化の意義を語っています。
赤坂先生の熱意を受け取った多くのファンが映画館に足を運んだ結果、成功を収めたと言っても過言ではありません。

実写作品の内容は当然重要です。
ですが、実写化の場合は公開や放送の前の時点で成功と失敗の分かれ道があるのです。

まとめ

ファンにとって、実写化は諸手を挙げて賛成することではないかもしれません。
しかし、実写化に向いている作品を、愛とリスペクトをもって制作された実写作品であれば、必ず多くのファンが素直に称賛します。
実写化に良くないイメージがあるのは、そういう当たり前の部分が欠けている作品が多いからではないでしょうか。

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