4Jul
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『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』は、EGOISTが2016年5月16日に発売した7枚目のシングルです。
オリコンデイリーランキングで1位を獲得し1万枚を売り上げ、EGOISTにとって初めての首位獲得という快挙を遂げました。
壮大な世界観とコーラスが印象的な本作は、満足度が高いと評される人気アニメ『甲鉄城のカバネリ』のOPテーマとして深く印象付いている人も多いのではないでしょうか?
そんな人気作品である『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』と『甲鉄城のカバネリ』について、歌詞考察を交えてご紹介したいと思います。
EGOISTとは?
まずはOPを歌うアーティストであるEGOISTについてご紹介します。
EGOISTは『ギルティクラウン』というアニメから派生した異色のアーティストで、ボーカルは『ギルティクラウン』ヒロインキャラクターである楪いのりです。
楪いのりの歌声をあてているのはChellyさんという方で、その透き通った表現力豊かな歌声はたくさんの人を魅了し続けています。
作曲を担当するのはsupercellのメンバーであるryoさん。
今回『甲鉄城のカバネリ』のOPを担当するにあたりChellyさんは、今作アニメ監督を務める荒木哲郎さんがEGOIST生みの親であるという事もあり、再び一緒に作品作りを出来る事に感激し、恩返しの気持ちも込め強い想いで歌ったと語っています。
甲鉄城のカバネリとは?
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2016年からフジテレビノイタミナ枠にて放送された全12話アニメです。アニメのキャッチコピーは
「死んでも生きろ」 「貫け、鋼の心を」
引用:Wikipedia
というもので、舞台は極東の島国である日ノ本にて蒸気機関車・甲鉄城に乗る人々と不死身の怪物であるカバネリとの戦いを描いた作品となっております。
監督を務めるのは、『進撃の巨人』や『ギルティクラウン』も監督も務めた荒木哲郎さんです。
荒木哲郎さんは『ギルティクラウン』から約5年ぶりにEGOISTとタッグを組むこととなりました。
荒木監督が作曲者であるryoさんに対して「ダサすぎてかっこいいくらいの熱さが欲しい」と求めたという事で、『甲鉄城のカバネリ』という作品がどれほど熱意を込めて作られた作品か伝わりますよね。
『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』歌詞考察
壮絶なストーリー『甲鉄城のカバネリ』と、Chellyさんの伸びやかな歌声が生きたEGOISTが奏でる壮大な楽曲である『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』を歌詞考察してみたいと思います。
思い出すだろう あの日の蒸気に 多くを失って
引用:Anison!
『甲鉄城のカバネリ』は友人など多くの犠牲を払って進む物語のため、悲しい記憶も多くあります。その記憶を再び蒸気機関車の蒸気に視覚や嗅覚で触れる事で思い出したという事でしょう。
進めど道が見えぬ時に お前は言った
「脈打ち燃ゆるその血に問え」 応えろ鼓動
引用:Anison!
主人公である生駒は不死の怪物カバネに噛まれた事でカバネ化する事から逃れるために、心と脳は正常に保つことの出来る人とカバネの狭間の存在“カバネリ”となりました。
人ならざる力を得た生駒。その能力を不本意ながらも解放せざる負えない場面に追い込まれ「応えろ鼓動」と自分の中にあるカバネリの血に訴えかけるような、自身を奮い立たせる生駒の姿を連想させます。
闇が捉う 鈍(にび)た心を
守れなかった者を思い 嘆け
そしてその痛みが お前を生かす強さと知る引用:Anison!
多くの人を守れなかった事を嘆く生駒。
大切な存在を失った事で痛む心が、残酷にも自身を生かす糧となるのです。
確かに聞いた
悲しみの中 誰もが下を向く時
「顔を上げろ」と恐れることはない 見よ そこにあるのは希望だ
両の目に映るもの 強く願え それは叶う引用:Anison!
物語後半では生駒が甲鉄城から突き落とされるというシーンがあり、その時絶望に満ちた生駒は人一倍強かった生きる事への執着すら失います。
ですが、本作ヒロインであり同じくカバネリの無名を助けるために再び奮起し「人類の敵たるカバネ、そして自身らの命のために切り捨てた人間でもある自分に助けられて生き延びた」と語り、生駒はこれまで持ち続けていた「誇れる自分になる」という事を改めて誓うのです。
鋼鉄のカバネリよ さあ 立ち上がれ 己が全て地に叩きつけ
今 その心は誓った友の為に
燃やせよ その命 変えてゆけ世界を引用:Anison!
タイトルの甲鉄と鋼鉄がリンクされた部分です。
アニメでは甲鉄(城)ですが、楽曲では鋼鉄(粘り強く挫けない)という言葉になっています。
粘り強く挫ける事のない生駒に対して客観的視点で奮い立たせるように呼びかけているのでしょう。
そして戦いの犠牲者となり失った生駒の親友、逞生への想いを胸に生駒は自らの命を燃やし全てを尽くして世界を変えてゆく様を歌っていると考えられます。
今回ご紹介した『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』は、アニメ『甲鉄城のカバネリ』の登場人物や、印象に残るシーンを鮮明に思い出させるような作品に忠実な詞が多いです。
EGOISTのボーカルであるChellyさんはヒロイン楪いのりが歌っているという設定のため、これまでのEGOOISTの楽曲は分かりやすく作品を連想させる事はなく抽象的なものが多かったと語っていましたが、本作ではそんなEGOISTにとっての通例を打ち破った貴重な楽曲と呼べるでしょう。
そんな秀逸した再現力を持つ楽曲は歌詞を読むだけでも連想し楽しむ事が出来るほどなので、アニメ『甲鉄城のカバネリ』を視聴した方は更に楽しむ事が出来るのではないでしょうか。

YUI

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