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May

【リゼロ】レムは何故時代を代表する人気ヒロインになったのか? 検証まとめ

レムのスバルへの献身

出典 : Amazon.co.jp

レムのスバルへの献身は、ラムへの献身とは少し意味合いが異なります。
そして彼女の人気を不動のものにしたのは、主にこのスバルへの献身が大きな要因と考えられます。

レムがスバルに心からの信頼を寄せるようになったのは、原作3巻のエピローグ(アニメ1期11話)でスバルから自分の抱える劣等感を否定され、自分の存在を肯定されてからです。
アニメではカットされましたが、スバルがラムを「ちょっとだけ思慮深い」「レムより家事全般は劣るし礼儀もなってないけど、そこがいいところ」と評価していたことも地味に大きかったと思われます。
もしスバルが角を失ったラムを(レムを励ますためとはいえ)全否定していたら、素直に彼の言葉を信じられなかったでしょう。

スバルに肯定されたレムは、彼の言葉に従い自己否定を止め、スバルに尽くすようになります。
その象徴となるシーンが、原作6巻の第五章「ゼロから」(アニメ1期18話)におけるスバルとのやり取りですね。

この時のスバルは疲弊し切っていました。
自分自身の無力さを何度も痛感し、そして無力の要因を嫌でも思い知らされ、絶望していました。

スバルは異世界であるルグニカ王国の王都に転移した直後に「死に戻り」という“自己の死をトリガーとしたタイムリープ能力”を知らず知らずの内に獲得します。
その能力を駆使し、王都では偶然知り合ったハーフエルフの銀髪少女エミリアの盗まれた徽章を無事取り戻し、ロズワール邸ではレムたちの信頼を勝ち取って魔獣の呪いを無力化させ、失敗を繰り返しながらも最終的には成功体験を手にしてきました。

それによる慢心に加え、目に見える功を欲するあまり焦ったことで、「エミリアとの約束を無視し信頼を失う」「王選関係者の式典に乱入し勘違い発言を連発」「騎士を愚弄した上にユリウスとの決闘で惨敗」「自分の都合ばかり押しつけ王選関係者を悉く呆れさせる」……などの醜態を晒し続けます。
その上、最悪の結末を回避しようと何度も死に戻りを繰り返すも上手く行かず、何度も近しい人物の惨殺された姿を目の当りにしたことで心が壊れ、その壊れた心すら何処かで「壊れた自分」を意識していることを『怠惰』ペテルギウス・ロマネコンティに見抜かれ、自暴自棄になっていました。

そんなスバルの背景をレムは知る由もありません。
彼の凄惨な経験は、死に戻りによって自己の記憶以外全てリセットされているのですから。
よって、レムにはスバルが犯した数々の愚行だけが記憶として残っており、彼が憔悴する真の理由については一切知り得ません。

レムは「全てを捨てて一緒に逃げよう」と言うスバルを拒絶し、全てに絶望し諦めたスバルに「諦めるのは簡単です」と言います。
でもそれは、何も事情を知らないからスバルに「諦めるのは簡単」と安易に言ったのではなく、彼の絶望の本質を知らないとしても、彼そのものの本質は知っているという絶対的な信頼からの言動だったと断言できます。

この時のレムはスバルに対して、究極の献身性や絶対的甘受をもって接した訳ではありません。
スバルもそう認識しているように、むしろレムはスバルに誰よりも厳しい人物になっています。
「レムの英雄」とスバルを表現する彼女は、自分の究極の理想像をスバルに見出しているのですから。

レムのスバルに自分の理想を押しつけている訳ではありません。
彼女にとって、スバルが自分の理想というだけです。
どんなスバルであっても、彼が自分の存在を肯定してくれた救世主であり、英雄なのです。

恐らくレムは、スバルが堕落して前に進むのを諦めたとしても、スバルへの英雄視を止めないでしょう。
それでもいつか必ず立ち上がってくれると信じるのみ。
それこそが、レムのスバルへの献身であり、彼女をここまでの人気ヒロインにした大きな理由の一つと言えるでしょう。

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