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May

【冴えカノ】霞ヶ丘詩羽が自分から告白できない理由まとめ

強いようで弱いようでやっぱり強い詩羽先輩

出典 : Amazon.co.jp

詩羽先輩は作中のヒロインズの中では最も攻めの姿勢が強い女性です。
物語がスタートした時点で倫也に対する好感度はMAXに限りなく近いので、かなり直接的に「年上のお姉さん」ポジションを使った搦手を仕掛けます。
下ネタを多用したり、「あなたのモノが私の中に入ってきてるじゃない」などの思わせぶりなセリフで慌てさせたり、事ある毎に耳に息を吹きかけたり……と、半ば無理矢理にでも女性であることを意識させ、特に中盤~後半に至っては積極的に肉体的接触を図ろうとします。

その一方で、単に「ベタ惚れな年上のお姉さん」というだけでなく歯に衣着せぬ物言いで叱咤激励を行い、クリエイターとしての先輩&師匠ポジションを確保。
高校を卒業しても、サークルを脱退しても、ヒロインの座から脱落することなく、ありとあらゆる手を使って倫也と関わりを持ち続けようとする粘り強い女性です。

……と、こう説明すると肉食系女子のように思えてきますが、詩羽先輩の本質は決してそうではありません。
特に恋愛に関しては相当ヘタレで、英梨々からもそう言われています。

詩羽先輩の倫也に対するアプローチは積極的かつ直接的ではありますが、一番大事な「告白」に関しては決して直接的には行いません。
彼女は作中で二度、物語冒頭より前に一度、倫也に対して「私が好き?」と問いかけていますが、その内の二回は言葉ではなく作品にその問いを潜ませるという物凄く捻くれた方法を採っています。

一度目は、詩羽先輩のデビュー作である『恋するメトロノーム』の最終巻です。
このラノベのヒロインである沙由佳(さゆか)は、人付き合いが苦手だった詩羽先輩が苦肉の策で自分自身をモチーフにすることで生み出したキャラ。
しかし読者人気では2巻から登場するヒロインの真唯(まゆい)が上回り、最終的にどっちが主人公とくっつくかが大きな焦点になっていたようです。

当初、詩羽先輩は主人公が沙由佳を選ぶ結末を用意。
詩羽先輩はその『恋するメトロノーム』最終巻の初稿(作家が書いた最初の原稿)、すなわち「自分を選ばせた結末」を、発売に先立って倫也に見せようとします。

詩羽先輩としては、その結末は個人的な感情を優先して書いたラブレターであり、ならばそれを伝える相手は倫也以外いない訳で、「発売日に買う霞詩子のファン」としてではなく「安芸倫也個人」に読んで欲しかったのでしょう。
一方、そんな彼女の乙女心など知る由もない倫也の方は、一ファンとして「終わって欲しくなかった『恋するメトロノーム』がそれでも終わるのなら、最終巻発売日という本当に最後の日にそれを迎えたかった」という心境から、彼女の申し出を断固拒否しました。

結局詩羽先輩の気持ちは伝わることなく、『恋するメトロノーム』は沙由佳ではなく真唯が主人公と結ばれる結末に変更され、完結を迎えました。

二度目は倫也のサークルに加入しシナリオを手がけた同人ゲーム「cherry blessing」。
ここでも詩羽先輩は、加藤恵(かとう めぐみ)をモチーフとした従来のメインヒロインである叶巡璃(かのう めぐり)をメインヒロインとした従来のルート(初稿)と、沙由佳と同じく自身を反映させた丙瑠璃(ひのえ るり)を実質的な中心人物にしたルート(第二稿)を提示し、どちらかを倫也に選ばせようとしました。

しかし倫也は彼女の意図に気付くことなく、全く違う解釈で話を進めてしまい、どっちかを選ぶことはしませんでした。

この二度の失敗を経たのち、詩羽先輩は「フィールズ・クロニクルXIII」のシナリオ担当として声がかかり、サークルを脱退します。
最強クリエイター・紅坂朱音(こうさか あかね)の企画書に心を掴まれたこと、英梨々ともう一度組みたいという気持ち、そして「倫也離れ」のきっかけになるからと。
でも結局諦めきれず、自身のサークル脱退を一切咎めない倫也に感激し、キスというこれまでで一番直接的な好意の示し方を実行しました。

ここまでしても、詩羽先輩は結局最後まで言葉では告白しませんでした。

詩羽先輩が自分から「あなたが好き」「付き合って」と言えないのは極めて単純な理由で、「自分から告白するのではなく、相手からされたい」という乙女思考によるもの。
詩羽先輩の理解者である町田さんが彼女を称して「夢見る乙女」「本当の恋を知らない、そしてすごく憧れている」「そんな自分が大嫌いな、コンプレックスの塊みたいな女の子」と語っている通りですね。
恐らく自覚もあるため、3巻(アニメ1期9話)で英梨々に対し「澤村・スペンサー・英梨々の本質は……そう、乙女! 彼女、いつかオタクの王子様が白い痛車に乗って迎えに来てくれるのを待っているイタい女の子なのよね!」と思いっきり笑っていたのも、確実に自虐混じりだったと思われます。

毒舌家でエロ方面の戦略にも長けた詩羽先輩は、キャラ的にとても強い存在です。
しかし人間関係や恋愛面においては決して強くはなく、自身の理想をどうしても脱却できない、弱いヒロインです。

それでも最後まで自分を貫き通し、そして最後の最後に「私のこと、好きだった……?」と問う詩羽先輩は、やっぱり強い人なのです。

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