出典 : （c） 鴨志田一/アスキー・メディアワークス/さくら荘製作委員会 : 『さくら荘のペットな彼女』アニメ公式サイト

『さくら荘のペットな彼女』

『さくら荘のペットな彼女』は、鴨志田一氏によるライトノベル作品です。イラストは溝口ケージ氏が担当。「電撃文庫」から全13巻（本編10巻+短編3巻）で完結済みの作品です。
恋愛シミュレーションゲームとしての「ゲーム化」、20012年10月～2013年3月にわたって全24話の「テレビアニメ化」などのさまざまなメディアミックスがされている、非常に人気の高い青春ラブコメ作品です。

ストーリー

平凡な日常を送るどこにでもいる普通の男子高校生・神田空太は、とあるきっかけから、水明芸術大学付属高校（水高、スイコー）の問題児ばかりが集まる学生寮・さくら荘で暮らしており、「脱・さくら荘」を掲げています。
そんなある日、スイコーの教師でありさくら荘の管理人でもある千石千尋から5歳くらいの少女が写っている写真を渡され、駅まで迎えに行ってほしいと頼まれます
。そして駅に着くとそこにいたのは、明らかに同い年くらいのまっしろな少女・椎名ましろでした。

『さくら荘のペットな彼女』の魅力は？

個性的なキャラクター

主人公の神田空太はごくごく普通の高校生、しかしさくら荘の住人は皆一癖も二癖もある問題児ばかりです。
自作アニメを制作して大ヒットした言うこと為すことまるで「宇宙人」、ただし学年トップの成績を誇る空太の一つ上の先輩・上井草美咲、
そしてそんな美咲の幼馴染で女性関係にだらしなく、朝帰りは当たり前の脚本家志望・三鷹仁、
学校始まって以来一度も学校に来たことがない引きこもりで、企業から仕事を引き受ける凄腕プログラマー・赤坂龍之介らなどの非常に個性的かつ非凡な才能の持ち主が登場します。

そしてそんな変人や天才の巣窟であるさくら荘に突如としてやってきた椎名ましろも何かしらの才能を持っているよう。
気になる方は原作ライトノベル小説、アニメをご覧になってください。当然のことですが、さくら荘の管理人である千石千尋も変人です。

これぞ青春！

『さくら荘のペットな彼女』ほど、青春を感じることのできる作品は非常に少ないです。
笑いあり涙ありの青春群像劇で綴られるストーリーで、ところどころにある高校生ならではの恋愛要素には思わず「キュン」とします。そしてこの作品一番の見どころは「天才と凡人」の関係性にあります。

天才であるが故の悩み、凡人であるが故の葛藤、誰もが感じたことのある「自分と他人との差」をこれでもかというくらい事細かに表現しています。現実味の高い作品であることから共感できる部分も多いのではないでしょうか。

青山七海

空太やましろの同級生で同じく水高に通う声優志望の一般生徒・青山七海は、2年の夏に家賃の滞納をきっかけにして「さくら荘」の住人となります。
頑張り屋の青山は、生活費と声優の養成所の費用のためにコンビニのバイトに勤しむ毎日を送っています。

親の反対を押し切って「声優になりたい」という一心で頑張る姿には思わず背中を押したくなります。
しかし年頃の女の子に変わりはありません。好意を抱いている相手ももちろんいますが、中々気持ちを伝えられない様子です。
この作品を見れば、青山に共感ができて応援したくなってしまう方もいるでしょう。

アニメ第23話「卒業式」

全24話の中で特におすすめの回が「卒業式」です。
卒業式と聞くと涙なしでは見ることの出来ない感動の名場面として語られることが多いですが、『さくら荘』の場合はその一つ上も二つ上も行きます。

まさに神回と言っても過言ではないほど、内容の濃い回です。
現実味のない展開がアニメならではと言ったところですが、どこか憧れを抱いていることも事実です。
恥ずかしくもカッコイイさくら荘メンバーの雄姿をぜひご覧になってください。

アニメでは上井草美咲と三鷹仁が水高を卒業するまでとなっています。原作のライトノベルでは、空太やましろたちが高校3年生になった後の話が描かれています。

作品タイトルで判断してはいけない『さくら荘』

ライトノベルに限った話ではありませんが、この作品に関して言えることは「作品タイトルだけで判断してはいけない」ということです。
一般的な小説作品と比べると、ライトノベルは作品タイトルが長い傾向にあります。しかしタイトルだけで判断するのは非常にもったいないです。

『さくら荘のペットな彼女』と聞くと、まともな作品ではないのではないかと思われる恐れもありますが、まずは一度ご覧になってみてください。この作品に対する評価は変わるでしょう。