人気の理由は？

2017年に行われたドラクエ11の公式アンケートで、パーティキャラを対象とした人気投票が行われました。
命の大樹崩落前、崩落後、そしてクリア後の3つにストーリーを分け、それぞれの期間で最も好きなキャラを選ぶというものでした。

その結果、カミュは崩落前が1位、崩落後が3位、クリア後が2位となりました。

どの期間も安定して高いですが、特に崩落前の人気が高いという結果が出ています。
これは、最初に仲間になったキャラであり、序盤は勇者と2人旅の期間が結構長いため最も相棒感のある時期だからと思われます。

ただ、このアンケート結果だけを見て「崩落後のカミュは人気がない」と見なすのは早計です。
むしろ3位は大健闘と言える結果なのです。

というのも、前述したように中盤のカミュは戦力的に最も影が薄い時期。
逆に崩落後で人気1位となったセーニャは性能面で大幅に強化されますし、2位のベロニカには強烈なインパクトを伴う見せ場があるため、本来なら太刀打ちできないくらいの差がついてもおかしくありません。
しかし票数は3人とも2000票台で、そこまで大きな差にはなっていません。

崩落後のカミュが一定以上の支持を得た理由は、彼が見せた弱さと妹への想いにあると考えられます。

命の大樹崩壊後、勇者一行は散り散りになってしまい、ようやく再会したカミュは崩壊時のショックによって記憶喪失になっています。

この時のカミュは素の彼であると思われますが、普段の飄々としつつも威風堂々とした兄貴肌な姿からは程遠い、気弱で頼りない人物になっていました。
つまり、本来の彼は決して強くはなく、むしろ弱い人間だったと思われます。
マヤと共に過酷な環境下で生き抜くためには、強くならざるを得なかったのでしょう。

その生き様、そして弱さを見せたことで、それまでのカミュへのイメージが大きく変わったユーザーはかなり多かったのではないでしょうか。

そしてその後、マヤは置き去りにされたことに対する負の感情につけこまれ魔王の手に落ちてしまい、六軍王キラゴルドとなってしまいます。
道中カミュは記憶を取り戻し、マヤを助けるため、そして贖罪を果たすため、勇者一行と共に彼女の元へ向かい、悲壮な決意で妹と戦うこととなったのです。

戦闘後、カミュは自分を犠牲にしてでもマヤを呪いから解放するため、暴走する呪いを自ら被り、今度は彼が黄金化してしまいます。
しかしこの呪いは「持ち主の欲望を増幅させる呪い」で、黄金化は持ち主が黄金（お宝）を求めていたことが原因。
マヤが「カミュが黄金の像になってしまうのなら黄金なんてもういらない」と心から思ったことで呪いは解け、カミュも無事元に戻りました。

この一連のストーリー、そしてカミュが見せた弱さ、男気、そして生き様が、彼の人気に火を点けたと思われます。
特にポイントとなったのは「弱さ」の部分ですね。
イケメンが見せる弱さにキュンとなる女性は多く、これによって彼の人気は不動のものとなったのでしょう。

なお、クリア後の2位は前述の通り、終盤になって最強アタッカーになることが判明したことが大きいと思われます。
中盤にやや失速するも、最後に盛り返して誰よりも頼りになる存在として勇者の隣に立つ……まさにロマンの塊です。
『ダイの大冒険』のポップも同じような道を歩み、多くの読者に支持されました。

序盤は勇者の相棒として活躍し、戦力的に厳しい中盤はストーリーと内面で魅せ、終盤は攻撃力で圧倒する。
それぞれの時期で異なる魅力を発揮したことが、カミュの人気に繋がったのではないでしょうか。

まとめ

ブーメラン使いのキャラってなんとなく序盤活躍して終盤火力不足で使い辛くなるイメージでしたけど、カミュは逆に終盤ブーメランでも超絶ダメージを与えられる意外なキャラでしたね。
その他にも、勇者っぽい外見なのに実際には盗賊、性格も生意気そうで実は良いヤツ……など、いろんなギャップ萌えを抱えた人物なので、人気が出るのも納得です。
兄妹揃ってモンスターズの主役に抜擢されるのも当然ですね！