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9

Jan

【荒ぶる季節の乙女どもよ。】岡田麿里原作のアニメは「女子高生の性と青春」群像劇 #荒乙

出展 : Amazon.co.jp

テレビアニメ化が発表された別冊少年マガジン連載『荒ぶる季節の乙女どもよ。』についてピックアップ!
数々のヒットアニメを手がけ、監督デビューも果たした脚本家・岡田麿里さんが原作を務める本作の内容や情報をまとめました!

「えすいばつ」に振り回される陰キャ乙女たちの物語

『荒ぶる季節の乙女どもよ。』は、別冊少年マガジンで連載されているマンガ作品です。
原作を岡田麿里さん、作画を絵本奈央さんがそれぞれ担当。
絵本さんは2015年にテレビアニメ化もされた人気作『それでも僕は君が好き』の作画も手がけています。

本作の主題は「女子高生の性と青春」
小野寺和紗(おのでら かずさ)をはじめとした文芸部の女子たちが、純文学の作品内における性描写をきっかけに「性」を意識し始め、それぞれ思い悩む姿が描かれている物語です。
文芸部の女子全員にスポットを当てており、それぞれの立場で“えすいばつ(文芸部におけるセックスの隠語)”に振り回される青春群像劇となっています。

その文芸部員の中で特に「性」の匂いがしない和紗は、周囲からは「地味子」と見なされている特徴のない女の子。
彼女は性を意識したことで、幼なじみとの関係に思い悩むことになります。

和紗の幼なじみである典元泉(のりもと いずみ)は、子供の頃は無邪気で背の低い男の子でしたが、中学に上がる頃にはイケメンに成長し女子にモテモテ。
そのため、泉と親しい和紗は彼に好意を寄せる女子たちから妬まれてしまい、肩身の狭い中学校生活を送ることになってしまいます。
そのような理由もあり、和紗は泉と次第に距離を置くようになり、高校生になってからもやや疎遠気味のようです。

本作では、そんな2人の関係性が性にまつわるトラブルによって大きく変化します。

和紗とは対照的に、文芸部随一の美人で「掃き溜めに鶴」と言われている菅原新菜(すがわら にいな)は、何を考えているのかわからないミステリアス女子です。
そんな彼女が“死ぬ前にしたいこと”「セックス」と回答したことで、文芸部の性に対する意識が劇的に変化します。
彼女は過去に地元の児童劇団「そよかぜ」に所属しており、その時に指導を受けた演出家との関係が人格形成に影響を及ぼしたようです。

文芸部の部長・曾根崎り香(そねざき りか)は性に対し潔癖で堅物な性格の“お局様”的ポジションのメガネ女子。
クラス内で女子が話す性的なトピックに対しても過剰に反応し、教室では浮いた存在になっているようです。
そんな彼女ですが、クラスメイトの男子・天城(あまぎ)に容姿を褒められたことで、異性に対する考え方が一変します。

二つ縛りのお下げ髪が特徴の“もーちん”こと須藤百々子(すどう ももこ)は、和紗の親友であり一番の理解者です。
そんな彼女は、予備校で小学生時代の同級生と再会し、デートすることに。
お調子者でどこかズレている彼の言動に「きめえ」と感じた百々子は、次第に「男子」という存在そのものに冷めていきます

そして、「セックスを知らないで文学は語れない…」と怪しげに呟く本郷ひと葉(ほんごう ひとは)は出版社に小説を持ち込む物書きの卵。
性描写のリアリティのなさを編集者に指摘されており、本当の性を求めて「ミロ」というハンドルネームの男性に近付きます。

この三者三様ならぬ“五者五様”の乙女たち全員が、本作の主人公です。

岡田麿里さんの真骨頂が炸裂

出展 : Amazon.co.jp

『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の物語を作っているのは、原作者である岡田麿里さんです。
アニメファンにはお馴染みのビッグネームですね。
『とらドラ!』『黒執事』『花咲くいろは』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがっているんだ。』など、数々の大ヒット作を手がけてきた売れっ子脚本家です。

そんな岡田さんの真骨頂と言えば、『true tears』や『凪のあすから』などのようなドロドロ恋愛&青春劇
両思いの恋愛よりも、片思いや一方的な好意をメインに描いた恋愛作品を数多く手がけており、特にオリジナルアニメで全話の脚本を岡田さんが手がけたあの花は非常に高い評価を得ています。

また、シビアな現実を目の当りにした人々の感情の爆発やぶつかり合い、そして大切な人のため必死に足掻き懸命に生きる人たちの姿をドラマティックに描写し、大きな感動を生むストーリーを得意としている脚本家でもあります。
とらドラやあの花はその代表的な作品ですが、初監督作品である『さよならの朝に約束の花をかざろう』もその面が色濃く出た作品です。
その一方で、倒錯した性を描いた『こどものじかん』をはじめ、フェティシズムの描写で真価を発揮してきた方でもあります。

『荒ぶる季節の乙女どもよ。』では、そういった岡田さんらしさが全面展開されています。
女性の性に対する考え方や捉え方を女性の視点から書いたお話なので、生々しさは相当なものです。

その反面、一つの視点ではなく性格の異なる文芸部5人それぞれの“荒ぶる季節”が描かれているので、偏った描写にはなっていません。
日常アニメのような癒やしはありませんが、重すぎる訳でもなく、起伏に富んだ展開もあり、エンターテイメントとして楽しめるストーリーになっています。
だからこそ、アニメ化するほどの人気作になったのでしょう。

岡田麿里脚本の作品が好きなアニメファンであれば、かなりの確率でハマれる作品だと思います。

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