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【隠れた名作アニメ、イヴの時間の魅力】

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出典 : (c)2007-2018 Yasuhiro Yoshiura : スタジオリッカ

『イヴの時間』とは吉浦 康裕監督の近未来SF映画です。
2008年8月頃からインターネットにて1話15分のショートフィルムが順次公開されていき、全6話構成のアニメとなっています。
後に6話をまとめた追加カットの入った劇場版アニメが公開。
東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門受賞作品、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査員推薦作品に選ばれるなど、輝かしい功績を挙げています。

内容はアンドロイドの普及した近未来を舞台に、年頃の少年向坂 リクオが風変わりな喫茶店“イヴの時間”を通して、アンドロイドや自身のアイデンティティーに向き合っていくといったもの。
あくまでアンドロイドと人間の共存をテーマにしているので、ロボットと人間の戦いや派手なアクションなどはありませんが、胸が内側から熱くなってくるような感動や、小さく微笑んでしまうようなコメディはあり、何度でも視聴したくなるような魅力で溢れている作品です。

今回はそんなアニメ映画の隠れた傑作、イヴの時間の解説と作品の見所をご紹介していきます。

あらすじ

未来、多分日本。“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。
外見的に人と差異のないアンドロイドは、一目でそれと分かるように、頭上に自身のステータスを示すリングを表示する義務を課せられていた。
元ピアノ少年の向坂 リクオは、家事手伝いのアンドロイド「サミィ」の行動ログから、彼女が命令にない「イヴの時間」なる場所への訪問を行っていたことを知る。
リクオは友人のマサキと共にGPSを辿り、路地裏に立地するイヴの時間へと足を運ぶ。
しかし、何処となく怪しげな雰囲気に足を伸ばすことを躊躇してしまう。
そんな2人をかき分け、1人のアンドロイドがイヴの時間へと入っていく。2人は意を決して店内に足を踏み入れる。
そこは、ありふれた喫茶店だった。“当店内では人とロボットの区別をしません”と書かれたブラックボードがあることを除いて。
そこでリクオは、先ほどのアンドロイドがリングを外してくつろいでいるところを目撃してしまう。

【見所】

・個性豊かな登場キャラクター

・・年頃の少年、向坂 リクオ

この作品の主人公にして、視聴者の目となるキャラクターです。

サミィを家族として大事に思いつつ、自身は異常者ではないと自分に言い聞かせるように、あくまでアンドロイドはただの機械であると断言するマサキや姉を含めた大衆の意見に迎合しており、自分が一体どうするべきなのか確かめるかのように、人とアンドロイドの区別をつけないイヴの時間へと入り浸っていくようになります。

思春期の男子らしく、ウィンクに頬を赤らめたり、胸元の空いた服を纏った女性の谷間についつい視線を投げてしまったり、それを茶化されてムキになったりすることも度々。

・・マサキ

リクオの同級生です。本作の裏の主人公としての一面を持ち合わせています。
何事にも遠慮のないしゃべり方をするため、不良に見られがちですが、非常に頭の回転が速く、実際には特待生としての入学が認められるほどの優等生です。

リクオと比べてクレバーな面が目立ち、特にロボットに関する知識はリクオの比になりません。
あくまでロボットはロボットであり、彼らに「愛情」という感情は存在しない、人とは違うというスタンスをとっているため、イヴの時間に訪れる客やマスターのナギを貶めるような発言もしばしば。
しかし、時には人と思っていた相手がアンドロイドだったことに衝撃を受けて口をつぐんでしまうことも。

・・イヴの時間で出会う人々

喫茶店“イヴの時間”に訪れる人々です。利用客は人間だけでなく、アンドロイドもいますが、店のルールによってそれを外見から見て取ることはできません。

リクオとマサキは、マスターであるナギを初めとしてさまざまな人と交流を深めていきます。
天真爛漫で人見知りしないアキコ。全てのものに興味津々で悪戯好きのチエと穏やかな初老の男性シメイ。常に2人の世界にこもり、人目もはばからずにイチャつくコージとリナ。謎多き寡黙の男性、セトロ。

誰が人間で、誰がアンドロイドなのか。何を目的としてこの店に訪れているのか。リクオとマサキは、店に通ううちに少しずつ少しずつ彼らの持つバックボーンを知っていくことになります。

・張り巡らされた伏線

本作は非常に丁寧に作られている作品です。序盤の何でもないような発言から、口にする一杯のコーヒーや、リクオやマサキが感情を爆発させる理由に至るまで、それら全てが後に繋がる伏線となっています。

WEBアニメ版も劇場版も、総じて視聴に長くはかからない作品なので、一度見たらもう一度見直してみるのがおすすめです。一度目は何の気なしに見ていたシーンでも、見直すことで違った感想を抱くこともあるはず。

・キーワード

・・アンドロイド

科学技術の進歩によって生まれた自立思考が可能なロボットの中でも、特に人間と外見的な差異のないものを指します。人と見分けがつくように、常に頭の上に自身のステータスを記載した、ホログラムのリングを表示する義務が課せられることになりました。

イヴの時間という作品の中では、既に世の中に普及しきった存在であり、街中や学校の中などでリングをつけたアンドロイドが歩き回っていても誰も気に留めることはありません。無個性で機械的な丁寧語を話すアンドロイド達の内面が、今作の重要なテーマの一つです。

・・イヴの時間

出典 : (c)2007-2018 Yasuhiro Yoshiura : スタジオリッカ

“人とロボットを区別しない”という特殊なルールの下に運営される風変りな喫茶店です。アンドロイドはこのルールに則り、人間と同じに見えるように頭上のリングを外してくつろいでいます。

タイトルにもなっているように、この作品を象徴づける場所であり、特殊なルールの影響下でアンドロイドや人間が、アンドロイドかもしれない、人間かもしれない相手に、どのようにして接するのかが大きなポイントとなります。

・・ロボット三原則

SF作家アイザック・アシモフ氏が作品内で提唱した3つのルールのことです。この作品にロボットは、みなこの3つのルールに従って行動しています。
その内容は、
第1条“人に危害を与えない”
第2条“人に危害を与えない範囲で人の命令に従わなければならない
”第3条“2つのルールを破らない範囲で自分の身を守らなければならない”
といったもの。

イヴの時間では、この3つの原則の意外な抜け道が提示され、この抜け道によって1人の登場人物が救われることになります。

・・ドリ系

アンドロイド ホリック系の略称で、アンドロイドに精神的な依存をしてしまった人達のことを指します。
特に若者の間では蔑視される傾向にあるようで、リクオの姉やクラスメイト達の間で度々このドリ系を馬鹿にするかのような会話をするシーンを目にすることとなります。

・・倫理委員会

アンドロイドの社会進出に伴って人間の仕事が奪われることや、ドリ系が社会に蔓延していくことを危険視した人々による、反ロボット団体のことです。
前半では劇中のコマーシャルでその名前が出てくる程度ですが、とある登場人物がこの倫理委員会と密接な関係だったことが判明してから、少々風向きが変わることに。

・まとめ

感動・笑い・萌え。イヴの時間には、心を熱くさせる3つの要素が詰まっています。それも押し付けがましいものではなく、見ていて気づけば笑みがこぼれてしまうような、涙があふれてしまうような、見ていて自然と内側から感情が溢れだしてくるような、そんな魅力が詰まった作品なのです。

登場人物の心の揺れ動きを丁寧に描写した不朽の名作「イヴの時間」を未視聴の方は一度視聴してみてはいかがでしょうか。

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