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20

Nov

ツンデレを徹底検証! ツンデレヒロインはもう古い!?

ツンデレキャラ減少の原因は他にもある?

出展 : Amazon.co.jp

ツンデレキャラが減っている原因として「暴力ヒロインの需要減少」を挙げましたが、それ以外にも理由があると考えられます。
それは「ラブコメアニメの減少」です。

ラブコメというジャンルは、1970年代までは主に少女マンガの範疇でした。
当時の男子向けマンガと言えばスポ根、ハードボイルド、バトルアクションといったジャンルが圧倒的多数を占めており、恋愛マンガは蚊帳の外だったようです。

その流れを変えたのは、1980年代に大ヒットした週刊少年サンデー連載の2作品『タッチ』『うる星やつら』です。
タッチの浅倉南、うる星のラムは共に国民的ヒロインとして当時の男子から絶大な支持を得て、ラブコメブームを巻き起こします。
その後も『きまぐれオレンジロード』や『YAWARA!』などがヒットし、男性向けのマンガ雑誌でもラブコメが多数掲載されるようになりました。

そして、2000年前後を境にその流れはまた大きく変わっていきます。
「ハーレム系」の台頭です。

ハーレム系がラブコメの主流の1つになった要因は、実はアニメやマンガではなくゲーム、それもギャルゲーエロゲーといったジャンルです。

1992年に発売された『同級生』というエロゲーが当時異例の大ヒットを記録し、アンダーグラウンド界隈でちょっとした騒ぎになりました。
このヒットが背景にあったかどうかは不明ですが、その後1994年にコナミが恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』を発売し、これも大きな話題になります。
これらの“主人公の男1人に対しヒロインが複数名配置されるゲーム”「ギャルゲー」と呼ばれ、美少女がたくさん出てくるゲームジャンルとして認知されるようになったのです。

とはいえ、当時はまだあくまでゲーム業界におけるトピックに過ぎませんでした。
本格的にハーレム系が流行る直接的なきっかけになったのは、その後の『To Heart』『Kanon』といったエロゲーのヒットです。

これらのタイトルは当時のゲームとしてはかなりキャラクター設定シナリオに力が入っており、エッチなシーンを見ることが本来の目的であるはずのエロゲーでありながら「泣けた」「感動した」といった感想が飛び交うほど。
その人気を受け、アンソロジーコミックが量産されることになり、コンシューマでの発売やアニメ化が行われ、多くのマンガファンやアニメファンにとって「男1人に対し多くのヒロインが恋する作品」が身近な存在になっていきました。

そして、これらのムーブメントの影響をモロに受けたのがライトノベル業界
『To Heart』のヒット以降、ギャルゲーやエロゲーはノベル形式のアドベンチャーゲームが圧倒的多数になり、ラノベとの親和性が一気に増したのです。

このような流れもあり、ラノベにハーレム系のブームが到来。
同時にエロゲーのライターがラノベやアニメで成功するケースも見られるようになりました。

その後、『涼宮ハルヒの憂鬱』の大ヒットを契機にラノベ原作アニメが急増したことで、ハーレム系はアニメにおいても一大勢力となり、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『IS 〈インフィニット・ストラトス〉』などのヒット作を生み出しました。

しかしハーレム系は、他のジャンルの台頭によって次第に勢力を弱めていきます。
日常アニメの登場です。

日常アニメはハーレム系と同じく登場人物の大半が女性キャラですが、大きく違うのは「主人公が男性ではない」という点。
異性同士の恋愛が描かれない作品も多く、これらのアニメが人気を得たことで、ハーレム系は相対的に目立たなくなっていきます。
また、ラノベ原作アニメの主流も「小説家になろう」で人気の異世界転生ものが増えており、ハーレム系というジャンルは更に影が薄くなっていきました。(ただしハーレム要素のある異世界転生ものはそれなりに多い)

まとめると、ハーレム系の登場で主人公に恋する女性キャラが格段に増えツンデレキャラも格段に増えたものの、その後の日常アニメのブームなどによって恋愛要素の強いアニメが減り、ツンデレが減少傾向にある……ということになります。

余談ですが、日常アニメを最も多く輩出している「きらら系」は、月刊コミック電撃大王で1999~2002年に連載された『あずまんが大王』の影響を色濃く受けた雑誌です。
1990年代までの4コママンガ誌は『まんがライフ』『まんがホーム』などファミリー系の作品が主流でしたが、あずまんが大王のヒットで「キャラ萌えを軸にした作品」「起承転結やオチがなくても成立するほのぼの系」といった従来の常識を覆す新たな4コママンガ像が確立されたことで、まんがタイムきらら及びその姉妹誌が生まれたと思われます。

そのあずまんが大王の作者・あずまきよひこ先生は、当時『To Heart』を制作したLeafのファンだったことで知られ、あずまんが大王にもLeaf作品の影響が見られます。
そのため、見方によっては『To Heart』等の影響で生まれたハーレム系ブームが『To Heart』等の影響で生まれた日常アニメによって終息する……という壮大なマッチポンプだったと言えるかもしれません。

まとめ

一時期あまりにも流行りすぎて確かに食傷気味だったツンデレですけど、最近は数が減ったこともあってまた恋しくなってきました。
鬼太郎の猫娘が大人気になっているあたり、同じように思っている人が結構いるのかもしれませんね。
もっとも、あのアニメの場合は猫娘だけじゃなく鬼太郎もツンデレなので、ツンデレアニメと言っても過言ではありませんが。

ブームには周期があって、ある程度沈静化した状態が続いても、いつか再ブームが訪れる可能性は十分にあります。
2019年冬クールは『かぐや様は告らせたい』『五等分の花嫁』などツンデレ女子がいる作品が結構あるので、それらのアニメに期待しましょう!

ところでツンデレの起源に関してですが、『子連れ狼』『マッド★ブル34』などで知られ、近年はエッセイや『艦これ』のユーザーとしても有名な小池一夫先生が1971~1973年に週刊漫画アクションで連載されていた『高校生無頼控』という作品内に「おれたちにはツンツンしてるくせにあんなイモ野郎とデレデレしやがって」というセリフがあり、これが起源だという見解もあるようです。
ただ、「ツンデレ」という言葉自体が使われている訳ではないので、起源とするのは少々無理があるように思います。
それはそれとして、1970年代にこういった表現を使っていた先進性には平伏するばかりですね。

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