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20

Aug

【はたらく細胞】が夏アニメの人気作になった理由は!? 検証まとめ #はたらく細胞

イメージは「もやしもん」+「ヘタリア」

『はたらく細胞』があっという間に浸透し、人気作品となった要因の1つに「イメージとして伝わりやすい」という点があります。
この要素は、口コミで広がっていく上で極めて重要です。

作品が口コミで広がる場合、懇切丁寧なレビューも当然大きな力になりますが、より速く、より多くの人たちに広がっていくには「ピンと来るキーワード」が肝要です。
どれだけ優れた内容でも、それが伝わらなければ読みたいとまでは思わないもの。
その作品がどういう系統のお話で、どんな中身なのかを誰もが簡潔にイメージできるキーワードがあれば、スムーズに広がりやすいのです。

例えば「このマンガは面白い」「このマンガは切ない」といった漠然とした説明だけでは中身をイメージするのは困難ですが、「この百合マンガは面白い」「この青春マンガは切ない」となるだけで、自分の好みの範疇かどうかが大分絞られてきます。
それは「百合」や「青春」がアニメやマンガの世界でジャンル化されていて、どんな感じの内容なのかがある程度テンプレ化されているからです。
実際にはそのテンプレとは異なるケースも多々ありますが、少なくとも「こんな感じの作品なのかなあ」とイメージすることはできます。

イメージができると、それを確認したくなるのが人の性。
一気に「読んでみよう」というモチベーションがアップします。

『はたらく細胞』を簡潔に紹介する場合、大抵の人は「細胞を擬人化したマンガ」と説明するでしょう。
もしアニメやマンガについてあまり知らない人がこう紹介されたら、全然ピンと来ないかもしれません。
ですが、逆にアニメやマンガに詳しい人であれば、「細胞」「擬人化」のキーワードだけでなんとなくイメージできるだけの土壌があるはずです。

「細胞」を扱った有名な作品は決して多くありませんが、細胞に近いニュアンスを持った「菌」であれば、あの作品に思い至る人は多いでしょう。
そう、『もやしもん』です。

2004年~2014年にイブニングおよび月刊モーニングtwoで連載され、二度のアニメ化を果たした大ヒット作。
この『もやしもん』は、主人公が普通は見えない菌やウイルスを目視できる特異体質の持ち主で、作中でも様々な菌がキャラクター化されています。
同じく肉眼では見ることのできない細胞をキャラクター化している共通点から、なんとなく「『もやしもん』っぽいお話かな?」と思い至る人は少なからずいたのではないでしょうか。

そしてもう一つ「擬人化」に関しては、過去に数多の作品が存在しているので逆にイメージし辛い点もありますが、見えない物を擬人化した作品として『ヘタリア Axis Powers』を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
『ヘタリア』は国を擬人化し、その国の文化や一般的な国民性をキャラクターに反映させて人気を博した作品。
そのため、『ヘタリア』を知っている人ならば「『ヘタリア』みたいに細胞の特徴を反映させたマンガかな?」とイメージしやすかったと推察されます。

こういった土壌があったことで、『はたらく細胞』はスムーズに作品の嗜好性とマッチした読者の元へ届けられたのではないでしょうか。

進研ゼミのマンガ部っぽい「タメになって面白い作品」

擬人化作品の多くは、擬人化の対象となったものに関する知識や特徴、歴史などを作中で描写しています
それはキャラクターデザインに反映させる場合もあれば、ストーリーや解説という形で盛り込む場合もあります。

『はたらく細胞』も例外ではありません。
本作には「赤血球」「白血球(好中球)」「血小板」「マクロファージ」「好酸球」など数多くの細胞を擬人化したキャラが登場しますが、それぞれ実際の細胞の性質に由来する性格であることが垣間見えます。
例えばウイルスや細菌を駆逐する白血球はバーサーカーばりの好戦的な性格ですし、抗原との接触経験がないナイーブT細胞は非常に気弱です。

一方、擬人化モノとしてはやや珍しいのが、「各個体がはっきりと個別化されていない」という点です。

細胞の性質上、本作には赤血球や白血球(好中球)が複数登場しますが、それぞれ独自の名前がある訳ではありません。
同種の細胞同士では識別番号や「先輩」など、異種の細胞の場合は「赤血球」「白血球さん」のような普通名詞で呼び合っています

また、作中ではたびたび細胞や体内に起こる現象の解説が行われます。
アニメでは能登麻美子(のと まみこ)さんがナレーションを担当していますね。

このような設定なので、本作はキャラクターに重きを置いた通常の擬人化マンガというより、教材マンガのような印象を受けます。
教材マンガと言えば、多くの人が学生時代に一度は目にした「進研ゼミのマンガ」を思い出すのではないでしょうか。

この進研ゼミのマンガ、主題は一応「進研ゼミの講座を受けるとテストで良い点取れるからみんな受けようよ!」なのですが、より親しみやすくするためかツッコミどころ満載のシュールなシーンが数多く存在しています。
一方、『はたらく細胞』はツッコミどころこそほぼないものの、人間にとってはなんてことのない擦り傷が大災害として描かれるなど、細胞の視点ならではのギャップがシュール感を生み出し、進研ゼミのマンガにちょっと近い空気感を作っています。
過去に進研ゼミのマンガを読んでいた人にとっては、懐かしくもあり親しみやすいさを感じることでしょう。

これも、本作が人気を得た理由の一つかもしれませんね。

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