21Apr

『ヘボット!』というアニメをご存知でしょうか?『ヘボット!』は2017年に放送された子供向けアニメ。しかしパロディの多さや難解なストーリーが要因で、一部の大人からもコアな人気を集めています。
この記事では『ヘボット!』の概要や魅力をご紹介。
- ストーリー・世界観について考察したい
- 多種多様な可愛いキャラクターを眺めていたい
- 演技力の高い声優の活躍が見たい
こんな望みを持つ、アニメ好きのあなたにおすすめです!
『ヘボット!』とは?
『ヘボット!』とは、2016年9月から2017年9月にかけて、朝7時に放送されていたコメディ兼SFアニメです。
製作しているのはBNピクチャーズ。そのため『ガンダム』シリーズなどと同様に、おもちゃの販売を前提としてつくられたアニメになっています。
残念ながら玩具そのものの売り上げはあまり良くなかったようですが、一部のファンから熱狂的な人気を獲得しました。
あらすじ
主人公ネジル・ネジールとその相棒のロボット、ヘボットが、王位継承のために不思議なネジ・「ボキャネジ」を集めていく、というのが表向きのストーリー。
『ポケットモンスター』における「ポケモン」が「ボキャネジ」に置き換わったもの、と考えるとよいでしょう。雰囲気としては『ボボボーボ・ボーボボ』のようなギャグもので、息つく暇なくネタが炸裂していきます。
しかし話が進むにつれて、もう一つの側面があらわに。それが、「世界の崩壊を防ぐために、何度もやり直す」というループものとしての側面。ループものなので、話が進むと未来、あるいは過去のネジル・ヘボットを名乗る存在も登場します。
スタッフ・キャスト
『ヘボット!』を製作した主なスタッフ・キャストの方々、および代表作は以下の通りです(敬称略)。
スタッフ
- 監督:石平信司(『7つの美徳』など)
- シリーズ構成: 冨岡 淳広(『ポケットモンスター XY』など)
- キャラクターデザイン: 佐野 聡彦(『フェアリーテイル(2期)』など)
キャスト
- ヘボット: 井澤 詩織(『メイドインアビス』ナナチ役など)
- ネジル・ネジール: 田村 奈央(『ワールドトリガー』雨取千佳役など)
- ネジ王:井上和彦(『美味しんぼ』山岡士郎役など)
『ヘボット!』のここが面白い!
『ヘボット!』のどこが面白いのか?ここでは特に面白い点を厳選してご紹介します。
ツイッターのような話の展開
作品全体としても、そして1話単体としても、『ヘボット!』のストーリー展開は独特です。軸となる話の流れに、唐突に関係のないキャラクター、セリフ、意味不明なシーンが「これでもか!」と挟まれ続けます。
話の展開のしかたは、アニメ『ポプテピピック』の第一話を想像していただけるとわかりやすいかもしれません。30分という放送時間の中に、本筋や無関係なノイズが投げ込まれていく。まさにツイッターのタイムラインを流し見しているような気分になれます。
その情報量の多さは、「脳が溶ける」「脳を守れ」などのパワーワードが生まれるほど。膨大な情報が流れていく現代社会を俯瞰できるアニメ、それが『ヘボット!』です。
キャラが可愛い
『ヘボット!』には、数多くのキャラクターが登場します。もちろんヒロインなどの女性キャラクターもたくさん。バラエティーが豊富でかつ魅力的です。
ここではその中からメインにあたるキャラクターを紹介しましょう。
ボキャ美(CV:新井里美さん)
ヘボットを愛するロボット。本体が人間型のオーバーボディーを操作している、という設定。
コスプレが多く、警察官、『キャッツ・アイ』のようなピッチリスーツ、また設定を生かしてドリルタンクやUFO形態もある変幻自在のヒロインです。
性格は自意識過剰な小悪魔娘。ヘボットを振り向かせるためならなんでもする!という勢いの良さが魅力的な少女です。
CVは『とある科学の超電磁砲』で白井黒子役を演じた新井里美さん。起伏が激しくかつ独特な声なので、聞けば聞くほど惹かれていきます。
カスリーナ( CV:尾崎真実さん)
正ヒロインの座を虎視眈々に狙う少女。金髪ツインテールとホットパンツが特徴的な、見た目だけなら正ヒロイン感バリバリのキャラクターです。しかし実際は脇役。そこがまたいいんですけどね。
ヘボット!ヒロインの中でも変顔が多く、第一印象とのギャップがすごいです。
ネジ柳ユーコ(CV:藤井ゆきよさん)
貞子のような見た目の大人なお姉さん。ストレートな黒髪が特徴的な、正統派美人キャラです。スタッフ・視聴者の人気を得て準レギュラーとなりました。
あまり変顔しないのと、かつ大人ならではの包容力が魅力的です。
ナグリ・ドツーキ(CV:能登麻美子さん)
腹筋、経産婦、そして腕としても使える髪の毛!属性盛り盛りの、主人公の母です。
美しい筋肉が好きで、「上腕二頭筋!」など筋肉の部位を言いながら格闘したりします。大人しい声が印象的な能登さんの、「オラオラオラ!」という野太い声が聞ける希少なキャラクターです。
パロディが多い
パロディがとにかく多い、それも『ヘボット!』の魅力です。同じくパロディ満載の作品だと『ポプテピピック』が挙げられますが、パロディの量はそれに勝るとも劣らないほど。名作映画『遊星からの物体X』からソシャゲの『FGO』まで、作品を通して幅広いパロデイネタが展開される。
中でも最もパロディが多いのが、第21話「時をバグるピコピコ」。本編約20分という時間の中で、『スーパーマリオ』から『有野課長』まで、ゲームネタを中心に約80個のパロディが披露されました。
また本人ネタが多いのも、特徴の一つです。例えば井上和彦さんが『美味しんぼ』山岡士郎のパロディキャラを演じるなど。
『ヘボット!』をきっかけにして、往年のゲームや映画を知る、という楽しみ方もできるでしょう。
兼ね役が多い。
登場キャラクターや放送期間の長さからか、子供向けアニメは兼ね役が多い、という傾向があります。『ヘボット』はそれにしても、兼ね役が多いです。単純なキャラの多さでいうと、井上和彦さんが10役ほどのキャラクターを演じられました。
また第49話『さよならヘボット』では、1周目のヘボット、今の周回のヘボットなど、5種類のヘボットを井澤さんが熱演されました。もちろん同じヘボットではあるのですが、語尾や声色などでしっかりと演じ分けがされています。
兼ね役の多さから声優の演技力を感じとられるのも『ヘボット!』の魅力です。
気になる評判は?
『ヘボット!』はコアな人気を誇った作品です。まずおもちゃが主体のアニメですが、残念ながらおもちゃそのものの売れ行きは決してよくはありませんでした。それは放送中なのにメインアイテムが半額以下で売られてしまったほど。
しかし、大人からのアニメ人気はすこぶる高かった。そのファンの熱意が証明されたのが、DVDBOXの販売プロジェクト、「プロジェクトH」です。
プロジェクトHでは、当初300個予約されればDVDBOXの販売が決定、そして3000個以上予約されれば、DVDBOXのおまけとしてBDBOXが付属する、という『ヘボット!』らしいぶっ飛んだ企画でした。そして結果は6000個以上。目標の倍以上の売り上げを記録したわけです。
またスタッフからの評判も高評価。DVDBOXに付属した冊子には、こんなに楽しい現場ははじめてだった、といったコメントが複数見られました。
そして何より、今でも地味に『ヘボット!』の活動は続いています。例えば放送後に応援上映が決定、石平監督がツイッターに二次創作を投稿する、など。最終話で二次創作を公認したことから、有志による二次創作も見られます。
見よう!ヘボット!
『ヘボット!』の概要や魅力をお伝えしてきました。『ヘボット!』は人を選ぶアニメです。しかしハマる人なら、その魅力の虜になってしまうでしょう。
「子供向けだから」と見ず嫌いになるのではなく、試しに1話、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
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